The Japanese Journal of Gastroenterological Surgery
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CASE REPORT
A Case of Resection of a Pancreatic Mucinous Cystic Neoplasm in a Man with Acute Pancreatitis
Takashi WadaMasahide HiyoshiIkko ShimizuKenzo NagatomoRoko HamadaEiji KitamuraTakeomi HamadaKoichi YanoNaoya ImamuraAtsushi Nanashima
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2021 Volume 54 Issue 5 Pages 328-336

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Abstract

症例は50歳の男性で,腹痛に対して腹部造影CTを受け,膵尾部に17 mm大の単房性囊胞性病変を認めた.尾側の主膵管は拡張しており,膵実質は腫大し,周囲の脂肪織濃度の上昇を伴っており急性膵炎の所見であった.MRCPで囊胞性病変と主膵管に明らかな交通はなく,超音波内視鏡検査で囊胞性病変は単房性で,内部に壁在結節や隔壁構造を認めなかった.急性膵炎とそれにともなう貯留囊胞と診断し経過観察としたが,膵炎が再燃し,囊胞性病変による主膵管の狭窄が原因の可能性もあり腹腔鏡補助下膵体尾部切除術を行った.摘出標本の病理学的所見では,卵巣様間質を伴う円柱状の上皮からなる二房性の囊胞性病変で,膵粘液性囊胞性腫瘍(mucinous cystic neoplasm;以下,MCNと略記)と診断した.男性発症の膵MCNは女性例と比較すると頻度は少ないが,画像検査で疑わしい所見を認めた場合は,鑑別疾患の一つとして考慮すべきと思われた.

Translated Abstract

A 50-year-old man was admitted to our hospital with a chief complaint of abdominal pain. Abdominal CT showed a 17-mm unilocular cystic lesion in the pancreatic tail and dilation of the main pancreatic duct distal to the lesion. The pancreatic parenchyma was swollen. The fat tissue density around the pancreas was increased and indicative of pancreatitis. There was no communication between the main pancreatic duct and the cystic lesion based on MRCP, and endoscopic ultrasound showed a unilocular cystic lesion with no solid components or septal structure. The patient was diagnosed as having a retention cyst and acute pancreatitis, and received conservative therapy. Because of recurrence of pancreatitis due to stenosis of the main pancreatic duct caused by the cystic lesion, laparoscopic-assisted distal pancreatectomy was performed. The lesion was a bilocular cyst, and histopathologically, ovarian-type stroma was observed in the cystic wall. Thus, the lesion was diagnosed as a mucinous cystic adenoma. Pancreatic mucinous cystic neoplasms in males are less frequent than in females, but if suspicious findings are found on imaging, this disease should be considered in the differential diagnosis.

はじめに

膵粘液性囊胞性腫瘍(mucinous cystic neoplasm;以下,MCNと略記)は1978年にCompagnoら1)によって最初にその疾患概念が報告された膵囊胞性腫瘍である.MCNは全膵囊胞性腫瘍の10%程度を占める比較的まれな疾患であり,中年女性の膵体尾部に好発するとされている2).以前まで女性にのみ発症する疾患と考えられていたが,少数ながら男性の症例が近年報告されている.今回,我々は急性膵炎を契機に発見された男性の膵MCNの1切除例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

症例

患者:50歳,男性

主訴:腹痛

既往歴:腹腔鏡下胆囊摘出術,鼠径ヘルニア根治術

家族歴:特記事項なし.

喫煙歴:20本/日×35年

飲酒歴:機会飲酒

現病歴:4か月程前から出現した腹痛を主訴に近医を受診した.腹部造影CTで膵尾部に17 mm大の単房性の囊胞性病変を認めた.尾側の主膵管は拡張し,膵実質の腫大および周囲脂肪織濃度の上昇を認め,急性膵炎と診断された.保存的治療で膵炎は改善し,囊胞性病変の精査目的で当院へ入院した.

入院時現症:眼球結膜は黄染なし.腹部は平坦,軟.腫瘤は触知せず.

入院時血液検査所見:アミラーゼ161 U/l,リパーゼ74.8 U/lと膵酵素が軽度上昇していたが,前医より改善傾向であり,炎症所見は認めなかった.肝胆道系酵素やLDHは正常範囲内であった.腫瘍マーカーはCA19-9 57.7 U/mlと上昇していた.

腹部CT所見:膵尾部に17 mm大の単房性囊胞性病変を認めた(Fig. 1a).尾側の主膵管は拡張し,膵実質の腫大および周囲脂肪織濃度の上昇を認めた(Fig. 1b).

Fig. 1 

a: Abdominal CT findings. A 17-mm unilocular cystic lesion in the pancreatic tail (arrowhead). b: Dilation of the main pancreatic duct distal to the cystic lesion. The pancreatic parenchyma was swollen and the density of fat tissue surrounding the pancreas was increased.

