Journal of Japan Academy of Psychiatric and Mental Health Nursing
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2022 Volume 31 Issue 2 Pages 80-85

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Ⅰ  はじめに

重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)に関連した過去のパンデミックは,一般集団と医療従事者の両方で精神衛生上の障害が特徴づけられている(Lee et al., 2018Wu et al., 2009).また,新型コロナウィルス感染症のパンデミックは,一般住民や感染患者だけでなく,陽性患者をケアする医療従事者にも大きな影響を与える結果となった(Chutiyami et al., 2022).日本の災害対策基本法における災害は,自然災害,人為災害,特殊災害の3種類に分類され(内閣府,1962),このたびの新型コロナウィルス感染症拡大は,CBRNEに総称される特殊災害に分類される(重村,2020).つまり,新型コロナウィルス感染症に関連したメンタルヘルス支援のあり方は,災害に関連したメンタルヘルス支援の観点からの理解・アプローチが重要である.加えて,状況は持続的であり災害以上に複雑な心理反応をもたらすと考えられる.

本稿では,筆者の新型コロナウィルス感染症に関連した相談内容の推移から看護師の精神的諸問題に言及し,メンタルヘルス支援の観点から精神保健看護学の専門家が取り組むべき課題について論じる.

Ⅱ  目的

2020年4月から2022年9月末までの相談内容を感染者数の波毎にカテゴリー化し,看護師の精神的諸問題を明らかにし,取り組むべき課題について考察する.

Ⅲ  方法

筆者は2020年4月より2022年9月までに,新型コロナウィルス感染症に関連した看護職のメンタルヘルスに関して,複数の相談窓口対応を行ってきた.相談場所は,関西地区を中心に全国規模の相談を,メールや電話,対面で行った.本稿では,複数窓口で対応した相談内容について,感染者数の波毎にまとめ,抽象度を高め個人が特定されない形でカテゴリー分けした.また,対応した精神的諸問題と文脈から考えられる精神的諸問題に発展すると考えられた要因について,感染症の波に応じて記載した.

Ⅳ  結果

1. 対応した時期と相談内容

相談内容について,表1には相談内容を対応した時期でまとめた.第1波の特徴は,「医療従事者に対する差別・偏見に関するやるせなさ」「自身が感染すること,他者に感染させるかもしれないことに関連した強い恐怖」など,新型コロナウィルスに関連した恐怖感や,それに伴う差別や偏見であった.また,「組織が十分な感染対策をしないことに対する不満や怒り」「感染管理に対する組織内の認識のずれに関連した不満や怒り」「立て続けに対応することへの過重労働に関連した不満」「リーダーシップの不明確さに関連した怒り」など,組織に対する不満があった.また,「マスコミ対応による二次被害」に関する相談もあった.

図1

CBRNE災害が健康・行動・社会・経済に与える影響

重村淳他:COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が及ぼす心理社会的影響の理解に向けて トラウマティックストレス,18(1), 2, 2020より抜粋

