Japanese Journal of Sensory Evaluation
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Sensory evaluation of the efficacy of a titanium oxide-type deodorant
Yoshiaki SUGAWARAYoshie IURANoriko AOISanami SUMIHIROIchiro KITAYAMA
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2005 Volume 9 Issue 2 Pages 101-107

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1. 緒言

報告者等は, 従来より, 精油等の香りが有する機能性(心理・生理的作用)を明らかにする目的で, SD(semantic differential)法に基づく香りの知覚変化表示システム(官能スペクトル, sensory spectrum, 後述)を考案し(Sugawara, et al., 1998b ; Sugawara, et al., 1999), 香りの機能性の心理的側面については官能スペクトルで表示する一方, 官能スペクトルデータを基礎としつつ, 皮膚温度計測を含む生理計測手法により香りの機能性の生理的側面を見積る研究を展開して来た(Satoh and Sugawara, 2003 ; Sugawara, et al., 1998a ; Sugawara, et al., 1998b ; Sugawara, et al., 1999 ; Sugawara, et al., 2000a ; Sugawara, et al., 2000b ; Sugawara, 2001 ; 菅原, 2001a ; 菅原, 2001b).

本報告では, 本体表面を液化酸化チタンコーティング処理した光触媒型消臭器を取り上げ, 冷蔵庫内への消臭器の設置と除去の2つのケースについて, (1)冷蔵庫内の匂い(臭い)の感じ方の変化と(2)冷蔵庫内の匂い(臭い)の強さの変化を基礎とする消臭の機能性評価を試みた. (1)の冷蔵庫内の匂い(臭い)の感じ方については, 著者等の精油の香りの知覚変化と同様官能スペクトルで表示し, 官能スペクトル上で消臭の機能性評価を行った. また(2)については, 冷蔵庫内の匂い(臭い)に関わる6項目の設問を用意し基準嗅覚検査法に準じた匂いの検知閾値変化を指標とした機能性評価を実施した. その結果, これらの試みは, 匂い分解作用(消臭)の機能(性)評価のみに留まらず, 酸化チタンが有する多種多様な光触媒機能(汚れ分解作用, 大気浄化作用等)(竹内等, 1998 ; 藤嶋等, 2000)の機能評価に際しても, 一般性を有する(応用可能)ものと考えることができた. 得られた結果と共に報告する.

2. 方法

2. 1 官能評価手法

サンプルの光触媒(酸化チタン)型消臭器(9cm×8cm×0.5cm ; 鳥の“ふくろう”様に形成, 大野石油店製造)は製造先より購入し, 官能評価実験に供した. パネルは本学女子学生(18~19才)21名, サンプルの設置場所はパネルの自宅冷蔵庫とした. 消臭器設置前, 設置後, 除去後の3回, (1)庫内の匂い(臭い)の印象変化と(2)匂い(臭い)の強さの変化についての官能評価を実施した.

冷蔵庫内の匂い(臭い)の印象の官能評価は, SD法に基づいた. 13組の形容詞対から構成される印象項目(さわやかな-さわやかでない, すがすがしい-濃厚な, すっきりした-もつさりした, 澄んだ-濁った, 清らかな-不潔な, 自然な-人工的な, 穏やかな-イライラする, 調和した-不調和な, 心地よい-どぎつい, 快適な-不快な, 新鮮な-古びた, 品のある-品のない, 好き-嫌い)について, 各々+5~−5の11段階評価を行い, 該当する箇所(スコア)に○印を付すやり方で実施した. なお, 上記13組の形容詞対は, 5名のパネルが25組程度の候補リストの中から選別した上位のもので, 因子分析等の手法は特に用いていない.

庫内の匂い(臭い)の強さの評価を目的とし, 「冷蔵庫内全体の匂いの強さ」, 「タクワン臭(漬け物などの臭い)」, 「調味料臭(ミソなどの臭い)」, 「カビ臭(かびなどの臭い)」, 「煮汁臭(煮汁などの臭い)」, 「魚などの腐臭(魚などが腐ったような臭い)」の6項目の設問を用意した. これら6項目については, T&Tオルファクトメータによる基準嗅覚検査法に準じた匂いの検知閾値(スコア)の該当する箇所(スコア)に○印を付すやり方で実施した : 0-「無臭」, 1-「何の匂いかわからないが, やっとかすかに感じる程度」, 2-「何の匂い判別できる弱い匂い」, 3-「楽に感じる弱い匂い」, 4-「強い匂い」, 5-「耐えられないほど強い匂い」.

