債券投資家は,市場環境の変化を見据えてポートフォリオの入れ替えを行う.市場参加者全体のポートフォリオ構成の先行きを考察する上で,QUICK月次調査が示すデュレーションのスタンスに関する情報は有用である.デュレーションとは債券価格の金利感応度を示す指標であり,投資家がデュレーションを伸ばすとは,一般に金利変動リスクを積極的に取り,より長い残存期間の債券への投資を増やすことを意味する.そのため,長期債や超長期債の需給動向を展望する上でも,市場参加者のデュレーションのスタンスは重要な役割を果たす.本研究では,債券市場参加者のデュレーション見通し情報の,日本国債利回り予測における有効性を統計的に確認した.併せて,フォワードレートや市場参加者の利回り見通しとの比較を通じて,デュレーション見通し情報の,利回り予測における有効性を示した.さらに,デュレーション見通し情報を特徴量として機械学習モデルに組み込むことで,利回り予測の精度が向上することを確認した.これらを通じて,本研究では日本国債利回り予測における債券市場参加者のデュレーション見通し情報の有効性を明らかにした.
日本の国債市場では,銀行,保険会社,年金基金といった機関投資家等が多くの国債を保有しており,その運用スタンスは国債の需給構造や利回り形成に大きな影響を及ぼしている.とりわけ,各投資主体が選好するデュレーション(債券価格の金利感応度)は,市場環境や負債構造,規制対応などの要因に応じて変化し,長期債および超長期債の需要に直接的な影響を与える.実際,本研究で分析対象とした1994年以降,日本経済は長期にわたる低成長やデフレ構造を背景とした低金利環境,ソルベンシー規制の強化,さらには日銀の量的・質的金融緩和やYCC(イールドカーブコントロール)の導入などを受けて,機関投資家の平均デュレーションは明確に長期化してきた.
このデュレーションの長期化は,長期・超長期国債の需要増加を通じて,長期金利の低下圧力として作用する.とりわけ生命保険会社や年金基金は,将来の保険金支払いや年金給付に対応するため,ALM(資産負債総合管理)の観点から積極的に長期債を組み入れる傾向が強く,これがイールドカーブの長期・超長期ゾーンに特有のフラット化圧力をもたらしてきた.
本研究では,こうした投資家のデュレーション選好の変化が国債利回りの先行きに及ぼす影響を実証的に検証することを目的とする.具体的には,QUICK社が毎月,日本の債券市場参加者を対象に実施しているアンケート調査“QUICK月次調査<債券>”[QUICK 24]における,市場参加者のデュレーション見通し(現在のデュレーションおよび当面のデュレーション)に着目し,その差(デュレーション変化)を指標として,日本の長期金利(10年債利回り)を対象とした利回りの先行き変化に対する予測力を確認した.また,フォワードレートや市場参加者の利回り予想との比較を通じて,デュレーション見通し情報の有効性を示した.
さらに,デュレーション見通し情報を特徴量として機械学習モデル(ランダムフォレスト,LightGBM,XGBoost,SVR)に組み込み,従来の金利ヒストリカル情報や市場予想,フォワードレート情報と比較しながら,予測精度の向上を検証した.加えてSHAP値による説明変数の寄与分析を通じて,デュレーション見通し情報がモデル予測に与える影響を可視化した.
国債市場における金利の期間構造(イールドカーブ)や,将来の市場予測は,理論・実証の両面から様々な研究が行われている.古典的には,短期金利モデルとして[Vasicek 1977]や[Cox 1985],さらにイールドカーブ全体の動態を記述した[HJM 1992]が挙げられる.また,フォワードレートやイールドスプレッドの将来の市場予測力を実証的に検証した研究として[Fama 1984]や[Campbell 1991]があり,これらはフォワードプレミアムのバイアスや期待仮説との関係を示している.加えて,[Duffee 2002]はアフィンモデルを用いてタームプレミアムと利回り予測の関係を示している.
イールドカーブの形状を近似的に表現するアプローチとしては[Nelson 1987]によるNelson-Siegelモデルが知られている.同モデルは,その簡便性が高く評価される一方で,関数型の制約を受けやすい側面もある.こうした課題に対し,[Diebold 2006]はNelson-Siegelを時系列的に拡張したモデルを提案し,動的にイールドカーブを捉えるフレームワークを確立した.さらに[Christensen 2011]は無裁定条件を満たすアフィン型のNelson-Siegelモデルを構築している.また,[Suimon 2020]はオートエンコーダを用いて柔軟な3ファクターモデルを構築し,日本国債のイールドカーブを効果的に表現するとともに,それに基づくトレーディング戦略を提案している.
