The Japanese Journal of Gastroenterological Surgery
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Kazuhiro Yoshida
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2017 Volume 50 Issue 4 Pages en4-

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昨年はイギリスのEU離脱に始まり,トランプ氏の米国大統領当選などありえないと思われることがふたを開けてみると現実のものになりえる世の中になったことに驚きました.韓国では大統領が罷免される事態にもなり,何が正しいのか皆目見当がつかなくなりました.我が国といえば,アベノミクスがある程度功を奏しているものの,諸問題が世の中を騒がせています.

医療業界ではPD-1抗体の出現でがん医療に新たな光明が注ぎ込み,密かに活気づいています.Precision Medicineの実現に向けてゲノム医療の更なる展開が期待されています.一方,新たな専門医制度に関しては不安定な状況が続いており,臨床研修制度と同様,改善のための施策が改悪になりえる現状に面しています.常に時代に沿った形に変化していく必要はあるものの,ついつい慣れ親しんだ体制に甘んずるほうが楽ですね.そういう性質を人類は持っていますね.伝統を守るということは,「昔からのしきたりや考えをそのまま継承すること」ではなくて,「変化していく時代に沿った形で,常に新たな変化を伴い受け継いで行くこと」であるのかもしれません.

さて,日本消化器外科学会雑誌も長きにわたりそのレベルの高さを誇りに会員に慣れ親しんできました.このたび,英文誌 Annals of Gastroenterological Surgery が刊行されることになり,我が国の消化器外科領域の実力をさらに世界に発信することになりました.和文誌は実臨床に関わる研究成果や臨床現場での症例報告が中心となるものと考えますが,これまで培ってきた伝統と実績をさらにどのような形で継承するかも一考の時期に来たのかもしれません.

4号掲載論文は10編です(原著1編,症例報告8編,臨床経験1編).若手の消化器外科医にとって更なる発展への登竜門として残ってほしいと思います.

 

(吉田 和弘)

2017年4月1日

 

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