2019 Volume 3 Issue 1 Pages 145-160
第198回通常国会において成立した「放送法の一部を改正する法律」は、①NHKについてインターネット活用業務の対象を拡大するとともに、②NHKグループの適正な経営を確保するための制度を充実するほか、③衛星基幹放送の業務の認定要件の追加を行うものである。
①について、近年の視聴環境の変化に伴い、放送番組をインターネットを通じて様々な機器・場所・時間等において視聴したいという国民・視聴者からの期待やニーズが明らかになったことを踏まえ、NHKがそうした期待に応えて常時同時配信を実施することにより、他の放送事業者によるインターネット同時配信についてNHKが先導的役割を果たすとともに、NHKの放送番組の視聴機会の拡大を図ることで、NHKの目的達成に資するものである。
具体的な制度整備の内容は、NHKが国内テレビ基幹放送の全ての放送番組の常時同時配信を実施することを可能とし、併せてNHKの目的や受信料制度の趣旨に沿って適切に業務が実施されることを確保するため必要な措置として、地方向けの放送番組の提供や他の放送事業者との協力を努力義務としたほか、実施基準の認可要件の見直し及び実施計画の届出・公表義務を法定したことに加え、事後規律の充実を行っている。
②について、受信料を財源として行われるNHKの業務拡大を行うに当たっては、NHKへの国民・視聴者の信頼確保という観点からNHKのガバナンス改革を行うことが必要である。そこで、NHKグループの内部統制の強化、監査委員会のチェック機能の強化、NHK役員のNHKに対する忠実義務の明確化等コンプライアンスの確保に係る制度を充実した。さらに、透明性の確保のための情報公開に係る制度の整備、及び中期経営計画の策定・公表に関する制度の整備を行うこととした。
③について、衛星基幹放送に係る周波数の有効利用を図るため、衛星基幹放送の業務の認定要件に、総務省令で定める周波数の使用に関する基準に適合することを追加することとした。
The Bill for Partial Revision of the Broadcast Act was established at the 198th Ordinary Diet Session with the aim of making the following matters possible: 1) An expansion of targets for NHK’s internet-utilizing service, 2) Enhancement of systems to ensure the appropriate management of the NHK Group, and 3) Additional certification requirements for basic satellite broadcasting.
As for 1), a change in the viewing environment in recent years has revealed that there has been an expectation, and need, from the public to watch broadcast programs on a variety of devices, in various places, and at diversified time zones, through the Internet. Therefore, by implementing the simultaneous distribution of broadcasting programs at all times in response to this expectation, NHK is expected to play a leading role in the simultaneous internet distribution of programs by other broadcasters. In addition, an expansion of viewing opportunities for NHK’s broadcast programs is expected to contribute to the achievement of NHK’s objectives.
Institutional development will enable NHK to distribute all broadcast programs simultaneously through domestic basic broadcasting is fine. At the same time, as necessary measures to ensure that NHK’s operations will be carried out appropriately to meet its purpose as well as the purpose of the fees for receiving the broadcast system, it has become obligatory to provide broadcast programs for each region and to cooperate with other broadcasters. In addition to a review of NHK’s implementation standards, and the institutionalization of its obligation to notify and publicize implementation plans, the revision is also aimed at NHK’s ex-post discipline.
As for 2), in expanding NHK’s operations based on the financial source of fees for receiving broadcasts, it is necessary to implement governance reforms at NHK from the viewpoint of securing the trust of the public. Accordingly, the revision seeks to maintain compliance through institutional enhancement, including reinforcement of internal controls in the NHK Group and the check function of the Audit Committee, as well as clarification over the obligations of NHK executives to be faithful to NHK. Also, the revision enables the establishment of a information disclosure system to ensure transparency, and the development of a system for the formulation and publication of medium-term management plans.
As for 3), to make effective use of frequencies related to basic satellite broadcasting, the requirements have been added to enable basic satellite broadcasting to meet the standards for the use of frequencies as specified by Order of the Ministry of Internal Affairs and Communications.
