2022 Volume 6 Issue 1 Pages 52-53
教育課程委員会においては,2017年度から公衆衛生看護技術の体系化に向けて取り組むとともに,その教育方法について具体例を提案してきた.これまで明らかにしてきた親子保健活動における公衆衛生看護技術を基盤に,多様な活動分野における公衆衛生看護技術を明確化し体系化することを目指し,2021年度には,高齢者保健活動における公衆衛生看護技術の明確化に取り組んだ.
さらに,「保健師教育評価の指標(改正版)全国保健師教育機関協議会版(2020)」について,会員校に周知し,保健師教育の質を高めるために各校における教育評価を推進する活動に取り組んだ.具体的内容について報告する.
これまで明らかにしてきた「親子保健活動における公衆衛生看護技術」を基盤として,今年度は,高齢者保健活動における公衆衛生看護技術について明らかにした.
その方法として,教育課程委員会メンバーで,これまで明らかにしてきた「親子保健活動における公衆衛生看護技術」を基盤に,高齢者保健活動に置き換えて考え,文献なども参考にしながら,文言を修正,必要に応じて項目を追加するなどを行った.その後,下記の協力を得て,高齢者保健活動における公衆衛生看護技術の洗練化をしている.
1)九州ブロック研修会において,高齢者保健活動における公衆衛生看護技術の検討:日時2021年11月30日(火)
2)第10回日本公衆衛生看護学会ワークショップにおける高齢者保健活動における公衆衛生看護技術の検討:日時2022年1月9日(日)
3)北海道ブロック研修会における高齢者保健活動における公衆衛生看護技術の検討:日時2022年2月22日(火)
2. 「保健師教育評価の指標(改正版)全国保健師教育機関協議会版(2020)」の普及について2020年度に「保健師教育評価の指標(改正版)全国保健師教育機関協議会版(2020)」を作成した.改正版について,各会員校にメーリングリストにて送付し周知するとともに,全国保健師教育機関協議会ホームぺージにて掲載を行った.さらに,以下の研修会を開催し,周知した.今後も保健師教育の質を向上させるために,保健師教育評価の指標を普及するとともに教育評価について考える機会を定期的に開催することが必要と考える.
1)全国保健師教育機関協議会夏季研修第一分科会において教育評価指標の普及の実施:日時2021年8月21日(土)
2)北関東・甲信越ブロック 第2回研究会における保健師教育におけるミニマム・リクワイアメンツを用いた教育評価に関する情報提供:日程2022年1月27日(木)
3. 2020年度に作成した,「保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正により重視する公衆衛生看護学教育内容について」「保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正後の看護師教育課程における地域看護論の教育内容について」の報告書の周知昨年度に作成した2つの報告書について,今年度は,下記のブロック研修会等で教育課程委員が講師を務め,普及を行った.2022年度4月から,新たなカリキュラムによる看護師,保健師の養成が開始される.各校において看護師教育養成課程における地域看護教育,保健師教育課程における公衆衛生看護教育が,いかに強化されているかを,今後評価していくことが重要と考える.
1)北海道,東北ブロック 北海道地区会議および研修会:日時2021年6月26日(土)
2)東海・近畿北ブロック,北陸・近畿南ブロック合同研修会:日時2021年9月25日(土)
3)北海道・東北ブロック 東北地区会議および情報交換会:日時:2021年12月12日(日)
2022度から新カリキュラムにおける看護師教育,保健師教育が開始される.教育課程委員会においては,質の高い看護師教育,特に地域看護教育が,上乗せされる保健師教育の質に影響していると考え,看護師教育課程における地域看護教育を充実すること,さらに保健師教育の充実を図っていくための活動を推進している.その一環として,公衆衛生看護技術の体系化も試みている.これは,先にも述べたように,保健師活動の言語化,可視化につながり,そのことが保健師教育の強化や保健師の専門性の可視化になると考える.当委員会では,皆様のご協力のもと,今後も保健師教育の充実に寄与できる活動を推進していきたい.
教育課程委員会の活動にご協力いただきました各ブロックの先生方に感謝申し上げます.
担当:岩本里織(神戸市看護大学)
大木幸子(杏林大学)
滝澤寛子(京都看護大学大学院)
松原三智子(北海道科学大学)
入野了士(愛媛県立医療技術大学)
草野恵美子(大阪医科薬科大学)
伊木智子(関西看護医療大学)
長谷川美香(福井大学)
山田小織(福岡女学院看護大学)
オブザーバー:鈴木美和(三育学院大学)