MRCP所見:囊胞性病変は単房性で,その尾側の主膵管は拡張していた.主膵管と囊胞性病変に明らかな交通はなかった(Fig. 2).

Fig. 2 

MRCP. The cystic lesion was unilocular (arrowhead) and the main pancreatic duct distal to the cystic lesion was dilated (arrow). There was no communication between the main pancreatic duct and the cystic lesion.

超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasound;以下,EUSと略記)所見:囊胞性病変は単房性で,内部に充実性成分や隔壁構造は認めなかった(Fig. 3).

Fig. 3 

Endoscopic ultrasound (EUS) showed a unilocular cystic lesion with no solid components or septal structure in the pancreatic tail.

内視鏡的逆行性膵管造影(endoscopic retrograde pancreatography;以下,ERPと略記)所見:主膵管は尾部で途絶し,その尾側は造影されなかった(Fig. 4a).途絶部周囲の分枝膵管の描出は良好で,囊胞性病変は描出されなかった(Fig. 4b).膵液細胞診と途絶部の擦過細胞診で悪性所見は認めなかった.

Fig. 4 

a: Endoscopic retrograde pancreatography (ERP) findings. The main pancreatic duct was blocked at the tail and the distal pancreatic duct was not observed. b: There was no communication between the main pancreatic duct and the cystic lesion.

以上より,急性膵炎とそれに伴う貯留囊胞と診断し経過観察したが,2か月程で膵炎が再燃し,囊胞性病変およびこれによる主膵管の狭窄が原因の可能性も考えられたため腹腔鏡下膵体尾部切除術を予定した.

手術所見:腹水や腹膜播種,肝転移は認めなかった.膵臓は膵炎の影響で硬く腫大しており,周囲と癒着していた.術中USで膵体部に約2 cm大の既知の囊胞性病変を確認した.囊胞性病変の周囲には厚い被膜様の所見があり,内部には隔壁様の構造物があったが,明らかな充実性成分は認めなかった.高度の炎症があり用手補助下に膵体尾部切除術,脾臓摘出術を施行し,迅速病理診断で膵管断端に悪性所見がないことを確認した.

切除標本所見:厚い線維性被膜を有する15×12 mm大の二房性の囊胞性腫瘍で,内部に充実性成分は認めなかった(Fig. 5).

Fig. 5 

Resected specimen. The cut surface of the resected specimen showed a bilocular cystic tumor with a thick fibrous capsule and without a solid component.

病理組織学的検査所見:卵巣様間質を伴う円柱状上皮からなる二房性の囊胞性病変で(Fig. 6a, b),免疫染色検査ではエストロゲンレセプター(Fig. 6c)およびプロゲステロンレセプター(Fig. 6d)が陽性で,mucinous cystic adenomaと診断した.主膵管は被膜に巻き込まれ,腫瘍性の囊胞によって圧排されており,同部位に腫瘍の浸潤や悪性所見はなかった.

Fig. 6 

Histology of the resected specimen of the pancreatic tumor (a: HE stain, b: HE stain, c: estrogen receptor, d: progesterone receptor). The bilocular cystic lesion (a) had a single layer of columnar cells and ovarian-type stroma (b). Immunohistochemical analysis showed that the stroma layer was positive for estrogen receptor (c) and progesterone receptor (d).

術後経過:ドレーン排液中アミラーゼが高値を示したが臨床的な膵液瘻はなく,術後15日目に退院した.術後5年10か月現在,再発は認めていない.

考察

膵MCNは粘液産生性の囊胞性腫瘍で,2006年に作成されたIPMN/MCN国際ガイドラインでは,診断には卵巣様間質(ovarian-type stroma;以下,OSと略記)の存在が不可欠で,必須条件とすべきであると述べている3).多くのMCNの患者は比較的若年で,癌もしくは潜在的な癌化のリスクを有する腫瘍であること,多発例はほとんどみられないことや好発部位が膵体尾部であり比較的手術のリスクの少ない体尾部切除で完治する可能性の高いことなどを考え可能なかぎり外科的切除が推奨される.

膵MCNは38~75.9%で症状を有するとされ4)~6),腹痛や腫瘤の触知などが多い.Yamaoら4)は,膵MCN 153例中10例(6.5%)に急性膵炎を合併していたと報告している.膵炎の原因として腫瘍による主膵管の圧排が考えられ,本症例も同様の機序で膵炎を発症した可能性がある.麻生ら5)の検討ではMCN 16例中11例(73%)に主膵管の圧排像を認めているが,腹痛を呈したのは16例中3例(19%)のみである.また,破裂による急性腹症で発症する非常にまれな報告例2)も認めるため注意が必要である.

