Abstract
近年,多くの生体組織で線溶系因子が血管外において線溶反応以外の多様な生体反応に関わることが知られており,創傷治癒過程においても線溶系因子は重要な役割を担っている.角膜は眼球の最前面に位置する透明な組織である.角膜における創傷治癒過程は他の生体組織(皮膚など)と類似の過程を経る.しかし最大の違いは,角膜には血管が存在しないことであり,病的な状態にならない限り角膜の組織内には血液由来細胞が存在しない.また創傷時に,血液由来細胞が角膜周辺の係蹄血管や涙液から創傷部に到達するまでには,損傷した毛細血管からすみやかに到達できる通常組織と比較して時間を要する.血管のない角膜が傷害や感染などの炎症に対してどのように反応するかを理解することは,臨床的にも極めて重要である.本稿では,角膜において創傷や病的な状態になった際に線溶系因子がどのような役割を果たすのかについて,我々の最近の知見も含めて概説する.
1.はじめに
角膜は眼球の最前面に位置する透明で血管を含まない組織である.眼球内に外界の光を導入し網膜に焦点を合わせることが角膜の最大の役割である.角膜は比較的単純な構造をしており,最表面には外界と直接接する上皮細胞層,その下に角膜実質層,そして最も内側は角膜内皮細胞層で構成されている(図1).角膜が傷害を受けると速やかに創傷治癒反応が始まり組織修復に向かう.その過程(1.炎症期,2.増殖期,3.組織再構築期)は巧妙で精微なメカニズムで調節され治癒へと導かれる.
近年,多くの生体組織で線溶系因子が,血管外において線溶反応以外の多様な生体反応に関わることが知られており,創傷治癒過程においても線溶系因子は重要な役割を担っている.角膜における創傷治癒過程も他の生体組織(皮膚など)と類似の過程を経る.しかし最大の違いは,角膜には血管が存在しないことであり,病的な状態にならない限り角膜の組織内には血液由来細胞が存在しないのである.また創傷時に,血液由来細胞が角膜周辺の係蹄血管や涙液から創傷部に到達するまでには,損傷した毛細血管からすみやかに到達できる通常組織と比較して時間を要する.
血管のない角膜が傷害や感染などの炎症に対してどのように反応するかを理解することは,臨床的にも極めて重要である.本稿では,角膜において創傷や病的な状態になった際に線溶系因子がどのような役割を果たすのかについて,我々の最近の知見も含めて概説する.
2.血液線溶系と角膜線溶系
血液線溶系は,血栓の主要な成分であるフィブリンがプラスミンによって分解される生理機構である 1).通常,プラスミンはその前駆体であるプラスミノーゲンとして肝臓で作られ血液中に存在している2).プラスミノーゲンの血中濃度は約160 μg/mLである.角膜は血管系を含まない組織であるが,角膜輪部,隣接する結膜や強膜には係蹄血管が存在し,結膜も血管の豊富な組織である.角膜の表面は涙液により覆われており,裏面は前房水と接している3).角膜を取り巻く血管や涙液,前房水中にはプラスミノーゲンが豊富に存在していると考えられるが,角膜のバリア機構により,正常角膜実質内におけるプラスミノーゲン濃度は極めて低く,約1 μg/mLの濃度である4).プラスミノーゲンが先天的に欠損するプラスミノーゲン欠損症はフィブリンの沈着によって偽膜を形成するリグニアス結膜炎の原因であることがわかっているが,角膜には異常をきたさない5).しかし角膜に切開を加えると涙液内のプラスミノーゲンの濃度は30~40 μg/mLに増加し6),傷害や炎症状態では,プラスミノーゲンは角膜創傷治癒に影響を与えていると考えられる.一方,角膜創傷治癒過程において角膜上皮細胞や実質細胞は,また角膜潰瘍の際には角膜内に浸潤してきた好中球が,プラスミノーゲン活性化因子(plasminogen activator: PA)を産生していることは古くから明らかになっており 7, 8),傷害や炎症時には角膜細胞や好中球から産生されたPAによりプラスミノーゲンがプラスミンに活性化され,炎症細胞の角膜への浸潤やコラーゲンの分解など,局所で線溶反応を引き起こすと考えられる.
