Article ID: 96.23053
Belief in a just world entails the inclination to perceive the world as inherently fair and secure, where individuals are shielded from misfortune. While previous studies have focused on adults, none have comprehensively explored the developmental origins of just world beliefs. This study examined the development of two facets of just world beliefs - beliefs in immanent justice and ultimate justice- among participants aged five to nine and adults. Participants were presented with narratives depicting instances of either good or bad luck, followed by inquiries regarding the character's actions the previous day and predictions for the following day. The results exhibited a developmental difference in belief in immanent justice, evidence for the fortunate character during the initial half of age five and for the unfortunate character during the latter half of age seven. Conversely, belief in ultimate justice exhibited no developmental difference, indicating that it was already evident among five-year-olds. These findings suggest that belief in a just world takes root as early as the preschool years, although opportunities for further development persist.
われわれは悪事をはたらいている人が偶然不幸に見舞われたことを聞くと,日頃の行いが悪かったのでばちがあたったのだろうと考えがちである。あるいは,ある人に幸運なことが起こった場合,その人が過去に良い行いをしていたために,その結果として幸運なことに帰結したのだろうと考えることもある。このように因果関係がまったくないにもかかわらず,因果応報を期待する傾向は,公正世界信念によって説明される。公正世界信念とは,世界が不当ではなく,不運を被ることのない公正で安全な場所であると信じる傾向のことである(Lerner, 1980)。したがって,この信念を保持していれば,不運(幸運)なことが起これば,その不運(幸運)なことが起こるに足る妥当な理由が以前にあったと考えたり,不幸な状態にあれば将来においてその埋め合わせのために良いことが起こるだろうと考えたりする。このような公正世界信念は,個人によって程度に差はあるにせよ,一般に誰もが保持していると考えられている(Dalbert, 2002; Lerner, 1980)。
先行研究から,公正世界信念を保持することによって生じるネガティブ・ポジティブな側面が明らかになっている。例えば,ネガティブな側面として,事件の被害者といった苦境にある他者に対する非難があげられる(Furnham, 2003; Lerner, 1980)。非がないにもかかわらず苦しんでいる他者が存在することは世界が公正であるという信念に反する。そのため,犠牲者にネガティブな印象を付与することで,不運に見舞われるに足る特徴を犠牲者が有しているといった公正世界信念の維持に適合するような解釈が生じる(Godfrey & Lowe, 1975; Lerner & Simmons, 1966)。他方で,公正世界信念には,心理的緩衝材として機能するといったポジティブな側面もある(Bennett, 2008; Callan et al., 2014; Donat et al., 2016; Furnham, 2003; Hafer & Bègue, 2005)。例えば,公正世界信念の保持によって,未来の自分の不運を心配する必要がないため,長期的な視点をもつことが可能となり,すぐに獲得できる小さな報酬より,のちに獲得できる大きな報酬を選好することが報告されている(Callan et al., 2014)。
これまで,公正世界信念に関する研究は主に成人を対象になされてきた。他方,公正世界信念の保持に至る発達過程については十分な知見がない。本研究では,公正世界信念の発達に焦点を当て,公正世界信念の各側面がいつ頃から保持され始めるのかを明らかにすることを目的とした。