また,機械学習を活用したイールドカーブモデルの研究としては,[水門 2018]はニューラルネットワークを含む各種モデルを用いつつ,水準・傾き・曲率の3つの主要なファクターを特徴量として取り入れることで日本の長期金利予測の精度を改善させるモデルを構築した.その際,モデル間の比較も併せて行い,LSTMモデルの有効性を確認した.また[Suimon 2019]は日米のイールドカーブや為替情報を組み込んだ機械学習ベースの予測モデルの構築を通じて,海外市場情報の特徴量の有効性を示した.他にも,時系列モデル・確率金利モデルを用いて日本の国債利回りを予測した[島井・牧本 2019]の研究も挙げられる.他市場の例としては,[Weng 2021]がLSTMとVARを組み合わせたハイブリッドモデルによって利回り予測の精度を向上させており,[Gu 2020]および[Zhang 2022]は米国国債市場を対象にツリーベースの機械学習を適用し,高精度なイールドカーブ予測を実現している.
さらに,中央銀行の非伝統的政策と債券市場の需給構造の変化を分析した研究として,[Gagnon 2011]や[Greenwood 2014]がある.これらは中央銀行の国債買入れがタームプレミアムを低下させ,市場参加者のポートフォリオ選好(特に長期債需要)に直接影響を与えることを示しており,本研究で扱う機関投資家のデュレーション見通し情報の重要性を裏付ける実証的背景となっている.
加えて,本研究で扱う機械学習に関する技術としては,LightGBM[Ke 2017]やXGBoost[Chen 2016]は金融時系列を含む多様なデータ予測における代表的な勾配ブースティング手法として広く活用されており,モデル解釈の観点では[Lundberg 2017]によるSHAPがブラックボックスモデルの透明性を確保する手法として大きな役割を果たしている.
債券投資家は,市場環境の変化を見据えてポートフォリオの入れ替えを行う.市場参加者全体のポートフォリオ構成の先行きを考察する上で, QUICK社が毎月,日本の債券市場参加者を対象に実施しているアンケート調査“QUICK月次調査<債券>”[QUICK 24]は有用である.本研究では,中でも,QUICK月次調査におけるデュレーションのスタンスに関する情報に着目する.デュレーションとは債券価格の金利感応度を示す指標であり,投資家がデュレーションを伸ばすとは,一般に金利変動リスクを積極的に取り,より長い残存期間の債券への投資を増やすことを意味する.そのため,長期債や超長期債の需給動向を展望する上でも,市場参加者のデュレーションのスタンスは重要な役割を果たす.図1に機関投資家の主体別の平均デュレーションの推移を掲載した.これを見ると,銀行・信託銀行の保有ポジションのデュレーションの長さは,比較的,短中期のものとなっている.いわゆる商業銀行のビジネスは,預金など短期負債を多く抱えることから,資産側の国債も比較的短いものを選択していることが窺えよう.また,金利リスク管理の観点からも,長めのデュレーションは負担が増すことから,超長期債を選好していないことも見て取れる.
一方で,図1をみると,保険会社(生命保険・損害保険)は,長期デュレーションを好んでいることも分かる.これは,生命保険契約など長期の負債(将来の保険金の支払い)に対応するため,資産側も長期・超長期の国債でデュレーションを合わせる ALM(Asset Liability Management:資産負債総合管理)の考え方が背景にあると想像される.特に,図1のデュレーションの長さを踏まえると,特に生命保険会社は超長期(20年超)国債を大量に保有していることが分かる.同様に,年金基金についても,保有ポジションのデュレーションは,安定的に長期のものとなっている.これは,将来の年金給付に備えて長期運用を行うことから,超長期国債等への投資を通じた運用がなされていることが窺える.

このように,投資主体別のデュレーション情報を通じて,選好する国債の年限の特長が確認できる.このことは,各年限の国債の需給を考える上で大変有用であり,またそれらの需給動向を左右する投資家のデュレーションに対するスタンスを把握しておくことは,国債市場の動向を予測する上で重要であろう.
この点を踏まえて,図2に1997年と2024年の両時点における,投資主体別の平均デュレーションの値を掲載した.これを見ると,日本の国債市場における各機関投資家の平均デュレーションは明確に長期化していることが分かる.これには,日本経済・金融市場の構造変化,規制環境の進化,そして各機関投資家の運用スタンスの変容が密接に関係している.
まず最大の背景として,日本の国債市場が長期にわたり低金利環境に置かれたことが挙げられる.1990年代後半,日本の10年国債利回りは2%台後半から3%程度と現在より大幅に高い水準にあり,銀行や保険会社は比較的短いデュレーションでも十分な運用利回りを確保できた.さらに当時の金利は,基調的には低下トレンドにあったため(1998年の「資金運用部ショック[大蔵省資金運用部の国債買入れの減額発表に端を発した,市場の需給悪化に伴うショック]」や,2003年の「VaRショック[金融機関のリスク管理手法であるValue at Riskが,価格下落時の売りを誘発したショック]」といった当時を代表する一時的な金利上昇はあったものの),機関投資家は金利低下局面において,基本的には価格上昇(キャピタルゲイン)の恩恵をこうむることができた.
