Journal of Information and Communications Policy
Online ISSN : 2432-9177
Print ISSN : 2433-6254
ISSN-L : 2432-9177
Can personal data be treated as goods?
Teppei Koguchi
Author information
JOURNAL FREE ACCESS FULL-TEXT HTML

2020 Volume 4 Issue 1 Pages 47-61

Details
Abstract

本稿では「パーソナルデータに経済的価値があるか」という問いを考察することを通じて、パーソナルデータを財として扱うことの課題を整理した。

パーソナルデータは、それが最終的には経済上の利益につながるという点では、経済的価値を認めることはできるが、その価値がどの程度であるかという算定の方法等については明確ではない。また、個人はパーソナルデータ提供の対価を正しく評価できない可能性があり、対価への意識からパーソナルデータの利活用が進まなくなる可能性がある。さらに、パーソナルデータを、経済的価値を有する財として捉えることと個人情報保護法の趣旨には相違がある。

現在、パーソナルデータの利活用を目指して情報銀行等の仕組みが展開されている。このような仕組みが有益なものとなるためには、個人や事業者のパーソナルデータの価値に対する認識を支える政策が求められる。

また、パーソナルデータには公共財的性質や外部性があり、これらの性質を踏まえて、どのようなメカニズムによって利活用を促進するのかを検討する必要がある。

Translated Abstract

In this paper, we have examined the question "Can personal data be treated as goods?" and we have summarized the challenges of treating personal data as a good.

Although we can recognize the economic value of personal data, it is not clear how to calculate the value of personal data. In addition, individuals may not be able to correctly evaluate the compensation for providing personal data, and their awareness of the compensation may prevent them from making use of their personal data. Furthermore, there is a difference between the view of personal data as a good and the purpose of the Personal Information Protection Law.

At present, mechanisms such as the Information Bank are being developed to make use of personal data. In order for these schemes to be useful, policies are needed to support individuals and businesses' awareness of the value of personal data.

In addition, personal data has public good characteristics and externalities. it is necessary to consider what mechanisms will be used to promote the use of personal data.

1.はじめに

「パーソナルデータはインターネットにおける新しい石油だ」というWorld Economic Forum(2011)の表現が、さまざまな場面で用いられている。この表現からは、パーソナルデータには多様な用途があり、何かとても「価値がある」ような印象を受ける。

実際、個人のインターネットの利用を考えると、スマートフォンで自身の現在地をもとにしたマップでの経路案内を利用できたり、ショッピングサイトで過去の購買履歴をもとにしたおすすめ商品の案内を受けられたりするなど、自身のパーソナルデータによって便利なサービスが享受できていることを実感できる。

インターネット上でサービスを提供している企業に目を向けても、GAFAと呼ばれる巨大なプラットフォーム事業者はもちろん、その他多くの企業が私たちのパーソナルデータを収集し、それを付加価値につなげている。さらに、企業によってパーソナルデータの利活用の仕方が多様である点は、石油に通じるものがある。

本稿は「データエコノミーの将来 ~期待と課題~」というテーマを受けてのものであるが、このテーマの趣旨においても、データがきわめて重要な価値を有することとなっている点が示されている。このことからも、パーソナルデータには「価値がある」ように感じられるし、その価値は「経済的」なもののように見える。

しかし、実は「パーソナルデータに経済的価値があるのか」ということについては議論があり、必ずしも自明ではない。データエコノミーの将来を検討するうえで、ステークホルダーのあいだでパーソナルデータにおける経済的価値の有無について認識が共有されなければ、データエコノミーに対する期待や課題も共有されない。また、データエコノミーを支える政策の評価も定まらないだろう。

さらに、仮にパーソナルデータに経済的価値があるとしても、それをどのように扱うかについては検討が必要である。通常の財として自由に市場で取引されることを通じた利用も考えられるし、公共財のように公的機関が介入することも考えられる。そもそも、経済的価値があったとしても、それが必ずしもパーソナルデータを財としてみなさなければならないことを意味しない。

そこで、本稿では「パーソナルデータに経済的価値があるか」という問いを改めて考察することからはじめる。そのうえで、パーソナルデータを財として扱うことの課題を、現状の制度等を踏まえながら整理する。本稿の考察、整理は、必ずしもデータエコノミーの将来に対して具体的な方策を示すものではない。しかし、データエコノミーについて地に足のついた議論を進めるための基礎的な材料を提示することを試みたい。

2.経済的価値はあるかという問い

2019年8月、公正取引委員会から「「デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方(案)」に対する意見募集について」というパブリックコメントが示された。これは、GAFAをはじめとするデジタル・プラットフォーム事業者と消費者との取引における優越的地位の濫用規制の考え方を明確化するという目的のために公正取引委員会が考え方を整理しようとしたものである。この考え方自体は独占禁止法に関するものであり、本稿の考察対象そのものではない。