2種類の公正世界信念公正世界信念は,内在的公正世界信念と究極的公正世界信念という2種類の信念に区別される(Maes, 1998)。内在的公正世界信念とは,ある出来事が起こった原因を因果関係がないにもかかわらず過去の行いによるものと信じることであり,究極的公正世界信念とは,現在の不公正が将来的に良い形で埋め合わされると信じることである(Maes, 1998; 村山・三浦,2015; Murayama et al., 2021)。内在的公正世界信念を強く持つ人ほど,幸運な出来事に遇った人を「幸運に値するだけの人だった」とポジティブに評価することが指摘されている(Lerner, 1980; Maes & Kals, 2002)。他方で,不運にあった人が非道徳的である(犯罪歴があるなど)場合,不運を過去の行為と結びつけるような判断を行いやすいことも明らかになっている(Murayama et al., 2021)。このような信念傾向は文化によって調整されることが報告されている。例えば,日本のような社会では,社会規範が厳しく,違反に対する許容度が低いため(Gelfand et al., 2011),不運と過去の行為を結びつけて考える傾向が強いといわれている(Murayama et al., 2021)。以上のように,内在的公正世界信念は幸運・不運双方の出来事への反応として定義される。これに対して,究極的公正世界信念については,今現在の不運がいつか埋め合わされるという研究(村山・三浦,2015; Murayama et al., 2021)はあるものの,今現在の幸運が将来のどのような結果に結びつくのかについては理論的にも定義されず,実証的な証拠もない。
内在的公正世界信念と究極的公正世界信念は,人々の認識に対してそれぞれ異なる影響をもたらす。内在的公正世界信念の保持は,病気などの不運に対して,罪や失敗の代償だと認識することに繋がりやすく,非難へと発展しうる一方で,究極的公正世界信念の保持は不幸や病気に意味を見出したり,不運な状況に陥っても対処できるはずだという考えに繋がったりすることが示唆されている(Maes, 1998)。内在的公正世界信念は,成功や失敗を自業自得であると考えるため,自分自身の成功や失敗に対するプレッシャーにもつながる。そのため,内在的公正世界信念の強さは,学校のクラスにおける競争心の強さと関連することが報告されている(Maes & Kals, 2002)。他方,不運に対するポジティブな見通しにつながりやすい究極的公正世界信念の強さは,精神的幸福の高さに関連することが示されている(Maes & Kals, 2002)。
公正世界信念の発達これまでの公正世界信念の研究の多くは,成人を対象に進められてきた。では,この信念はいつごろから獲得されるのだろうか。
公正世界信念の発達に関する研究は,主に児童期後期以降の子どもを対象に行われてきた。児童期以降の子どもたちにとって,公正世界信念の強さは,学校生活に対する抑うつの低さ(Dalbert & Stoeber, 2005)や教育に対するポジティブな態度の強さ(Donat et al., 2016),いじめを行う可能性の低さに関連すること(Fox et al., 2010)が明らかになっている。しかし,より年少の子どもを対象とした研究は著者らの知る限り見当たらず,公正世界信念の発達的な起源について直接的にかつ包括的に検討した研究はない。就学前期や児童期前期といった低年齢の子どもたちの公正世界信念の発達について検討することは,園や学校での生活への適応を支援する知見の提供につながる可能性がある。
公正世界信念の発達的な起源に関する直接的な証拠はないものの,関連する知見は存在する。第一に,かなり類似した知見として,道徳判断の文脈で行われてきた内在的正義に関する発達研究があげられる4。Piaget(1965)の研究では,6―12歳の子どもたちの中で,悪いことをした人が不運な出来事にあうという話に対して,「悪いことをしたからこの出来事が起こった/悪いことをしなければこの出来事は起こらなかった」と答える子どもがいたことが報告されている。また,良い行動や幸運な出来事に対しても同様に,過去の良い行いに原因を帰属するような反応が確認されている(Fein, 1976)。5―12歳児を対象としたOlson et al.(2008)の研究においても,最初に良い(悪い)行動をしたことが良い(悪い)結果につながったという回答や,最初に良い(悪い)行動をしなければこの良い(悪い)結果にはならなかったと考える傾向が5―6歳頃でみられることが確認されている。これらは行動と結果が同時に提示されており,単に価値を連合させただけの可能性もあるが,これらの知見との類似性を踏まえると,内在的公正世界信念については,5歳ごろから保持され始める可能性が想定される。