第198回通常国会において、令和元年5月29日、「放送法の一部を改正する法律」(令和元年法律第23号。以下「本法律」という。)が成立し、同年6月5日に公布された。
本法律は、近年における放送をめぐる視聴環境の変化及びNHKに対する信頼確保の必要性に鑑み、NHKについてインターネット活用業務1の対象を拡大するとともに、NHKグループの適正な経営を確保するための制度を充実するほか、衛星基幹放送の業務の認定要件の追加を行うものである。
本稿は、本法律の制定に至る検討の経緯及び論点を紹介した上で、各改正事項の概要について解説する。なお、本稿中意見にわたる部分は筆者らの個人的見解であることを予めお断りしておきたい。
本法律の各改正事項は、平成27年から約3年間にわたり開催された「放送を巡る諸課題に関する検討会」2(座長:多賀谷一照千葉大学名誉教授。以下「諸課題検討会」という。)の取りまとめ結果を踏まえて立案された。
諸課題検討会は、平成27年11月、近年の技術発展やブロードバンドの普及など視聴者を取りまく環境変化を踏まえた諸課題の検討を行うため、総務大臣の懇談会として設置された。諸課題検討会は「新たな時代の公共放送」を検討課題の一つに掲げ、NHK改革を常時同時配信3の実現といった業務の見直し、受信料の見直し、ガバナンス改革を一体として進めること(三位一体)として、関係者ヒアリングや構成員による議論を行った。平成30年1月から6月にかけては、諸課題検討会の下に「起草委員会」を設け、常時同時配信について、放送法(昭和25年法律第130号)上の位置付けやNHKの目的・受信料制度の趣旨との関係等を集中的に検討した。
平成30年9月、諸課題検討会は、それまでの検討結果を取りまとめる形で「第二次取りまとめ」を公表した。同取りまとめでは、「新たな時代の公共放送」についての基本的な考え方として、「NHKが放送の補完として常時同時配信を実施することについては、国民・視聴者の理解が得られることを前提に、一定の合理性、妥当性があると認められる。ただし、NHKの目的や受信料制度の趣旨に沿って適切に実施されることを確保することが必要不可欠であり、その前提としてNHKへの国民・視聴者の信頼が今後も確保されることが必要である。」とされた。具体的には、NHKのインターネット活用業務について、①実施基準の認可要件の見直しや、区分経理等の見直し、②地域情報の提供の確保、③他事業者との連携・協力等の確保といった措置について検討することが挙げられている。また、NHKに対する国民・視聴者の信頼確保のため、①コンプライアンスの確保、②情報公開による透明性の確保、③透明で計画的なガバナンスの確保といった措置について検討することが提言されている。
2. 2. 法改正の概要 2. 2. 1. インターネット活用業務の対象の拡大NHKのインターネット活用業務は、平成12年から開始され、平成19年と26年の放送法改正によって放送済み又は放送と同時に放送番組等を配信等する業務として任意業務の一つに規定された。ただし、放送と同時に国内テレビ基幹放送の全ての放送番組を配信する業務(常時同時配信)については、実施できないこととされた。本法律は、この常時同時配信の実施を可能とするとともに、併せてNHKの目的や受信料制度の趣旨に沿って適切に同業務が実施されることを確保するため必要な措置として、地方向けの放送番組の提供に係る努力義務、他の放送事業者との協力に係る努力義務、実施基準の認可要件の見直し、毎事業年度の実施計画の届出・公表義務、実施基準の公表・遵守義務など(事後チェック制度の充実)を規定することとしている。(図1)
図1 NHKのインターネット活用業務の対象の拡大に係る改正の概要
(出典)総務省資料
NHKのインターネット活用業務は、平成12年から、任意業務である附帯業務として、放送番組の周知・広報及び放送した放送番組(番組クリップ中心)をインターネットにより提供するかたちで始められた。その後、インターネット活用業務は、平成14年に総務省が公表した「放送法第9条第2項第2号に規定する「附帯業務」の解釈指針」を踏まえ、実施されてきた。
平成19年放送法改正により、インターネット活用業務は附帯業務とは別の任意業務として規定された。具体的には、NHKが保存する大量の放送済み放送番組を、当時広く普及しつつあったブロードバンド等を通じて広く国民が視聴できるよう、放送した放送番組及びその編集上必要な資料等(以下「既放送番組等」という。)をインターネットを通じて有料提供する業務が任意業務として追加された。
平成26年放送法改正により、インターネット活用業務として提供できる対象に、既放送番組等のみならず、「放送前」番組や「放送中」の放送番組を含めるとともに、「放送番組に対する理解の増進に資する情報」も提供できることとされた。ただし、常時同時配信については、以下の理由により法律上認めることとしなかった。
これらの法改正を経て、現在、NHKは放送法第20条第2項の任意業務としてインターネット活用業務を実施している。具体的には図2のようなサービスを提供している。
図2 NHKが実施している利用者向けインターネットサービスの概要
(出典)総務省資料
