Article ID: 96.23045
Previous research has established a link between group exclusivity and relational victimization, pointing out that victims often have weaker relationships with outsiders, which potentially trapping them in harmful group dynamics and exacerbating internal conflicts. However, the specific mechanisms of relational victimization within exclusive groups remain underexplored. This study addressed this gap by distinguishing between "in-group relational inhibition" (preventing outsiders from joining the group) and "out-group relational inhibition" (hindering insiders from forming relationships with outsiders). A survey of 957 junior high school students revealed that only "out-group relational inhibition" was significantly related to in-group relational victimization, with no observed gender differences. This finding suggests that out-group relational inhibition hinders in-group relational victims from employing coping strategies such as joining new groups. Consequently, their vulnerability to further relational victimization may also increase.
仲間集団(友達グループ:以下,グループとする)は,思春期以降に,同質性が高く(Kindermann, 1993; Kindermann et al., 1996),グループ外の者に排他的である(Adler & Adler, 1998 住田訳 2017; Duck, 1991 仁平訳 1995; Selman, 1981)。その排他的機能は,ギャンググループやチャムグループといった同性の同年代のグループ(保坂,1996)に見られ,女子グループに特有であることが指摘されている(Berndt, 1982; 菅野,1996; 佐藤,1995)。先行研究では,グループの排他的機能は,集団の結束を強化し,メンバー間の信頼関係を促進できることが指摘されている(Laursen & Veenstra, 2021)。その一方で,仲間から排除される傾向にある者は,抑うつになるリスクが高いことや(Platt et al., 2013; Yu et al., 2021),孤独不安がある場合に,より高い抑うつ傾向を示すことが明らかにされている(Gazelle & Ladd, 2003)。
前述した排除行動の動機となる排他的な集団規範について有倉(2012, p. 31)は「自分が所属している仲間集団のメンバーがとるべき同一行動についての暗黙の規範のことであり,同一行動とは,同調行動や第三者を排除する行動から構成されるもの」と定義しており,排他性は対人トラブルと関係することが指摘されている(Grotpeter & Crick, 1996; 三島,2004)。三島(2004)は,いじめを親しい友達から受け続けても,既存のインフォーマル集団に留まり続ける背景について,インフォーマル集団の排他性の高さにより,所属グループから他のグループに簡単に入れないことを指摘している1。また,グループの対人トラブルが深刻化する背景について石田・小島(2009)は,学級内のグループは,グループ外の者に対しては排他的であり,固定化される傾向にあるため,グループ内でトラブルが生じても容易に離脱できないことを原因に挙げている。いずれの研究も,グループのメンバーがグループ外の者との関係を絶たれることによって起こる弊害について述べており,排他性を検討する上では,グループ外の者との関係を阻害する排他性の要因について明らかにする必要があるといえる。
従来の排他性の構造 排他性に関する先行研究では,グループ外の第三者を排除することでメンバーのグループ外との関係が絶たれるといった場面を暗に前提としている。しかし,尺度の内容は,同じグループのメンバーが,グループ外の者と関係をもつことをネガティブに捉えるものがあり,メンバーのグループ外の者との関係を阻害する視点も含まれている。例えば,有倉(2015)は,作成した排他性の尺度項目の中に,「私のグループは,他のグループと連絡をとりあってはいけない雰囲気がある」というように,グループ外の者に排他的な項目だけでなく,グループのメンバーがグループ外の者と関わることを阻害する方向の項目が含まれている。他にも,三島(2003a)は,排他性に関する項目の因子構造を検討した結果,「親和的・独占的かかわり因子」を抽出しているが,「一番大切な友達が他の子と楽しそうに話していると嫌な気分になる」といった項目が含まれている。