表1 相談対応時期と相談内容
対応時期 時期 相談内容
2020/04(相談開始時期)
~2022/06
第1波 ・医療従事者に対する差別・偏見に関するやるせなさ
・自身が感染すること,他者に感染させるかもしれないことに関連した強い恐怖
・組織が十分な感染対策をしないことに対する不満や怒り
・感染管理に対する組織内の認識のずれに関連した不満や怒り
・立て続けに対応することへの過重労働に関連した不満
・リーダーシップの不明確さに関連した怒り
・家族と離れて生活することへの不甲斐なさ
・十分なケアができないことへの不全感
・マスコミ対応による二次被害
・「感染しているのではないか」という強迫観念や強迫行為
2020/07~2022/10 第2波 ・第1波のときのような恐怖感は少しずつ低減しているが不安の持続
・感染管理を専門とする認定看護師や専門看護師たちの疲弊
・看護管理者の疲弊
・患者や家族に当たり前のようにケアをしてきたことができないことや,患者にとって善いと考える実践ができないことをベースとした,道徳的傷つきや倫理的葛藤
・看護の本質とは何かという問い
・見通しが持てないことへのモチベーションの低下
・持病のため感染症病棟で働けないことについての「他のスタッフに悪い」という自責感
・医療従事者たちの自粛を余儀なくされている現状で,自由に行動して感染した患者のケアをすることへのいら立ち
2020/11~2021/02 第3波 ・自身が感染したことに関連して「死ぬのではないか」という恐怖感
・自身の感染によって被ったスタッフからの誹謗中傷
・後遺症として身体症状がいつまでも残ることへの不安
・感染したことに対する自責感から看護師をしていてもいいのだろうかという問い
・こんなに危険な現場で働くことに対して,生き方への問い
・元々のメンタルヘルス上の問題の顕在化や悪化(希死念慮など)
・疲れ切ったという情緒的な消耗感
・何をする気にもなれない抑うつ気分
・感染病棟で働き続けることの疲弊感
・組織に十分対応してもらえなかったことに対する不満からの離職願望
・クラスターを起こした施設の管理者の疲弊感
・クラスターによる風評被害
・感染者の復職支援の方法について
・看護管理者の倫理的葛藤
・患者のACPに関すること
・モチベーション維持の困難さ
2021/03~2021/06 第4波 ・自身の感染によって被ったスタッフからの誹謗中傷
・自身の慢性疲労状態
・自身がバーンアウトかどうかの確認
・持病などによりCOVID-19対応ができない看護師の気持ちのやり場のなさ
・モチベーションの維持の困難さ
・見通しがもてないことによるモチベーションの低下
・患者の権利主張によるモチベーションの低下
・患者のACPに関すること
2021/07~2021/09 第5波 ・第4波のことさえも覚えていないほどの多忙
・慢性疲労状態と訴える
・バーンアウトを起こしているかもしれないという相談
・見通しがもてないことによるモチベーションの低下
・患者のACPに関すること
・乗り越えた感覚
2021/12~2022/06 第6波 ・立ち止まる余裕がないほどの多忙
・人員がない
・自身の慢性疲労状態
・感染管理を担ってきた看護師の疲れ
・見通しがもてないことによるモチベーションの低下
・乗り越えた感覚
・次に備えてすべきこと
・老健施設や中小規模の病院のクラスター発生に関して,職員のメンタルヘルスに関する相談
2022/07~2022/09 第7波 ・エネルギーが沸かない状態
・人員がなくてどうしようもない状況
・余裕のなさ
・第6波後,終息を期待したため見通しの持てなさ
・もう何が来ても大丈夫という感覚
・次に備えてすべきこと
・自分のキャリアについての再検討や再確認

第2波の特徴は,「感染管理を専門とする認定看護師や専門看護師たちの疲弊」や「看護管理者の疲弊」で,目まぐるしく変化する感染対応や感染者対応の人員配置に対応しつづけた結果の疲弊に関する相談であった.また「患者や家族に当たり前のようにケアをしてきたことができないことや,患者にとって善いと考える実践ができないことをベースとした,道徳的傷つきや倫理的葛藤」「看護の本質とは何かという問い」や「見通しが持てないことへのモチベーションの低下」などの相談があった.

第3波の特徴は,自身が感染したことに関しての相談が多かった.「自身が感染したことに関連して『死ぬのではないか』という恐怖感」「自身の感染によって被ったスタッフからの誹謗中傷」「後遺症として身体症状がいつまでも残ることへの不安」の相談に加え,「感染したことに対する自責感から看護師をしていてもいいのだろうかという問い」や「こんなに危険な現場で働くことに対する生き方への問い」といった,自分のキャリアや人生についての相談があった.またこの時期には,「元々のメンタルヘルス上の問題の顕在化や悪化(希死念慮など)」も見られた.一方,患者へのケアとして,「患者のACPに関すること」という,倫理的課題に関する相談も増えていった.