平成26年放送法改正以降、スマートフォンの普及や動画配信サービスによる視聴が一般化するなど視聴環境が大きく変化し、これに伴って、放送番組をインターネットを通じて様々な機器・場所・時間等において視聴したいという常時同時配信に対する一定のニーズも明らかになった。これらの変化を踏まえ、NHKから常時同時配信の実施を可能とする制度改正について具体的な要望があった。こうしたことを踏まえ、諸課題検討会において「NHKが放送の補完として常時同時配信を実施することについては、国民・視聴者の理解が得られることを前提に、一定の合理性、妥当性がある」とされた。(2. 1. 参照)
NHKが常時同時配信を実施すれば、我が国のコンテンツ配信市場の活性化が図られると考えられる。また、NHKの取組が、他の放送事業者によるインターネット同時配信の先導的役割を果たすこととなれば、NHKの目的である「放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行うこと」の達成に資するだけでなく、関連市場を含めた経済波及効果は更に大きいものとなる。加えて、常時同時配信を実施することでNHKの放送番組を視聴する機会が拡大することにより、NHKの目的である「あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うこと4」の達成にも資する。このため、諸課題検討会の取りまとめも踏まえ、常時同時配信を解禁することとした。
(b)地方向けの放送番組の提供に係る努力義務NHKは、国内基幹放送の放送番組の編集及び放送に当たっては、全国向けの放送番組のほか、地方向けの放送番組5を有することとされている(放送法第81条第1項第2号)。インターネット活用業務の実施に当たっては、このような地方向けの放送番組の提供に係る規律は存在しない。しかし、常時同時配信においても地方向けの放送番組の視聴ニーズは高いこと6に鑑みると、NHKは、地方向けの放送番組の放送に加えて、インターネット活用業務の実施に際しても、地方向けの放送番組を配信することが求められる。一方で、インターネット活用業務の実施に際し、放送対象地域ごとに地方向けの放送番組を提供するためには、放送対象地域ごとに配信システムを構築することや地方向けの放送番組ごとに権利処理を行うことが必要となり、全国向けの放送番組のみを提供するより多額の費用を要することとなる。そのため、NHKの自主的な取組に委ねていただけでは、地方向けの放送番組の提供が進まないことが懸念される。
そこで、地方向けの放送番組の提供を促進するため、NHKは、2号業務7を行うに当たって、NHKの目的の趣旨を踏まえ、地方向けの放送番組を提供するよう努めなければならないこととした8。
(c)他の放送事業者との協力に係る努力義務我が国の放送は、NHKと民間放送の二元体制の下で発展してきたものであるが、近年の急速なスマートフォンの普及などの視聴環境の変化を踏まえ、放送事業者によるインターネットの活用が課題となっている。特に、他の放送事業者については、
等から、現在、当該配信の実施を予定する者がいない状況にある。こうしたことを踏まえると、NHKがインターネット活用業務を行うに際して、民放と協力して取り組んでいくことは、放送界全体の発展の観点からも、重要なことと考えられる。
このため、今回、他の放送事業者が実施するインターネット活用業務に相当する業務の円滑な実施を図るため、NHKは、他の放送事業者が実施するインターネット活用業務に相当する業務の円滑な実施に必要な協力をするよう努めなければならないこととした12。具体的には、例えば、共通配信基盤の構築・利用、共通ポータルサイトやアプリ等の構築・提供、権利処理や視聴関連情報の適正な利活用等に係る様々な関係者間の調整など、インターネットの活用に係る共通課題の解決に向けた他の放送事業者との協力に努めることなどが期待されている。
(d)実施基準の認可要件の見直しNHKは、インターネット活用業務を行おうとするときは、①2号業務又は3号業務13の種類、内容及び実施方法、②2号業務又は3号業務の実施に要する費用に関する事項、③2号業務に関する料金その他の提供条件に関する事項、④その他総務省令で定める事項について実施基準を定め、総務大臣の認可を受けなければならないこととされている14。
実施基準の認可の要件は、インターネット活用業務が適切に実施されることを確保する観点から、放送法第20条第10項各号で定められている。そのうち第3号の要件では、業務の種類・内容・実施方法が受信料制度の趣旨に照らして不適切でないことを確認することとなっている。これは、受信契約者と非受信契約者の間の負担の公平性が確保されないことになれば、受信料制度の形骸化や受信契約者の減少による受信料財源の毀損を招来し、受信料収入に支えられた公共放送という基本的枠組みが損なわれることとなるためである。
一方で、今回解禁する常時同時配信は、その提供条件によっては、受信料を支払わずに国内テレビ基幹放送の視聴と同等の視聴を可能とするものである。受信契約者と非受信契約者の間の負担の公平性を確保する上で、常時同時配信の料金その他の提供条件に関する事項が重要な要素となる。したがって、常時同時配信の実施を認める場合には、料金その他の提供条件に関する事項15が受信料制度の趣旨に照らして不適切でないことを審査することが必要となる。