しかしながら、この考え方のなかに、「パーソナルデータに経済的価値があるか」ということを考えるうえで有益な材料とできる部分が含まれている。また、この考え方に対しては、複数の団体、個人から意見が出され、その意見のなかにもパーソナルデータの経済的価値について考えるうえで重要な示唆が含まれているものがある。そこで、本節ではこのパブリックコメントをもとに考察をおこなう。

2.1.公正取引委員会が示した考え方

ここで、公正取引委員会が示した考え方(公正取引委員会(2019b))のなかで、本稿の考察に関連する部分について示しておきたい。

なお、公正取引委員会(2019b)では、「個人情報等」という用語が用いられている。これは、個人情報保護法で規定された「個人情報」に加え、ウェブサイトの閲覧情報や携帯端末の位置情報等、一般にそれ単体では個人識別性を有しないものの他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができる場合があるような「個人情報以外の個人に関する情報」を含むものとして定義されている。本稿ではここまでパーソナルデータの定義をおこなっていなかったが、この公正取引委員会(2019b)の「個人情報等」と同様のものとして定義することとする。

公正取引委員会(2019b)において本稿で考察する部分は、第2節の『「取引の相手方(取引する相手方)」の考え方』である。この節では、デジタル・プラットフォーム事業者に対する消費者の位置づけを示している。公正取引委員会(2019b)では、独占禁止法第2条第9項第5号における「取引の相手方」、「取引する相手方」には消費者も含まれるとしたうえで、

また、個人情報等は、消費者の属性、行動等、当該消費者個人と関係する全ての情報を含み、デジタル・プラットフォーム事業者の事業活動に利用されており、経済的価値を有する。

消費者が、デジタル・プラットフォーム事業者が提供するサービスを利用する際に、その対価として自己の個人情報等を提供していると認められる場合は当然、消費者はデジタル・プラットフォーム事業者の「取引の相手方(取引する相手方)に該当する。(公正取引委員会2019b、p.4)

と示している。ここで、公正取引委員会(2019b)は、個人情報等には経済的価値があることを明示するとともに、消費者とプラットフォーム事業者が個人情報等の取引関係にあるとしている。この考え方に従えば、本稿で考察している「パーソナルデータに経済的価値があるのか」という問いに対しては「ある」という結論で終わることになる。

しかし、公正取引委員会(2019b)の当該部分に対しては、パブリックコメントを通じていくつかの意見が示された2。パブリックコメント後に公正取引委員会から示された意見の概要と公正取引委員会としての意見に対する考え方(公正取引委員会(2019a))では、提出された意見について概要のみが示されており、また、意見に対する公正取引委員会の回答(考え方)も簡潔なものとなっているが3、当該部分に関して提出された意見については、その全文を公開している団体もあり、これを検討することでパーソナルデータの経済的価値に関する論点を見出すことができる可能性がある。

そこで、次項以降、当該部分について提出した意見の全文を公開していることが確認された、いくつかの団体の意見を検討する。なお、本稿はあくまでもパーソナルデータの経済的価値に関する考察をおこなうものであり、以降のそれぞれの団体の意見における、独占禁止法全体に関する部分や、デジタル・プラットフォーム事業者への規制等についての部分は考察の対象としないことを付記しておく。

2.2.日本経済団体連合会経済法規委員会競争法部会の意見

はじめに、日本経済団体連合会経済法規委員会競争法部会から示された意見(日本経済団体連合会経済法規委員会競争法部会(2019)、以下、本文では「経団連部会」という)について検討したい。経団連部会からの意見は、本稿の考察対象以外の部分も含め多くが示されているが、本稿の考察に関連する部分への意見として、つぎのような指摘がある。

しかし、個人情報が経済的価値を有するとの合理的根拠は見当たらないと考えられるところ、仮に合理的根拠があると判断するのであれば、その客観的なエビデンスが示されるべきである。それが示されないまま、法改正も経ずに、ガイドラインの策定が行われれば、法的安定性ならびに事業者の予測可能性を害する。

1)そこで、「経済的価値」を有すると判断した根拠について、客観的に検証可能な形で示すべきであり、また、仮にその「経済的価値」が算定可能なものであるという前提であれば、その算定方法を客観的に検証可能な形で示す必要がある

2)もし、これらを示すことができないのであれば、この部分の記載は削除すべきである。

3)そもそも、個人情報の経済的価値を算定して課徴金を課すことができるのか疑問である。(日本経済団体連合会経済法規委員会競争法部会2019、p.6)

経団連部会は、個人情報が経済的価値を有する合理的根拠は見当たらないと指摘している。たしかに、公正取引委員会(2019b)は個人情報等がデジタル・プラットフォーム事業者の事業活動に利用されていることから経済的価値を有するとのみ示しているため、その根拠が必ずしも詳細に示されてはいない。

この点、個別のサービス単位で考えれば、経済的価値を有していることは理解できるのではないか。例えば、ショッピングサイトにおけるおすすめ商品の提示は、過去の閲覧履歴や購買履歴をもとに生成される。事業者がおすすめ商品を提示する理由は、それによって消費者の購買を促し、売上に貢献するからである。また、デジタル・プラットフォーム事業者のサービスに限らないが、例えば位置情報アプリは、位置情報を利用することで販売できる(あるいは広告収入を得られる)アプリケーションとして成立する。このような個別サービス単位等での理解がどの程度合理的な根拠となりえるかについては議論の余地があるが、一定の根拠としてはみなせるのではないか。