従来の排他性の概念が,第三者のグループへの加入の排除と,グループのメンバーが他のグループのメンバーと関係を持つことの排除という2つの側面を含んでいる点について,先行研究では測定の問題があると指摘されている(鈴木・加藤,2023)。そこで,鈴木・加藤(2023)は,排他性の機能について「グループ外の者がグループ内に入ってくることを阻害する働き」である内関係阻害(以下,内阻害とする)と「グループ内の人がグループ外の者との関係をもつことを阻害する働き」である外関係阻害(以下,外阻害とする)を区別し定義している。こうした排他性の捉え方は,グループ内のあるメンバーを孤立化させる観点に立つときに,グループ外の者をグループから排除する作用だけでは不十分であり,そのメンバーをグループ外の者と関わらせない働きについても検討する必要性を示唆するものである。また,鈴木・加藤(2023)の研究では,外阻害について検討しているが,サンプルサイズが極端に少なく実態を十分に反映できていない問題や,排他性は女子グループに特有であることが指摘されているが(Berndt, 1982; 菅野,1996; 佐藤,1995),性差についても検討されていない問題もある。そこで,本研究では,有倉(2012, p.31)および鈴木・加藤(2023)の観点から,排他性を「仲間集団内で共有される,グループ外の者をグループ内に入れない,あるいはメンバーがグループ外の者と関係をもてないといった個人の対人関係の阻害要因となる集団規範2」と定義し,以降検討していくこととする。
排他性と関係性被害 排他的なグループを考える上では,上述したような集団規範により,メンバーを孤立化させるために,直接的な攻撃ではなく,周囲との関係性を利用した間接的な攻撃を効果的に使っていることも重要な視点である。Crick & Grotpeter(1995)は,無視する,仲間外れにする,噂を流すといった行為を関係性攻撃 “relational agression” と定義しており, こうした行為については, 親密な集団内で行われていることが先行研究から指摘されている(三島,2003b; 森田他,1999; Salmivalli et al., 1997)。また,Grotpeter & Crick(1996)は,ソシオメトリック・テストを用いた調査により,関係的攻撃性の高い子どもとつくる友達関係は,排他性3が高く,関係性被害も多いことを指摘しており,排他性の高いグループにおいても関係性被害が多いことが考えられる。
しかしながら,従来の内阻害や外阻害が混在した排他性研究では,被害を受けているメンバーのグループ外の者との関係が希薄になることで,グループから抜け出せず,グループ内の対人トラブルが複雑化・深刻化するという説明に留まっており,グループ外の者に対して排他的であるグループ内で関係性被害が起こるメカニズムについては直接,実証的に検討されていない。また,第三者がグループに入ることを阻害する要因としての排他性(内阻害)がグループ内の関係性被害と関係するのかといった問題がある。しかし,内阻害と外阻害の観点を踏まえれば,内阻害がグループ内の関係性被害と関係するのかといった問題を検討できる上,外阻害の観点からグループ外との関係が希薄化,あるいは破壊されるようにメンバーから被害を受けているといった形でより詳細に排他性と関係性被害の関係を実証的に検討することができると考えられる。
以上をふまえ,先行研究の課題をまとめると,第1に,排他性について外阻害の観点から検討した研究は,わずかではあるが存在するものの,サンプルサイズが小さく結果が不安定だという問題がある。また,排他性は女子グループにおいて高いことが示されているが(石田・小島,2009; 三島,2003a),内阻害および外阻害の観点から性差については検討されていない。第2に,外阻害と関係性被害の関連性が検討されていない。そのため,内阻害や外阻害が混在する従来の排他性の尺度では,排他性のどういった側面がグループ内で生じる仲間外れや無視といった関係性被害のメカニズムを説明するのか検討できないという問題がある。
排他性の測定 また,グループを研究する際には,その性質をどのように測定するのかも重要な視点である。標準的な方法として,ソシオメトリック・テストが用いられており,グループを特定した上で,その性質を検討する研究がある(例えば,Kwon & Lease, 2012)。ただ,こうした手法は,子どもに友達を指名させるため,倫理面の問題についても指摘されている(池田,2019; 石田,2002)。
そうした中,グループを特定せずに,回答者に認知されたグループの排他性を測定する手法も用いられている。有倉・乾(2007)や有倉(2011)はグループ全体の雰囲気に対する個人の認知を測定しており,回答者の所属集団の排他的な規範を測定している。他にも,能動的にグループ外の者と関わるといった点では排除とは異なるものの(黒川・吉田,2009),黒川他(2006)は集団透過性について検討しており,個人の認知で測定した場合は,知覚された集団透過性としてグループにグループ外の者を受け入れられる雰囲気があるかを測定している(黒川,2006)。このように,個人の認知で集団規範を捉える方法は,間接的ではあるが,グループの排他的な規範を測定する手法として一定の信頼性があるといえる。