3.角膜上皮創傷治癒と線溶
ヒトの角膜上皮細胞と角膜線維芽細胞をそれぞれ分離しプラスチック上で培養すると,角膜上皮および線維芽細胞が産生するPAは,ほとんどがurokinase-type PA(uPA)であり,tissue-type PA(tPA)はわずかに発現を認めるのみである.また角膜上皮細胞によるuPAの産生,分泌は角膜線維芽細胞に比べ多く,角膜線維芽細胞ではわずかにuPAの発現を認めるのみである9).角膜上皮の最大の役割は外界に対する防御機構である.角膜の最外層を覆う重層扁平上皮であり,角膜を異物や病原菌などから防御している.従って傷害を受け角膜上皮が欠損した際,角膜上皮の速やかな修復は病原体の角膜内への侵入を防ぐ上で非常に重要である.角膜上皮欠損は,通常は受傷後,数時間以内に周辺の残存している角膜上皮細胞が欠損部位への伸展,移動を開始する.接着している上皮細胞が伸展し移動するためには,角膜上皮細胞-細胞外基質(extracellular matrix: ECM)間で種々の因子が複雑にかつ協調的に働いている.フィブロネクチンに代表されるECMへの角膜上皮細胞接着に対し,uPAを介した細胞線溶が剝離に作用することで,細胞とECMの接着と解離の連続動作が滑らかに生じて角膜上皮の再被覆を促進させる 10).
4.角膜炎症反応と線溶
角膜が炎症を起こすと,多くの炎症細胞(多形核好中球:polymorphonuclear leukocyte: PMN,マクロファージ)が角膜輪部血管と涙液から角膜に浸潤する11, 12).これらの炎症細胞は,細菌の除去と角膜の透明性の回復に重要な役割を果たすが,一方,炎症細胞が角膜実質内に持続的に存在すると,様々な角膜実質の機能障害を生じて最終的には深刻な角膜混濁を引き起こす.一般的にuPAは細胞周囲のタンパク質分解,細胞遊走,および細胞増殖に関与するのに対し,t-PAは血栓の溶解に関与することが知られている13, 14).角膜炎症時には,アラキドン酸代謝産物,緑膿菌エラスターゼやIL-1などのいくつかのメディエーターが細菌や炎症細胞,角膜線維芽細胞から放出される15–17).線溶系因子の中ではuPAが炎症部への白血球の血管外遊出を調節することにより,炎症反応に関与することが知られている18–20).uPA遺伝子欠損マウスを用いたリポポリサッカライド(Lipopolysaccharide: LPS)誘発マウス角膜炎症モデルではuPAの作用により好中球およびマクロファージが角膜内に浸潤することが明らかになっている21).また角膜炎症時のuPAの作用は,plasminogen activator inhibitor(PAI)-1および-2を含むいくつかのセリンプロテアーゼ阻害因子によって制御されていると推察される22).uPAによる角膜への炎症細胞の浸潤のメカニズムについてはよくわかっていない.しかし浸潤細胞にはuPAに親和性の高いレセプターであるuPA receptor(uPAR)の発現も観察されることからuPA/uPAR系が炎症細胞の角膜実質内への浸潤作用に関わっている可能性が示唆される21).一方でuPAの機能特性はuPARから独立しているとの報告も多数あり23–27),Reichelらは,uPAがMacrophage Antigen (Mac)-1を介して虚血後組織への好中球の浸潤を媒介し,uPARを必要としないことを実証している28).
5.角膜線維芽細胞と線溶
角膜全体の厚みの90%以上を占めるヒト角膜実質は,主としてI型コラーゲンとプロテオグリカンから構成されている.角膜の透明性や形状の維持に極めて重要な機能を果たしている角膜実質は,他の生体組織(皮膚など)とは異なり,均一な直径を持つコラーゲン線維が規則正しく配列しており,このコラーゲンの網目構造が光学的な透明性の維持に大変重要である29, 30).この角膜実質のコラーゲン線維の間に散在している角膜実質細胞(角膜線維芽細胞)はコラーゲンの合成,分解を担当している.分解が過剰になり角膜実質コラーゲンが融解した状態である角膜潰瘍31)において,コラーゲン代謝の動的平衡の破綻は,実質細胞のネットワークの崩壊や細胞外マトリックスとの相互作用の障害により生じていると考えられる32).図2は正常状態における角膜実質細胞と,創傷を受けた際の角膜線維芽細胞の形態変化を示したシェーマである.