ただし、経済的価値について算定可能であれば検証可能な形で示す必要があるという指摘はきわめて重要である。個別サービス単位で個人情報の経済的価値を定性的に把握しても、その経済的価値がどの程度かということはあきらかではない。公正取引委員会(2019a)では、経済的価値の算定方法いかんにかかわらず個人情報等は経済的価値を有するとする旨の考え方が示されており、算定方法自体については触れられていない。

2.3.新経済連盟の意見

つぎに、新経済連盟から示された意見(新経済連盟(2019))について検討したい。新経済連盟からの意見も多くの論点を含むが、そのうち本稿に関わるものとして、つぎの指摘を取り上げる。

…事業者が消費者にサービスを提供するに当たって不可避的に必要とする情報(例えば、消費者に商品を配送するに当たっての氏名、住所、年齢別にコンテンツを出し分けて提供するに当たっての年齢等)や、サービスの利用に当たって自動的に発生する情報(例えば、消費者のウェブサイト閲覧履歴等)を事業者が取得(自動的にサーバに蓄積される場合も含む)する場合は、少なくともその本来的な用途に利用されている限り消費者が一方的に便益を受けているだけであって、そもそも消費者が「取引の対価」としてこれら情報を提供していると考えるのは相当に無理がある。また、他の用途に用いる場合であっても、これに該当するか否か不明確であり、具体的に何がこのような場合に該当するかが不明であり不適切である。(新経済連盟2019、3ページ目)

個人情報等は分析に有用となる程度に多数存在し、かつそれが的確に分析されることにより、はじめて経済的価値を有するものになると考えられる。必ずしも個々の個人情報等自体にとたに経済的価値があるとは言えないと考えられる。仮に、事業者が収益を得るために個人情報等が必要となる場合には当該個人情報等に経済的価値があるとする考え方に立つのであれば、およそ個人情報等を取得する事業者はすべて提案の対象としなければならないことになり、結局何を問題にしているのか不明であり不適切である。(新経済連盟2019、3ページ目)

新経済連盟の上記の意見について、前段では消費者が取引の対価として個人情報等を提供するという考え方に反対の意見が示されている。そして、反対の根拠として、個人情報の本来的用途の下では消費者が一方的に便益を受けているだけである点を指摘している。これは、事業者側は消費者から個人情報を本来的用途にのみ利用している場合は何らの利益を得ていないという主張とも解釈することができる。

しかしながら、事業者側も消費者の個人情報等から一定の利益を得ることはありうるのではないか。例えば、先にも例に挙げたショッピングサイトのおすすめ商品の提示は、消費者の購入履歴や閲覧履歴という情報があって初めて成立するサービス要素である。これはもちろん消費者の便益につながるが、同時に、事業者のサービス生産、また、そのサービスを通じた売上への貢献にもつながるだろう。ここで、本来的用途がどういった用途を指すかは議論の余地があるだろうが、このようなサービスの利用規約では、個人情報をサービス向上のために利用する旨が示されている場合も多いと思われ、これを本来的用途と捉えれば、事業者が個人情報等から利益を得ているとみることもできるのではないか。

一方で、仮に事業者が消費者の個人情報等から一定の利益を得ていたとしても、消費者がそれを正確に認識しているかという点は別の問題であり、別途検討する必要があるだろう。消費者が正確に認識していないとすれば、たとえ対価として個人情報を提供するという意識があっても、その対価を正当に評価できない可能性がある。この意味で、新経済連盟の取引の対価という捉え方に無理があるという指摘は検証すべき重要な点である。

また、後段の意見にも重要な示唆が含まれている。それは、個人情報等が経済的価値を有するためには、事業者による分析等の過程が必要であるという点である。つまり、個人情報等が経済的価値を有する場合、その価値のすべてが提供した個人に由来するわけではないという点である。これは、消費者が提供する個人情報等は中間投入であり、そこに(事業者側の)資本と労働が組み合わされ、最終的な「経済的価値を有する個人情報」が生産されるという、生産関数のようなモデルとも捉えられる。ただし、このように考えても、中間投入に経済的価値が無いとはやはりいえない。

2.4.情報法制研究所個人情報保護法研究タスクフォース

さいごに、情報法制研究所個人情報保護法研究タスクフォースから示された意見(情報法制研究所個人情報保護法研究タスクフォース(2019)、以下、本文では「情報法制研究所TF」という)について検討したい。情報法制研究所TFからの意見も本稿の考察対象以外の部分も含め多くが示されているが、本稿に関わる部分として、つぎの指摘を挙げる。

