Public Health Nursing Education
Online ISSN : 2433-6890
Committee Activity Reports
Public Health Nursing Education Committee Activity Report (Special Project)
Public Health Nursing Education Committee
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2020 Volume 4 Issue 1 Pages 55-56

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I. はじめに

看護基礎教育検討委員会の第1回目が2018年4月に開催され,その後,保健師を含め各職種のワーキンググループの会議が順次開催され,2019年9月30日に最終となる第10回目の看護基礎教育検討会が終了した.看護基礎教育検討会報告書(厚生労働省,2019)が提出されたが,最終的に保健師助産師看護師学校養成所指定規則(以下,指定規則)の改正として,保健師学校養成所の教育内容としての総単位が 28(25)単位から 31(28)単位へと3単位増加にとどまり,実習単位は現状維持であった.一方,文部科学省においては,指定規則にて規定されている看護基礎教育に関する,教育内容の見直しとそれを大学等に適用する際の課題等について検討する場として,2019年5月に「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会(2019)」の第1回が開催され,昨年12月に「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会 第一次報告」(大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会,2019)が提示された.3月に第7回が行われて終了となる予定だが,現在は看護学実習ガイドラインの検討が行われている.

全国保健師教育機関協議会は2017 年度に,厚生労働省医政局看護課の看護職員確保対策特別事業「保健師学校養成所における基礎教育に関する検討」の委託を受け,保健師基礎教育に関する調査(以下,保健師基礎教育調査)を実施した(全国保健師教育機関協議会,2018).本委員会の目的は,保健師基礎教育調査の結果やこれまでの委員会が調査結果等をもとに蓄積した活動成果を根拠に,質の高い保健師育成のために,保健師基礎教育における教育内容・方法や教育体制のあるべき姿を検討し,看護基礎教育検討会等で協議会として,今後の保健師教育改善に貢献することである.

II. 活動内容

保健師基礎教育調査(全国保健師教育機関協議会,2018)の結果,これまで実施した会員校への調査結果,各委員会の成果報告書等から,卒業時の到達度,教育内容・方法,教育体制の現状の分析を行い,「看護基礎教育検討会」および「保健師ワーキング」,「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」での検討の根拠となるよう情報提供した.また本年度は,全国保健師長会の協力を得て,自治体の統括的な役割を担う保健師に「新任保健師の実践状況調査」を実施し,会員校に対しても,「保健師基礎教育における実習体験に関する会員校調査」を実施した.保健師ワーキングでは一部その結果を示し,発言の根拠とした.

本協議会は質の高い保健師教育のために上乗せ教育を推進しており,2022年度入学生から適用になる新カリキュラムの検討を進める教育機関に参考になるよう,専攻科や大学院に課程変更する教育機関への情報提供も必要であると考えている.まずは大学院化を検討している教育機関が,その移行がスムーズにできるよう,大学院のカリキュラムモデルを提案するための検討会として,(標準的)大学院カリキュラムモデル検討ワーキングを立ち上げ,昨年10月に第1回を開催した.ワーキングの成果については,6月の総会および夏季研修会で報告する予定である.

III. おわりに

保健師基礎教育検討委員会は特別プロジェクトであり,2年間の活動をここで終了するが,今後は本協議会の各委員会で,質の高い保健師育成のための基礎教育の検討を継続していく予定である.

IV. 謝辞

今年度の緊急調査にご協力いただきました全国保健師長会の保健師の皆様および会員校の皆様に,心より感謝申し上げます.

文献
  • 大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会(2019):文部科学省大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会 第一次報告 大学における看護系人材養成の充実に向けた保健師助産師看護師学校養成所指定規則の適用に関する課題と対応策,https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_igaku-000003663_1.pdf(検索日:2020年2月11日)
  • 厚生労働省医政局看護課(2019):看護基礎教育検討会報告書,https://www.mhlw.go.jp/content/10805000/000557411.pdf(検索日:2020年2月11日)
  • 全国保健師教育機関協議会(2018):平成29年度厚生労働省医政局看護課看護職員確保対策特別事業,保健師学校養成所における基礎教育に関する調査報告書,http://www.zenhokyo.jp/work/doc/h30-kisokyouiku-chousa.pdf(検索日:2020年2月11日)
Biographies

担当:岸恵美子(東邦大学)

五十嵐千代(東京工科大学)

和泉京子(武庫川女子大学大学院)

大木幸子(杏林大学)

大森純子(東北大学大学院)

斉藤恵美子(東京都立大学)

佐伯和子(北海道大学名誉教授)

鈴木良美(東京医科大学)

坪川トモ子(新潟青陵大学)

中板育美(武蔵野大学)

中嶋寿絵(富山県立総合衛生学院)

野村美千江(愛媛県立医療技術大学)

鳩野洋子(九州大学大学院)

山口 忍(茨城県立医療大学)

 
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