官能評価は, 3回行った. 1回目は, 消臭器を設置する直前(「設置前」)とした. 1回目の官能評価後, パネルには, 消臭器を冷蔵庫内の中段の位置に設置し, 消臭器を庫内にそのまま 1週間設置し続けるよう要請した. その後直ちに, 第2回目の官能評価(「設置後」)を実施した. パネルには, さらに2回目の評価直後に今度は消臭器を冷蔵庫外に除去するように要請し, 消臭器の除去後1週間を経た後, 第3回目の官能評価(「除去後」)を実施した.

2. 2 統計学的有意性評価

匂い(臭い)の印象変化の統計学的有意性については, Sugawara, et al. (1998b ; 1999)の方法に従った. まず, 3回実施した官能評価(「設置前」, 「設置後」, 「除去後」)の 13の各印象項目について, (「設置後」-「設置前」)(「除去後」-「設置後」)各々の印象スコア差を求めた. 次に, 得られた13の印象項目の上記印象スコア差について, 印象項目毎にt-検定を実施し, 統計学的な有意性を判別した. 以上の結果は, 横軸に13の印象項目を取り, 縦軸には(「設置後」-「設置前」)ならびに(「除去後」-「設置後」)の各印象項目のスコア差の平均(Σi=1n(印象スコア差設置後-設置前n/n, もしくはΣi=1n(印象スコア差除去後-設置後n/n)を取り, 棒グラフ(官能スペクトル)表示した(Sugawara, et al., 1998a ; Sugawara, et al., 1998b ; Sugawara, et al., 1999 ; Sugawara, et al., 2000a ; 菅原2001a)なお, t-検定による判別結果は, 危険率5%(p<0.05)で有意と判別された印象項目上に*を付し, 表示することにした.

匂い(臭い)の強さに関する設問6項目の統計学的有意性評価も, t-検定で行った. 得られた「設置前」,「設置後」, 「除去後」の匂いの検知閾値スコア変化を, 各々, 横軸が「設置前」, 「設置後」, 「除去後」, 縦軸が検知閾値スコア変化の線分グラフで表示すると共に, 「設置前」と「設置後」ならびに「設置後」と「除去後」間の官能差の変化の有無をt-検定(n=21, df=20)で判別し, 線分グラフ上に, 危険率5%(p<0.05)で有意と判別されたケースは*, 危険率1%(p<0.01)は**を付して表示した.

3. 結果と考察

3. 1 官能スペクトルを基礎とする消臭作用の機能性評価

表1ならびに図1は, 冷蔵庫内の匂い(臭い)の感じ方(印象)の変化に基づく官能評価成績をまとめたものである. 表1には, 13の各印象項目について, 消臭器の「設置前」, 「設置後」, 「除去後」のスコアの平均値と標準偏差を示したが, 表から明らかなように各印象項目共, 平均値に比し極めて大きな偏差(パネル個々の個人差の反映と考えられる)を有することが分かった. 例えば, 標準偏差を平均値で除した値を用いて偏差の程度を見積ってみると(値は, 各々印象項目毎に異なるが), 「設置前」では1.7~26倍. 「設置後」では0.87~2.7倍と比較的に小さくなるが, 「除去後」では再び1.7~18倍にもなっている. 一方, 図1に示す官能スペクトルでは, 印象項目毎に(「設置後」-「設置前」), (「除去後」-「設置後」)の印象スコア差(官能差)を取り, これらの官能差をデータ出力の基礎としている. 表1に示したように, 得られた印象項目毎のスコア変化の個人差は極めて大きいが, これらのデータを官能スペクトルの形式で出力(整理)した場合には, パネル個々の個人差に左右されず, しかも印象項目全体を一括りとして捉えた全体的な印象の変化傾向を明示できる点で, 有用であると考えられた.