コラーゲンゲル内で角膜線維芽細胞を培養するとプラスチック上で培養した場合に比べて増殖能は抑制される33).ゲルに埋め込まれた角膜線維芽細胞の形態は,in vivoでの角膜線維芽細胞の形態に似ており,コラーゲンマトリックス内の角膜線維芽細胞の三次元培養は,プラスチック上の二次元培養よりも生体内状況を反映していると考えられる33).コラーゲンは,様々な細胞の機能を調節することがわかっている.例えば,炎症反応における好中球の機能はコラーゲンとの接触により調節され,コラーゲンゲルとの接触は好中球からのIL-8の分泌を阻害する 34).コラーゲン3次元環境は,角膜線維芽細胞におけるIL-1レセプターの発現を制御し,それによってuPA産生に対するIL-1βの刺激効果に対する角膜線維芽細胞の感受性を増加させる35).すなわち細胞外マトリックスであるコラーゲン自身が角膜線維芽細胞に作用して,IL-1βにより誘導されるuPA発現の重要な刺激因子になる.この角膜線維芽細胞のuPA発現に対するIL-1βとコラーゲンの複合効果にはMAPKおよびNF-κBシグナル伝達経路の活性化が関与している35).NF-κBはIL-1β刺激の重要なメディエーターであり,uPA遺伝子プロモーターにはこの転写因子の結合部位が含まれる36).またIL-1βは,p42/44 MAPK,p38 MAPK,JNK1/2などのMAPK経路を活性化することが示されている37, 38).コラーゲンの角膜線維芽細胞への結合がIL-1β受容体の発現を促進し,細胞シグナル伝達イベントのカスケードを開始し,MAPKおよびNF-κBシグナル伝達を活性化しuPA発現を誘導する.
6.角膜感染症と線溶
角膜における細菌感染症は重篤化すると角膜潰瘍を生じる.角膜実質の主成分であるコラーゲンが溶解するために穿孔する場合もある.角膜実質のコラーゲンの分解には細菌から分泌されるコラーゲン分解酵素(細菌性コラゲナーゼ)による直接的な分解と,細菌由来の種々の毒素などの因子や,プラスミノーゲンなどの体液性の因子と,角膜実質細胞や浸潤してきた炎症細胞の存在が複雑に相互作用して活性化される組織コラーゲン分解酵素(matrix metalloproteinase: MMP)による細胞を介する分解が考えられる.細菌性角膜潰瘍の臨床所見は起炎菌の違いにより特徴的な病巣を呈することから39),コラーゲン分解の機序が起炎菌により異なると考えられる.細菌性角膜潰瘍の三大起炎菌は肺炎球菌,緑膿菌,黄色ブドウ球菌である.その中の緑膿菌はコラーゲンを直接分解するコラゲナーゼを分泌するが17, 40),黄色ブドウ球菌はコラゲナーゼを分泌しない41).緑膿菌に関連するコラーゲン分解には,細菌から分泌されるコラーゲン分解酵素(細菌性コラゲナーゼ)による直接的な分解と,細菌由来の種々の毒素(エラスターゼなど)が角膜線維芽細胞によるコラーゲン分解酵素の発現や活性化を促進させる少なくとも2つ以上の経路が存在し激しい角膜実質の融解を引き起こすのではないかと考えられる17)(図3).一方,黄色ブドウ球菌感染に関連するコラーゲン分解には2つの重要な経路があり,1つは角膜線維芽細胞によるMMP産生に依存し,もう1つはスタフィロキナーゼ(staphylokinase: SAK)依存性プラスミン活性化によって媒介される42).プラスミノーゲンはこれら両方の経路の活性に不可欠であることが明らかになっている42)(図4).