そのため、受信料制度の趣旨に照らし不適切でないかを審査する対象に2号業務の料金その他の提供条件に関する事項を追加することとした16。
(e)実施計画の届出・公表義務実施基準に基づいて毎事業年度実施する具体的なインターネット活用業務の内容は、実施計画の中で定められる。しかし、実施計画に関与する規律は存在していなかった。また、本法律では、NHKが実施基準に従って業務を行っていない場合、実施基準の遵守義務及び当該義務に違反した場合の勧告等の制度を設けることとしている((f)参照)。NHKが当該実施基準の遵守義務を履行しているか否かを確認し、総務大臣が適時適切に勧告等を行うためには、毎事業年度の実施計画を適切に把握することが有効となる。
そのため、NHKに対し、適切な事項が定められた毎事業年度の実施計画を作成させ、総務大臣への届出を義務付けることとした17。
併せて、今回、NHKに対し実施基準の公表義務を課すこととする((f)参照)ところ、これと同様に実施計画の公表義務を課すこととした18。
(f)実施基準の事後規律の充実常時同時配信の解禁により、インターネット活用業務の対象が拡大することとなり、NHKが実施基準に従って業務を行っていない場合、実施基準で担保している事項(①公共放送として実施すべき範囲の業務であること、②受信料制度の形骸化や受信料財源の毀損をしないこと、③利用者保護を図ること。)が損なわれることによる弊害はより大きいものとなる。
また、今回、常時同時配信の解禁に対応し実施基準の認可基準の見直しを行うこととしており、インターネット活用業務の適切な実施を確保する上での実施基準の重要性が更に高まる。そのため、これまで以上に実施基準に定めるところに従って業務を行うことが必要となることから、NHKが総務大臣の認可を受けた実施基準を遵守すべき旨を法律上明確に規定することとした19。
さらに、この実施基準の遵守義務の実効性を確保する観点からは、実施基準に従って業務が行われない場合の担保措置を設けることが必要である。その担保措置として、実施基準の認可を取り消すことが考えられるが、本法律による改正前の放送法第20条第11項20の実施基準の変更勧告を定めている理由(利用者が不利益を被らないよう配慮21)と同様に、取消しの前にしかるべき手続を踏む必要があるため、いきなり認可を取り消すのではなく、遵守勧告を行うことが適当である。そのため、実施基準に従って業務が行われない場合には、総務大臣は、実施基準を遵守するよう勧告することができるものとし、NHKが当該遵守勧告に従わなかった場合には、総務大臣は、実施基準の認可を取り消すことができるとすることとした22。
また、NHKは、受信契約者からの受信料収入に支えられていることに鑑みると、インターネット活用業務の対象の拡大により、その実施する当該業務が上記①~③を損なうものでないことについて、これまで以上に国民や視聴者に対し説明責任を果たすことが必要となるため、NHKに対し実施基準の公表義務を課すこととした23。
2. 2. 2. NHKグループの適正な経営を確保するための制度の充実NHKグループの適正な経営を確保するための制度の充実に係る改正については、NHKグループの内部統制の強化、監査委員会のチェック機能の強化、NHK役員のNHKに対する忠実義務の明確化等コンプライアンスの確保に係る制度を充実するとともに、透明性確保のための情報公開に係る制度の整備及び中期経営計画の策定・公表に係る制度の整備を行うこととした。(図3)
図3 NHKグループの適正な経営を確保するための制度の充実に係る改正の概要
NHKが、受信料により放送を実施する目的で運営されていること等を踏まえると、常時同時配信を含むNHKのインターネット活用業務が、NHKの目的や受信料制度の趣旨に沿って適切に実施されることを確保することが必要不可欠であり、さらに、その前提としてNHKに対する国民・視聴者の信頼が今後も確保されることが必要である。
しかし、実際には、NHK本体や子会社24、関連会社25及び関連公益法人等26(以下「子会社等」という。)のNHKグループにおいて多くの不祥事が発生している状況が継続している。受信契約者の信頼を回復し、受信契約者からの受信料収入に支えられた公共放送という基本的枠組みを維持するためには、NHKグループにおける更なる不祥事の発生を防止し、業務の適正を確保することが求められている状況にある。
NHKの業務及びNHKグループの業務の適正を確保するための規律は、内部統制を適切に整備し、これに基づき、経営委員会による監督、業務執行機関による執行、監査委員会による監査といった各機関の職務が適正に行われることにより実現する。これを踏まえ、本法律では、会社法(平成17年法律第86号。NHKと同様の機関設計をしている指名委員会等設置会社を規律)や、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「独法通則法」という。NHKと同様に公共的性格を有する独立行政法人を規律)等における内部統制や各機関の職務に関する規定を参考に整備を行った。