また,国内の研究において,こうした手法は,上述したような倫理面の問題から,やむを得ず選択されているケースが多いと考えられる。しかし,ソシオメトリック・テストでは,指名されず孤立児の形をとる者が,所属意識や帰属意識をもっている場合があることも指摘されており(住田,2004),そうした子どもほど,グループの仲間から自分は同じグループと思っていても同じグループと認めてもらえず関係性被害を受けている可能性がある。個人の認知の測定には,そうした者も含めて,子どもが所属グループにどのような規範を感じているのか自体を捉えられる側面もあるといえる。
以上をふまえれば,排他性の測定は,大きく2つに分けられる。1つ目はグループを特定して測定される場合,2つ目は排他的な規範をメンバーがどのように認知しているかの程度を測定する場合である。ただし,グループを特定することは,そこから指名されなかった者が所属感を有しているにも関わらず,孤立している者として扱われる可能性もあることに加えて,倫理面の問題も存在する。したがって,本研究においては,集団規範を個人の認知で捉えることとする。
本研究の目的 本研究では,第1に内阻害および外阻害の性差について検討していく。その際,関係性被害については性差が認められていない研究があり(Casper & Noel, 2017; Crick & Nelson, 2002),本研究においても同様の結果が見られるか同時に検討する。第2に,内阻害および外阻害という観点から,排他性とグループ内の関係性被害との関連性について検討していくこととする。
本研究の仮説については,1つ目は,「排他性(内阻害および外阻害)は性差が認められ,男子よりも女子の方の得点が高くなるが,関係性被害には性差があるとはいえない」である。2つ目は,「グループ内で起こる関係性被害は,内阻害ではなく外阻害が関連している」である。もし関係性被害を受けても,グループ外の者と容易に関係をもつことができるなら,関係性被害はそれほど大きな効果をもたない。しかし,もしグループ外の者と関係をもちにくい雰囲気をつくられた上で,関係性被害を受ければ,被害者は孤立化する可能性があり,効果的な攻撃となる。また,グループ外の者と関係をもつと制裁をうけると思っているという実態が少なからずあることからも(黒川他,2006),グループ外の者と関係をもつとどうなるかを被害者に知らしめるために,関係性攻撃が行われることにより,外阻害をより強固に感じさせている可能性もある。これらのことから,外阻害と関係性被害が関連すると予想される。なお,内阻害がグループ外の第三者が新たにグループに入ることを阻害することを考慮すれば,内阻害はグループ外の第三者が受ける関係性被害に関係するはずであり,グループ内の関係性被害と直接関係しない可能性も十分支持できる。また,先行研究の結果を考慮すれば,女子の方がグループ外の者と関わった時に仲間から制裁を受けると予測することが報告されていることから(黒川他,2006),グループ外の者と関係をもったことが関係性被害の原因と考える人は女子に多く,少なくともそうした者はグループで関係性被害を受けた場合,外阻害の項目も高く報告することが予想されるため,男子よりも女子において外阻害と関係性被害との関連が高いことが予想される。
国内の公立中学校3校(A県2校,B県1校)の中学1―3年生の計957名(男子494名,女子429名,どちらともいえない11名,答えたくない17名,不明6名)に調査協力が得られた。学年別内訳は,1年生489名(男子260名,女子221名,どちらともいえない4名,答えたくない3名,不明1名),2年生213名(男子114名,女子92名,どちらともいえない2名,答えたくない4名,不明1名),3年生239名(男子115名,女子111名,どちらともいえない3名,答えたくない10名),学年不明16名(男子5名,女子5名,どちらともいえない2名,不明4名)であった。
調査手続きWebによる質問紙調査(Google Forms)を行った。学級単位でタブレット端末から回答してもらうように学校に説明した上で,手続きについて書面でも確認してもらった。なお,当日に学級で実施できなかった一部の生徒については,担任の指示のもと,家庭か学校で調査協力をお願いした。調査は,2022年9月―12月に実施された。本調査は,第1著者の所属する北海道大学大学院教育学研究院の研究倫理委員会から承認を受けて実施した(承認番号:22-19)。
調査内容フェイス項目 性別,学年,クラスを尋ねた。
友達グループの所属有無 グループの所属有無については石田・小島(2009)の項目を参考に「あなたには,学校で一緒に教室移動したり休み時間に一緒にいるような決まった友人グループがありますか」と尋ねた。なお,以降の項目については,グループ有りと答えた人が回答できるようにWebアンケートを設定した。
グループの内阻害 有倉(2015)の排他性規範尺度からグループ外の者の排除に焦点化した3項目,石田・小島(2009)の仲間集団の特徴尺度の下位尺度である「仲間集団の閉鎖性」からグループ外の者の排除に焦点化した2項目を合わせて計5項目作成した。グループにグループ外の者を排除する雰囲気があるかを測定している。なお,回答は,「全く当てはまらない(1点)」から「非常に当てはまる(5点)」の5件法で回答を求めた。
