Public Health Nursing Education
Online ISSN : 2433-6890
Committee Activity Reports
Educational Evaluation Preparatory Committee Activity Report
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2025 Volume 9 Issue 1 Pages 46-47

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I. はじめに

2021年度に設置された教育評価準備委員会は,他の分野別評価についての調査(中山ら,2022)をはじめ,2022年度に保健師教育の質保証に関して会員校のニーズ調査を実施し(中山ら,2023),2023年度は,保健師教育の質評価の試行に向けて,全体のオンライン会議を4回実施し,2つのワーキング(評価体制の検討と評価項目の検討)に分かれて検討し,合同会議を開いて統合した.

2024年度は,6月の総会で「全保教として保健師教育の評価を行う」ことが決定されその具体化のために,2つのワーキングで引き続き検討を継続して来た.

II. 活動結果

1. 体制検討ワーキンググループ

体制ワーキングでは,主に評価実施に向けた組織図や体制図を確定することを目的として,神崎委員をリーダーとして,全3回のオンライン会議を実施した.組織図の案として,創設期と将来に分けて検討した.また,保健師教育評価にかかる規程案の検討も実施した.具体的には,(1)他の教育評価機構などの規程を参考に必要な規程について検討した.(2)総務担当理事に全保教での規程等についてご確認いただいた.(3)体制WGで検討した15の規程について,ワードファイルを作成した.(4)作成いただいた規程を保健師教育評価として修正するための内容を検討した.

規程を作成する上での課題としては,創設期においては,全保教の組織としてどの規程を委員会で作成するのかなどがあげられ,今後は理事会とも調整しながら,組織図の名称などを確認し必要な規程を作成していく予定である.

2. 評価項目検討ワーキングループ

評価項目ワーキングでは,教育評価体制委員会作成「保健師教育課程の質を保証する評価基準(2024年改訂版)」の9項目をベースとして,第10項目(当該保健師教育課程の特長と評価の総括)を追加し,自己評価ではなく保健師教育評価のための第三者評価用の規準について,西出委員をリーダーとして検討し,試案を作成した.今後は,他の分野別評価なども参考にしながら評価の手引きを作成する必要がある.

III. まとめ

次年度からは,本委員会の常設化を含めて検討されることになった.

保健師教育課程の評価を行う意味と意義としては,評価を受ける側にとっては,①自大学の保健師教育を評価してもらうことによって見直すことができる,②評価を受けて元気になる,③評価を受けた結果を公表できる,④評価を受ける過程で自己点検評価を行い,課題が明らかになる,などが挙げられる.また,評価を行う側にとっては,①自大学の教員が「評価」について造詣が深くなることによって教育の質が高まる,②評価者を出していることが自校のステータスにつながることも挙げられる.

今後に向けてなすべきこととしては,①評価の位置づけの明確化,②評価体制の構築(規程類や事務局体制の検討),③評価の実施に向けた準備(評価項目や手引き,評価者の育成等)が必要である.

今後保健師教育の評価の実施にあたり,「保健師教育とは何か」を考えながら,会員校の皆様が自分事として参画できる方策を模索し,その準備を進めていく.

謝辞

教育評価準備委員会の活動にご理解をいただきました会員校の先生方に感謝申し上げます.本委員会が用いる評価基準には,教育体制委員会が作成された「保健師教育課程の質を保証する評価基準」の改訂版を活用させていただきました.使用をご快諾いただいた教育体制委員会の皆様に感謝申し上げます.

文献
Biographies

村嶋幸代(大分県立看護科学大学)

〈評価体制WG〉

・リーダー:神崎由紀(山梨大学)

麻原きよみ(聖路加国際大学)

矢島正榮(群馬パース大学)

小野治子(大分県立看護科学大学)

〈評価項目WG〉

・リーダー:西出りつ子(名古屋学芸大学)

荒木田美香子(川崎市立看護大学)

中山直子(神奈川県立保健福祉大学)

オブザーバー:岩本里織(神戸市看護大学)

 
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