Public Health Nursing Education
Online ISSN : 2433-6890
Committee Activity Reports
Education System Committee Activity Report
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2023 Volume 7 Issue 1 Pages 54

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I. はじめに

令和4年度,本委員会は上乗せ教育(大学院,大学専攻科等)による指定規則が定める単位の読み替えなしの課程の推進策を練ることと,「保健師教育課程の質を保証する評価基準」の検証を進めることを方針として活動した.

II. 活動内容

1. 上乗せ教育課程を推進する活動

8月の夏季教員研修会分科会に「上乗せ教育課程における健康危機管理に関する教育の実際」を企画・運営した.本事業は,昨夏の健康危機管理教育緊急調査(調査対象:大学院修士課程と大学専攻科)の延長線上にあり,大学院と大学専攻科の先生方を講師に迎えて健康危機管理教育に焦点を当てた(※詳細:本冊子事業報告).分科会冒頭,本協議会健康危機管理対策委員会の調査「感染症の健康危機管理に強い保健師に求められる卒業時の到達目標」について,同委員長から概要と教育課程別結果等の報告があった.

また,今年度も「上乗せ教育を目指す会員校のオンライン交流会」を12月に開催した.本事業は上乗せ教育を推進する会員校の交流促進が主目的であり,上乗せ教育という共通目標をもつ会員校同士の交流・情報交換の場として機能するよう工夫した(※詳細:本冊子事業報告).カリキュラム改正のタイミングに合わせて上乗せ教育を目指す会員校もあることから,令和2(2020)年度より実施し,今年度が3回目である.

保健師の上乗せ教育課程は,今後も増加が見込まれる.それらの準備・実施段階は多様であり,求めるニーズも異なる.上乗せ教育推進に向け,会員校の主体的な情報収集・課題解決を促進させる委員会活動を意識する必要がある.

2. 「保健師教育課程の質を保証する評価基準」の検証

昨年度に引き続き,カリキュラム改正に対応し,かつ多様な教育課程が保健師教育体制の自己評価に活用可能な評価基準に改訂することを方針とした.

現行12基準について,昨年度には保健師教育の評価の枠組みから考えた7基準の構成案としたが,項目の詳細な検証を進めた結果,9基準案とした.また,各基準には「評価の意図」欄を新設,「備考」欄も加えて各項目の考え方や解釈などを追記した.

今後,令和5(2023)年度総会に改訂の進捗状況報告とブロック研修会における改訂案検討の依頼を行う予定である.令和6(2024)年度総会に改訂評価基準を提案,会員校対象に評価調査を計画している.これら改訂項目の最終検討や全国調査の機会を会員校につくり,上乗せ教育を推進する活動を展開する.

III. おわりに

今期委員の保健師教育課程は多様であった.このことは会員校における課程の多様さの再認識につながり,委員会のあり方を問い直す場面が多かった.情報共有・議論・事業運営を通して現状理解を深め,委員会がなすべきことを考えて活動した.理事の方々のご助言とご支援に感謝し,大学院課程の先生方のご協力に深く感謝している.今後も,上乗せ教育推進と保健師教育の体制整備に向けた活動を進めていく.今後もご支援を賜りたい.

Biographies

担当:西出りつ子(三重大学)

和泉京子(武庫川女子大学大学院)

上田 泉(札幌医科大学専攻科)

佐藤千賀子(秋田県立衛生看護学院)

金山時恵(新見公立大学)

白石知子(中部大学)

中尾理恵子(長崎大学大学院)

堀井節子(京都光華女子大学)

水谷真由美(三重大学)

 
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