膵囊胞性腫瘍の形態学的診断はCTやMRIが有用で,MCNの診断は画像診断のみで行うことが多いのが現状である.麻生ら5)の報告では典型的なMCNの所見は腫瘍が成長する過程の中で顕著になると考察しており,典型的な画像所見は厚い被膜を有する多房性の囊胞性腫瘤のため夏みかん様と形容される.囊胞径は2 cm程度のものから20 cmを超える巨大なものまでさまざまである7).表面平滑な球形~楕円形の腫瘍で,単房性あるいは大型の囊胞が多房性に集簇し,内部には粘液や壊死物,出血を有する7)8).囊胞壁には内腔に向かって突出した小さな囊胞形成(壁在囊胞:mural cyst)を認めることがあり,cyst in cystと呼ばれる7).被膜や隔壁には石灰化を高頻度に認め8),線維性被膜はMRIのT2強調画像で低信号を呈し,造影後はdelayed enhancementを伴う7)8).囊胞内容液は,T1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号であれば,漿液性と考えられるが,T1強調画像で信号強度が高ければ,粘調な内容液や出血が示唆される.MCNは多房性囊胞内の囊胞同士に交通はなく,個々の囊胞内容液が異なったMRI信号値を呈することがある(stained glass appearance)7)8).かつては主膵管との交通を認めないことが特徴と考えられていたが,Yamaoら4)の報告では膵MCN 138例中18%もの高頻度に主膵管との交通を認め,主膵管との交通を理由にMCNを否定することはできない.また,主膵管との交通は腫瘍が膵管内に発生することが原因というよりも,囊胞が大きくなる過程の中で膵管に侵食し瘻孔を形成することが原因であるとされている4).また,近年EUSが胆膵分野で強力な診断,治療を担うようになってきており,膵囊胞性腫瘍では特に膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm;以下,IPMNと略記)やMCNで悪性の指標とされる,壁在結節と呼ばれる囊胞内充実性成分の描出に優れており,その検出率は造影CTやMRIが50%程度であるのに対し,EUSは90%程度といわれている7).画像診断以外では膵囊胞性腫瘍に対する超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS guided fine needle aspiration;以下,EUS-FNAと略記)による囊胞液分析や細胞診は良悪性の鑑別においては満足のいく成績ではなく,MCNの場合は播種のリスクもありEUS-FNAを実施すべきか否かのコンセンサスは得られていない9)

医学中央雑誌(1964~2019年,会議録を除く)で「膵」,「MCN」,「男性」,PubMed(1950~2019年)で「mucinous cystic neoplasm」,「pancreas」,「male」をキーワードとして検索すると,膵MCNの男性報告例は,自験例を合わせてわずか18例のみであった(Table 14)5)10)~21).2006年度IPMN/MCN国際ガイドラインでは,OSを伴わないMCNは将来再分類可能となる期待を込めてindeterminate MCNと定義され,2006年以降本邦だけで十数例程の報告を認め22),症例数の集積は少ないもののOSを伴う厳密な診断基準によるMCNと比較すると異なる臨床像を呈しており,今回の検討では除外した.Yamaoら4)の全国集計や麻生ら5)は膵MCNの男性例をそれぞれ1.9%,6.3%に認めたと報告しており,報告されている症例が少ないものと思われる.男性報告例18例で,年齢は26~73歳(平均50歳)で,好発年齢は認めなかった.主訴を有しているものは6例(35%)で,腹痛が3例,背部痛が1例,体重減少が1例,消化不良が1例であった.全例膵体尾部の単発病変で膵頭部の病変は認めなかった.腫瘍径は15~63 mm(平均42 mm)で,囊胞は多房性が9例,二房性が1例,単房性は2例だった.多房性病変の9例のうち詳細な画像所見が記載されていたのは8例で,3例が術前に画像診断のみでMCNと診断されていた.本症例において,男性例,単房性病変,急性膵炎を合併していたことが術前診断を難しくさせた要因であったと考える.麻生ら5)によるMCN 16例の検討では,EUSで12例(75%)が単房性病変で,cyst in cystを認めたのは3割程だったと報告しているが,MCNは基本的に比較的厚い被膜に覆われる類円形の囊胞性病変であり,単房性であっても被膜を有することが診断や鑑別として挙げる一助になると考える.慢性膵炎での主膵管の狭窄は,持続および反復する炎症で膵実質の破壊と線維化が進むと比較的認める所見だが,急性膵炎で本症例のように主膵管が完全途絶する頻度は不明であり,途絶部の擦過細胞診や膵液細胞診で悪性所見は認めず,初診時は原因不明の主膵管狭窄のため急性膵炎や貯留囊胞を来したと考えた.MCNにおいて主膵管の圧排所見は7割程度と高頻度にみられる所見であり5),それが高度になれば本症例のように完全途絶となる可能性はあると思われる.術前は貯留囊胞と診断し,EUSで認めた囊胞周囲の壁の肥厚は,経過中に膵炎を繰り返していたため炎症性の変化と判断したが,後方視的にはMCNの被膜を反映していた.膵尾部の被膜を有する類円形の単房性病変であり,術前にMCNと診断できた可能性はあったが,男性というだけでMCNを積極的に考えなかったことは反省すべき点である.報告例の多房性病変はいずれもMCNに類似する画像所見を呈しており,典型的な画像所見を呈する多房性病変においては男性症例というだけで除外せず,単房性病変も被膜の存在を疑う画像所見を認める場合は鑑別疾患として考慮することで術前診断できる可能性があると考える.