グループの外阻害 鈴木・加藤(2023)のグループの外阻害に関する項目に加えて,有倉(2015)の排他性規範尺度の外阻害に関わる項目「私のグループは,グループ外の人ともいっしょに遊んでよい雰囲気がある」,「私のグループは,他のグループと連絡をとりあってはいけない雰囲気がある」を参考に項目を修正・追加した計7項目を使用した。なお,鈴木・加藤(2023)の項目については,グループの約束を優先しなければならない集団規範に関する項目が2つあったことから,因子負荷量の低かった「自分のグループにはグループの約束を何よりも優先しなければいけない雰囲気がある」を除いた。また,因子負荷量の高かった「あなたが1度でもグループ外の人との約束を優先した場合,もうグループに戻れない雰囲気がある」については,二度とグループに戻れないといった極端な表現が使用されていたため,「…戻りづらい雰囲気がある」といった表現に修正して使用した。回答は,「全く当てはまらない(1点)」から「非常に当てはまる(5点)」の5件法で回答を求めた。
関係性被害 折笠・庄司(2019)が坂井・山崎(2004)の関係性攻撃の項目を調査実施校からの消去要望かつ因子負荷量の低かった3項目を除外,2項目の表現の一部を修正し作成された加害行為を尋ねる計4項目について被害を尋ねる形式に修正して使用した。具体的には,「みんなで遊ぶ相談をするときに,話に入れてもらえなかったことがある」,「仲間はずれにされたことがある」,「自分がみんなから嫌われるようなうわさ話をされたことがある」,「友だちがいっしょになって,自分の悪口を言っていたことがある」であった。教示文は,「今の学年になって,自分が所属するグループの中であなたは以下のようなことをされたことがありますか。」と明示した。回答は,坂井・山崎(2004)の尺度では,欲求について尋ねる項目も含まれるため,程度について回答を求めていたと考えられるが,本研究で扱う項目はすべて事実について尋ねているため,「全くない(1点)」から「よくある(4点)」の4件法で回答を求めた。信頼性係数は,α=.887であった。
分析方法本研究における構造方程式モデリング(SEM)による確認的因子分析,パス解析はR(ver4.3.1)とパッケージの「lavaan 0.6.16」(Rosseel, 2012)および「semTools 0.5.6」(Jorgensen, 2022)を使用し,その他の分析は,HAD(ver.17; 清水,2016)で行った。そして,分析には,友達グループ有りと回答した743名(男子371名,女子350名,どちらともいえない8名,答えたくない14名)を使用した。SEMについては,すべてロバスト最尤推定法によりパラメーターを推定し,欠損値推定(FIML)も行った(モデルで使用された尺度項目がすべて欠損であった者は欠損値推定ができないため,分析ごとに除かれた)。それ以外の分析については,ペアワイズ法により欠損値を除いた。
また,本研究では,排他性と関係性被害との関係を検討するために多母集団同時分析により,男女別に内阻害および外阻害と関係性被害について構造方程式モデリングによるパス解析を行った。その際,両者の相関関係を見ることに加えて,内阻害および外阻害の固有の影響を見るため,内阻害(外阻害)と関係性被害との関係を見る場合は,外阻害(内阻害)から内阻害(外阻害)および関係性被害へのパスを引き,外阻害(内阻害)の影響を取り除いた両者の残差同士の相関関係を見ることとした。なお,回帰分析ではなく,偏相関分析の枠組みを使った理由については,本研究では,理論上でも一方向性の関係を想定できなかったためである。具体的には,排他的だと認知しているグループで関係性被害を受けている可能性もあれば,関係性被害を受けているからグループを排他的と認知する可能性も考慮できる。吉田・村井(2021)が言及しているように,理論的に双方向性の関係が想定される場合に,むやみに一方向性を仮定して回帰分析を行うことは望ましくないことから,偏相関の枠組みを使用した。
なお,適合度指標については,ロバスト推定用に補正されたRobust CFI(CFI),Robust TLI(TLI),Robust RMSEA(RMSEA),尤度比検定については,Satorra & Bentler(2001)により補正されたもの(A scaled difference chi-square test statistic)を用いた。いずれの指標も,lavaanのロバスト最尤法のデフォルトで出力されるものであった。
排他性の構成概念妥当性 仲間集団の排他性を内阻害・外阻害の2つの観点から捉えることが妥当か検討するため,1因子構造と2因子構造を想定した確認的因子分析を行った。その結果,1因子構造モデルよりも(χ2 (54)=305.543, p<.001, CFI=.855, TLI=.823, RMSEA=.105, 90%CI[.094, .117]),2因子構造モデル(χ2 (53)=163.474, p<.001, CFI=.940, TLI=.926, RMSEA=.068, 90%CI[.056, .080])の方が適合度は良好であった。両者のモデルに違いがあるか尤度比検定を行ったところ,モデル間に有意な違いが認められた(Δχ2=42.847, Δdf=1, p<.001)。そのため,仮説通り,2因子モデルを採用することとした。しかし,信頼性係数は内阻害,外阻害の順にα=.664,.774であり,一定の内的一貫性が認められたが,十分とはいえなかった。そこで,内阻害については「グループ以外の人を受け入れられる雰囲気がある(逆転項目)」(.210),外阻害については「自分のグループには仲間がグループ外の人ともいっしょに遊んでよい雰囲気がある(逆転項目)」(.199)といった因子負荷量の低かった2項目があったことから,除いて確認的因子分析を再度行った(Table 1)。2項目除いた場合についても,1因子構造(χ2 (35) =195.500, p<.001, CFI=.878, TLI=.843, RMSEA=.117, 90%CI[.102, .134])よりも,2因子構造(χ2 (34)=78.449, p<.001, CFI=.969, TLI=.959, RMSEA=.060, 90%CI[.042, .078])の適合度が良好であり,モデル間にも有意な違いが認められたことから(Δχ2=42.981, Δdf=1, p<.001),2因子モデルを採用することとした。なお,信頼性係数(内阻害,外阻害の順に,α=.785,.845)は良好であり,因子間相関は,r=.716であった。