第4波になると,「患者のACPに関すること」に関して積極的に考える相談がある一方,「自身の慢性疲労状態」や「自身がバーンアウトかどうかの確認」「モチベーション維持の困難さ」といった,感染症拡大で臨床現場が逼迫することによる疲弊感の相談が増えた.

第5波になると,第4波以上の感染者数に増加したが,引き続き患者のACPに関する相談と疲弊感に関する相談が中心であった.またこの頃になると,疲弊感はあるが「乗り越えた感覚」を語る相談者も増えていった.

第6波は,「立ち止まる余裕がないほどの多忙」「人員がない」といった状況を何とかしてほしいという相談や,疲弊感,「見通しがもてないことによるモチベーションの低下」についての相談が増えた.第5波同様,「乗り越えた感覚」や「次に備えてすべきこと」に関する語りも一機に増えていった.一方で,「老健施設や中小規模の病院のクラスター発生に関して,職員のメンタルヘルスに関する相談」といった,初めて対応することへの恐怖感や混乱した状況についての相談もあり,様々な段階にある相談への対応が求められた.

第7波は「エネルギーが沸かない状態」「第6波後,終息を期待したため見通しの持てなさ」といった,エネルギーが枯渇している中でも対応をし続けることの困難さについての相談が主であった.しかし,「もう何が来ても大丈夫という感覚」「次に備えてすべきこと」という乗り越えた先の語りをする相談者や,数年にわたる新型コロナウィルス対応で頓挫していた「自分のキャリアについての再検討や再確認」という相談が見られるようになった.

2. 新型コロナウィルスに関連した精神的諸問題

次に,相談で対応した精神的諸問題と,語られた文脈の中で精神的諸問題に発展すると考えられた要因について述べる(表2).第1期~第3期までの精神的諸問題には,拘禁反応,強迫観念・強迫行為,不安・恐怖の高まり,軽躁状態,急性ストレス反応,抑うつ気分,心的外傷後ストレス反応,不眠症であった.その精神的諸問題に発展すると考えられた要因は,誹謗・中傷,強い罪責感や自己懲罰的な思い,思うようなケアができなかったことへの不全感,無力感,情緒的な消耗感,倫理的葛藤であった.

表2 筆者が対応した精神的諸問題とそれらに発展すると考えられた要因
時期 対応した精神的諸問題 精神的諸問題に発展すると考えられた要因
第1波~第3波
2020/04~2021/02
強迫観念・強迫行為
拘禁反応
不安・恐怖の高まり
軽躁状態 (頑張りすぎる)
急性ストレス反応(ASR)
抑うつ気分・抑うつ状態
情緒的な消耗感
モチベーションの低下
心的外傷後ストレス反応(PTSR)
不眠症
誹謗・中傷
強い罪責感や自己懲罰的な思い
思うようなケアができなかったことへの不全感
無力感
倫理的葛藤
第4波~第7波
2021/03~現在
意欲の低下
バーンアウト
抑うつ気分・抑うつ状態
心的外傷後ストレス反応(PTSR)
不眠症
慢性疲労状態
不適切なサポート体制の持続
不満の多い組織

第4期~第7期までの精神的諸問題には,意欲の低下,バーンアウト症状,抑うつ・抑うつ状態,心的外傷後ストレス反応,不眠症であった.その精神的諸問題に発展すると考えられた要因は,慢性疲労状態,不適切なサポート体制の持続,不満の多い組織であった.

Ⅴ  考察

本稿では,2020年4月から2022年9月末までの相談内容を感染者数の波毎にカテゴリー化し,看護師の精神的諸問題を明らかにし,取り組むべき課題について考察することである.まず相談の推移から見えた精神的諸問題について考察し,取り組むべき課題への対応について論じる.

