抄録
これまで放射性ヨウ素治療(RAI)に不応な転移・再発分化型甲状腺癌に対する薬物療法はドキソルビシンが治療選択肢の一つであったが,その有効性は不十分なものであった[1]。しかし,2014年にmulti-target kinase inhibitor(m-TKI)であるソラフェニブ(sorafenib:SOR)の有効性が証明され,新たな治療オプションとして日本でも使用できるようになった[2]。さらに,レンバチニブ(lenvatinib:LEN)も第Ⅲ相試験において明らかな有効性が示され[3,4],RAI不応転移・再発分化型甲状腺癌の治療オプションがさらに充実することとなった。両薬剤は第Ⅲ相試験で有効性を示した点において共通するが,その効果や有害反応のプロファイルは異なっており,臨床においてはその特徴を把握して使い分ける必要がある。また,これらの薬剤を使用することで長期生存する患者も稀ではなく,今後は長期生存を視野にいれた治療戦略が求められる。本稿では,このようなRAI不応転移・再発分化型甲状腺癌(differentiated thyroid cancer, DTC)に対する治療の現状と今後の展望について解説する。
はじめに
これまで放射性ヨウ素治療(RAI)に不応な転移・再発分化型甲状腺癌に対する薬物療法はドキソルビシンが治療選択肢の一つであったが,その有効性は不十分なものであった[1]。しかし,2014年にmulti-target kinase inhibitor(m-TKI)であるソラフェニブの有効性が証明され[2],レンバチニブも第Ⅲ相試験において明らかな有効性が示され[3,4],RAI不応転移・再発分化型甲状腺癌の治療オプションが充実することとなった。一方で,分化型甲状腺癌の進行は緩徐なことも多く,RAI不応な患者の中でも適切な治療対象の見極めが重要である。さらには,これらのm-TKIを使用することで長期生存される患者も稀ではなく,使用するm-TKIの特徴を十分に理解し,治療が患者の日常生活に与える影響も考慮した上で,中長期的な視点も含めた総合的な臨床的判断が必要となる。本稿では,RAI不応転移・再発分化型甲状腺癌(differentiated thyroid cancer, DTC)に対する治療の現状と今後の展望について解説する。
DTCに対する分子標的治療薬
DTCの予後は一般的に良好であり,外科的治療と再発リスクに応じたRAIが治療の主役である。しかし,RAI不応なDTCの10年生存割合は10%とRAI感受性のDTCの56%と比較して予後は不良であり[5],有効な薬物療法も永らく存在しなかった。そのような状況の中,m-TKIであるSORおよびLENのRAI不応分化型甲状腺癌に対する有効性が相次いでランダム化第Ⅲ相試験において示された[2,3]。SORはVEGFR-1,2,3,RET,RAF,PDGF-βを阻害することでその効果を発揮する薬剤であり,肝細胞がんや腎細胞がんにおいても有効性が示されている[6,7]。LENはVEGFR-1,2,3,FGFR-1,2,3,4,RET,KIT,PDGF-αを阻害することでその効果を発揮する薬剤であり[3,8,9],甲状腺がん以外には肝細胞がんにおいて有効性が示されている[10]。このようなm-TKIがDTCに有効である理由としては,DTCにおいてVEGFの発現と予後が相関するという報告と[11],後述するような乳頭癌(papillary thyroid carcinoma, PTC)の40%程度に認めるとされるBRAF
V600E変異に代表されるMAPキナーゼ経路の活性化や濾胞癌(follicular thyroid carcinoma, FTC)におけるRAS変異やPTEN欠失に伴うPI3K/AKT経路の活性化など,治療標的となり得る腫瘍増殖のメカニズムが存在することが挙げられる[11,12]。このため,SORやLEN以外にもDTCに対して有効性が示唆されるm-TKIが多く開発されてきた(表1)[13~20]。この中でもSORは,DECISION試験において,LENはSELECT試験においてRAI不応DTCを対象にプライマリーエンドポイントである無増悪生存期間(PFS)の有意な改善を認めた(表2)[2~4]。
