Abstract
糖尿病と診断された,重度の慢性歯周炎患者の症例.歯科衛生士がデータ(問診・エックス線診査・口腔内写真・歯周組織検査などの検査資料)を用いて現状,治療の必要性を説明することで患者は口腔内に関心をもつようになり,セルフケアと来院継続の協力を得ることができた.そして歯周基本治療を行った結果,顕著に歯周組織が回復した.糖尿病の治療中断や歯科来院が長らくなかったという影響も大きいといえる.現在では日常生活に支障がないほどに改善がみられ,患者が食事の楽しみを再び取り戻すことができている.本症例から歯科医院のチーム医療による歯周基本治療とメインテナンス継続の重要性を再確認し,患者のQOL向上に携わることができた.