排他性の確認的因子分析結果(n=733)
項目 | 1 | 2 | |
---|---|---|---|
注)適合度指標は,ロバスト推定用のA scaled difference chi-square test statistic,Robust CFI,Robust TLI,Robust RMSEAについて評価している。 | |||
内阻害 | 私のグループは,グループに新しい仲間を入れてはいけない雰囲気がある | .785 | |
他のグループの人が自分のグループに入ってくることをいやがる人がいる | .779 | ||
私のグループは,グループの約束ごとを他のグループに話してはいけない雰囲気がある | .639 | ||
私のグループは,学校の休み時間いつもいっしょに行動しなければならない雰囲気がある | .584 | ||
外阻害 | あなたが1度でもグループ外の人との約束を優先した場合,グループに戻りづらい雰囲気がある | .812 | |
あなたがグループ外の人と関わったとき,自分のグループの仲間に不機嫌になる人がいる | .772 | ||
あなたがグループ外の人と関わったとき,自分のグループの仲間によく思われない | .720 | ||
自分のグループには他のグループと連絡をとりあってはいけない雰囲気がある | .703 | ||
自分のグループには仲間にグループ外の人とつきあってほしくない雰囲気がある | .640 | ||
自分のグループの仲間は,グループの外の子と仲良くできるのに,自分だけ仲良くしづらい雰囲気がある | .554 | ||
χ2(34)=78.449, p<.001, CFI=.969, TLI=.959, RMSEA=.060 |
加えて,多母集団同時分析により,男女の測定不変性が成り立つか上記のモデルを確認したところ,配置不変モデル(χ2 (68) =140.415, p<.001, CFI=.954, TLI=.940, RMSEA=.071, 90%CI[.053, .088])と弱測定不変モデル(χ2 (76)=178.832, p<.001, CFI=.931, TLI=.918, RMSEA=.082, 90%CI[.066, .099])の間に有意差が認められた(Δχ2=31.990, Δdf=8, p<.001)。ただ男女異なる因子負荷量で推定された因子得点を用いて,関係性被害との関連の違いを検討することは望ましくないため,適合度が著しく悪くなかったことを考慮して,弱測定不変モデルを採用した。また,弱測定不変モデルに切片も等値制約としたモデルも検討したところ,弱測定不変モデルとの間に有意差が認められた(Δχ2=26.012, Δdf=8, p=.001)が,適合度は同程度であったため(χ2 (84)=201.992, p<.001, CFI=.924, TLI=.918, RMSEA=.082, 90%CI[.067, .097]),弱測定不変モデルに切片も等値制約としたモデルを以降の分析に用いることとした。
排他性および関係性被害の性差 次に,内阻害および外阻害の性差を検討するために対応のないWelchのt検定を行った(Table 2)。その結果,内阻害は性別による有意差が認められ(t (633.123)=6.762, p<.001, d=.512, 95%CI[.362, .661]),男子よりも女子の方が内阻害の得点が高かった。効果量を算出したところ,中程度の差があった。外阻害(t (692.355)=1.552, p=.121, d=.117, 95%CI[‒.030, .264])および関係性被害(t (663.647)=.537, p=.592, d=.041, 95%CI[‒.110, .193])については,性差が認められず,外阻害および関係性被害の得点に性差があるとは言えなかった。
排他性および関係性被害の性差
変数 | n= | 男子 344―367 |
女子 322―344 |
t値 | 効果量(d) | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
注)内阻害および外阻害については因子得点(上段:尺度得点,下段:因子得点),関係性被害については尺度得点を用いて検定をしている。 ***p<.001 |
|||||||
内阻害 | 1.364 | (.571) | 1.646 | (.777) | 6.762*** | .512 | |
-.202 | (.335) | .000 | (.449) | ||||
外阻害 | 1.355 | (.610) | 1.424 | (.688) | 1.552 | .117 | |
-.056 | (.458) | .000 | (.501) | ||||
関係性被害 | 1.257 | (.549) | 1.297 | (.502) | 0.537 | .041 |