一方で,その後は,長期にわたる低金利環境において,運用利回り確保が大きな課題となっていった.低金利が定着していく中で,将来さらに金利が低下するかもしれないリスク(再投資リスク)を強く意識するようになり,特に生命保険会社や年金基金など長期の負債を抱える投資家は,できるだけ早期に長期金利を固定化する必要に迫られた.このため,資産のデュレーションを長期化させ,負債のデュレーションと合わせるALMの重要性が飛躍的に増した.
加えて,日銀による長期国債の積極的な買い入れ(2013年の量的・質的金融緩和,2016年のイールドカーブ・コントロールといった新たな金融緩和政策の導入)を通じて中期・長期金利が極めて低位に抑え込まれたことにより,超長期金利の水準が相対的に高くなるという,イールドカーブのスティープ化が進んだ結果,より長い年限の利回りが相対的に魅力を持つ場面(相対的に金利水準が高くなる場面)が多くなった.こうした環境下で,機関投資家は一層長い年限の国債を選好する傾向が強まったことから,平均デュレーションはさらに長期化していった.
このように,1997年と比べて2024年において機関投資家の平均デュレーションが長期化した背景には,長引く低金利環境のもとで将来の再投資リスクを抑える必要性,資産負債のデュレーションマッチングを強く要求する規制の強化,さらに金融政策や市場構造の変化が重層的に影響している.結果として,日本の国債市場では銀行,保険,年金を中心に各機関投資家が従来以上に長期債を組み入れる構造が定着し,平均デュレーションは歴史的に見ても長期化した状態にある.

長期化の続いていた機関投資家の平均デュレーションだが,一本調子で長期化してきたわけではない.投資家のデュレーションの長期化のスタンスを把握する上で重要なのが,QUICK債券月次調査における,「現在のデュレーション」と「当面のデュレーション」の回答結果である(本回答結果は,デュレーションに関するスタンスを表す指数値であり,デュレーションの年限自体を表しているわけではない.具体的には,「現在のデュレーション」は,『現在のデュレーションは通常の基準と比べてどのようになっていますか』という質問についての,5段階の回答『100(かなり長い),75(やや長い),50(ほぼ基準通り),25(やや短い),0(かなり短い)』に基づいて,回答者の平均値を指数化している.同様に,「当面のデュレーション」は,『債券のデュレーションについて,当面どのようなスタンスで臨むお考えですか』という質問についての,5段階の回答『100(かなり長くする),75(やや長くする),50(現状を維持する),25(やや短くする),0(かなり短くする)』に基づいて,回答者の平均値を指数化している。
図3にはこれらの時系列を示すとともに,「当面のデュレーション」から「現在のデュレーション」を引いたスプレッド(以下,「デュレーション変化」)を併せて掲載した.「デュレーション変化」は,現在の基準を軸とした場合の,当面のデュレーションの相対的な伸長姿勢と解釈できる.これを見ると,局面によってはデュレーション長期化の姿勢が継続する一方で,一進一退を繰り返しながら徐々に長期化してきた経緯が確認できる.

投資家がポートフォリオのデュレーションを長期化させる場合,その行動は長期債および超長期債への需要を直接的に増加させることになる.債券市場においては,債券価格と利回りは逆の関係にあり,投資家による長期債への需要が高まると,その価格は上昇し,結果として利回りには低下圧力が加わる.特に日本のように国債市場の規模が大きく,かつ機関投資家による運用行動が市場価格に与える影響が大きい場合,投資家全体がデュレーションを長期化させる動きを強めると,長期・超長期ゾーンの需給バランスは大きく引き締まり,利回りの低下が顕著になる傾向がある.
加えて,生命保険会社や年金基金など負債の期間構造が長期にわたる投資主体は,資産と負債のデュレーションを整合させるために長期債への投資を一段と拡大するインセンティブが存在するとみられる.こうしたALM(資産負債総合管理)上の要請に基づくデュレーション長期化の動きが市場全体で強まると,長期債の需給は逼迫し,イールドカーブの長期ゾーンにフラット化の圧力がかかる.
このように,投資家のデュレーション長期化は長期・超長期国債の価格を押し上げることで,利回りに持続的な低下圧力を及ぼす.したがって,デュレーション選好の変化は国債市場の利回り形成における重要なメカニズムの一つであり,その動向を分析することは金融市場の構造を理解する上で不可欠である.

前節では,投資家のデュレーション長期化のスタンスが債券利回り,特に長期債の利回りに低下圧力を及ぼすという仮説について説明した.本節ではこの仮説を検証するに先立ち,図5に年限別の債券利回りの推移と,投資家のデュレーション長期化スタンスを示す指標として,「当面のデュレーション」から「現在のデュレーション」を引いたスプレッド(以下,デュレーション変化)を示す.これをみると,利回りが高水準で推移していた時期,低下局面,低水準での横ばい期,そして足元の上昇局面といった複数の市場局面が確認できる.これらの異なる局面の存在を踏まえ,以下では投資家のデュレーション長期化スタンスが国債利回りの予測に有効であるかを数理的に検証する.