(1)NHK及びNHKグループの業務の適正の確保 (a)内部統制の強化近年、NHKの子会社の使用人による架空工事発注事案など、NHKグループにおける不祥事が継続して発生し、NHKに対する信頼確保のため、NHKグループの業務の適正を確保することが求められている状況にある27。このため、本法律ではNHKグループの内部統制について、経営委員会が議決すべき事項を、会社法及び会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)に倣って具体的に規定することとした。
会社法では、グループ経営が進展し、特に持株会社形態が普及している状況等を踏まえ、平成26年改正により、内部統制として取締役会が決定すべき事項に、企業集団の業務の適正を確保するための体制の整備を追加し、会社法施行規則でその細目を規定した。これを踏まえ、経営委員会の議決事項である「協会及びその子会社から成る集団における業務の適正を確保するための体制の整備」28について、その細目(子会社の取締役等の職務の執行に関するNHKへの報告体制の整備等)を規定する29こととした。
(b)役員の責任に係る規律の強化(a)の内部統制は、NHKグループの業務の適正を確保するための基盤となるものであるところ、その整備・運用を各機関が責任を持って適切に行わなければ、不祥事の再発を防止することは困難となる。
このため、本法律では、会社法や独法通則法等の規定(会社法第355条(取締役)・第419条第2項(執行役)、独法通則法第21条の4等)に倣い、NHKの役員は法令及び定款並びに経営委員会の議決を遵守し、NHKのため忠実にその職務を行わなければならない義務(忠実義務)を規定することとした30。
また、会長、副会長及び理事はNHKを代表するところ31、NHKと役員との間の訴えでは、役員とNHKとの間の利益衝突の問題が生じる可能性があり、また、会長等が他の役員と仲間意識を有し馴合い訴訟によってNHKの利益が害されるおそれがある。
このため、会社法の規定(第408条第1項)に倣い、NHKの役員がその職務を適切に履行し、当該職務執行に問題があれば適切に責任の追及が図られるよう、NHKと役員(役員であった者を含む。)との訴えにおいては、会長等ではなく、監査委員会が選定する監査委員がNHKを代表するものとした32。
(c)監査機能の強化監査委員は、役員の不正行為等を認めるときは、遅滞なくその旨を経営委員会に報告しなければならない33。経営委員会の招集権は、経営委員会の委員長のみが有するため34、監査委員による当該報告義務の速やかな履行が担保されていない状況にある。このため、今回、会社法の規定(第417条第1項)に倣い、監査委員が、役員の不正行為等について経営委員会に報告しなければならないと認めるときは、経営委員会を招集することができる旨を規定した35。
また、監査委員は、職務の執行に必要な費用の前払い等を請求できる(民法(明治29年法律第89号)第649条、第650条第1項・第2項)。しかし、費用の必要性の証明責任は監査委員の側にあるため、費用回収面での負担から、役員の職務の執行の監査が十分に行われないことが懸念される。このため、会社法の規定(第404条第4項)に倣い、費用の面で独立して職務執行ができるようにするため、NHKの監査委員について職務の執行に係る費用請求権を規定(費用の必要性の証明責任を会社側に転換する形で規定)することとした36。
(2)NHKに関する基礎的な情報の提供等NHKの業務は実質的に子会社も含めたNHKグループ全体で一体として実施されている。そのため、NHKや子会社による不適切な支出等があれば、直接的に、あるいはNHKに対する受信契約者の信頼低下に伴う受信料不払増加等により間接的に、受信料財源の毀損を生じさせることとなる。更なる不祥事の発生を防止し、NHKに対する信頼を確保するためには、内部統制の強化等の措置に加え、NHKグループの経営や業務の実態についての透明性を高め、国民や受信契約者の的確な理解と批判を可能とすることが必要である。
現在、NHKは、自主的に情報公開の取組を実施しているが、NHKグループの内部統制に係る運用状況を明らかにする必要があることに加え、特に子会社の人件費など子会社に関する基礎的な情報が十分に提供されておらず、過去の国会の附帯決議37等においても、一層の継続的な情報公開の必要性が繰り返し指摘されている。
また、NHKの業務においては、子会社に加え、関連会社及び関連公益法人等も重要な役割を果たしている。NHKの子会社等は、NHKの業務を遂行するために必要があるものとして総務大臣の認可を受けてNHKの出資を受けていること38も踏まえると、関連会社及び関連公益法人等を含めた子会社等の経営や業務の実態についての情報も十分に提供されることが求められる39。
以上を踏まえ、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号。以下「独法等情報公開法」という。)第22条の規定を参考に、NHKは、その組織、業務及び財務並びにその子会社等に関する基礎的な情報等について適時にかつ一般にとって利用しやすい方法により提供するとともに、その保有する情報の公開に関する施策の充実に努める旨を規定することとした40。