第二に,幸運への選好に関する研究があげられる。5―7歳児は不運な人よりも,幸運な人を強く好む傾向があることが示されている(Olson et al., 2006)。同様の結果は,日本人の4―7歳を対象にした研究においても再現されている(Olson et al., 2008)。これらは幸運(不運)な人にポジティブ(ネガティブ)な評価を帰属していることを意味する。内在的公正世界信念の保持には,幸運や不運に対する理解だけでなく,幸運(不運)な状況とポジティブ(ネガティブ)な原因を結びつける必要がある。これらは,結びつける対象が評価と原因で異なるが,同様の感情価を関連付ける点は同じであるので,ある程度類似する認知プロセスであることが考えられる。実際,幸運な他者への選好は内在的公正世界信念に関連すると考えられており(Lerner, 2003),幸運への選好が一貫してみられる5歳以降に,内在的公正世界信念の保持が同時にみられる可能性がある。
先行研究における問題点と本研究での工夫先に述べたように,公正世界信念に関する研究は主に成人や児童期後期以降の子どもが対象であり,より低年齢の子どもに関しては内在的正義や幸運への選好といった間接的な知見しか報告されていない。これは,公正世界信念が質問紙によって計測されるため,質問紙という方法を用いることができる年齢に対象が限定されてきたためである。したがって,課題や方法論を工夫し,より低年齢児においても公正世界信念の保持を直接的に調べ,その発達を検討することが必要である。
先行研究(Lerner & Simmons, 1966)では,電気ショックを受けるなどの衝撃的な出来事や,橋から落ちるなどの非日常的な出来事を用いて公正世界信念の研究が進められてきた。しかし,子どもにとって,こうした場面を見聞きする機会は少ないため,衝撃的な事件や非日常的な出来事を思い浮かべることは難しい可能性がある。また,これらの出来事を不用意に子どもに提示することは心理的安全を脅かす可能性があり,倫理的にも問題が生じる恐れがある。したがって,本研究では,日常生活で起こりうる出来事を用いて公正世界信念の保持及びその発達を検討することとした。
また,先行研究(Olson et al., 2008; Piaget, 1965)の内在的正義を調べた物語課題では,行動と結果が物語の中で全て提示されていた。この方法では,子どもが物語中の行動の良し悪しと結果の良し悪しとを単に連合させただけなのか,公正世界信念に基づいて行動と結果との繋がりを判断していたのかを区別できない。また,公正世界信念には,現状の状態から,過去にさかのぼって原因を帰属したり,将来の状態を予測したりする推論能力が伴う。そのため,本研究では,幸運・不運な出来事に見舞われた人物を提示した上で,その人物の過去の行動を尋ねたり(内在的公正世界信念),その後に起こる出来事の予測を尋ねたり(究極的公正世界信念)する方法を採用し,単純に因果を結び付けられないような推測課題を用いた。そして,単にポジティブ(ネガティブ)な状況はポジティブ(ネガティブ)な原因に帰属したという連合の可能性を排除するために,不運な出来事(ネガティブ)と予測の出来事(ポジティブ)の感情価が異なる究極的公正世界信念も加えてその検証を行った。
究極的公正世界信念の保持については発達の知見が乏しく,仮説を立てることは難しい。しかし,成人を対象としたMaes(1998)の研究において,内在的公正世界信念と究極的公正世界信念の保持の度合いは中程度の正の相関があることが報告されていることを鑑みると,究極的公正世界信念の保持も内在的公正世界信念と同様の時期に保持される可能性が考えられる。本研究では,内在的公正世界信念と究極的公正世界信念のそれぞれの発達についての検証を行った。
目的と仮説本研究は,就学前期から児童期前期にあたる5―9歳児を対象に,内在的公正世界信念と究極的公正世界信念の発達を検討することを目的とした。加えて,公正世界信念に関連するトピックとして,幸運・不運な他者への好意度を確認し,「幸運な他者は不幸な他者よりも選好される」という先行研究(Olson et al., 2006, 2008)の結果が再現されるかも検証した。課題においては,先行研究の問題点を踏まえ,日常生活の中で起こりうる幸運・不運な出来事(例:くじ引きに当たる,自転車とぶつかってけがをする)を使用した。また,子どもたちに幸運な出来事と不運な出来事について聞かせた後,その人物が過去にどのような行動をしていたか,未来にどのような出来事に遭遇するかについて尋ねた。
本研究の仮説として,まず,先行研究(Olson et al., 2006, 2008)と同様にどの年齢においても,幸運な人物は不運な人物よりも好意度が高く評価されると予測した。次に,内在的公正世界信念を保持しているのならば,不運な人物は前日に悪いことをしており,幸運な人物は前日に良いことをしていたという回答がみられると予測した。他方,究極的公正世界信念を保持しているのならば,不運な人物には翌日良いことが起こるはずだという反応がみられると予測した。なお,幸運な人物に翌日何が起こるかという側面については,究極的公正世界信念の定義にはないため,翌日の出来事が良いこと・悪いことのいずれの選択に偏るかについては明確な仮説は立てなかった。また,これらの発現時期についても,先行研究(Olson et al., 2008; Piaget, 1965)から5歳頃からみられる可能性があると予想されたが,直接的に予測できなかったため,より幅を持たせた5―9歳を対象年齢のレンジとして設定し,探索的にその発達的推移の検討を行った。