個人情報保護法が個人情報を保護する理由は、個人情報に経済的価値があることを前提としておらず…「個人の人格尊重の理念の下に」(同法第3条)「個人の権利利益を保護することを目的」(同法第1条)としたものである。考え方案のこれらの記載は、個人情報が法により保護される理由が「経済的価値」にあるとの誤解を増長させるものであり、国民に個人情報保護法の目的を見失わせ、同法の運用をさらなる混乱に陥らせる危険がある。(情報法制研究所個人情報保護法研究タスクフォース2019、2ページ目)

もし、消費者が自身の個人情報の提供を「対価」として捉えるようになれば、個人情報の利活用が阻害されることにもなる…ので、個人情報の利活用を促進すべきとする経済産業省その他の政府の方針にも矛盾する自滅的な考え方である。個人情報がデジタル・プラットフォーマーにおいて「経済上の利益」となることは事実であるが、個人情報に経済的価値を見出すのはデジタル・プラットフォーマー側の都合によるものにすぎない…(情報法制研究所個人情報保護法研究タスクフォース2019、3ページ目)

情報法制研究所TFの前段の意見では、個人情報保護法の位置づけとの関連を指摘している。この指摘は、個人情報に経済的価値があるか否かを直接指摘するものではなく、経済的価値が個人情報の保護の理由になる(という認識が広がる)ことの問題を指摘するものと理解できる。これは、実際に個人情報に経済的価値が見出される場合には、いっそう重要な問題となる。この指摘を踏まえれば、個人情報保護法が個人情報を保護する理由について、いっそう周知、理解されることが求められる。

後段の意見では、個人情報の提供が対価と位置付けられると個人情報の利活用が進まないという指摘がなされている。情報法制研究所個人情報保護法研究タスクフォース(2019)では個別事例を示しながら、対価という認識が、本来目的によらず自由に利用できる「統計データ」としてのビッグデータにまで対価を求めることを懸念している。

2.5.問いから得られた示唆

本節では、公正取引委員会(2019b)をめぐる意見を検討することで、「パーソナルデータに経済的価値があるか」という問いについて検討した。検討を通じて得られた示唆は、おおよそつぎのようにまとめられる。

  • ●(経済的価値)パーソナルデータは、それが最終的には経済上の利益につながるという点では、経済的価値を認めることはできる。
  • ●(パーソナルデータの価値算定)ただし、その価値がどの程度であるかという算定の方法等については明確ではない。
  • ●(パーソナルデータによる価値の配分)パーソナルデータが経済的価値を生じるためには、パーソナルデータを事業者が収集、分析等をおこなう必要があり、パーソナルデータそれ自体は中間投入のようなものに過ぎない。
  • ●(対価への意識)個人がパーソナルデータの提供に対価を意識することに関しては、個人の事業者に対する理解の不完全性から対価として正しく評価できない可能性があり、また、対価への意識からパーソナルデータの利活用が進まなくなる可能性がある。
  • ●(個人情報保護法の前提)個人情報保護法が個人情報を保護する理由について、経済的価値が前提となっていないことに留意する必要がある。

3.財として扱うことの課題

前節で検討したとおり、パーソナルデータには一定の経済的価値を認めることができ、実際に公正取引委員会(2019b)も経済的価値を有するという考え方はパブリックコメント後も変えていない。さらに、公正取引委員会(2019b)では、取引の対価という考え方を示しており、これはパーソナルデータが財として扱われているとも解釈できる。一方で、前節ではパーソナルデータの経済的価値に関連したいくつかの論点も提示した。

そこで、本節では、パーソナルデータの財として扱ううえでの課題について、前節の論点を中心に現在の取り組みや研究動向を示しながら考察する。

3.1.パーソナルデータの価値算定

前節では、パーソナルデータの価値の算定方法について明確ではないという指摘を論点としてまとめた。事業者からみた場合、パーソナルデータは先に中間投入と表現したように、サービスを構成する一要素であるが、通常の中間投入と異なり、市場で調達するわけではなく個人から(個人情報であれば同意を取得して)収集するため、そのコストが明確ではない。同時に、最終的にサービスが生み出す付加価値のどの程度がパーソナルデータに由来するかについても、データの種類、量等に依存することもあり、必ずしも明確ではない。

筆者も構成員として参加した総務省のAI経済検討会データ専門分科会では、パーソナルデータに限らず事業者が保有するデータ全般が対象ではあるが、データの価値測定手法について検討するとともに実証分析を試み、2020年6月にAI経済検討会で報告がなされた。

分科会では、先行研究を踏まえながら、コストベースのアプローチ、マーケットベースのアプローチ、インパクトベースのアプローチの3つのアプローチから価値の測定を検討し、実行可能性等の観点から、事業者アンケートを用いた生産関数による分析(インパクトベースのアプローチの一つ)をおこなった。生産関数による分析では、データの容量、件数と付加価値に一定の関係が認められ、データが事業者の生産活動に正の影響を与えていることが示唆された。

一方で、生産関数の推計であることから、マクロあるいは産業レベルでの価値測定であり個別企業の価値測定ではないこと、容量や件数などのデータの捉え方について今後も検討が期待されることなどの課題も示された。