図1aの官能スペクトルは, 13の各印象項目を横軸に, (「設置後」-「設置前」)印象スコア差(官能差)を縦軸にとって棒グラフ表示したものである. 一方, bの官能スペクトルは縦軸に(「除去後」-「設置後」)の印象スコア差(官能差)を取ってある. そのため, aの官能スペクトルが消臭器の設置時に, (消臭器設置前の印象との比較で)冷蔵庫内の匂い(臭い)の印象がどのように変化したのかを示すのに対して, bのスペクトルは消臭器除去時の匂い(臭い)の印象変化を示すことになる. 官能スペクトルは, 官能評価(印象評価)が上がる(良くなる)項目を棒グラフ上で+側に, 官能評価が逆に下がる(悪くなる)項目を−側に表示する仕組みとしているので, 図1aの官能スペクトルは, 消臭器設置後, 庫内の匂い(臭い)の印象が13の印象項目中以下の11項目にわたって改善される(官能が上がる)ことを示している. t-検定(n=21, df=20)に基づき危険率5%で有意(図中に*マークで表示)と判別された項目は, さわやかな-さわやかでない, すがすがしい-濃厚な, すっきりした-もつさりした, 澄んだ-濁った, 清らかな-不潔な, 自然な-人工的な, 調和した-不調和な, 心地よい-どぎつい, 快適な-不快な, 品のある-品のない, 好き-嫌い, の11項目である. 一方, bの官能スペクトルは, 消臭器除去後(消臭器設置により改善された庫内の匂い(臭い)の印象との比較で)印象項目全般にわたって悪化する(官能が下がる)ことを示している. すなわち, すべての印象項目で, 有意(危険率5%)となることが分かった.

以上のように, (「設置後」-「設置前」)の官能差に基づく官能スペクトルが, 消臭器設置に伴う冷蔵庫内の匂い(臭い)環境の変化(消臭効果)を, (「除去後」-「設置後」)の官能差に基づく官能スペクトルが, 消臭器除去時の匂い(臭い)環境の変化(除去効果)を示すことが明らかとなった. そこで, このような官能スペクトルを消臭(作用)の機能性スペクトル(作用スペクトル)と見なすためには, どのような要件が必要かを次に検討した.

報告者等は, このような要件として, 本報告と同様の官能評価を基礎とする精油の香りの印象変化とその表示手法に関する研究に基づき, 設定した13の印象項目を一括りに(1つのまとまりとして)捉えた上で, 当該のスペクトルが指し示す全体的な変化傾向の有意性を統計学的に判別する手法(手続き)をすでに提唱している(Sugawara, et al., 1998b ; Sugawara, et al., 1999). 具体的には, (1)印象項目毎の印象変化(スコア差)をt-検定で判別した後, (2)危険率5%(p<0.05)で有意(t-検定)と判別された当該の印象項目数を数え, もしその数が, (3)>10であれば有意(n=13の符号検定, 危険率5%)としている.

ここで試みに, このような考え方と手続きを図1a, bの官能スペクトルに当てはめてみると, 有意(t-検定)と判別された印象項目数はaで11項目, bで13項目となるので, 双方のスペクトル変化は共に危険率5%(p<0.05)で有意となる. つまり, 各々のスペクトルが指し示す全体的な変化傾向(aの「消臭器設置後の庫内の匂い(臭い)環境の改善傾向」ならびにbの「消臭器除去後の庫内の匂い(臭い)環境の悪化傾向」)は, 各々統計学的に有意と判別されることになる.

表1

SD法に基づく印象スコア変化:消臭器の設置前, 設置後, 除去後の平均値と標準偏差(n=21

Table 1 The mean ± standard deviation (n=21) of the perceptional changes of the subjects for odors in a refrigerator assessed by 13 contrasting pairs of adjectives on an 11-point scale (from −5 to +5).

図1

Figure 1

Sensory evaluation spectrum for deodorizing efficacy of a titanium oxide type deodorant.

 (a) Sensory spectrum when the deodorant was placed in the refrigerator and (b) that after its removal (n=21). The statistical significance for each descriptor was tested by Student's t-test (n=21, df=20) and the descriptor regarded to be significant with p<0.05 is indicated with*, where p is the level of significance.