男女別の排他性と関係性被害との関連 次に,排他性と関係性被害との関係を検討するために,多母集団同時分析により,男女別に内阻害および外阻害と関係性被害について構造方程式モデリングによるパス解析を行った(Table 3, 4)。
各モデルの適合度およびベースラインモデルと等値制約モデルとの比較
変数 | モデル | 等値制約パラメーター | n | χ2 | CFI | TLI | RMSEA | AIC | BIC | Δχ2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
注)適合度指標は,ロバスト推定用のA scaled difference chi-square test statistic,Robust CFI,Robust TLI,Robust RMSEAについて評価している。 ***p<.001 |
||||||||||
内阻害⇔関係性被害 | ベースラインモデル | 因子負荷量 切片 | 707 | 189.213*** | .907 | .896 | .116 | 10029.057 | 10202.376 | |
等値制約モデル | 因子負荷量 切片共分散 | 707 | 191.631*** | .906 | .896 | .116 | 10032.020 | 10200.778 | ns | |
内阻害⇔関係性被害統制:外阻害 | ベースラインモデル | 因子負荷量 切片 | 713 | 419.365*** | .909 | .902 | .084 | 18878.082 | 19188.807 | |
等値制約モデル | 因子負荷量 切片残差共分散 | 713 | 419.588*** | .909 | .903 | .084 | 18876.265 | 19182.421 | ns | |
外阻害⇔関係性被害 | ベースラインモデル | 因子負荷量 切片 | 713 | 247.646*** | .911 | .905 | .104 | 12703.270 | 12913.466 | |
等値制約モデル | 因子負荷量 切片共分散 | 713 | 245.456*** | .912 | .907 | .103 | 12701.394 | 12907.021 | ns | |
外阻害⇔関係性被害統制:内阻害 | ベースラインモデル | 因子負荷量 切片 | 713 | 419.365*** | .909 | .902 | .084 | 18878.082 | 19188.807 | |
等値制約モデル | 因子負荷量 切片残差共分散 | 713 | 418.566*** | .909 | .903 | .084 | 18877.302 | 19183.457 | ns |
多母集団同時分析における男女別の排他性と関係性被害との関連
変数 | 採用モデル | 相関係数および95%CI [下限,上限] | |||
---|---|---|---|---|---|
男 | 女 | ||||
***p<.001 | |||||
内阻害⇔関係性被害 | 等値制約モデル | .436*** | [.314, .558] | .381*** | [.240, .521] |
内阻害⇔関係性被害 統制:外阻害 |
等値制約モデル | .066 | [‒.088, .220] | .061 | [‒.083, .206] |
外阻害⇔関係性被害 | 等値制約モデル | .606*** | [.498, .715] | .598*** | [.458, .739] |
外阻害⇔関係性被害 統制:内阻害 |
等値制約モデル | .442*** | [.294, .590] | .462*** | [.286, .638] |
まず,内阻害と関係性被害について男女で関連に違いがあるか確認するために,因子負荷量および切片を等値制約したベースラインモデル(以下,ベースラインモデルとする)と因子負荷量および切片,共分散(内阻害と関係性被害)を等値制約したモデル(以下,等値制約モデルとする)を比較したところ,モデル間に有意差はなかったため(Δχ2=2.627, Δdf=1, p=.105),等値制約モデルを採用した4。その結果,男女ともに内阻害と関係性被害には,中程度の正の相関が認められた(男子,女子の順に,r=.436, 95%CI[.314, .558]; r=.381, 95%CI[.240, .521], ps<.001)。
次に,外阻害を統制し,両者の関係を見たところ,ベースラインモデルと等値制約モデルにおいて,モデル間に有意差は認められなかった(Δχ2=.115, Δdf=1, p=.735)ことから,等値制約モデルを採用した5。その結果,男女ともに内阻害と関係性被害には有意な相関が認められなかった(r=.066, 95%CI[-.088, .220], p=.407; r=.061, 95%CI[-.083, .206], p=.407)。
次に,外阻害と関係性被害について男女で関連に違いがあるか確認するために,ベースラインモデルと等値制約モデル(共分散は,外阻害と関係性被害に仮定した)を比較したところ,モデル間に有意差が認められなかった(Δχ2=.037, Δdf=1, p=.848)ことから,等値制約モデルを採用した。その結果,外阻害と関係性被害には,男女ともに中程度の正の相関が認められた(r=.606, 95%CI[.498, .715]; r=.598, 95%CI[.458, .739], ps<.001)。