5―9歳を対象年齢とし,各年齢26名の計130名(Mage=7.45歳,SD=1.37歳),及び成人26名(Mage=22.16歳,SD=1.68歳)を本研究の分析対象とした。サンプルサイズについては,本研究と対象年齢,実験課題及び分析手法が類似している発達研究(Lee & Warneken, 2020)を参考に,有意水準5%,検出力80%以上として,年齢の主効果を検出できるサンプルサイズを推定し,その値を参考にした。なお,別の14名の子どもも調査に参加したが,言語発達の遅れ(後述する語い年齢が4.1歳未満3名),物語の理解困難(確認質問の不通過3名),質問への回答困難(選択の拒否など6名),実験手続きの誤り(2名),により分析対象から除外された。参加児の保護者は書面にて,成人の参加者の場合はGoogleフォームにて,研究参加の同意を得た上で課題を実施した。なお,本研究は大阪大学大学院人間科学研究科の研究倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:HB022-078,HB023-002,HB023-002R)。
実験刺激及び手順子どもを対象とした研究は,参加児が在籍する幼稚園・小学校の空き教室または著者の所属研究機関の実験室にて個別に実施した。これらの実験状況は異なるが,状況以外は同一の手続きを用い,回答傾向に違いがないことを確認している。成人を対象とした研究は,Googleフォームを用いてオンライン形式のオンデマンドで課題を実施した。
絵画語い検査 本研究では,物語を提示する形で課題を実施する。そのため,参加児の言語発達の程度が一定以上の水準に達しており,物語課題の理解に影響がないかを予備的に確認するため,参加児に対してPicture Vocabulary Test-Revised(PVT-R)絵画語い発達検査(上野他,2008)を行った。参加児は,4枚の絵の中から,提示された単語に最も相応しい絵を選択するよう求められた。各図版において,全項目中の正答数が3つ以下で,次の図版の正答数が2つ以下になった時点で検査を打ち切った。正答数及び選択誤答数から各参加児の語い年齢を算出した。
公正世界信念課題 参加者に4つの物語を提示し,各物語中の主人公の感情状態と主人公への好意度に関する質問を行った後に,公正世界信念に関する質問を行った。4つの物語の内訳は,内在的公正世界信念を問う不運・幸運な物語(各1種),究極的公正世界信念を問う不運・幸運な物語(各1種)であった。不運な物語には「アイスが落ちる」,「自転車にぶつかってけがをする」を,幸運な物語には「くじ引きにあたる」,「好きなご飯が出る」を使用した5。物語は紙芝居形式(297mm×210mmの画用紙,各話2ページ構成)で作成した。なお,本研究で使用した物語課題の例はOSFにて閲覧できる(https://doi.org/10.17605/OSF.IO/7ACFT)。
まず,参加者に,主人公が不運または幸運にあう物語を呈示した(例:人がぶつかってきてしまい,アイスが落ちてしまった・くじ引きに当たって,おもちゃがもらえた)。その後,参加者が物語の内容を理解しているかを確認するために,「(主人公の名前)に何が起こりましたか?」と質問した。物語の内容に合致した回答が得られなかった場合には,物語の提示と確認質問を繰り返した。2回繰り返しても正答しなかった場合,そこで課題を打ち切った。次に,提示した物語が主人公にとって悲しい・嬉しい出来事,つまり不運・幸運な出来事として適切に捉えられていたかを確認するために,感情評定質問を行った。7件法にて感情価(‒3「すごく悲しい」―0「どちらでもない」―+3「すごく嬉しい」)を表情つきの顔文字と併せて示し,「(主人公の名前)はどんな気持ちになったと思いますか?」と尋ね回答を求めた。
確認質問および感情評定質問の後,好意度質問と公正世界信念を問う質問を行った。まず,好意度質問については,参加者に「(主人公の名前)のことがどれくらい好きですか?」を表情つきの顔文字と併せて示し,参加者は6件法(‒2.5「すごく嫌い」―+2.5「すごく好き」)で評価した。
公正世界信念を問う質問については,内在的公正世界信念と究極的公正世界信念に関する質問とをそれぞれ行った。内在的公正世界信念に関する質問では,参加者に「(主人公の名前)は,昨日何をしていたと思う?」と尋ね,参加者に良いこと(例:掃除を手伝う)と悪いこと(例:けんかして友達をたたく)を表した2種類の絵を提示し,どちらか一方を選択させた。究極的公正世界信念に関する質問では,参加者に「(主人公の名前)に,明日何が起こると思う?」と尋ね,参加者に良い出来事(例:きれいなお花を見つける)と悪い出来事(例:犬にほえられる)を表した2種類の絵を提示し,どちらか一方を選択させた。また,選択の理由について「なぜそう思いましたか?」と質問し回答を記録した。
子どもの参加者では,これらの一連の流れを4回繰り返し,各物語の質問を行った。なお,物語の提示順と選択肢の呈示の左右,選択肢の提示順はランダマイズした。成人では,4つの物語の順序を疑似ランダム化した12パターンのうち,1パターンに回答させた。なお,成人に対しては,絵画語い検査,物語の理解度質問,選択の理由を問う質問は実施しなかった。
分析には,統計処理ソフトウェアRとR-studio version 4.1.2(R Core Team, 2021)を用いた。本研究では,5―9歳児の年齢は月齢をもとに連続量に換算し,標準化した上で分析を行った。なお,5―9歳児と成人のデータは直接比較するのが難しいため,分けて分析した。