図2

Figure 2

Changes of the intensity of odor within the refrigerator when the deodorant was placed in the refrigerator and after its removal from the refrigerator.

 With regard to the intensity of odor within the refrigerator, six items were established as follows: (a) “intensity of the odor within the entire refrigerator”, (b) “odor of takuwan (odor of pickled vegetables, etc.)”, (c)“odor of seasoning (odor of bean paste, etc.)”, (d)“mold odor (odor of mold etc.)”, (e)“odor of broth (odor of broth, etc)”, and (f) “stale odor of fish, etc. (odor of stale fish, etc.)”.

表2

基準嗅覚検査法に準じた匂いの検査閾値(スコア)変化に基づく冷蔵庫内の臭気強化度変化:設置前, 設置後, 除去後の平均値と標準偏差(n=21)

Table 2

The mean ± standard deviation (n=21) of the changes of the intensity of odor within the refrigerator when the deodorant was placed in the refrigerator and after its removal from the refrigerator.

 With regard to the intensity of odor within the refrigerator, six items were established as follows: (a)“intensity of the odor within the entire refrigerator”, (b)“odor of takuwan (odor of pickled vegetables, etc)”, (c)“odor of seasoning (odor of bean paste, etc.)”, (d)“mold odor (odor of mold, etc.)”, (e)“odor of broth (odor of broth, etc)”, and (f)“stale odor of fish, etc. (odor of stale fish, etc.)”.

3.2 基準嗅覚検査法に準じた検知閾値スコア変化に基づく消臭作用の機能性評価

消臭器の設置・除去に伴う冷蔵庫内の匂い(臭い)強さの変化を評価する目的で, 「冷蔵庫内全体の匂いの強さ」, 「タクワン臭」, 「調味料臭」, 「カビ臭」, 「煮汁臭」, 「魚などの腐臭」の6項目について, 基準嗅覚検査法に準じた(匂いの検知閾値スコア変化を指標とした)官能評価を実施した.

図2は, 上記6項目について, 3回の官能調査, 消臭器設置前(「設置前」), 設置後(「設置後」), 除去後(「除去後」)におけるパネル個々の検知閾値スコア変化を明示する目的で, 線分グラフ表示したものである. なお, 上記6項目の「設置前」, 「設置後」, 「除去後」各々の検知閾値スコア変化の平均値と標準偏差については, 表2に示した.

図2の線分グラフ中, *, **の表示は, 「設置前」と「設置後」ならびに「設置後」と「除去後」の2つのケースについて, その統計学的有意性をt-検定(n=21, df=20)で判別した結果を示している(*:p<0.05), **:p<0.01). なお, 数名のパネリストが官能調査シートに同じ検知閾値スコア変化を記した場合には, 数名であっても, グラフ上一本の線分としてしか表示されないので, その点の留意が必要である.

図2また表2から明らかなように, 消臭器の庫内への設置(消臭器の設置効果)に関わり, 前6項目にわたり匂い(臭い)強さの改善傾向が認められた. すなわち, 「冷蔵庫内全体の匂いの強さ」, 「煮汁臭」の2項目は危険率1%(p<0.01)で有意, ほかの4項目(「タクワン臭」, 「調味料臭」, 「カビ臭」, 「魚などの腐臭」)も危険率5%(p<0.05)で有意との判別結果が得られた. 一方, 消臭器の庫外への除去効果については, 有意(危険率1%)と判別された項目は「煮汁臭」1項目のみに留まった.

消臭器の設置・除去に伴う冷蔵庫内の匂い(臭い)強さの変化については, 上述のように(統計学的には), 消臭器設置時の匂い(臭い)強さの変化の方が除去時に比し顕著となった. なお, 「煮汁臭」1項目のみではあるが, 「設置前」と「設置後」ならびに「設置後」と「除去後」の双方のケースにおいて危険率1%で有意との判別結果で, 図1の官能スペクトルと同様に, 消臭器の設置・除去に伴う双方向性の消臭の機能性(消臭作用)示すものとも考えられた. ただし, この点については, 今後追試実験等に基づく再現性の検証が必要不可欠と考えられる.