次に,内阻害を統制し,両者の関係を見たところ,ベースラインモデルと等値制約モデルにおいて,モデル間に有意差は認められなかった(Δχ2=.449, Δdf=1, p=.503)ことから,等値制約モデルを採用した。その結果,外阻害と関係性被害には男女ともに有意な中程度の正の相関が認められた(r=.442, 95%CI[.294, .590]; r=.462, 95%CI[.286, .638], ps<.001)。
結果のまとめ 本研究の仮説に沿って,結果をまとめる。仮説の1つ目は,「排他性(内阻害および外阻害)は性差が認められ,男子よりも女子の方の得点が高くなるが,関係性被害には性差があるとはいえない」であった。本研究の結果から,内阻害は,有意差が認められ,男子よりも女子の得点が高かった。一方,外阻害および関係性被害は男女で有意差は認められなかった。よって仮説は部分的に支持されたといえる。仮説の2つ目は,「グループ内で起こる関係性被害は,内阻害ではなく外阻害が関連している」であった。本研究の結果から,内阻害および外阻害と関係性被害との間には,両者とも中程度の正の相関が認められた。しかし,内阻害および外阻害の一方の要因を統制した上で,内阻害および外阻害と関係性被害との関連を見たところ,内阻害と関係性被害との間には,有意な相関は認められなかった。一方で,外阻害は,内阻害の要因を統制しても中程度の相関が認められた。よって仮説が支持されたといえる。以上の結果をふまえ,排他性および関係性被害の性差,排他性と関係性被害の関連の2点に分けて,以下考察を行う。
排他性および関係性被害の性差 排他性は女子グループに特有であることが指摘されていることから(Berndt, 1982; 菅野,1996; 佐藤,1995),本研究においても内阻害と外阻害を分けて排他性の性差を検討した。その結果,男子よりも女子の方が内阻害を感じていることが明らかとなった。女子はグループの規模が小さく(三島,2003a; Salmivalli et al., 1997; 有倉,2011, 2015),二者関係を重視する上(Benenson, 1990),一人になることを回避する傾向が指摘されている(仲野・渡邊,2022; 大嶽他,2010)。そのため,女子グループにとって新しいメンバーが入ることは,それまで維持されていた二者関係が崩れて,グループの中で一人になるリスクを高めるといえる。実際,女子にとって奇数になり誰かが余ることがグループの悪い点としてあることからも(幸本,2017),新しいメンバーを入れることは,その後,自分がグループ内で孤立するか否かに大きく関係することであり,新しいメンバーを入れない雰囲気を強く認識することにつながったと考えられる。また,排他性の性差について,先行研究でも結果が一貫していないが(石田・小島,2009; 松本,2018; 有倉,2015),従来の排他性の概念には,内阻害や外阻害が混在している点から考えると,測定しているものが一貫していない。今後の研究においては,測定内容に一貫性を持たせて,性差が認められるのか慎重な検討が必要であるといえる。
一方で,外阻害については仮説に反して有意な性差は認められなかった。新しいメンバーを増やすことによって生じるリスクと同様に,今のメンバーを失うことによって生じるリスクについても,小規模である女子グループに特有のものと考えられた。しかし,一人になることを回避するために無理にでも集団規範に合わせる傾向である「ひとりぼっち回避規範」(大嶽,2007)については,性差は認められていないことから(有倉,2011),男子も今のメンバーを失うことによるリスクは存在することが考えられる。よって男女ともにメンバーがグループ外の者と関係をもつことを否定的に捉える雰囲気には違いがあるとはいえない結果になったと考えられる。
次に,関係性被害については仮説通り有意な性差は認められなかった。先行研究でも関係性被害に性差は認められていなかったが(Casper & Noel, 2017; Crick & Nelson, 2002),本研究から,グループ内の関係性被害についても性差が認められないことが明らかとなった。つまり,男女でグループの性質に違いはあるものの,その中で関係性被害が少なからず生じていることには男女で違いがないと考えられる。
しかし,いずれの尺度の平均値も全て1点台であり,一般的に排他性や関係性被害は少数であっても深刻な問題であるといえども,排他的な雰囲気をそれほど感じていない,あるいは被害を多くは受けていないことにも留意する必要がある。
排他性と関係性被害の関連 本研究では,統制する前のモデルにおいて,内阻害と外阻害の両方とも関係性被害と関連があった一方,統制後のモデルには外阻害のみ有意な関連が認められた。すなわち,グループ内で起こる関係性被害はグループの外阻害と関連することを明らかにした。このことは,グループ内で関係性被害を受けている者は,グループ外の者との関係のもちにくさを感じている可能性を示唆している。具体的には,「外阻害→関係性被害」,「関係性被害→外阻害」の2つの順序性が想定される。まず,「外阻害→関係性被害」については,関係性攻撃を行う場合,加害者はそれを有効なものとするために,当該被害者がグループ外の者と関係をもつことを阻害するということを行っている可能性がある。つまり,被害者は自分とグループ外の者との関係をもちにくい雰囲気を作られた上で関係性被害を受けていることが考えられる。次に,「関係性被害→外阻害」については,グループ外の者と関係をもつと制裁をうけると予測するという実態が少なからずあることからも(黒川他,2006),関係性被害を受けると,それを制裁として受け止めることにより,外阻害をより強く感じている可能性が考えられる。