2022 Volume 39 Issue 4 Pages 225-227
2022年より日本内分泌外科学会の総会は年1回になったので,診療レベルを向上させて良い医療を提供するために,本学会では各地域に地方会・研究会を整備・設立することを立案して,支部会・地方会準備委員会を設けた。そこで,2022年3月に全会員を対象として内分泌外科学に関する発表が可能な地方会・研究会の実態調査をWEBで実施したところ,97件の地方会・研究会の報告があった。複数科の学会員で開催されている地方会は少ないことが分かったので,今後地方会を創設する場合は,複数科の会員が参加できることが求められる。しかしながら,参加者数や運営費用などを考えると,新たな地方会を設立して継続することは非常に困難である。そこで次の3つのことを提案する。1)既存の地方会を認定して発展させる。2)本学会主催で地方会をWEBで開催する。3)学会ホームページに地方会の情報を掲載する。
2022年より日本内分泌外科学会の総会は年1回になったので,それに伴い発表・討論する機会が減ることを日本内分泌外科学会理事会として危惧している。そこで,各地域での内分泌外科に関する地方会・研究会を盛んにするため,基盤学会での内分泌外科の存在を高めるため,そして本学会の専門医申請・更新の際の評価の対象にするために,内分泌外科学に関する発表が可能な地方会・研究会の創設を立案した。そこで,先ずは地方会・研究会の実態調査を2022年3月に会員を対象としてWEBで実施したので,その結果を解析して,今後の取り組みを検討した。
2022年3月に会員を対象として内分泌外科学に関する発表が可能な地方会・研究会の実態調査をWEBで実施した。アンケートの調査項目は,地方会・研究会の名称,開催地域,開催頻度,抄録の有無,参加者の所属科,参加者数,基盤学会のポイントの有無とした。製薬会社,医療器機会社主催の研究会は除外したが,後援は可能とした。その結果,全部で185件の回答があったが,重複した研究会や全国規模の研究会などを除外したところ,全部で97件の地方会・研究会の報告があった。専門医申請時などに業績と認められるためには抄録が必要であるが,抄録があるものは61件で,抄録がないものが36件であった(図1)。抄録がある研究会を参加者の所属科別でみると,外科のみ20件,頭頸部外科のみ14件,泌尿器科のみ18件,外科・頭頸部外科6件,外科・頭頸部外科・泌尿器科3件で,複数科で開催されている研究会は少数であった(図2)。基盤学会の関連の有無で分けると,関連あるものが55件で,関連ないものが42件であった(図3)。基盤学会と関連がない地方会・研究会42件を所属科別でみると,外科のみ8件,頭頸部外科のみ9件,泌尿器科のみ6件,外科・頭頸部外科14件,外科・泌尿器科1件,外科・頭頸部外科・泌尿器科4件であった(図4)。

抄録の有無(97件)

抄録がある地方会:関連科別件数(61件)

基盤学会関連の有無(97件)

基盤学会非関連地方会:関連科別件数(42件)
基盤学会の関連の有無で分けると,関連あるものが55件で,関連ないものが42件であったが(図3),日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は地方部会が,また日本泌尿器科学会は地方会が全国的に整備されており,それぞれの基盤学会のホームページでは地方会の開催が案内されている。外科の地方会は,例えば北海道外科学会や近畿外科学会などがあるが,それぞれで運営されており,日本外科学会のホームページには掲載されていない。日本臨床外科学会では都道府県支部を設けているが,それぞれの支部会の開催状況はホームページには掲載されていない。これらの地方会では発表内容も消化器外科に関するものだけの場合もみられ,内分泌外科医が発表する機会は非常に限られている。日本乳癌学会は地方会を開催しており,ホームページに情報を掲載している。
基盤学会の地方会に他の学会の会員が参加することは困難であるので,基盤学会と関連がない地方会・研究会を発展させることが良いかと思われる。基盤学会と関連がない地方会・研究会42件を所属科別でみると,複数科で開催されている研究会は19件で半数以下であった(図4)。
本学会は複数科の会員が参加しており横断的に疾患を検討するのが特徴であるので,地方会も同様に複数科が参加できることも求められる。しかしながら,新たな地方会を設立して継続することは,参加者数,運営費用などを考えると,非常に困難である。そこで,現実的対応としては,1)既存の地方会・研究会の認定と2)地方会のWEB開催を提案する。
1)既存の地方会・研究会の認定既存の地方会・研究会の開催状況などを精査したうえで,本学会で認定して発展させることを提案する。抄録がない研究会は抄録の導入が必須である。しかしながら,基盤学会関連の地方会・研究会ではこれらの変更は困難と思われる。これらの作業は専門医制度委員会と協力して準備を進める。
地方会の1例を挙げると,「神戸甲状腺研究会」があり,地域における甲状腺疾患診療のEBM・標準化・質的向上と若手医師の教育と育成の機会を設ける目的で昭和56年に設立されて2022年9月には第115回の研究会が開催された。内科,外科,頭頸部外科など毎回40から50名の医師が参加しており,発表・討議が活発に行われている。ホームページも設けられており,会員に登録すれば過去の抄録も見ることができる。このような研究会は認定されることにより,さらに活性化され診療レベルの向上に有用であると考える。
2)地方会のWEB開催学会や研究会はWEBで開催される機会が増えたが,本学会主催で全国をいくつかの地方に分けた研究会をWEB開催することを提案する。今後,将来検討委員会と協力して開催の準備を進める予定である。甲状腺癌では,外科治療・放射線治療などに加えて,分子標的薬治療も導入されるようになっているが,これらの治療適応の判断などに困ることがある。認定施設でも専門医が1人の施設も多いが,自分ひとりで判断するのではなく,他の医師の意見も聞いてみることも必要である。そこで,先ずは,治療に困った症例などを提示していただき,1症例あたり15から20分程度で,合計1時間程度(合計3から4演題)で開始することを考えている。抄録は本学会のホームページに掲載して紙での発行は行わない。申し込みや受付方法など運営の詳細は今後検討するが,2022年秋から順次開始することを目指している。
さらに,本学会のホームページにこれらの地方会の情報を集約して公表するために,ホームページ管理・広報委員会と協力して改善する予定である。
日本内分泌外科学会の支部会・地方会準備委員会の取り組みについて報告した。今後さらに議論を進めながら地方会・研究会の準備を進める予定である。
本論文の要旨は第34回日本内分泌外科学会総会(2022年6月,つくば市)において発表した。