以下では,国債利回りの先行き変化の予測において,デュレーションのスタンス情報の有効性を回帰分析に基づいて検証する.具体的には,デュレーション変化(「当面のデュレーション」から「現在のデュレーション」を引いたスプレッド)を説明変数として,各年限の先行きの利回り変化を被説明変数とした単回帰分析を行う.サンプル期間はQUICK月次調査<債券>のデータが存在する1996年7月から2025年4月までとし,利回り変化はBloombergより取得した月次の利回りデータに基づいて算出したものを用いる.
被説明変数とする国債利回りの年限及び,先行きの利回り変化の予測期間のリストを表1に示した.また,各回帰分析の結果(回帰係数やp値等)も図中に併せて掲載した.これによると,10年債利回りや20年債利回りの,回帰係数の統計的有意性が示されている.またこれらの回帰係数の符号はマイナスとなっている.
各国債利回り変化予測におけるデュレーション変化情報の説明変数としての有効性
| 国債年限 | 予測期間 | 切片 | 切片p値 | 回帰係数 | 回帰係数p値 | 決定係数(R2) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 5年 | 1カ月先 | -0.001 | 0.936 | -0.002 | 0.262 | 0.004 |
| 5年 | 2カ月先 | 0.000 | 0.993 | -0.003 | 0.171 | 0.006 |
| 5年 | 3カ月先 | 0.001 | 0.968 | -0.004 | 0.094 | 0.008 |
| 10年 | 1カ月先 | 0.002 | 0.841 | -0.003 | 0.047 * | 0.012 |
| 10年 | 2カ月先 | 0.004 | 0.733 | -0.007 | 0.009 ** | 0.020 |
| 10年 | 3カ月先 | 0.006 | 0.682 | -0.010 | 0.002 ** | 0.028 |
| 20年 | 1カ月先 | 0.005 | 0.567 | -0.005 | 0.019 * | 0.016 |
| 20年 | 2カ月先 | 0.009 | 0.476 | -0.008 | 0.004 ** | 0.024 |
| 20年 | 3カ月先 | 0.014 | 0.381 | -0.013 | 0.001 *** | 0.035 |
本分析は,前節で述べた通り,投資家が当面のデュレーションを長期化させる姿勢を示した場合,実際の長期債・超長期債の購入を通じて,長期・超長期の金利(10 年債利回りや20 年債利回り)に低下圧力がかかるという仮説を検証するものである.10年債利回りや20年債利回りの,回帰係数の統計的有意性が示され,かつこれらの回帰係数の符号はマイナスとなったことは,仮説に沿った結果と言えよう.さらに,今回注目した「当面のデュレーション」の「当面」がどの程度先を示すかは,QUICK調査のアンケートにおいて定義付けられていないため,本回帰分析では,どの程度先の利回り変化と関係があるかを確認するために,1カ月先から3カ月先までの利回りの変化との関係を確認した.結果,10年債利回りと20年債利回りの2-3カ月程度までの利回り変化幅との関係において,回帰係数の統計的有意性が確認できた.これらのことから,長期債,超長期債の利回りの先行き変化予測において,デュレーションのスタンス情報の有効性が窺える.
この結果を踏まえて,図6では,デュレーション変化(「当面のデュレーション」から「現在のデュレーション」を引いたスプレッド)と10年債利回りの3カ月変化との関係をプロットした.また,表1に示した回帰分析において,マイナスの回帰係数の有意性が確認されていた点を踏まえて,図5内では期間別の単回帰式を示した.いずれも係数がマイナスとなっていることが確認できる.特に,デュレーション変化が5以上の場合,利回り変化方向に対する正答率は64.9%,デュレーション変化が10以上の場合は正答率が71.5%となっており,デュレーションのスタンスが顕著に変化する局面では予測精度が高いことが分かる.一方で,デュレーションスタンスの変化が小さい局面では方向が必ずしも一致しない例も多く,線形モデルでは捉えきれない非線形的な関係が存在する可能性が示唆される.この点を踏まえ,次章では非線形な関係性を捉えるための機械学習ベースの回帰モデルを構築する.

本研究では機関投資家のデュレーションスタンス情報の国債利回り予測における有効性を論じているが,本節では,利回りの先行き予測を考えるにあたり,Bloombergより取得したフォワードレート,およびQUICK月次調査に基づく市場予想利回りの,予測における有効性を検証するとともに,これらとデュレーションスタンス情報の予測力を比較する.図7には,フォワードレートおよびQUICK市場予想利回りとスポットレートの推移を示した.