本報告で官能評価に供した消臭器は, 消臭機本体表面を液体酸化チタンコーティング剤(酸化チタンコーティング水溶液)で処理した光触媒型のものである. 酸化チタンは, もともと, 白色顔料, 化粧品, 塗料, 磁気原料, 電子材料, 食品添加物等に幅広く使用される物質(セラミック)である. 本消臭器はアナターゼ型酸化チタンの光触媒能を利用した製品であるが, これは常温では固体なので, これに過酸化基を付加してゾル化(液体化)した後, 液化酸化チタンを本体表面に塗布し, その後脱水反応処理することにより酸化チタン膜を形成させたものである. アナターゼ型酸化チタンは, 酸化チタンの結晶系の一つであるが, アナターゼの粒子が小さくなると永続的な「有機物の付着→光分解→再生」の光触媒能(光触媒サイクル)を持ち, 上記消臭作用を含め, 多種・多様な光触媒機能(抗菌・抗カビ作用, 汚れ分解作用, 匂い分解作用, 大気浄化作用, 水質浄化作用)を発揮し, その副生成物(水やCO2等)が環境に無害である点から, 現在, 多岐にわたる応用と製品化が着目されている物質である(竹内等, 1998;藤嶋等, 2000). 本報告では, 酸化チタンが有する光触媒能の中で, 消臭作用に限局した機能評価を実施した. 限局したものではあるが, 本報告で示した官能手法や機能性スペクトル等の考え方は, 今後, 酸化チタンが有する上述の多種多様な光触媒能に応用する際, 特に製品を使用する側の立場に立った機能評価において, 有用になるものと考えられる. このような研究展開を図るためには, 今後, 上述の再現性検証実験を含め, 例えば本報告の13の印象項目について, 因子分析等を用いた項目設定の妥当性や印象項目数の妥当性の検証, ひいては目的とする機能評価に合致した印象項目設定手続きの確立等が, 重要になる.

4. 要約

光触媒(酸化チタン)型の消臭器の冷蔵庫内への設置・除去に伴う消臭作用の機能性変化を, 官能評価手法に基づいて捉えることを試みた. 庫内の匂い(臭い)の印象の官能評価はSD法に基づいた. また, 匂い(臭い)の強さの変化は基準嗅覚検査法に準じた閾値変化で捉えることとした. 官能評価は, 冷蔵庫内に消臭器を設置する前(「設置前」), 設置しその1週間経過後(「設置後」), さらに消臭器を蔵外に除去その1週間経過後(「除去後」)の3回実施した. その結果, 庫内の匂い(臭い)の印象について, 1)(「設置後」-「設置前」)の官能差を基礎とする官能スペクトルが庫内の匂い(臭い)印象の改善傾向(13の印象項目中11項目が危険率5%で有意)を, 2)(「除去後」-「設置後」)の官能スペクトルが庫内の匂い(臭い)悪化傾向(全13項目が危険率5%で有意)を示すことが分かった. また, 庫内の匂い(臭い)強さの変化については, 3)消臭器の設置に際して, 設定の全6項目で匂い(臭い)強さの改善傾向(2項目は危険率1%で有意, 他の4項目は危険率5%で有意)が示される一方, 4)消臭器の庫外への除去については, 有意(危険率1%)と判別された項目は1項目(「煮汁臭」)のみに留まることが明らかとなった.

官能スペクトルは, 冷蔵庫内の匂い(臭い)の感じ方(官能変化)を13の印象項目を横軸に印象項目ごとの官能差(印象スコア変化)を縦軸にとって表示する手法である. 得られた上記一対の官能スペクトルは, 消臭器設置・除去に対応する消臭(作用)の機能性を強く示唆するものとなっている. 光触媒(酸化チタン)型消臭器の消臭作用について, その機能性を官能スペクトルの形式で表示する試みは, 今後, 酸化チタンが有する多種多様な光触媒能(汚れ分解作用, 大気浄化作用等)の機能評価に応用する際, 特に製品を使用する側の立場に立った機能評価において, 有用になるものと考えられる.

謝辞

本研究は科学研究費補助金(基盤研究C, 課題番号:17500513)の支援を受けた.

引用文献
 
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