2019 Volume 36 Issue 2 Pages 63
昨年10月25~26日に横浜において,今回で最後となる第51回日本甲状腺外科学会学術集会を盛会裏に主催することができた。ひとえに,座長,講演者の皆様をはじめとし,参加頂いた全ての先生方,協力をくださった企業の皆様のご支援によるものであり,誌面をかりて深謝申し上げる。
甲状腺外科治療後の重篤な合併症としては,「後出血」「両側反回神経麻痺」「低カルシウム血症に伴うテタニー症状」などが挙げられ,いずれも生命の危機を伴う可能性がある。充分な経験を積んだ専門医の指導の下に認定施設における安全な手術が行われることが必須条件であるが,未だ,その条件に満たさない施設での極めて遺憾な事例も報告されている。
本学会ではシンポジウム2として伊藤病院 杉野先生,昭和大横浜市北部病院 福島先生に座長の労を執って頂いたものである。経験豊富な5施設より講演を頂き,昭和大学横浜市北部病院 福島先生,北里大学 新井先生,伊藤病院 北川先生,鳥取大学 庄川先生,隈病院 新田先生から講演内容に基づいて執筆して頂いた。専門病院と大学病院における違いやチーム医療としての様々な試みが成されており,今後の診療にとって有益な情報となることを期待している。