まず,フォワードレート(3カ月フォワードの10年債利回り)が,現時点のスポットレート(10年債利回り)を上回る水準で推移していることが確認できる.この関係は,金利の期間構造に関する理論によって整理できる.期待仮説の枠組みでは,フォワードレートは将来のスポットレートに対する市場の期待を無裁定条件のもとで反映したものであり,将来の金利上昇が見込まれる場合には,フォワードレートは現在のスポットレートを上回る水準で形成される.また,一般に金利の期間構造の理論では,投資家が長期債を保有することに伴う価格変動リスクを考慮し,タームプレミアムがフォワードレートに反映される.この場合,将来のスポットレートに対する期待が大きく変化しない局面であっても,フォワードレートがスポットレートを上回ることがあり得る.したがって,3カ月フォワードの10年債利回りがスポットレートを上回る傾向は,金利の期間構造に関する理論の枠組みの中で理解することができる.
また,QUICK調査による3カ月先の市場予想利回りについても,概ねスポットレートより高い水準にあるものの,時には逆転する局面も見られる.これは調査回答者の相場観が反映された情報であると言えよう.
これらを踏まえ,表2ではフォワードレート,QUICK市場予想利回り,デュレーション変化(「当面のデュレーション」から「現在のデュレーション」を引いたスプレッド)の各情報と,実際の10年債利回り(長期金利)の3カ月後の変化方向との整合性を検証した.具体的には,フォワードレートは3カ月フォワードの10年債利回り,QUICK市場予想は3カ月先の10年債利回りの平均予測値とし,それぞれのスポットレートとの差分の符号と,実際の10年債利回りの3か月後の変化幅の符号との一致率を確認した.デュレーション変化については,値がプラス(マイナス)の場合に先行き利回りが低下(上昇)すると解釈し,符号の一致率を確認した.
表2に示す通り,全期間を通じた一致率はいずれの指標も高いとはいえず,特にデュレーション変化については,前節で指摘したように特徴的な動きが見られない局面では方向が一致しない場合が多く,全体の一致率は52.5%にとどまった.それでも,市場予想やフォワードレートよりは高い一致率を示している.
一方で,金利の変動局面別にみるとその差は顕著である.具体的には,金利低下局面ではデュレーション変化による予測の一致率が65.9%と相対的に高く,逆に金利上昇局面ではその有効性は低下する.また,市場予想やフォワードレートは金利上昇時の一致率が極めて低く,市場予想は15.6%,フォワードレートは0%にとどまった.
「3カ月市場予測」と「デュレーション変化」がともに,QUICK月次調査に基づくものであるにも関わらず,両者が示唆する金利の先行き方向が一致していない点は興味深い.この点については,いくつかの理由が考えられる.
まず,「3カ月市場予測」は,直接的に将来の長期金利の予測を尋ねたものである一方,「デュレーション変化」はあくまで保有ポジションのデュレーションの方針を尋ねたものである.そのため,仮に長期金利の先行きを横ばいと想定していた場合でも,低金利環境下におけるポートフォリオリバランスの方針に基づいて,超長期債の投資を増やす投資家がいた場合,実際の超長期債の購入を経て,超長期金利・長期金利に低下圧力が生じる経路が考えられる.
また,「3カ月市場予測」と「デュレーション変化」は,ともにQUICK月次調査の平均回答値である.一方で,「デュレーション変化」は,図2が示す通り,生損保や年金が主導するところが大きく,それら以外の主体(銀行等)が「デュレーション変化」の回答(平均値)に与えた影響は相対的に小さい.そのため,回答者の特性の違いが,「3カ月市場予測」と「デュレーション変化」の示唆する結果の違いをもたらしている可能性はあるだろう.
さらに,図7が示す通り,「3カ月市場予測」は「3カ月先フォワードレート」と類似する傾向が見て取れる.回答者が「3カ月市場予測」の値を入力する際に「3カ月先フォワードレート」の値を参照している場合,タームプレミアムが反映された値が入力されることから,「3カ月市場予測」には上方バイアスがかかり得ると言えよう.
| 対象期間 | 3カ月市場予測 | 3カ月フォワードレート | デュレーション変化 |
|---|---|---|---|
| 全期間 | 43.4% | 43.4% | 52.5% |
| 金利低下時 | 15.6% | 0.0% | 65.9% |
| 金利上昇時 | 61.7% | 77.2% | 27.5% |
このように,デュレーション変化と利回り変化の関係には非対称性が存在し,単純な線形モデルでは十分に説明できない非線形的な特性が示唆される.加えて,3.2節で示した通り,保有ポジションの先行きのデュレーション見通しに対する市場参加者のスタンスが顕著に変化する局面においては,その後の利回り予測の方向性の的中精度が高まるという非線形性も確認されていた.
次章ではこれらの点を踏まえ,市場参加者は織り込む情報と,先行きの利回り変化の間にある非線形な関係を捉えるため機械学習ベースの回帰モデルの構築を試みる.
