Public Health Nursing Education
Online ISSN : 2433-6890
Committee Activity Reports
Curriculum Committee Activity Report
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2025 Volume 9 Issue 1 Pages 40-41

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I. はじめに

教育課程委員会では,2023年度から2024年度の2年間の活動を通して,公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリキュラム(以下,公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリとする)の改訂に向けて,委員会活動を行ったので報告する.

II. 活動結果

1. 2023年度の活動

1) 公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリキュラムの学習会の実施

委員会のメンバーおよび全保教の理事を対象に,「公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリキュラム(2017)の作成方法」について,当時委員長であった佐伯和子先生にご講演いただき,改訂の方向性などについての示唆を得た.

2) 会員集会の実施

会員校に向けた公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリ改訂の進捗・内容等を説明するために,会員集会を1回実施した.①日時:2023年11月19日(日)10~12時,②方法:オンライン開催,③内容:公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリの改訂案を周知し,2040年の社会を見据えて「どのような保健師を育てたいか/育てたい保健師像」についてグループワークを行った.④参加人数:約100名であった.

3) 教育課程委員会の会議の実施

公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリの改訂に向けて,医歯薬学教育モデル・コア・カリの改訂版を参考に,公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリ(2017)を用いて,14回の会議(Web会議10回,対面会議4回)を実施して,保健師のコンピテンシーを基盤とした内容に整理した.

2. 2024年度の活動

1) 夏季教員研修会の実施

研修委員会のご配慮のもと,夏季教員研修会の全体研修1において「公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に向けて」というタイトルで,研修会の参加者に対して改訂案の内容を説明した.①日時:2024年8月24日(土)10~12時,②方法:オンライン開催,③内容:C1~C8の各コンピテンシーの資質・能力の構成要素,具体的な能力,学修目標等を提示し,グループワークにおいて公衆衛生看護学教育に必要な内容および妥当性について検討した.⑤参加人数:研修会参加者は約150名で,その内グループワーク参加者は80名であった.

2) 会員校へのパブリックコメントの実施

公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリのパブリックコメントを,①調査期間:2024年12月19日~1月20日,②調査対象者:会員校の代表1名,③調査内容:公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリの【1】本文への意見募集と【2】第2章別冊 コアコンピテンシーごとの資質・能力・学修目標に関する妥当性と各項目に対する意見募集,④方法:Microsoft formsを用いたWEB調査で,実施した.

その結果,【1】については会員校46校(回収率19.3%),【2】については会員校39校(回収率16.0%)より回答を得た.本文における「賛同」「おおむね賛同」を合わせると,第1章の公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリの考え方(pp. 1–10)では63.0%,第2章の資質・能力,学修目標,卒業時の到達度(pp. 11–13)では84.8%,第3章の学修方略・学修評価(pp. 14–18)では89.1%であった.一方,コアコンピテンシーごとの資質能力に関する妥当性及び到達度の各項目については,「賛同」「おおむね賛同」を合わせると,90%以上(範囲94.9–100%)が妥当であると回答しており,「修正あり」の割合はわずかであった.示された意見に基づき,委員会で審議し修正を行い,2025年3月に改訂版を完成した.

3) 教育課程委員会の会議の実施

公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリ2024改訂版を作成するにあたり,21回の会議(Web会議17回,対面会議4回)を実施して,保健師のコアコンピテンシーを基盤とした内容に整理した.

4) その他の活動について

①看護学教育モデル・コア・カリキュラムを検討するうえで,公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリとの比較をしながら,保健師関連団体と共に意見集約を行った.

②看護学教育モデル・コア・カリキュラムのワーキングに参加した(委員長のみ).

③保健師の未来を拓くプロジェクトに参加した(委員長のみ).

III. まとめ

教育課程委員会では,保健師基礎教育の質の向上を図るために,2023~2024年度は公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリキュラム2024改訂版を作成した.保健師教育課程は多様であるが,将来を見据えて柔軟に対応できる能力・支援技術を有する保健師の育成が求められており,基礎教育におけるビッグデータ・疫学・保健統計等の活用,施策化・事業化等について,強化していく必要性がある.今後は,保健師教育のさらなる充実を視野にいれて,基礎教育から現任教育につなげていくうえで,現場への「公衆衛生看護学教育モデル・コア・カリキュラム」の周知や説明を行っていく必要がある.

Biographies

担当:松原三智子(北海道科学大学)

山田小織(佐賀大学)

伊木智子(関西看護医療大学)

入野了士(愛媛県立医療技術大学)

氏原将奈(淑徳大学)

草野恵美子(大阪医科薬科大学)

塩川幸子(旭川医科大学)

高橋郁子(帝京平成大学)

田場真由美(名桜大学)

萩原智代(日本赤十字東北看護大学)

オブザーバー:岩本里織(神戸市看護大学)

 
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