加えて,関係性被害を受けている者は抑うつ傾向が高いことが示されており(加藤他,2019),外阻害と関係性被害のそうした相互作用によって精神的なダメージを深刻にしている可能性がある。また,グループ内で起こる関係性被害に,内阻害は関連していなかった。先行研究において,排他性と関係性被害の関連が指摘されているが(Grotpeter & Crick, 1996; 三島,2004),従来の排他性には,内阻害と外阻害の両方が含まれている問題があった(鈴木・加藤,2023)。そのため,本研究では,内阻害と外阻害に分けて関係性被害との関連を検討した結果,外阻害と関係性被害との関連はみられたが,内阻害との関連はみられなかった。したがって,内阻害を問題視しても,グループ内で起こる関係性被害の防止要因とはならない可能性がある。また,本研究において内阻害と外阻害は因子間相関が高かったことは留意すべき点であるが,内阻害と外阻害では,関係性被害との関連が異なったことから,両者の概念を区別する一定の妥当性はあったといえる。
また,排他性と関係性被害の関連について性差を検討した結果,有意差は認められなかった。先行研究(黒川他,2006)では,女子の方がグループ外の者と関わることによって仲間から制裁を受けると予測していることが指摘されていることから,本研究では,男子よりも女子においてグループに外阻害を感じている者ほど関係性被害を受けている可能性を想定していたが,結果に性差は認められなかった。仮説が支持されなかった理由については,黒川他(2006)は,制裁を「予測」で検討したのに対して,本研究では「実際の被害」で検討した点が挙げられる。具体的には,黒川他(2006)は制裁の予測認知が男子よりも女子の方が高いことを示していることから,女子の方が制裁に対して敏感な可能性はあるといえる。その一方で,本研究は実際に感じている外阻害と関係性被害の関係を検討した。その結果,有意な性差が認められなかった。したがって,制裁に対しては, 男子よりも女子の方が敏感ではあるものの,グループ内で関係性被害を受けている者は,グループ外の者との関係のもちにくさを感じているということに関しては,男女で大きな違いはなかったといえる。その意味では,男女ともにグループ内の関係性被害は,被害者がグループ外の者との関係のもちにくさを感じることを伴って生じていることを示唆し,他のグループに移動するといった対処がしにくく,グループ内の関係性被害は深刻化する可能性があるといえる。
本研究の限界 最後に本研究の限界点について述べていく。本研究から,内阻害は,男子よりも女子の得点が高かった一方,外阻害および関係性被害は男女で有意差は認められなかった。しかし,本研究ではグループの人数の項目は,測定方法の問題6により,分析から除外したため,先行研究で示されているグループの人数の性差をふまえた考察が妥当であるかは今後も検討していく必要があるだろう。
また,本研究から,グループ内で関係性被害を受けている者は,グループ外の者との関係のもちにくさを感じている可能性が示された。しかし,大きく2つの点で課題もあった。1つ目は,本研究の知見は被害者視点から想定されることであり,加害者視点は考慮されていない点である。今後の研究においてグループにおける外阻害と関係性被害の関係について,被害者視点で想定されたグループ外の者と関係をもつことを良しとしない者がグループ内で関係性攻撃を行っているのかについて加害者視点でも検討する必要があるだろう。2つ目は,外阻害の高いグループで起こる関係性被害は,グループ外の者との関係をもちにくい点において,被害者の精神的なダメージに関係していることが推察された。しかし,本研究では,関係性被害の頻度を測定しており,外阻害が関係性被害を受けたことによる精神的なダメージとどのように関係しているのかは明らかにされていない。今後の研究においては,単にグループの排他性と関係性被害の関係を見るだけでなく,グループ内の関係性被害が精神的なダメージを与えるメカニズムについても合わせて検討することが必要であるといえる。
本研究において,開示すべき利益相反事項はない。
本論文は,第一著者が令和4年度に,北海道大学大学院教育学院に提出した修士論文の一部を加筆・修正したものである。
本研究は,JST次世代研究者挑戦的研究プログラム JPMJSP2119の支援を受けた。
調査にご協力いただいた中学校の皆様に感謝申し上げます。
仲間集団は,自然発生的な集団であることをふまえて(住田,2004),本研究では,仲間集団とインフォーマル集団はほぼ同義の概念として扱うこととする。
2本研究では排他性を集団に帰着する概念として定義している。
3ここで検討された排他性は,個人およびその友達の特性を反映している。
4情報量基準の指標間(AICとBIC)で相反する結果が見いだされたが,少ないパラメーターで同程度,モデル適合を示している点において倹約的である等値制約モデルを採用した。
5外阻害(内阻害)から内阻害(外阻害)および関係性被害に対するパス係数には等値制約はしていない。本研究の目的は,外阻害の影響を取り除いた内阻害と関係性被害の相関関係の性差をみることであり,内阻害および関係性被害に対する外阻害の影響が男女で同一であるという条件の下で内阻害と関係性被害の相関関係の性差をみることが目的ではないためである。
6具体的には,回答を自由記述で尋ねたため,回答の形式がそろわなかったこと,補足として提示した文章「算用数字(1,2,3...)で答えてください」によって,「1,2,3,4,5」と同じように数字を繰り返して答える人が見られるなど項目の測定に疑いがあった。