(3)NHKの中期経営計画の収支予算等への添付受信料によって運営される特殊法人として国民・視聴者の信頼を得ていくため、NHKの経営は、その業務や受信料等に関する適切な計画に基づき行われることが求められる。この観点から、NHKの毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画(以下「収支予算等」という。)は、(経営委員会の議決41に加えて)総務大臣に提出しなければならないとされ42、総務大臣は、これに意見を付し、内閣を経て国会に提出し、国会の承認を受けなければならないこととされている43。また、NHKは、自主的に策定している3か年の経営計画で複数年度にわたる支出の計画及び収入の見通しを立て、それを前提として毎事業年度の収支予算等を作成している。
近年、NHKの経営は、放送のデジタル化以来の大きな技術革新となる4K・8K放送、常時同時配信への取組や、それを支える受信料の在り方など、中期的な観点から計画を作成しこれに基づき行われることがこれまで以上に重要となっており、収支予算等の適正性についても、このような中期的な経営計画を踏まえて判断することが必要となっている。しかし、各事業年度の収支予算等では、複数年度を前提としつつ当該年度に実施する事業内容や受信料収入の見込みを記載しているが必ずしも十分なものとなっていない。
このため、NHKに、3~5年間の経営に関する計画(中期経営計画)の策定・公表を義務付けた上で、NHKが収支予算等を総務大臣に提出し、また、総務大臣が国会に提出する際に、それぞれ当該事業年度に係る中期経営計画を添付させることとした44。
2. 3. 今後のスケジュール本法律におけるNHK関係の改正事項については、委任省令等の制定及びNHK内における規程等の整備のため、相当の準備期間が必要であることから、原則として公布の日から9月を超えない範囲内で施行するものとした。
衛星基幹放送(BS放送、東経110度CS放送)は、人工衛星の放送局を利用して多チャンネル・高品質の放送番組を経済的・効率的に全国放送することが可能なメディアであり、視聴可能世帯数(右旋円偏波)は4千万世帯に達しているが、近年、Netflix等のOTT事業者45が、インターネット上で映画やスポーツなどの衛星基幹放送の人気番組と同様のコンテンツを提供するようになり、これらコンテンツ配信サービスとの競争が激化している。平成24年度以降、衛星基幹放送の視聴可能世帯数は伸び悩み46、平成28年度以降は有料の衛星基幹放送の加入者が減少傾向に転じる47など、衛星基幹放送を取り巻く事業環境は厳しさを増している。
しかし、衛星放送は、回線容量等の制約を受けるインターネット上のコンテンツ配信サービスと異なり、4K・8Kといった超高精細で大容量な映像を安定した品質で全国放送することが可能48であり、特に全国的に受信環境が整備されている衛星基幹放送については、今後もその特性を生かし、最新の技術を用いた高品質な番組を他のメディアに先駆けて先進的に提供する役割を果たすことが期待されている。
このような中、規制改革推進会議の「規制改革推進に関する第3次答申」(平成30年6月)では、通信での動画配信の拡大、映像のコンテンツの事業区分を超えた国際競争といった新たな環境において、国民共有の財産である電波を有効活用しつつ、国民に多様で良質なコンテンツを提供し、国民の知る権利の充足などの社会的機能を維持・発展させていくために、新たなビジネスモデルを構築していく必要があると提言し、その具体的な取組の一つとして、衛星放送のソフト事業について、新規参入等による放送コンテンツの多様化・競争力向上を促進する観点から、衛星基幹放送の業務の認定及び5年ごとの更新に際してスロットの有効利用を検証する仕組みを導入する等、平成31年度中に所要の制度整備を行うとされた。
3. 1. 2. 法改正の必要性衛星基幹放送を取り巻くこのような環境変化を踏まえ、市場の活性化や競争力の強化を図るためには、新規参入の促進等による放送サービスの多様化・高度化が有効であるが、右旋円偏波については、視聴可能世帯数が多くニーズも高いため、既存事業者の使用によりひっ迫しており、新規参入等に必要な帯域(具体的には衛星放送の周波数指定の基本単位となるスロット)がない。また、現時点では、デジタル化のような技術革新による指定可能スロットの増加や、国際調整による新たな周波数の確保が容易には見込めない状況である。
一方、既存事業者の中には、サービス開始後10年~20年が経過しその間の放送機器の性能向上等により、画質や放送サービスを低下させることなく、より少ない帯域でこれまでと同等の放送を行うことが可能となっている。
衛星基幹放送において、新規参入の促進等による放送サービスの多様化・高度化を促進するためには、効率的な帯域の利用によって得られた帯域を有効活用することが重要であるが、現行制度において、新たな利用可能帯域の確保は既存事業者からの自主的な返上を待たざるを得ず、容易には見込めない状況となっている。
よって、新規参入に関する認定、5年ごとの認定の更新いずれについても、帯域が有効活用される、あるいはされてきたかを検証し、有効活用が見込まれない場合には、総務大臣が指定する帯域を有効活用が担保できる水準とする仕組みを法制度上明確に定めることが必要とされた49。