パンデミックは健康と幸福の様々な側面に影響を及ぼしているが,メンタルヘルスは最も多く報告されている懸念事項のひとつであり(Ahmed et al., 2020Das et al., 2021Every-Palmer et al., 2020),イタリア(Conti et al., 2020)やスペイン(Rodríguez-Rey, Garrido-Hernansaiz, & Bueno-Guerra, 2020)などの多い患者数を経験した国では,影響の少ない地域と比較して医療従事者のメンタルヘルス問題の有病率が高いことが報告されている.流行の初期には流行の発祥地である中国で,精神衛生上の問題の有病率が最も高いことが報告されている(Ahmed et al., 2022).新型コロナウィルスパンデミック時の医療従事者の精神的健康全般について包括的に概観したシステマティックレビューでは,有病率から得られた知見では,不安(16~41%, K = 30, N = 701),うつ病(14~37%, K = 28, N = 584),ストレス/心的外傷後ストレス障害(18.6~56.5%, K = 24, N = 327)が医療従事者に最も影響する精神的諸問題であることを示している.その他,不眠症,燃え尽き症候群,恐怖症,強迫性障害,身体化症状,恐怖症,物質乱用,自殺願望が報告されている(Chutiyami et al., 2022).

筆者が対応した相談場所および相談方法は,医療を目的としたものではなく,広く新型コロナウィルス感染症に関連して“聞いてほしい”相談にメールや電話,対面で応じたものである.しかしながら対応してきた精神的諸問題には,先行研究と類似したものであった.精神状態の程度には違いがあるだろうが,看護職が対応する相談においても,不安,うつ病,ストレス/心的外傷後ストレス障害を中心に,不眠症,燃え尽き症候群,恐怖症,強迫性障害,身体化症状,恐怖症,物質乱用,自殺願望を持った相談者が存在していると考えられる.

また,新型コロナウィルス感染症はCBRNEとしての災害であると位置づけられるため,看護師のこれらの精神的諸問題は,惨事ストレスの結果としての反応であると考えられた.惨事ストレスとは,「通常の対処行動機制がうまく働かないような問題や脅威(惨事)に直面した人か,惨事の様子を見聞きした人に起こるストレス反応」と定義される(Everly, Flannery, & Mitchell, 2000).新型コロナウィルス感染症の始まりからまもなく3年が経過するが,ウイルスの変異株の変遷によりいくつもの流行の波を経ており,最前線で対応にあたる医療従事者はストレス要因に晒され続けている.また新型コロナウィルス感染症を災害の構造で考えると,医療従事者は被災者と支援者の両方の役割を持つ職種であると考えられており,高いストレスを抱えやすいといわれている(高橋,2021).災害救援者にとって重要なストレッサーのうち接触した状況には,緊張を強いられる現場や救援中の情報不足,未知の不安や恐怖,救出に困難を伴うか,不成功に終わった救出などがあげられるが(松井,2009),これを新型コロナウィルス感染症に当てはめると,まさに,感染に関する情報の不足,初期は未知の感染症に対する不安や恐怖が重要なストレッサーとなりうる.つまり,緊張を強いられる現場で働き続けた状況は,まさに惨事ストレスを招きやすい状況であったと考えられる.

以上のことを整理すると,筆者が対応した相談者の精神的諸問題は,惨事ストレスを受けた結果としてのトラウマに関連した精神的諸問題が時間の推移とともに表れていたと考えられる.そのため相談対応者は,精神的諸問題についての知識やアセスメント技術を持った者が対応することが望まれると考えられた.