この取り組みは、事業者からみたパーソナルデータの価値算定に重要な知見を与えているが、種類やデータサイズが多様なパーソナルデータを精確に算定するためには引き続き検討が必要である。分科会で検討されたBrynjolfsson and McElheran (2016)Müller, Fay and Brocke (2018)といった先行研究も、それぞれデータ資産の有無、データの活用状況の影響を見たものであり、必ずしもデータの質、量、また、多様性を考慮できているものではない。パーソナルデータの利活用の在り方がどのようなものになるとしても、価値算定の方法は検討を進めていかなければならない重要な課題である。

3.2.パーソナルデータによる価値の配分

前節で示した新経済連盟(2019)の指摘にあるように、パーソナルデータが経済的価値を生じさせるのは、個人から事業者に提供されたパーソナルデータが、事業者によって蓄積、分析等されるからである。したがって、パーソナルデータによる価値は、個人(中間投入としてのパーソナルデータの提供)と事業者(資本と労働による生産)でバランスされることが望ましい4

ここで、個人がどのようなかたちでどのようにその配分を受けるかという点が問題となる。新経済連盟(2019)の指摘を踏まえれば、事業者から提供されるサービスから得られる便益に、パーソナルデータから生み出された価値のうち個人に配分される部分が含まれていると考えることもできる。

その場合、それが妥当な配分なのか、また、それを個人が認識できているかということが問題となる。事業者側でさえパーソナルデータから生み出される価値の算定が困難であるなか、現実的にはサービスを通じた配分の妥当性を検討することは容易ではないが、公正取引委員会(2019b)からもわかるとおり、プラットフォーム事業者の交渉力によって個人への配分が妨げられることは避けなければならない。

一方で、パーソナルデータが単体で財として取引される市場を形成し、市場メカニズムを利用した配分を目指すことも考えられる。現在政府が検討し、また、すでに展開されている、情報銀行やデータ取引市場は、まさに、このような方向を目指しているものといえるだろう5。情報銀行やデータ取引市場について検討している官民データ活用推進基本計画実行委員会データ流通・活用ワーキンググループも、個人が便益を実感できないことに対する不満や不公平感を課題として指摘している(官民データ活用推進基本計画実行委員会データ流通・活用ワーキンググループ2019

ただし、このような市場メカニズムを利用する場合、前項で示した事業者の価値算定の困難性や、次項で示す個人のコスト計算の困難性は、市場における情報の不完全性を生じさせる課題となる。現在の政府のこのような取り組みが成功するか否かについては、この情報の不完全性を解消できるかが一つのポイントとなる。

3.3.対価への意識

3.3.1.事業者に対する理解

対価への意識に関する論点の一つとして、個人の事業者に対する理解の不完全性から対価として正しく評価できない可能性を挙げた。ここで、事業者に対する理解というのは、ひとつは事業者が自身のパーソナルデータからどの程度の価値を生み出しているかということに対する理解であり、これはすでに示したとおり事業者の価値算定の困難性のため、ましてや個人がそれを理解するのは難しいのが現状であろう。

また、もう一つの事業者に対する理解として、事業者がどのように自身のパーソナルデータを扱うか、という意味もある。公正取引委員会(2019b)の取引という考え方に基づけば、個人はパーソナルデータの供給者となるが、パーソナルデータの個人としての生産コストというのは基本的に存在しない6。消費者からみると、パーソナルデータの供給におけるコストは、事業者が漏えいするリスクや、どのように使われるか不安だというプライバシーに由来するコストとなる7

個人のプライバシーに関する懸念については、必ずしも合理的に判断できないことがEconomics of Privacyの分野で指摘されており、プライバシーに関する懸念はさまざまな要因に左右されることが示されている8。さらに、個人はプライバシーへの不安を示しながらも実際にはその不安に応じた行動を取っていないという「プライバシー・パラドックス」の存在も指摘されている(Norberg et al. 2007)。

このように、事業者に対する理解という点からは、対価を正当に評価するうえで課題が多く、前項で示した市場メカニズムの利用においてはこれらの課題を解決するための政策的対応が求められる。

3.3.2.利活用への影響

情報法制研究所個人情報保護法研究タスクフォース(2019)では、個人の対価への意識がパーソナルデータの利活用を阻害する懸念を示している。具体例として、JR東日本がSuicaの乗降履歴を日立製作所に本人の同意なく販売した事案を示し、この事案では個人情報保護法第23条の違反が問題であったにもかかわらず、個人から、利益追求に自身の情報を使われることへの抵抗や対価の要求が示されたことを指摘している9。たしかに、法的に問題ないパーソナルデータの利用について、それが事業者の利益につながっていることへの抵抗やそれに伴う対価の要求が過度になると、結果として対価への意識がパーソナルデータの利活用の阻害要因となる。

一方で、官民データ活用推進基本計画実行委員会データ流通・活用ワーキンググループ(2019)は個人が便益を実感できていないことを課題としており、情報銀行やデータ取引市場はパーソナルデータからの便益を明確することを一つのねらいとしている。ここでの便益は必ずしも金銭的なものに限らないが、対価性が明確になるということに変わりはない。このような施策を実施することの背景には、個人がパーソナルデータ提供の便益を対価のように明確に認識できる方がパーソナルデータの利活用に資するという想定があるように思われる。