DTCに対するSORおよびLENを開始する場合に考慮すべきこと
DECISION試験およびSELECT試験において,RAI不応DTCに対するSORとLENの有効性が示されたが,両試験におけるRAI不応の定義を示す(表3)。適切な前処置を行った上でRAIを行いこれらの定義を満たす場合には,予後が不良であること,治療を継続しても腫瘍の縮小が期待できないこと,そして累積投与量が600mCiを超えると二次がんの発生が増加することなどが示されている[5,21]。実際に,SLECT試験のRAI不応の定義別サブ解析においても,RAI不応の定義(表3)を満たした場合(重複あり)にはプラセボ群のPFS(中央値)は3.6~3.7カ月と予後不良であり,いずれの場合でもLENによる有意なPFS改善効果が示されている[22]。一方で,単に放射性ヨウ素取り込みがないだけであれば,10年生存割合は70%との報告[23]もあり,予後の良い患者が含まれていることに注意が必要である。このため,RAI不応の定義の重要な要素である「この約1年の間に明らかな病勢の進行を認めていること」という条件も満たしていることが,m-TKIによる治療の開始を判断する上で重要である。
さらに注意すべきことは,RAI不応転移・再発DTCの患者は,このような状況であっても必ずしも有症状ではなく通常の日常生活を送っていることも多いことである。このため,後述するような予測される副作用が患者の日常生活に与える影響,臨床的な病勢の増悪速度や腫瘍量,腫瘍による症状の程度,そして他の治療選択肢(救済手術や放射線治療(外照射)など)の有無など,いくつもの条件を考慮した上で最終的なm-TKIによる治療開始時時期を見極めるべきである。本来はこれらの治療開始時期を判断するためのバイオマーカーを確立すべきであるが,現時点で治療開始前のthyroglobulin(Tg)値などを含めて適切な効果予測因子は見出されていない[24,25]。
SORおよびLENに特徴的な有害事象
DECISION試験においてSOR群で,SELECT試験においてLEN群に認められた頻度の高い有害事象を表4に示した。SORとLENで頻度に差があるものの,手足症候群・下痢・皮疹・倦怠感・体重減少・高血圧・蛋白尿などは共通して注意すべき有害事象であり適切な対処が必要となる。
SORに特に頻度が高い手足症候群は患者の日常生活への影響も大きく,その対策は非常に重要である。尿素配合クリームの予防投与の有用性はランダム化試験で示されており[26],処方例(表5)のような対応を積極的に行うと共に,日常生活における注意点の指導も重要である。
高血圧・蛋白尿はLENに特に頻度が高く注意すべき有害事象である。高血圧と蛋白尿の両方への効果を期待して,アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)・ACE阻害薬を中心にカルシウム拮抗薬なども組み合わせた降圧薬による管理を積極的に行う[27,28]。特に,分化型甲状腺がん患者は長期に亘ってTSH抑制療法を受けている中でm-TKIによる高血圧・蛋白尿など循環・代謝機能への負荷が加わることへの長期的な影響は無視できないと考えられる[29]。蛋白尿については,VEGF阻害作用により生じる病態としては血栓性微小血管障害(thrombotic microangiopathy, TMA)や足細胞障害による微小変化型/巣状糸球体硬化症などが報告されている[30]。このため,蛋白尿はTKIの休薬により回復する可逆的な状態から不可逆的な状態に移行する可能性があり慎重な対応が求められる。特に持続的な蛋白尿が長期的には末期腎不全のリスクを上昇させることは知られており[31],m-TKIの適切な休薬や減量およびリスクの低い薬剤への変更なども含めて考慮すべきである。
