2017 Volume 34 Issue 4 Pages 233
「内分泌外科専門医」は日本専門医機構において2015年5月に未承認領域に認定されたのみで,サブスペシャルティ領域の認定に関してはヒアリングまちの状態であった。しかし,2016年6月に新専門医制度の1年先送りが決まり,日本専門医機構も再編成となった。その混乱の中,サブスペシャルティ領域に関することは据え置きの状況が続いた。
2016年11月に新しい日本専門医機構における新整備指針が発表されサブスペシャルティ領域に関しても重要な決定がなされた。一つはサブスペシャルティ領域の研修は,プログラム制でもカリキュラム制でも可となったこと,基本領域とサブスペシャルティ領域の連動研修が可能になったことである。
これを受けて2016年12月21日に外科関連専門医制度委員会・日本外科学会専門医制度委員会が開催され具体的な作業が進められることになった。その際,外科のサブスペシャルティ領域は消化器外科,小児外科,呼吸器外科,心臓血管外科の4領域に加え,乳腺領域と内分泌外科領域を加えた6領域とすることが再確認された。
内分泌外科専門医は外科と泌尿器科,耳鼻咽喉科の3基本領域にまたがる形の専門医であるため,各領域のコンセンサスを要すると判断,2017年1月9日に日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会専門医制度の臨時委員会を開催,各領域のすり合わせを行った。日本泌尿器科学会はすでに内分泌外科専門医を泌尿器科専門医のサブスペシャルティ領域として認めることは理事会で承認済み,日本耳鼻咽喉科学会でも話が進んでおり,翌2月に正式に承認された。
これにより,「内分泌外科専門医」は日本外科学会,日本泌尿器科学会,日本耳鼻咽喉科学会すべてからサブスペシャルティ領域として承認を受けさらに前進した。
ただし,各基盤学会ともプログラム内容,年数,規定ともに異なり,今後の課題は各領域の事情に合わせ,共通のもの,領域別のものをカリキュラム制のもと作成していかなくてはならない。また今後の専門医更新も含め機構の提唱する新専門医制度の要件に合わせたセミナー等も考えなくてはいけない。そのため,今回は各領域(耳鼻咽喉科,泌尿器科,外科)代表の先生方とセミナーご担当者からご寄稿いただいた(泌尿器科はまだ具体的な決定事項がないため,次の機会にお願いすることになった)。