また、2019年に株式会社Plasmaが社会実験と称し実施した私生活データを収集して金銭を支給するExographという取り組みを実施した。これは、20万円という支給額10で1か月の私生活の動画を収集するというものであり、動画は匿名化処理をしたうえで消費者行動データとして企業に提供した時の経済的価値の推定・調査のためのヒアリングなどに利用されるというものであった。この取り組み自体は賛否があったようであり、また、1か月の私生活の動画という個人情報が20万円の経済的価値を生じさせるものなのか否かはわからない。しかし、この取り組みには2週間で1,000名を超える応募があった。応募者が、20万円という対価を意識して応募したことは間違いないだろう。

このように、対価への意識が利活用に与える影響については、阻害するとする見方と、促進させるという見方があるように思われる。また、個人情報の内容や、利用目的によって、対価への意識が影響する方向が異なる場合もあると考えられる。これらについての実証的な分析はまだ十分ではない。個人の意識は国によっても異なると考えられ、海外の研究を踏まえつつ、日本においても検証が進められなければならない。

3.4.個人情報保護法の前提

情報法制研究所個人情報保護法研究タスクフォース(2019)は、個人情報保護法が個人情報を保護する理由が経済的価値を前提としていない点を指摘している。仮に個人情報11が事業者にとって利益を生み出すものであっても、現行の法制度との不整合があるのであれば、解消されなければならない。

この法学的論点に対しては、筆者は方策を示す知見を持ち合わせていないため今後の関連研究を待ちたいが、ここでは石井(2012)による個人情報の財産権としての可能性に関する研究を示しておく。本節のように、パーソナルデータを財として捉えるのであれば、財産権とすることは整合的だと思われる。

石井(2012)はアメリカでの議論を時系列で整理し検討したうえで、プライバシー権は自然権概念と結びつけ理解することが妥当だと結論づけている12。一方で、財産権についての議論は重要であるともしており、今後の研究動向を注視する必要がある。

4.公共的な利用についての検討

ここまで、パーソナルデータの経済的価値という側面から財としての課題について、財の評価(価値算定、価値の配分、対価への意識等)を中心に考察してきた。一方、パーソナルデータを財として捉えた場合、個人や事業者の評価という面の他、財そのものの特質という点についても検討する必要がある。そこで、パーソナルデータの財としての特質から、公共的な利用についても検討してみたい。

4.1.公共財の性質

パーソナルデータは情報財の一種である。早くから情報を財として捉え経済理論の構築を試みた野口(1974)は、情報財は非排除性および非競合性を有する公共財と同様の性質を持つ場合があることを指摘している。また、高口(2015)は、野口(1974)の情報財の整理をパーソナルデータに適用し検討し、本来的にはパーソナルデータも非競合性および非排除性を有しているとしている。

公共財の市場での自由な取引は経済学的に望ましくないことが知られている。Varian(2018)は、本稿冒頭で示した例示を踏まえ、(パーソナルデータに限った指摘ではないが)データと石油の重要な違いはデータが非競合的であるとし、データに対する対価に否定的な見解を示している。

したがって、市場メカニズムを利用したパーソナルデータの利活用の促進においては、前節で示した個人や事業者の意識等への対応に加え、財としてのパーソナルデータ自体への何らかの対応が必要となる。野口(1974)は、非競合性および非排除性を有する情報であっても、知的財産権のような法的保護を設定することで、情報の所有者以外の利用をコントロールすることができるため、情報の売買が可能となることを指摘している13。ただし同時に、このような法的保護は本来的に限界費用がゼロで利用できる情報を制度によって利用させないことにするため、利用の効率性を阻害するものであり、それでも法的保護をおこなうことが正当化されるのは、情報の生産者の生産に対するインセンティブを確保するためであることを指摘している。

パーソナルデータに目を向ければ、それは知的財産権で保護される対象ではないが14、その代わり、個人情報に限れば個人情報保護法が他者の利用をコントロールする機能を提供しており、この点で市場での取引が可能とみなせるかもしれない。しかし、ここまでみてきたように、個人情報保護法が個人情報を保護する理由は財産権とはまったく異なる。したがって、市場メカニズムを活用することを目指すのであれば、公共財としての性質に対応するための法的な対応について議論する必要があるだろう。

なお、石井(2012)では過去の研究の整理するなかで、個人情報は生産の結果存在するのではなく、そもそもすでに存在するものであり、生産に対するインセンティブを確保するための知的財産制度と個人情報保護の制度は異なるという点を示している。この点については、現在のパーソナルデータの利活用技術を踏まえれば、そもそもは存在しないパーソナルデータが「生産されている」ケースも考えられ、これまでとは状況が変化しているかもしれない。

