Research abstracts on the annual meeting, regular meeting and seminar of the Japan Association of Home Economics Education
The 51st Annual Meeting/2008 Regular Meeting
Session ID : P14
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The 51st Annual Meeting of the Japan Association of Home Economics Education
Poster Presentation
Investigation of previous dyeing education studies in order to development of practical teaching materials on home economics for senior high school.
*Junko KomatsuEmiko KomatsuMiyuki Morita
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Abstract
 <目的> 高等学校家庭科で実施する「染色」教材の開発研究を行ってきた。高等学校家庭科において「染色」の辿ってきた歴史を知るために、高等学校学習指導要領・教科書等における「染色」取り扱い科目及び領域の変遷について調査したところ、家庭科における「染色」は、「更正染」「手芸染色」「生活文化の伝承」の順に変遷し位置づけられていることがわかった。今の時代を反映した「染色」教材を開発するための視点を検討した結果、高等学校家庭科における「染色」の授業は、「生活スキルの向上により生徒に自信を持たせ、自己理解を深めさせることができる」と考えられた。今回は、実践的な教材開発のために、「染色」教材や「染色」研究についての論文検索を行い、先行研究を抽出して内容を比較検討した。それらを元に教材化のための予備実験を行った。
 <方法> 論文検索は学会誌5誌と商業誌7誌を対象とした。学会誌は、繊維学会誌、日本家政学会誌、日本家庭科教育学会誌、日本蚕糸学会誌、化学と教育、であった。また商業誌は、染色研究、染料と薬品、染色工業、色材、月刊染織α、京染と精練染色、考古学と自然科学、であった。論文検索には、国立情報学研究所(NII)のポータルサイトであるCiNii(NII論文情報ナビゲータ)を使用した。論文は発表年が2005年までのものを対象とした。論文の抽出および分類は13のキーワード(染色法、色素の合成、分解、洗浄、環境、廃液、堅牢度、拡散、天然染料、染色教材、染色領域、顔料、その他)を設定し、論文タイトルから読み取り該当するものを抽出した。なお、「繊維学会誌」と「日本家政学会誌」の2誌に関しては、CiNii掲載以前の論文についても検索対象とした。
 <結果> 学会誌の検索論文総数は18,087件であり、染色教材に関するものは日本家庭科教育学会誌が1件、化学と教育が43件であった。一方、商業誌の検索論文総数は4,901件であり、染色教材に関するものは月刊染織αが8件であった。日本家庭科教育学会誌から抽出された論文は生野ら(1)によるものであった(以下論文1とする)。この他に、大学紀要等で発表されている論文2(2)、論文3(3)、論文4(4)を加えた4件の論文を検討対象とした。論文1は玉葱、紅茶、紅花、藍の染色条件を検討し堅牢性も調べた上で標本を作成しており、実践的な教材を検討するには最も参考になると考えられた。論文1の染色材料の中で手に入りやすいものは玉葱と紅茶であった。教材としては媒染剤による色相の変化が大きい方が望ましく、また被服だけでなく家庭科の様々な科目で実践が想定できることから、玉葱を染色材料に選び、論文1の実験条件をもとに予備実験を行った。実験はすべて水道水を使用して行った。のり無し白布を試料布として、同一染液で布を換えて2回染色を行い、色の濃さを比較した結果、目視では1回目染液染色布と2回目染液染色布の差は見られなかった。媒染剤は5種類を検討した。鉄明礬と硫酸第一鉄アンモニウムは暗緑色、カリウム明礬は山吹色、塩化カリウムとリン酸水素二カリウム、及び未媒染は薄茶色となった。
 <引用文献>(1)染色教材への天然植物染料の適用-主として玉葱・紅茶の場合-、生野晴美、堀内かおる、岩崎芳枝、日本家庭科教育学会誌、34、31-36(1990)、(2)地域素材を用いた染色教材の開発-さくらの葉を用いた場合-、日景弥生、三國咲子、弘前大学教育学部紀要、80、71-78(1998)、(3)小学校家庭科と関連させた「総合的な学習の時間」の構築-草木染めの教材化-、後藤景子、橘高純子、京都教育大学紀要、107、115-122(2005)、(4)天然藍の染色教材への適用、浦野栄子、萩原應至、信州大学教育学部附属教育実践研究指導センター紀要、7、181-188(1999)
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© 2008 by The Japan Association of Home Economics Education
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