また,筆者は精神看護専門看護師として相談対応をしてきたが,精神的諸問題に発展すると考えられた要因を相談者の文脈に合わせて分析すると,第1波から第3波では誹謗・中傷,強い罪責感や自己懲罰的な思い,思うようなケアができなかったことへの不全感,無力感,倫理的葛藤が考えられた.新型コロナウィルス感染症に関連した倫理的葛藤は,医療従事者の多くは熱意ある看護師であるため患者に必要なケアを提供できないことに気づいたとき,フラストレーションや無力感を感じることがしばしばあり,圧倒的な数の死,孤立し孤独に死んでいく患者,同僚や家族,友人に感染させてしまうという常につきまとう恐怖は,感情的・心理的な幸福に打撃を与えており,看護師にとって,この重大な出来事が,継続的に精神的な傷を負わせることになる(Hossain, & Clatty, 2020).このような混乱の中で看護師は,「コロナ禍以前に日常的に行っていた看護(what needs to be done)」と「コロナ禍になってしなくてはならない看護(what ought to be done)」を分けて考えることが難しくなっていることが指摘されている(Hossain, & Clatty, 2020).このような道徳的傷つきは,個人の道徳的価値観や信念に反した行動を取ることによって生じ,長期にわたる心理的・感情的な影響があり,バーンアウト,共感疲労,うつ,医療事故,患者との⼼理的距離の拡⼤,職場の満⾜度低下などとの関連があることが⽰されている(Hossain, & Clatty, 2020).そのため,道徳的傷つきに対する支援が重要な課題であると考えられる.

最後に,取り組むべき課題について考察する.第7波が収まろうとしている現在,相談の内容も乗り越えた感覚や自分のキャリアについての再検討や再確認に関する相談へとシフトしている.つまり,新型コロナウィルス感染症に長期的に対応してきたことで惨事ストレスを受け続けたことや,またその看護の中で道徳的な傷つきを体験した看護師たちは,逆境にあっても心理的あるいは社会的な不適応症状や問題行動に陥ることを是正し,前向きの適応をすることができる動的過程(Luthar, Cicchetti, & Becker, 2000)を経ていると考えられる.乗り越えた感覚を持っている看護師は,非常にストレスフルな出来事を経験したり,困難な状況になっても精神的健康や社会的適応行動を維持する,あるいは回復する心理的特性(小塩ら,2002)といわれるレジリエンスが機能し,心的外傷後の成長をもたらしていると考えられる.

レジリエンスを作り出すのは,本人の持って生まれてきた心理的な特性ではなく,環境要因(職場環境,家族の関係など)と個人内要因(自律性や自己制御,共感性など)の両方が重要で,それらが相互に作用しながらその人のレジリエンスを作り出す.つまり,セルフケアとして個人任せにするのではなく,職場環境という環境要因とスタッフ一人一人の個人内要因が相互作用していくことが,個人も組織も回復していくことに繋がると考えられる.したがって,個人も組織も,レジリエンスを高めるために積極的な取り組みが必要であることと,精神保健看護を専門とする我々がいかにその取り組みに参画するのかが重要であると考えられた.

Ⅵ  結語

本稿では,2020年4月から2022年9月末までの相談内容を感染者数の波毎にカテゴリー化し,看護師の精神的諸問題を明らかにし,取り組むべき課題について考察した.

第1期~第3期までの精神的諸問題には,拘禁反応,強迫観念・強迫行為,不安・恐怖の高まり,軽躁状態,急性ストレス反応,抑うつ気分,心的外傷後ストレス反応,不眠症であった.第4期~第7期までの精神的諸問題には,意欲の低下,バーンアウト症状,抑うつ・抑うつ状態,心的外傷後ストレス反応,不眠症であった.

筆者が対応してきた精神的諸問題には,先行研究と類似したものであった.また惨事ストレスを受けた結果としてのトラウマに関連した精神的諸問題が,時間の推移とともに表れていたと考えられた.そのため相談対応者は,精神的諸問題についての知識やアセスメント技術を持った者が対応することが望まれると考えられた.回復のためには,個人も組織も,レジリエンスを高めるために積極的な取り組みが必要であることと,精神保健看護を専門とする我々がその取り組みに参画するのかが重要であると考えられた.

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