4.2.外部性

パーソナルデータは、多様なデータが収集されることで分析できることが広がる。また、同じデータでもその量が増加することで分析の精度が向上することがある。この意味で、財としてのパーソナルデータには外部性が存在する。外部性が存在するとすれば、市場メカニズムを通じた個人からのパーソナルデータの供給は最適な水準とならない。

パーソナルデータの外部性について考えさせられる直近の端的な事例は、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)であろう。COCOAは個人情報を収集せず、Bluetoothを利用してスマートフォン同士の接近、接触を検知するアプリとされており、加えて、アプリの利用に関してはオプトインであり強制的なものではなく、プライバシーに配慮されたものとなっている。

一方で、COCOAは接触確認のためのアプリであり、その確認可能性はアプリがインストールされているスマートフォンの数、また地理的分布に依存する。ある程度の割合でCOCOAがインストールされている地域であれば、その地域で新型コロナウイルスの陽性者が発生した場合に接触可能性がある者を捕捉することができる。しかし、一人しかCOCOAをインストールしていない地域では、COCOAはまったく意味がない。

外部性を有するパーソナルデータが最適な水準で供給されるためには、外部性を内部化する制度的対応が求められる。COCOAの事例でみると、個人にとっては、インストールすることに対する(正確でない理解だったとしても)プライバシーに対する不安やインストールの手間などのコストと、利用することで得られる接触通知などのメリットが比較され、インストールの有無が意思決定される。その結果が過少な供給(インストール)であるのであれば、COCOAの普及によるメリットの一部を原資として個人に対して何らかのインセンティブを与える必要がある。

4.3.個人の自由な意思決定と公共的利用のバランス

パーソナルデータが公共財的性質を有し、また外部性を有している場合、一定程度強制的に収集、利用するという利活用の方向性が考えられる。すなわち、個人からの同意、また、情報銀行やデータ取引市場といった仕組みによらない利活用である。

このような方向性に関連する議論も出てきている。例えば、世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターはAuthorized Public Purpose Access(APPA)というモデルを提唱している。

APPAとは、医学医療の発展や公衆衛生の向上等の、合意がなされた特定の公的な目的のためであれば、必ずしも明示的な個人同意によることなく個人の人権を別の形で保障し、データへのアクセスを許可することで目的とする価値を実現するモデルである。(世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター 2020、p.9)

必ずしも個人の自由な意思決定のみに基づかず利活用を進めることで、外部性を享受することができる可能性がある。また、市場メカニズムの利用における公共財の課題を考慮する必要もなくなるかもしれない。

しかし、一定の強制力をもってパーソナルデータを収集、利用する場合、その利用主体の合理性も検証されなければならない。どのようなパーソナルデータをどの程度収集すると外部性を含めどの程度のメリットになるのかについて、利用主体は正確に把握しておく必要がある。個人の自由な意思決定が最適なパーソナルデータの供給を実現しないことは、公的な主体が強制的にパーソナルデータを収集することが望ましいということと同義ではない。

さらに、このような方向性を政策的に検討するのであれば、情報銀行やデータ取引市場等に関する政策との関係を整理する必要がある。一方で個人の便益を強調し市場メカニズムを活用する政策を打ち出しつつ、もう一方で個人の同意によらない公共利用を進めることは、場合よっては不整合な政策体系となってしまう。どのようなパーソナルデータの利活用で市場メカニズムを利用するか、あるいは同意によらない方向性を検討するか、パーソナルデータを一括りにしない議論も必要となる。このとき、利用目的だけではなく、それぞれのパーソナルデータの財としての性質も考慮することが重要である。

5.おわりに

本稿では「パーソナルデータに経済的価値があるか」という問いを改めて考察することを通じて、パーソナルデータを財として扱うことの課題を整理した。パーソナルデータを財として扱うことで市場メカニズムを利用した利活用が期待できるが、課題も多い。個人も事業者もパーソナルデータの価値に対して精確に認識することは容易ではなく、この点については政策的な対応が必要となるだろう。また、公共財的性質や外部性を有するパーソナルデータについて、そもそもどのようなメカニズムによって利活用を進めるのかについても検討されなければならない。

本稿は論点、課題の提示に止まっており、何ら具体的な解決策を提示できなかった。しかし、本稿の考察が今後の政策議論の一材料となることを期待したい。

Footnotes

1 静岡大学学術院情報学領域 准教授

2 当然、他の部分でもさまざまな意見が提出されている。

3 公正取引委員会(2019b)における本稿で示した部分は、パブリックコメント前に示した案の段階から大きな変更はない。当該部分で変更があったのは、デジタル・プラットフォーマーという表現をデジタル・プラットフォーム事業者に変更した点、また、消費者の定義を注で明示した点のみである。

4 このような捉え方に基づくと、ここでのパーソナルデータの価値は、パーソナルデータによる収益という位置づけになる。

5 データ取引市場は純粋な市場を目指すものであることに対して、情報銀行は自身のパーソナルデータを預託し運用してもらうという、純粋な市場機能ではないが、明示化された便益を享受するという点で市場の機能を利用する発想に近いといえる。