Table 1  Reported cases of MCN in male patients
Case Author Year Age Chief complaint Location Size (mm) Cyst Cyst in cyst Communication with pancreatic duct Preoperative diagnosis Surgical procedure Prognosis (months)
1 Wouters10) 1998 43 Abdominal pain vomiting Pt 40 Multilocular + None MCN SPDP N/A
2 Reddy11) 2004 N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A
3 Hifumi12) 2005 73 None Pt 60 Multilocular + None Epidermoid cyst DP N/A
4 Suzuki13) 2005 25 Abdominal pain Pt 50 Multilocular + + BD-IPMN DP N/A
5 Goh14) 2005 28 Weight loss Pbt 40 Unilocular None None Carcinoma with cystic degeneration SPDP Alive (48 m)
6 Tokuyama15) 2011 39 Back pain Pt 63 Multilocular + None BD-IPMN DP Alive (14 m)
7 Yamao4) 2011 26 N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A DP N/A
8 Yamao4) 2011 36 N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A DP N/A
9 Yamao4) 2011 72 N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A DP N/A
10 Casadei16) 2012 65 None Pbt 49 Unilocular None None BD-IPMN DP N/A
11 Aso5) 2014 N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A
12 Fallahzadeh17) 2014 48 None Pt 47 Multilocular N/A N/A Cystic mass malignant nature DP Alive (3 m)
13 Park18) 2014 55 Indigestion Pb 30 N/A N/A N/A N/A Central pancreatectomy N/A
14 Ogawa19) 2016 52 None Pb 35 Multilocular + None MCN Enucleation N/A
15 Tamura20) 2017 50 None Pt 51 Multilocular + None BD-IPMN DP N/A
16 Tamura20) 2017 73 None Pt 25 Multilocular + None MCN SPDP N/A
17 Noda21) 2018 63 None Pt 45 Multilocular + None SCN (macrocystic type) DP N/A
18 Our case 50 Abdominal pain Pt 15 Bilocular None None Retention cyst DP Alive (70 m)

MCN: mucinous cystic neoplasm, BD-IPMN: branch duct intraductal papillary mucinous neoplasm, SCN: serous cystic neoplasm, DP: distal pancreatectomy, SPDP: spleen preserving DP, N/A: not available

膵MCNの発生要因は不明であるが,Zamboniら23)は膵臓,肝臓などの内胚葉由来上皮と幼若な間質が女性ホルモン刺激に反応して増殖を開始して囊胞腫瘍を形成するという説や発生の早期に原始卵巣細胞が膵内に組み込まれ腫瘍化していくという説を唱えている.一方で,Ridderら24)は膵MCNの卵巣様間質が免疫染色検査でinhibinに対して陽性であることから,この腫瘍は散布されたsex-cord stroma由来の過誤腫の可能性があると述べ,女性好発性を説明している.いずれの考え方も極めて合理的ではあるが,MCNの男性における発生機序は十分に説明されていない.

Yamaoら4)によるMCN 156例の検討では,病理組織学的には腺腫が129例(82.7%),残りの27例(17.3%)が癌で,21例(13.4%)が非浸潤癌,4例(2.6%)が微少浸潤癌,2例(1.3%)が浸潤癌の結果であった.腺腫と癌の術後5年生存率はそれぞれ98.8%,86.5%,非浸潤癌と微小浸潤癌,浸潤癌の術後5年生存率はそれぞれ94.7%,100%,0%で,腺腫,腺腫内癌,微小浸潤癌の症例は,完全切除されれば良好であるとしている.男性の報告例の予後に関する詳細な記載はなく予後は不明であるが,性別以外は画像所見など女性例と大きく異なる点がないこと,本症例のように腺腫であれば完全切除で5年以上の生存が得られていることを考慮すると,女性症例と同様の予後が得られる可能性はあると思われる.

男性の膵MCNは女性例と比較すると頻度は少ないが,画像検査で疑わしい所見を認めた場合は性別のみで除外せず,鑑別疾患として考慮することが重要であると考える.

利益相反:なし

文献
 

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