予備的分析絵画語い課題で算出された語い年齢と,参加児の年齢に対して相関分析を実施したところ,強い正の相関(r=.75, p<.001)がみられた。語い年齢の範囲は4.3―12.2歳であり,そのうち5名が本研究の対象年齢の下限である5.0歳を下回る語い年齢であったが,いずれの参加児も確認質問には2回以内に正答できており,物語を適切に理解していると判断されたため,以降の分析にも含めることとした。なお,これらの参加児を除いた場合の解析も実施したが,概ね同等の結果が再現された(結果が異なった場合のみ脚注にて報告する)。
感情測定得点に対して,年齢,物語の種類,年齢と物語の種類の交互作用を独立変数,各物語の感情測定得点を従属変数,参加児をランダム切片にした線形混合モデルを実施した。各年齢・物語の種類における平均の推定値とその信頼区間の結果から,どの年齢においても,不運な物語は主人公にとって悲しいものであり,幸運な物語は主人公にとって嬉しいものであると判断されていた(電子付録Figure S1を参照)。成人の参加者についても同様に,不運な物語は主人公にとって悲しく,幸運な物語は主人公にとって嬉しいものと判断されていた。したがって,物語における不運・幸運の種類は適切に区別されていると判断した。
好意度評定好意度得点においては,不運・幸運な物語各2話の好意度得点の平均値を分析に使用した。5―9歳児において,年齢と物語の種類によって主人公に対する好意度が異なるか検討した。年齢,物語の種類,両者の交互作用を独立変数,好意度得点を従属変数,参加児をランダム切片にした線形混合モデルを実施した結果,物語の種類の主効果が有意であり(χ2 (1) =48.11, p<.001),幸運な主人公の方が,不運な主人公よりも好意度が高かった(Figure 1)。年齢の主効果と交互作用は有意ではなかった(年齢:χ2 (1) =2.26, p=.13, 交互作用:χ2 (1) =1.68, p=.19)6。
幸運・不運な主人公への好意度得点の発達的推移
注)半透明の点は実データを示す。子どもにおいて,実線は回帰直線を,グレーのリボンは95%信頼区間を示す。成人部分では,点とエラーバーは平均と標準誤差を示す。
成人において,好意度得点の平均は,不運な主人公では0.69(SD=0.76),幸運な主人公では1.17(SD=0.69)であった。対応のあるt検定の結果,幸運な主人公の方が,不運な主人公よりも好意度得点が有意に高かった(t (49.5) =2.38, p=.02)。したがって,子どもか成人かにかかわらず,幸運な物語の主人公の方が,不運な主人公よりも選好されることが分かった。
公正世界信念課題内在的公正世界信念課題 不運な物語においては「昨日悪いことをしていた」,幸運な物語においては「昨日良いことをしていた」と選択した場合を1,そうでない場合を0とし,得点が高いほど内在的公正世界信念が強いことを示すよう得点化した。
5―9歳児において,年齢および物語の種類が内在的公正世界信念に基づく選択に影響するかを検討するために,年齢,物語の種類,及び両者の交互作用を独立変数とし,選択(0, 1)を従属変数とした二項分布による一般化線形混合モデルを実施した。その結果,物語の種類(χ2 (1) =33.75, p<.001)と年齢(χ2 (1) =9.47, p=.002)の有意な主効果がみられ,幸運な主人公の方が不運な主人公よりも,また年齢が高いほど,内在的公正世界信念が強かった(Figure 2)。なお,交互作用は有意ではなかった(χ2 (1) =0.89, p=.34)。
内在的公正世界信念課題における選択の発達的推移
注)仮説通りの選択を1,仮説通りでない選択を0として得点化した。その他の凡例はFigure 1に準ずる。
次に,内在的公正世界信念の発達をより詳細にとらえるために,不運な物語において「昨日悪いことをしていた」,幸運な物語において「昨日良いことをしていた」と選択する割合の予測値を用いて,その信頼区間をチャンスレベル(0.5)と比較した。その結果,不運な物語では7.83歳から信頼区間の上限がチャンスレベルと重なり始めたものの(選択割合の予測値M=.40, 95%CI[.31, .50]),年齢の最大値である9.91歳においても信頼区間の範囲はチャンスレベルと重なっていた(M=.59, 95%CI[.39, .76])。7.83歳よりも低年齢においては,「昨日悪いことをしていた」を選択する割合はチャンスレベルよりも低かった。したがって,7歳後半までは,不運があっても過去には良いことをしていたと回答しており,7歳後半以降になってくると,一貫した回答傾向が徐々にみられなくなっていくことが示された。他方,幸運な物語では,年少児では信頼区間がチャンスレベルと重なっていたが,5.12歳で信頼区間の下限がチャンスレベルよりも高くなった(M=.74, 95%CI[.51, .89])。つまり,5歳前半の間には,「昨日良いことをしていた」を選択する傾向が強まり,内在的公正世界信念を保持するようになることが示された。
選択理由に関する言語回答については,不運な物語では「サボっていたら悲しいことが起こる」,「ばちが当たった」,幸運な物語では「良いことをしたら良いことがあるかな」,「良いことをしたご褒美」といった回答が得られた(電子付録Table S1)。