前章までは,デュレーション変化(デュレーションスタンス)と先行きの債券利回り変化の関係について,主に線形モデルを用いて,情報の有効性を確認してきた.特に,3.2節で構築した線形の回帰モデルにおいては,デュレーション変化を説明変数として用いた場合の回帰係数の統計的有意性を示した.一方で,3章で追加的に行った複数の予備実験の結果から,デュレーション変化と先行きの利回り変化の間には,線形モデルでは捉えられない非線形な特徴が存在していることも窺えた.
本章では,これまでの議論を踏まえ,非線形モデルにおけるデュレーションスタンス等の情報の特徴量としての有効性を検証する.具体的には,投資家のデュレーション長期化スタンスの情報を用いた日本の長期金利(10年債利回り)の予測モデルを構築する際に,デュレーションスタンス等の情報を特徴量として加えるか否かによって,予測精度がどの程度変化するかを検証することで,同情報の有効性を確認する.分析には,Bloombergにてフォワードレートの取得が可能な2000年1月から2024年12月までの各種月次データを用いる.予測対象(被説明変数)は10年債利回りの先行き3カ月の変化とし,説明変数として以下の5種類の特徴量セットを設定する.
Set1は投資時点における市場の状況を表す金利モメンタム情報(過去1・2・3カ月前からの3種類の金利変化情報)のみを用いるベースラインである.このように,過去の複数時点から直近までの資産価格のリターンや変化を,モメンタム情報として,同時にモデルの特徴量として用いる方法は、金融市場予測の研究において広く用いられている([Gu 2020],[Uddin 2021]など).次に,Set2では金利モメンタム情報に加えて本研究で注目するデュレーション変化(「当面のデュレーション」から「現在のデュレーション」を引いたスプレッド)を組み入れる.Set3はQUICK調査に基づくの3カ月先の市場予想利回り,Set4はフォワードレート(3カ月フォワードの10年債利回り)をそれぞれ追加したものであり,Set5はデュレーション変化とQUICK市場予想の両方を含む.
なお,ここで扱う予測タスクは,各投資時点での市場参加者のアンケート調査の回答情報や市場状況といった特徴量から先行きの金利の動きを予測する,いわゆるクロスセクション予測の枠組みとなる.そのためモデルの構築の際には,LSTMやVARといった時系列データの連続性を扱うモデルではなく,クロスセクションの予測タスクを多時点で行うことを目的として,線形回帰,ランダムフォレスト,LightGBM [Ke 2017],非線形サポートベクターマシン(ガウシアンカーネル),XGBoost [Chen 2016]に基づく計算コストの低い回帰モデルを用いる.これらのモデルの詳細は巻末の補論に示す.モデルの学習手順は図8に示す通り,2年間を学習期間としたローリング推計を採用する.具体的には,各年末までのデータでモデルを学習し,翌1年間についてアウトオブサンプル予測を行う.その後,年末時点で再度モデルを学習・更新し,これを繰り返すことでモデル性能の検証を行う.

本節では,4.1節で構築した各学習モデルを用い,日本の長期金利(10年債利回り)の3カ月先予測モデルの精度を検証する.分析には,2000年1月から2024年12月までの月次データを用い,予測対象(被説明変数)は,10年債利回りの先行き3カ月変化とする.
なお,分析対象期間には金利の低下局面と上昇局面が含まれる.また,3章では,デュレーション情報に対して金利変化が「上昇局面と低下局面で異なる反応を示す」という非対称性の存在を確認した(表2).これらを踏まえ,本節では金利局面別にモデル性能を評価する.具体的には,予測対象である10年債利回りの先行き3カ月変化が0%pt未満の場合を金利低下局面,0%pt以上の場合を金利上昇局面として分類する.


図9には,5種類の特徴量セット(Set1〜Set5)で学習した各モデルについて,局面別の予測精度をRMSE(Root Mean Square Error:二乗平均平方根誤差)で示す.また,RMSEは外れ値の影響を受けやすく,評価が歪む可能性がある.そこで図10では,予測された金利変化の符号(方向性)の正答率も併せて確認する.
まず金利低下局面に着目すると,図9および図10の左図が示す通り,LightGBM,SVR,XGBoostといった非線形モデルでは,QUICK調査に基づくデュレーション変化の情報(Set2,Set5)を組み込むことで,モメンタム情報のみ(Set1)に比べてRMSEが低下し,方向性正答率も向上する傾向が確認できる.すなわち,非線形モデルにおいては,デュレーション情報の追加が予測精度の改善に寄与している。
一方,線形回帰モデル(Linear Regression)では,過去の金利変化のみからなる単純な特徴量(Set1)が最も高い精度を示し,追加的に特徴量を加えても性能が必ずしも改善しなかった.これは,線形モデルでは過剰な説明変数の追加がノイズとして作用し得ること,あるいは線形仮定の下ではデュレーション情報の有効部分を十分に取り込みきれない可能性を示唆する.
