Journal of the Japan Lingual Orthodontic Association
Online ISSN : 1884-538X
Print ISSN : 1883-6216
ISSN-L : 1883-6216
Lingual Orthodontics in Comprehensive Dental Treatment
Masahiro Tsunori
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2024 Volume 2024 Issue 34 Pages 32-47

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包括的歯科治療の対象となる患者は何らかの歯科的問題を抱えている.その問題がいかに起こったかを診断し改善することで,今後同じような不具合が発生することを防止できる.その問題の多くは不正咬合に由来することが多く,その改善には矯正治療が必要となる.包括的歯科治療における矯正治療の目的は治療のシンプル化と治療結果の長期安定である.長期安定のためにはミューチュアリープロテクテッドオクルージョンを達成させ,側方運動時,前方運動時に臼歯の離開を与えることが重要である.では,具体的に包括的歯科治療において矯正治療は何が出来るのか.大きく4つに分類される.異常に動いてしまった歯を元に戻す(回復),歯を動かす事で歯周組織を作る(再生),悪影響がある歯列を整える(再構築),歯を動かす事で抜歯を回避する(保存)である.また,舌側矯正はセットアップ模型の必要性,下顎前歯の固定の強さ,舌側咬頭のコントロールのしやすさなどから包括的歯科治療と相性が良く,有効性が高いと言える.的確な診断のもと,適切なメカニクスを確実に使用する事で包括的歯科治療において矯正治療は有益だといえる.
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