成人において,不運な物語で「昨日悪いことをしていた」,幸運な物語で「昨日良いことをしていた」を選択した人数の割合がチャンスレベル(0.5)と差があるかを確認するために,二項検定を実施した。その結果,不運な物語では悪いこと,幸運な物語では良いことを選択した人数がチャンスレベルよりも有意に多かった(不運:19名/26名,p=.02, 幸運:25名/26名,p<.001)。
究極的公正世界信念 不運な物語においては,「明日良いことがある」と選択した場合を1,そうでない場合を0として指標化し,得点が高いほど究極的公正世界信念が強いことを示すよう得点化した。なお,幸運な物語においては選択に正答がないため,不運な物語と同様に「明日良いことがある」と選択した場合を1,そうでない場合を0として得点化したが,統計的仮説検定は行わず,記述統計のみ報告することとする。
5―9歳児において,年齢および物語の種類が究極的公正世界信念に基づく選択に影響するかを検討するために,年齢を独立変数とし,選択(0, 1)を従属変数とした二項分布による一般化線形モデルを実施した。その結果,年齢の主効果は有意ではなかった(χ2 (1) =0.13, p=.72)(Figure 3)。
究極的公正世界信念課題における選択の発達的推移
注)凡例はFigure 2に準ずる。
次に,究極的公正世界信念の発達をより詳細にとらえるために,不運な物語において「明日良いことがある」と選択する割合の予測値を用いて,その信頼区間をチャンスレベル(0.5)と比較した。その結果,最小年齢の5.0歳の時点で信頼区間の下限がチャンスレベルを超えていた(不運:M=.69, 95%CI[.51, .83])。したがって,5歳前半の段階で既に「明日良いことがある」と選択する傾向があることが明らかになった。
不運な物語の選択理由に関する言語回答については,「悲しかったから遊べる」,「次は良いことありそう」といった回答がみられた(電子付録Table S1)。
なお,幸運な物語の場合も同様に,どの年齢においても「明日良いことがある」と選択する人数の方が,「明日悪いことがある」と選択する人数よりも多かった。この選択割合は,5歳で26名中23名(88%),9歳で26名中22名(85%)だった。
成人では,不運な物語において,「明日良いことがある」を選択した人数の割合がチャンスレベル(0.5)と差があるかを確認するために,二項検定を実施した。その結果,良いことを選択した人数がチャンスレベルよりも有意に多かった(19名/26名,p=.02)。幸運な物語でも同様に,26名中21名が「明日良いことがある」を選択した(81%)。
本研究では,5―9歳児と成人を対象に,内在的・究極的公正世界信念の発達を検討した。内在的公正世界信念は年齢に伴って発達し,不運な物語では,7歳後半以降で「昨日悪いことをしていた」の選択割合がチャンスレベルと同程度になった。幸運な物語では,5歳前半を超えるころに「昨日良いことをしていた」の選択割合がチャンスレベルを超えることが明らかになった。一方で,究極的公正世界信念においては年齢に伴う差異はみられず,不運・幸運な物語共に,「明日良いことがある」の選択割合が一貫してチャンスレベルを超えていた。重要なことに,これらの子どもの反応傾向は,成人の反応傾向と整合性のあるものであった。また,公正世界信念に関連する概念として,幸運な他者への選好がみられるかも検討した。結果として,子どもも成人も,不運な主人公よりも幸運な主人公への好意度が高く,幸運な主人公が好まれることが確認された。本研究で得られた結果をもとに,以下でそれぞれについて考察する。
好意度本研究では,どの年齢においても幸運な主人公への好意度が不運な主人公に比べて高く,先行研究(Olson et al., 2006, 2008)の結果が再現された。先行研究においては,4―7歳において幸運な他者への選好がみられていたが,本研究では5―9歳,成人でもみられたため,幸運な他者への選好は幅広い年齢においてもみられる強固な現象であると考えられる。こうした選好は,成人においてみられる感情タグ付けによって説明できると考えられている(Olson et al., 2008)。感情タグ付けとは,ある物体や出来事に対する感情情報が,その物体の所有者や出来事に関わっている人物の評価にも影響するという認知傾向である(Olson et al., 2008)。本研究の感情評定では,5―9歳児も成人も,幸運な物語は嬉しい感情を喚起する出来事,不運な出来事は悲しい感情を喚起する出来事としてそれぞれ判断していた。これを踏まえると,本研究において参加児が幸運な主人公をより好んだことも,成人と同様に感情タグ付けをもとに解釈可能であると考えられる。つまり,幸運・不運な出来事に対するポジティブ・ネガティブな感情が,物語の主人公自体の評価にも結び付けられたことで,幸運な個人はポジティブに,不運な個人はネガティブに評価されるといった好意度の差が生じたと考えられる。