6 パーソナルデータの利活用のための、蓄積、データベース化等おこなうためのシステムにはコストが生じるが、このコストは新経済連盟(2019)の指摘にあるとおり、事業者側が負担しているため、個人のコストとは考えにくい。

7 プライバシーに関するコストの観点から経済財としてのパーソナルデータを考察したものとして高口(2018)がある。

8 Economics of Privacyの代表的サーベイとして、Acquisti et al.(2016)がある。また、高崎(2018)でも検討がなされている。

9 情報法制研究所個人情報保護法研究タスクフォース(2019)は、この事案について、JR東日本が日立製作所へ乗降履歴の分析を委託し、分析結果としての統計データをJR東日本が自ら販売すれば法的に問題が無かったことを指摘している。

10 当初は、生活保護費用と同額としていたが、参加者募集途中で変更があった。

11 ここでは個人情報保護法を取り上げているため、パーソナルデータではなく個人情報として検討する。

12 なお石井(2012)は財産権についての検討において、本稿での考察対象に限らず、個人情報を財として捉えた場合の課題を幅広く整理している。これらの課題については経済学的検証が求められるとしており、本稿ではその一部の考察しかおこなえていないが、その他の課題についても現在の技術水準等を踏まえ検証をおこなうことが求められる。

13 なお、野口(1974)は、ある情報が許可なく利用された際に、その利用の事実をゼロのコストで確認できること(確認可能性)が、法的保護が可能となる前提であることを示している。

14 前節で示したように、経済的価値を有するパーソナルデータは、個人が提供する情報を事業者が蓄積、分析等おこなった結果としてのデータであることから、その所有者を位置付けることも自明ではない。

References
  • Acquisti, A., Taylor, C., and Wagman, L.(2016)”The Economics of Privacy”, Journal of Economic Literature, 54(2), pp.442-492.
  • Brynjolfsson, E., and McElheran, K. (2016) “Data in Action: Data-Driven Decision Making in U.S. Manufacturing.” US Census Bureau Center for Economic Studies Paper, No.CES-WP-16-06.
  • 石井夏生利(2012)「プライバシー・個人情報の「財産権論」-ライフログをめぐる問題状況を踏まえて-」『情報通信政策研究レビュー』第4号、pp.E17-E45.
  • 情報法制研究所個人情報保護法研究タスクフォース(2019)「「デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方(案)」に対する意見」https://www.jilis.org/proposal/data/2019-09-30.pdf(2020年9月10日最終閲覧)
  • 官民データ活用推進基本計画実行委員会データ流通・活用ワーキンググループ(2019)「官民データ活用推進基本計画実行委員会データ流通・活用ワーキンググループ第二次とりまとめ」https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/detakatuyo_wg/pdf/report.pdf(2020年9月10日最終閲覧)
  • 高口鉄平(2018)「パーソナルデータの経済学的課題―経済的価値に関する一考察―」『情報法制研究』、第4号、pp.28-35.
  • 高口鉄平(2015)『パーソナルデータの経済分析』勁草書房
  • 公正取引委員会(2019a)「原案に対する意見の概要及びそれに対する考え方」https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/dec/191217_dpfgl_12.pdf(2020年9月10日最終閲覧)
  • 公正取引委員会(2019b)「デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/dec/191217_dpfgl_11.pdf(2020年9月10日最終閲覧)
  • Müller, O., Fay, M., and Brocke, J. (2018) “The effect of big data and analytics on firm performance: An econometric analysis considering industry characteristics.” Journal of Management Information Systems, Vol.35-2, pp.488-509.
  • 日本経済団体連合会経済法規委員会競争法部会(2019)「「デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方(案)」に対する意見」https://www.keidanren.or.jp/policy/2019/077.pdf(2020年9月10日最終閲覧)
  • 野口悠紀雄(1974)『情報の経済理論』東洋経済新報社
  • Norberg, Patricia A., Daniel R. Horne, and David A.Horne.(2007)“The Privacy Paradox: Personal Information Disclosure Intentions versus Behaviors.” Journal of Consumer Affairs 41 (1), pp.100–126.
  • 世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター(2020)「APPA – Authorized Public Purpose Access: Building Trust into Data Flows for Well-being and Innovation」http://www3.weforum.org/docs/WEF_APPA_Authorized_Public_Purpose_Access_JP_2020.pdf(2020年9月10日最終閲覧)
  • 新経済連盟(2019「「デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方(案)」に対する意見」https://jane.or.jp/app/wp-content/uploads/2019/09/28d2552bfe4fb95a8b141d4dac7c4b0b.pdf(2020年9月10日最終閲覧)
  • 高崎晴夫(2018)『プライバシーの経済学』勁草書房
  • Varian, H.(2019)“Artificial Intelligence, Economics, and Industrial Organization” NBER Working Paper No. 24839
  • World Economic Forum(2011)” Personal Data: The Emergence of a New Asset Class” http://www3.weforum.org/docs/WEF_ITTC_PersonalDataNewAsset_Report_2011.pdf(2020年9月10日最終閲覧)
 
© 2020 Institute for Information and Communications Policy
feedback
Top