Japanese Journal of Medical Technology
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The doubt against peer-reviewed paper in “Japanese Journal of Medical Technology”
Akihiro KAGAWAYoshiaki NORIMATSU
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2017 Volume 66 Issue 5 Pages 601

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藤井様からの疑義に対する著者の回答を下記に述べさせていただきます。

1. シンプレップ法で非婦人科検体についてサイトライト液による前処理がなかったことについて

本検討での検討期間は2012年6月から9月となります。またシンプレップ法は著者(当時)の施設である四国がんセンターにて標本作製を行っていま‍す。

検討を開始した2012年6月以前において非婦人科材料のサイトライト液による洗浄前処理が推奨されていたかのように指摘されていますが,当時の著者の施設(四国がんセンター)においてシンプレップ2000導入時(当時オリンパス社)ならびにシンプレップ5000導入時(後にホロジック社)より前処理については推奨法として説明をされておりません。この件に関しては当時の四国がんセンターの他のスタッフにも確認しています。

したがって,非婦人科材料でのサイトライト液による検体前処理については,今回の検討期間以降にホロジック社から推奨されたものと思われ,論文中に掲載した検体処理法はその当時での適切な方法であったと認識しております。また,婦人科材料の推奨方法については検討時より現在までサイトライト液による検体前処理の推奨は記載されていません。

ですので,われわれは論文に記載された材料不適としてのデータは適切なものと考えております。

また,投稿者はVol. 62 No. 5 pp. 597–602の論文(ThinPrep法でのCytoLyt液による溶血処理法の検討)を引用して,「……共著者は過去の検討から,ホロジック社が推奨している方法により,細胞塗抹量が改善されることを承知しているにも関わらず,今回の論文では,TP法での判定不可標本は判定できないレベル……であったことから,適切な処理を実施した上での検討ではない」と指摘していますが,Vol. 62 No. 5 pp. 597–602の研究は本論文の検討時期と重なっており,まだ検討中でした。たまたまVol. 62 No. ‍5 pp. 597–602の研究の論文投稿が先になっただけです。それらのことからも 投稿者の指摘は誤解であると考えます。

2. 細胞固定液の選別について

投稿者が「各メーカー推奨の細胞固定液で実施してない検討はおかしいのでは?」と疑問を抱かれたようですが,本検討は愛媛県で大規模で行ったもので,多数の標本作製があり,シンプレップ・タクアス・シュアパスを機械で運用している3施設それぞれにお願いしました。その際,それぞれの施設で運用している固定液を使用した標本作製となった経緯があります。その後の標本作製においては各メーカーの方法を行っています。

したがって,われわれは,本検討での結果はあくまでも本検討での固定液の組み合わせでの結果と考えていますし,そのようにご理解いただければ幸いです。ですので,結語には「LBC選定にあたっては各製品の原理や特徴を理解し,実際に標本を作製して,入念な調査検討を行うことが必須であると考えられた。」としていますし,本検討は論文の区分を「資料」として投稿しました。

最後に投稿者にお願いですが,疑問が解けない場合,できるなら,前処理も含めた各メーカー推奨の方法で7種の材料を使用され,同様の比較検討をされて結果を出し,論文投稿をしていただければ幸いです。

 
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