公正世界信念の発達本研究では,内在的公正世界信念を問う課題において,不運・幸運な物語の両方で,選択に発達的な違いがみられた。不運な物語においては,7歳後半頃までは「昨日良いことをしていた」を選ぶ方が多く,年齢が上がるにつれてその傾向は弱くなっていくものの,9歳後半においても「昨日悪いことをしていた」の選択が成人と同様になるまでには至らなかった。一方で,幸運な物語においては,年齢が上がるにつれて「昨日良いことをしていた」を選択する割合が増加し,5歳前半において既に成人と同等の回答をすることが明らかになった。以上より,内在的公正世界信念は不運な出来事に対しては7歳後半が保持の転換期であり,幸運な出来事に対しては5歳前半で既に保持されている可能性が示唆された。一方,究極的公正世界信念を問う課題では,不運・幸運な物語ともに,すべての年齢で「明日良いことが起こる」というポジティブな選択が確認された。幸運な物語においては結果に関する予測はなかったが,不運な物語においては仮説通りの結果であったため,究極的公正世界信念は5歳の時点で既に保持されていると考えられる。
内在的公正世界信念では発達的な差異がみられ,究極的公正世界信念では発達的な差異がみられなかったことに関して,過去や未来といった時間情報に対する処理能力の違いが影響していた可能性が考えられる。時間の処理能力として,出来事の前方向(未来方向)への時間的繋がりは4歳頃に理解できるようになる一方で,出来事の逆方向(過去方向)の時間的繋がりはそれより後の5歳以降に理解できるようになることが報告されている(Friedman, 1982; 丸山,2004)。そのため,5歳児といった低年齢児において過去方向の時間処理が要求される内在的公正世界信念の理解は難しいのに対して,未来方向の時間処理を要する究極的公正世界信念の理解は早い段階で可能だったことが考えられる。
しかし,内在的公正世界信念の不運な物語での選択はさらに遅い7歳後半が転換期であった。この内在的公正世界信念における幸運・不運な物語で,成人と同等の選択をするようになる年齢に差がみられたことに対しては,不運な物語において,特性帰属や出来事の評価に対するポジティビティバイアスが影響して,発達的な違いがみられる時期が遅くなった可能性がある。子どもは物事をポジティブな側面から認識しやすく,不運の内在的公正世界信念課題において,過去のネガティブな行動よりもポジティブな行動をその原因として推測したことが考えられる。実際に,9―10歳児と比較して,5―6歳児の方が能力の高さといった特性にポジティブな情報を帰属させやすいことが示されている(Rholes & Ruble, 1984)。また,4―10歳児に「運とは何だと思うか」,「幸運・不運な出来事を経験したことがあるか」と尋ねた研究では,低年齢において「運とはいい結果をもたらす出来事(=幸運)」といった回答が多くみられることや,幸運な出来事の方が「経験したことがある」と答える参加児が多く,不運な側面をあまり認識していないことが報告されている(Woolley & Kelley, 2020)。以上のことから,時間処理の難しさに加えて,不運な出来事を適切に認識できなかったことや,過去の行動特性を推測する際にポジティビティバイアスが影響し,不運に対する内在的公正世界信念の発達時期が遅れたのではないかと考えられる。
他方,究極的公正世界信念課題においても,このポジティビティバイアスが信念保持に影響を与えたかもしれない。不運な物語ではすでに5歳の時点で究極的公正世界信念を保持しており,幸運な物語では,その選択に予測される方向性はなかったものの,不運な物語の選択と同様に,すべての年齢で「明日良いことが起こる」というポジティブな選択をする傾向が確認された。したがって,将来の出来事に対する予測においてもポジティビティバイアスが影響している可能性が考えられる。成人は自身の将来の予測に関して,ネガティブな未来の出来事よりもポジティブな未来の出来事の予測にかかる時間の方が短く(D'Argembeau & Van der Linden, 2004),人は将来についてポジティブに捉えやすいことが示されている。また3―6歳児を対象にした研究においても,望ましい結果が起こる可能性が非常に低い物語であったとしても,50%程度の確率で望ましい結果が起こると予測することが報告されている(Hennefield & Markson, 2022)。そのため,人は将来の予測においてポジティビティバイアスを持ちやすく,幸運か不運かにかかわらず,他者の将来をポジティブに予測する反応が多くみられたのではないかと考えられる。
本研究の限界と今後の展望本研究では,不運な内在的公正世界信念を問う課題において5―9歳児では成人と同じ選択をするようになる年齢を確認できず,公正世界信念の発達を完全には追い切れなかった。ポジティビティバイアスの減衰が10―11歳頃に生じるという知見(Heyman & Legare, 2005)から,11歳前後で不運に対する内在的公正世界信念の保持がみられるようになる可能性がある。そのため,今後は対象年齢を小学校高学年や中学生にまで拡大し,より幅広く公正世界信念の発達を調べていく必要がある。
また,本研究では二者択一の行動選択を実験パラダイムとして採用したが,この選択行動が成人と同様の理解を表しているのかどうかには疑問が残る。就学前児を対象とした研究では二者択一の選択はよく用いられる方法論であり,教示・回答ともに言語的な負担を軽減することができるため,課題要求を下げるメリットがある。他方で,強制的に選択させるという性質上,理解がなくとも正解してしまう可能性もあり,成人と同様の理解で選択しているかどうかは不明瞭である。事実,選択の理由づけにおいて,5歳から9歳の子どもで公正世界信念に基づく理由づけの増加はみられたが,9歳になっても公正世界信念に基づく理由づけができる子どもの割合は最もよくできた内在的公正世界信念(不運)課題でも64.29%で,その他の課題は25%程度だった(電子付録Table S1を参照)。