3. 2. 法改正の概要 3. 2. 1. 衛星基幹放送の業務の認定要件の見直し衛星基幹放送の業務を行おうとする者は、総務大臣の認定を受けることが必要であり50、当該認定を受けようとする者は希望する周波数を申請し51、当該認定は周波数を指定して行うこととされている52。
認定は、5年ごとに更新しなければその効力を失うこととされている53ため、既存事業者の帯域について認定の更新時に有効活用の状況を審査することが考えられるが、現行制度において、認定の更新時の審査事項は、マスメディア集中排除原則54への適合性のみである55。
これは、デジタル化に伴う指定可能帯域の増加や国際調整による新しい周波数の追加確保によって平成23年度までは新たな指定可能帯域が存在しており、認定の更新時に既存事業者の帯域について有効活用の状況を審査する必要がなかったためである。現在の周波数のひっ迫状況に鑑みると、今後は帯域が有効活用されているか否かについて審査する必要がある。
このため、衛星基幹放送の業務の認定の際に、希望する周波数が申請に係る放送サービスに照らし必要十分か否かを、衛星基幹放送に関する技術の発達及び普及状況を勘案して総務省令で定める衛星基幹放送に係る周波数の使用に関する基準(以下「周波数使用基準」という。)に基づき審査する56こととし、認定の更新の際も同様の審査を行う57こととした。
3. 2. 2. 認定の取消事由の追加今次改正により、衛星基幹放送の業務の認定の更新要件として周波数使用基準への適合性を追加する58こととしているが、周波数使用基準への適合性は維持基準ではなく、これに適合しなくなった場合であっても任意的取消事由とされないため、不正な手段により認定の更新を受けた場合に取り消すことができないこととなる。
よって、認定基幹放送事業者の認定を取り消すことができる事由に、不正な手段により認定の更新を受けた場合を追加することとした59。
3. 2. 3. 周波数使用基準の策定省令で定めることとしている周波数使用基準の策定にあたっては、最新の技術動向を踏まえるとともに、視聴者保護の観点から、現在提供されている放送サービスの質を低下させないことが重要である。
周波数使用基準において、衛星基幹放送に係る技術の発達及び普及状況を勘案するのは、新たな放送サービスが出現した場合に当然見直しの必要があることに加え、既存の放送サービスにおいても、その実施に必要な帯域は新しい技術を用いた放送機器(符号化装置等)の方が少なくなることから、使用される帯域を適切な水準とするためには技術の発達を勘案する必要があるためである。一方で、新しい放送機器は普及が進んでいない段階では高価な場合があることから、過度な設備投資負担が事業者に生じないようにするため、技術の普及状況も勘案することとした60。
なお、周波数使用基準の制定又は改廃は、必要性が認められるスロットの数と事業者の設備投資負担を併せ考慮することが必要であり、その際には電波監理審議会の判断を踏まえ、公正・中立的に行うこととしている61。
3. 2. 4. 認定基幹放送事業者の地位の承継に関する経過措置基幹放送業務を行う事業を承継した法人は、総務大臣の認可を受けて、認定基幹放送事業者の地位を承継することができる62こととされており、改正法の施行前に衛星基幹放送に係る認定基幹放送事業者の地位の承継の認可を申請したものの、施行の際にその処分が行われていない場合が生じ得る。
当該認可の審査については、衛星基幹放送の業務の認定の要件を準用することとされている。今回、当該要件に周波数使用基準への適合性を追加することとなるが、認可申請時に審査要件とされていなかった周波数使用基準への適合性を申請後に求めることは、申請者に予期しない時間や費用の負担を生じさせることとなり、適当でない。
このため、改正法の施行前にされた衛星基幹放送に係る認定基幹放送事業者の地位の承継の認可の申請であって、施行の際、認可又は不認可の処分がなされていないものの処分については、従前の審査要件によることとした。
3. 3. 今後のスケジュール衛星基幹放送に係る改正規定については、周波数使用基準の制定等のための準備期間を確保する必要があること、また、衛星基幹放送を行う事業者に対して当該周波数使用基準について周知する相当の期間が必要であることを踏まえ、公布の日から1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行される。
1 放送法第20条第2項第2号(放送番組等を電気通信回線を通じて一般の利用に供する業務)又は第3号(放送番組等を、放送番組を電気通信回線を通じて一般の利用に供する事業を行う者に提供する業務)に規定するNHKの任意業務(NHKの目的を達成するため実施できることとされている業務)のこと。
2 放送を巡る諸課題に関する検討会<http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/housou_kadai/>
3 NHKのテレビジョン放送による国内基幹放送の全ての放送番組を当該国内基幹放送と同時に一般の利用に供すること。
4 放送法第15条
5 「地方向けの放送番組」とは、各地方における住民の需要に応えるための放送番組である。