m-TKIによる出血については,m-TKIであるSORとsunitinib(SUN)を用いた23の臨床試験(甲状腺がんの2試験含む)のメタ解析が報告されている。このメタ解析においては,SORおよびSUNによる出血は,All grade 16.7%, Grade 3以上 2.4%でありrelative risk 2.0と出血リスクを有意に上昇させることが報告されている[32]。また,甲状腺がんに対するm-TKIを使用した後方視的解析(N=140)では,気道浸潤・低分化癌・放射線外照射歴などが出血リスクとして挙げられており[33],LENの適正使用情報(2016年7月)にも同様のリスク因子に加えて腫瘍の皮膚浸潤などに注意すべきと報告されている。このため,上記のようなリスク因子を有する甲状腺がん患者には,他の治療選択肢も十分に考慮した上で,m-TKIの適否を慎重に判断すべきである。
m-TKIによる治療を開始すれば適切な副作用管理を行いつつ可能な限り適切な治療強度を維持して長期間継続する工夫も必要となる。十分な支持療法を行えなければ不十分な治療となり,結果として期待される効果が得られなければ,患者にとっては辛いだけの治療になり得る。以上のことから,これからの甲状腺がんの診療は,甲状腺外科医・耳鼻科医・放射線科医・腫瘍内科医・看護師・薬剤師などで構成される多職種診療チームでの対応が必須といえる。
甲状腺がんにおける今後の治療開発について
DTCにおいては,腫瘍の発生・増殖・進行に関わると考えられるような遺伝子異常がいくつか知られている
(表6)[34,35]。RET/PTC rearrangement, BRAF遺伝子変異, NTRK(neurotrophic receptor-tyrosine kinase)rearrangement, RAS遺伝子変異, PPAR-γ rearrangement, TP53遺伝子変異, TERT promoter 遺伝子変異などがそれにあたる。このような遺伝子異常は,PTCにおけるMAP kinase pathwayの活性化やFTCにおけるRAS変異やPTEN欠失に伴うPI3K/AKT経路の活性化など,治療標的となり得る腫瘍増殖のメカニズムと関係しているともいえる[11,12]。しかし,現時点でRAI不応DTCに有効性を示しているSORやLENの主な標的はVEGFRであり,上記のような遺伝子異常を直接的に標的とする分子標的薬の報告は少ない。ただし,BRAF
V600E遺伝子変異を有するPTCについてはいくつかの報告がある。Vemurafenib(VEM)については,MD Anderson Cancer Centerのoff label experienceにおいて,15例中7例(47%)にPRが得られている[36]。さらには,RAI不応かつBRAF
V600E遺伝子変異を有するPTCに対するVEMの第Ⅱ相試験では,m-TKIによる前治療歴のない患者(N=26)の奏効割合39%,前治療歴のある患者(N=22)の奏効割合27%と報告されている[37]。同じBRAF阻害薬のdabrafenibのPhase I試験に登録されたBRAF
V600E遺伝子変異を有するPTCおいても9例中3例(33%)のPRを得られており[38],BRAF
V600E遺伝子変異を有するPTCに対するBRAF阻害薬の有効性が示唆されている。また,RAI不応DTCに対してMEK阻害薬のselumetinibやBRAF阻害薬のdabrafenibを投与することで放射性ヨウ素取り込みを回復させる試みも検討されている[39,40]。これが実現すれば,分子標的薬を長期間内服する必要がなくなるため非常に重要な研究といえる。
おわりに
本稿で解説したような分子標的薬の特徴を理解して適正かつ安全に使用するには,がん薬物療法に関して十分な知識と経験を有する医師が中心となり施設での多職種診療体制の整備を行うことが必須である。また,日本甲状腺外科学会・日本内分泌外科学会・日本甲状腺学会・日本頭頸部外科学会・日本臨床腫瘍学会が構築した甲状腺癌診療連携プログラム( http://www.jsmo.or.jp/thyroid-chemo/)を基礎に,これからも各分野のスペシャリストが協力して円滑に診療が行える連携体制をさらに充実させることで,より良い治療が甲状腺がん患者さんに届けられることを期待したい。
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