さらに金利低下局面におけるモデル間の比較では,SVRにおいてデュレーション変化情報を追加したSet2が,最も低いRMSEと最も高い方向性正答率を示し,最良の予測性能となった.また,デュレーション変化に加えて市場予想も併せて用いるSet5も同程度に高い性能を示した(ただし,市場予想のみを追加したSet3の性能は,Set2,Set5の結果に劣ることから,Set5における精度改善の主因はデュレーション変化情報にある可能性が高い).これらは,投資家行動(デュレーションの調整スタンス)に関する情報が,長期金利の先行き変動を予測するうえで有効であることを示唆しており,本研究の仮説(投資家の先行きポジション調整が将来の長期債需要を通じて利回りに影響する)とも整合的である.
次に金利上昇局面に目を向けると,RMSEおよび方向性正答率のいずれについても,金利低下局面に比べて性能が低い傾向が確認できる.特に金利上昇局面では,デュレーション変化情報を追加しても予測精度が一貫して改善するわけではない.この点は,3章で論じたように,金利上昇局面と低下局面でデュレーション情報と先行き金利変化の関係が異なるという非対称性(図6・表2)と整合的である.すなわち,金利低下局面ではデュレーション情報が有効である一方,上昇局面ではその有効性が限定的となり得る.
本節の検証では,デュレーションスタンス等の情報を非線形モデルに組み込むことにより,金利の低下局面において顕著な予測精度の改善を確認した.また,線形回帰(重回帰)モデルとの比較からも,非線形モデルにおける当該情報の特徴量としての有効性が確認できた.以上の結果より,デュレーションスタンス情報と先行きの債券利回り変化の間には,線形モデルでは捉えにくい非線形な関係が存在し,かつ局面依存(非対称性)があることが確認できる.これらを踏まえ,次節では構築したモデルにおける各特徴量の寄与を分析し,その経済的解釈を試みる.
4.3 SHAP値を用いた機械学習モデルの特徴量の検証これまで,投資家のデュレーション長期化スタンスに関する情報が国債利回りの予測に有効であることを確認してきた.本節では,学習モデルの出力に対して,各特徴量(説明変数)がどの程度寄与しているのかを詳細に検証する.ここで有用なのが,被説明変数に対する各説明変数の寄与度を定量化するSHAP値(SHapley Additive exPlanations)[Lundberg 2017]である.本分析で用いた時系列のサンプルデータの,各時点のデータセット番号を
これを踏まえ,2000年1月から2024年12月までの月次データを用いて,ランダムフォレスト(特徴量はSet2)に基づく10年債利回りの3カ月先予測モデルを推計した.図11には,同モデルの特徴量であるモメンタム情報(過去1・2・3カ月前からの3種類の金利変化情報)およびデュレーション変化の,全サンプルにおけるSHAP値の絶対値の平均を示している.これにより,本研究の主題であるデュレーション変化(市場参加者のデュレーション長期化スタンス)の情報が,他の特徴量に比べて,比較的高い寄与度を持つことが見て取れる.もちろん,相関の高い特徴量が複数存在する場合,それらの特徴量の重要度が分散し得る可能性には注意が必要だが,その点を踏まえても,デュレーションスタンスの情報には,一定程度の重要度を確認することができる.

さらに図12では,同モデルの特徴量であるモメンタム情報(過去1・2・3カ月前からの3種類の金利変化情報)およびデュレーション変化のSHAP値をプロットし,各特徴量の値によって色分けを行った.これを見ると,デュレーション変化の寄与については,特徴量の値が大きい場合にSHAP値は負方向に大きく,逆に特徴量の値が小さい場合にはSHAP値が正方向に大きくなる傾向が見られる.これは,デュレーション変化がプラスの場合(すなわち市場参加者がデュレーションを長期化させるスタンスを通常に比べて強く有している場合),その後の長期債需要の増加を通じて利回りに押し下げ圧力が働くという,これまでの仮説と整合的な結果である.

なお,非線形モデルにおいては,複数変数間の相互作用が出力に反映されることから,各変数の状況によって,デュレーション変化の寄与が10年利回り(3か月先)に与える寄与は異なる.このような非線形モデルのブラックボックスを可視化するために,図12ではサンプルごとの具体的な寄与度(SHAP値)を示している.これは,-10から15までの値をとるデュレーション変化の情報(色別に表示)が,どの程度,3カ月先の10年利回りを押し下げたかを,横軸で示している.例えば,デュレーション変化が15程度のときは,3カ月先の10年利回りに対して,概ね-0.15%(-15bp)程度,寄与がある(15bp程度,10年債利回りを押し下げる).このことは,表1に示した回帰分析の結果において,10年債利回りの3カ月先変化の回帰係数が-0.01であること(デュレーション変化が1の場合,3カ月先の10年債利回りを1bp程度押し下げるという結果)と,整合的なスケールとなっている.