6 平成29年度にNHKが実施した常時同時配信の実施に向けた試験的提供では、地方向けの放送番組を視聴できたことに対する利用者の満足度は約93%。(NHK公表資料)
7 インターネット活用業務のうち電気通信回線を通じてNHKの放送番組等を一般の利用に供する業務
8 本法律による改正後の放送法(以下「新放送法」という。)第20条第14項
9 配信サーバー・プログラム等の配信に係る基礎的なシステム全体を指す。
10 Content Delivery Networkの略。サーバの分散等により、トラフィックの分散や高速化等の効果をもたらすWebコンテンツ配信ネットワーク
11 放送事業者によるテレビ放送番組のオンデマンド配信のポータルサイトとしては、NHKが「NHKオンデマンド」を、民放は在京キー局5社が共同で「TVer」を、別々に構築・運営している。
12 新放送法第20条第14項
13 インターネット活用業務のうちNHKの放送番組等を、放送番組を電気通信回線を通じて一般の利用に供する事業を行う者に提供する業務
14 放送法第20条第9項
15 NHKは、常時同時配信の実施に際し、サービス開始時の基本的な考え方として、受信契約世帯の構成員は、追加負担なく利用できるようにする、受信契約が確認できない場合は、メッセージ付き画面などの視聴にとどめる等の意向を表明している。(NHK公表資料)
16 新放送法第20条第10項第3号
17 新放送法第20条第13項
18 新放送法第20条第13項
19 新放送法第20条第11項
20 新放送法第20条第15項第1号
21 事後規律として、実施基準の認可をいきなり取り消すことは、既に多くのユーザーが存在するサービスでは、利用者が不利益を被ることになりかねず、取消しの前にしかるべき手続を踏むことが適当と考えられたため、認可取消しの前に変更勧告を行う制度としている。
22 新放送法第20条第16項
23 新放送法第20条第12項
24 放送法第21条第1項
25 放送法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第10号)第30条第10号イ
26 放送法施行規則第30条第10号ロ
27 NHKの業務は、実質的に子会社も含めたNHKグループ全体で一体として実施されており、NHKやその子会社における不祥事は、不適切な支出等により直接的に、あるいはNHKに対する受信契約者の信頼低下に伴う受信料不払増加等により間接的に、受信料財源の毀損を生じさせることとなる。
28 新放送法第29条第1項第1号ハ(6)
29 新放送法第29条第1項第1号ハ(6)(ⅰ)~(ⅳ)は、会社法施行規則(第112条第2項第5号イ~ニ)で定めている事項を規定したもの。
30 新放送法第60条の2。なお、忠実義務違反は、罷免事由である「職務上の義務違反」(放送法第36条第1項及び第55条)に該当。
31 放送法第51条
32 新放送法第46条の2
33 放送法第45条
34 放送法第39条第1項
35 新放送法第39条第2項
36 新放送法第43条第3項
37 第196回国会NHK平成30年度予算に係る附帯決議
○衆議院総務委員会(平成30年3月22日)
六 協会は、その運営が受信料を財源としていることを踏まえ、国民・視聴者に対し、情報を十分に開示し、説明を尽くすこと。また、そのために、経営委員会及び理事会等における意思決定過程や、財政運営上の規律、不祥事に伴う処分、子会社等の運営の状況、調達に係る取引等を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、議事録の適切な作成・管理に努めること。
38 放送法第22条
39 独法等情報公開法における情報提供の対象も、子会社のみならず関連会社や関連公益法人を含めている
40 新放送法第84条の2
41 放送法第29条第1項第1号ニ
42 放送法第70条第1項
43 放送法第70条第2項
44 新放送法第71条の2
45 OTT(Over The Top)事業者とは、自らは通信設備を保有することなく、通信事業者が提供する通信設備を利用して動画などのさまざまなコンテンツを提供する事業者。
46 有料多チャンネル放送サービスの利用率は、50代及び60代が他の年代より高く20%超となっているが、40代の利用率は、平成25年の28.4%から平成29年は15.0%に減少。
47 平成27年の約220万件から、平成29年は約210万件に減少。
48 平成30年12月から「新4K8K衛星放送」が開始
49 「放送を巡る諸課題に関する検討会 第二次取りまとめ」(平成30年9月28日)
50 放送法第93条第1項
51 放送法第93条第2項第5号
52 放送法第94条第1項第3号
53 放送法第96条第1項
54 新放送法第93条第1項第5号及び基幹放送の業務に係る特定役員及び支配関係の定義並びに表現の自由享有基準の特例に関する省令(平成27年総務省令第26号)
55 放送法第96条第2項
56 新放送法93条1項第4号
57 新放送法第96条2項
58 新放送法第96条第2項
59 新放送法第104条
60 新放送法第93条第1項第4号
61 新放送法第177条第1項第5項
62 放送法第98条第2項