加えて,本研究において,内在的・究極的公正世界信念ともにポジティビティバイアスの影響が考えられた。しかし,本研究でポジティビティバイアスの影響を直接的に検討できたわけではない。これを考慮するために,今後は幸運・不運な物語だけでなく,中立的な物語(例:外を歩いている)における子どもの選択を併せて検証することがあげられる。もし中立的な物語でも,ポジティブな選択が多くみられれば,ポジティビティバイアスが働いているということができ,ポジティビティバイアスの影響も加味したより詳細な公正世界信念の保持の過程を検討できると期待される。
さらに,公正世界信念の保持の個人差や文化差について検討することも重要であろう。成人の研究においては,公正世界信念の保持の程度には個人差があることが示されている(Hafer & Correy, 1999)。また,日本人はアメリカ人に比べて内在的公正世界信念が強く,アメリカ人は,日本人と比べ究極的公正世界信念が強いといった,公正世界信念の保持の文化差があることも明らかになっている(Murayama et al., 2021)。これらを加味すると,発達においても同様に個人差や文化差がみられる可能性がある。
最後に,公正世界信念の保持に関連するその他の認知・環境要因について検討することも重要である。子どもは他者の「運が良い・悪い」といった発言や絵本,メディアから運について知るようになっていくことが報告されている(Woolley & Kelley, 2020)。そのため,養育者の公正世界信念と子どもの公正世界信念の関係性や,絵本やアニメに触れる機会と公正世界信念の強さとの関連を検討することで,子どもたちが公正世界信念を保持する発達のメカニズムをより詳細に明らかにすることが可能になると考えられる。
結論本研究では,5―9歳児・成人が幸運な人物を好む傾向があることを示すとともに,内在的公正世界信念の保持には発達的な差異がみられ,不運に対しては7歳後半が保持の転換期であり,幸運に対しては5歳前半で既に保持されることが明らかになった。また,究極的公正世界信念では年齢によらず回答傾向は一貫しており,5歳時点で既に保持されていることが示された。以上のことから,本研究は公正世界信念の発達を詳細にかつ包括的に明らかにした初めての研究であると言えよう。
公正世界信念は,子どもにおいて学校生活に対する抑うつの低さや教育に対するポジティブな態度の強さなどといった学校生活の重要な要素と関連し(Dalbert & Stoeber, 2005; Donat et al., 2016),精神的幸福の高さとも関連する(Maes & Kals, 2002)。今後の研究では,上述したように,対象年齢をさらに広げ,公正世界信念の発達についてより幅広い年齢で検討すること,また,公正世界信念の保持に関連する諸要因を検討することが重要である。これらの研究を行うことで,子どもたちが身の周りの事象を,公正世界信念に基づいてどのように認識しているのかを理解することに役立つと考えられる。また,公正世界信念の保持の背景にあるメカニズムや要因を知ることで,子どもたちが自己肯定感を高めたり,目標に向けて努力する力を獲得したりするための教育的な知見の提供にもつながる可能性がある。
なお,本論文に関して,開示すべき利益相反関連事項はない。
本研究は,JST(ムーンショット型研究開発事業)グラント番号(JPMJMS2293-06)の支援を受け実施された。
2本論文は,第2著者が令和5年度に大阪大学大学院人間科学研究科へ提出した修士論文の一部を加筆・修正したものである。
3補足資料はJ-STAGEの電子付録に記載した。
4公正世界信念と内在的正義の定義の違いをあえて強調すると,公正世界信念のサブセット(あるいは発達的な側面)として内在的正義を捉えることができる。
5物語課題の作成にあたり,成人を対象とした予備調査を2度行った(各N=40)。Maes(1998)であげられている内在的公正世界信念と究極的公正世界信念の定義を参考にし,子どもの日常に合う事例を用いて,内在的公正世界信念では過去の行動が現在の運につながり,究極的公正世界信念では現在の運が将来の運につながる,といった課題の構造になるように物語を作成した。1回目の調査では8つの物語を作成し,「くじ引きにあたる」,「好きなご飯が出る」の2つの物語において公正世界信念に基づく回答が有意に多くなった。公正世界信念に基づく回答が有意に多かった不運な物語がなかったため,2回目の調査では3つの不運な物語を作成し,結果として「アイスが落ちる」,「自転車にぶつかってけがをする」の2つの物語が公正世界信念に基づく回答が有意に多くなった。そのため,これら4つの物語を,公正世界信念を測る課題として採用した。
6語い年齢が5歳未満だった5名を除いた場合,物語の種類の主効果に加えて,年齢の有意な主効果もみられ(χ2 (1) =5.02, p<.02),年齢が高くなるほど好意度は低下していた。