本研究では,日本の国債市場における機関投資家のデュレーション選好(デュレーションスタンス)に着目し,これが長期債利回りの先行きに及ぼす影響を実証的に分析した.まず,QUICK月次調査による市場参加者のデュレーション情報をもとに,1997年以降の投資家別のデュレーション動向を概観したところ,低金利環境の長期化やALM(Asset Liability Management:資産負債総合管理)に基づく運用スタイルの浸透,大規模な金融緩和政策などを背景に,保険や年金を中心にデュレーションが長期化してきたことが確認された.
さらに,デュレーションスタンスの変化が長期金利(特に10年・20年債利回り)に低下圧力を与える仮説を検証するため,単回帰分析を行った結果,デュレーション見通し指標は10年・20年債利回りの先行き変化に対して統計的に有意な負の影響を持つことが確認された.これは,デュレーション長期化のスタンスが強まる局面では,長期債需要が高まり価格が上昇し,結果として利回りが低下する傾向が顕著であることを示唆する.
加えて,フォワードレートや市場参加者の利回り予想(QUICK市場予想)と比較した場合,デュレーションスタンス指標は特に金利低下局面において高い予測精度を示し,一方で金利上昇局面ではその有効性が限定的であることも明らかとなった.この結果は,投資家のデュレーション選好と金利変動の関係に非対称性や非線形性が存在する可能性を示唆するものである.
こうした点を踏まえ,機械学習モデルを用いてデュレーションスタンス情報を特徴量として組み込み,利回りの3カ月先予測を行ったところ,適度な非線形性を有するランダムフォレストベースのモデルにおいて,最も予測精度が改善した.また,SHAP値による特徴量重要度分析により,デュレーションスタンス情報がモデル予測に対して一貫して寄与していることが確認され,投資家のポジションスタンスが長期金利形成に果たす役割を定量的に裏付ける結果となった.
本研究の独自性は,日本国債市場において機関投資家のデュレーション見通し情報を,フォワードレートや市場の金利予想と並ぶ重要な先行指標として体系的に位置づけ,その予測力を統計モデルおよび機械学習モデルの両面から詳細に検証した点にある.とりわけ,機関投資家のデュレーションスタンスが将来の長期債需給を通じて利回りに影響を与えるメカニズムを,実データを用いて示したことは,金融実務における金利見通しの高度化やリスク管理モデルの改善に対しても重要な示唆を与える内容と考える.
今回の研究では,足元(スポット)の投資家のスタンスが,その後の利回り変化とどのような関係があるかを示したが,足元にかけての後方数カ月の投資家のデュレーションスタンスの変化(時系列情報)が,その後の債券利回りの変化に示唆を持つ可能性はあるだろう.そのため,今後はデュレーションスタンスの時系列変化の情報を直接的に取り込む構造のモデル(LSTMやRNN、VARや状態空間モデル等)を通じた検証を通じて,投資家のスタンスの時系列変化に関する検証も行いたい.その際,より高頻度データや流動性指標,さらにマクロ経済変数などを組み合わせることで,デュレーション選好と金利変動のダイナミクスの更なる解明を進めていきたい.また,デュレーション選好を通じたイールドカーブの形状変化やリスクプレミアムへの影響を理論モデルと統合的に分析することも,今後の重要な課題と考える.
本研究は、JSPS科研費JP25K23143の助成を受けたものです。また、本研究ではQUICK社よりご提供いただいたデータを使用しております。ここに記して深く感謝申し上げます。
線形回帰は,目的変数と説明変数の間に線形な関係を仮定する基本的な回帰モデルである.本研究では scikit-learn の LinearRegression を用い,パラメータ調整は行わず,標準的な最小二乗法によりモデルを学習した.
ランダムフォレスト回帰:ランダムフォレストは,複数の決定木の予測を平均化するアンサンブル学習手法であり,過学習の抑制に有効である.RandomForestRegressor(scikit-learn)を用い,決定木の数を100本,その他のパラメータは標準設定を用いた.
LightGBM:LightGBM は,勾配ブースティング決定木に基づく高速かつ高精度な回帰アルゴリズムである.LGBMRegressor を用い,決定木の最大深さを3,葉に含まれる最小データ数を1,ノードを分割するために必要な最小の利得(min_gain_to_split)を 0.000001 に設定し,その他のパラメータは標準設定を用いた.
XGBoost:XGBoost は,正則化を取り入れることで汎化性能を高めた勾配ブースティング手法である.XGBRegressor を用い,決定木の本数を100本とし,その他のパラメータは標準設定を用いた.
サポートベクター回帰(SVR):SVR は,誤差の許容幅内に収まる予測を優先しつつ,モデルの複雑さを抑えることで汎化性能を確保する回帰手法である.SVR(scikit-learn)を用い,非線形なパターンを捉えるために RBF(ガウシアン)カーネルを用いた.