7.角膜における貪食作用と線溶
貪食作用は異物を処理する最も基本的な防御機構である.角膜損傷あるいは感染の際,損傷した組織成分や病原体を迅速に除去することは極めて重要である.生体内の多くの組織の生体防御や創傷治癒において,重要な役割を演ずる貪食細胞群をvan Furthは単核食細胞系細胞と総称し,すべての体内の貪食細胞は骨髄由来であると提唱した43).この学説は貪食細胞の概念としていまだ重要な学説となっているが,現在ではすべての貪食細胞は骨髄由来であるという主張は否定され,組織に居住し分化する細胞の中にも貪食能力をもつ細胞があることが明らかになっている.
Limらは,多核白血球やマクロファージ,樹状細胞など,異物や病原菌の貪食に特化した細胞群をprofessional phagocytes,上皮細胞や線維芽細胞など,他の機能が主体であるが,貪食能も持っている細胞群をnonprofessional phagocytesと分類している44).培養された角膜線維芽細胞は貪食作用を有する 45, 46).角膜が無血管組織であることを考えると,損傷または感染部位へのプロの細胞の到着は他の組織と比較して遅れるため,このプロセスにおける常在の角膜線維芽細胞の役割は極めて重要である.マクロファージや樹状細胞の貪食作用は,プラスミンによって促進される47, 48).一方,nonprofessional phagocytesである角膜線維芽細胞はプラスミノーゲンの刺激で貪食能を促進する49).培養細胞を用いた実験によれば,角膜線維芽細胞の貪食能に対するプラスミノーゲンの刺激効果は,10~100 μg/mLの濃度で見られる.この濃度は病的な状態における生体条件と一致している.従って,プラスミノーゲンは,損傷した角膜組織の除去に寄与する可能性がある.プラスミノーゲンは角膜実質が創傷を受けるとごく初期段階で角膜実質内に出現する.これは,血管からPMNやマクロファージなどのプロの貪食細胞が到着する前に,常在している角膜線維芽細胞の貪食作用を刺激して異物や組織破片を除去するのに役立っている可能性がある.また貪食後の反応の違いがある.角膜線維芽細胞による貪食後には線溶系因子の発現の亢進はなく,サイレントに反応する49)が,professional phagocytesは一般的に貪食の後,炎症を誘発する方向へと向かう.
8.細菌性角膜潰瘍治療薬の開発の可能性
細菌性角膜潰瘍は,時には穿孔や失明に至る疾患である.抗生物質や抗菌剤の開発により,起炎菌を死滅させることは可能となったが,一旦進行した組織破壊を抑制することはいまだ困難であり,組織破壊に対する治療薬の開発が望まれている.キレート剤EDTA,チオール含有ペプチド,およびシステインなど,多くの化合物が角膜潰瘍を治療する可能性があるとして研究されてきた50, 51).また,MMP阻害薬は,動物モデルで角膜潰瘍を抑制することが示されている52, 53).しかし,これらの薬剤はいずれも,ヒト患者の角膜潰瘍の治療に有効であることは示されていない.uPAは,角膜潰瘍におけるコラーゲン分解の中心的な役割を果たす蛋白質であることはすでに実証されている42, 54).また黄色ブドウ球菌性の角膜潰瘍ではuPAと極めて類似した作用を持つSAKが病態に関与している可能性があることも明らかになっている.SAKの中和抗体や中和物質は,角膜潰瘍に対する治療薬に応用できるかもしれない.また緑茶の抽出物であるエピガロカテキンガレート(Epigallocatechin gallate: EGCG)は角膜線維芽細胞のuPAの産生を標的に抑制し,その作用により角膜線維芽細胞によるコラーゲン分解を抑制する55)(図5).過去に進められてきた角膜潰瘍に対する創薬研究は,ほとんどが角膜線維芽細胞からすでに分泌された蛋白分解系酵素をいかに抑制するかに焦点が絞られてきた.しかし生体現象はある程度あいまいに恒常性を調整しており(適当にせざるをえない)その時々の状況に応じて細胞による蛋白質の合成や分解を変化させなければならない.過剰な分泌もよくないが,完全に停止させるのもよくない.実は,ここに治療薬の開発のヒントがあるのではないかと考えられる.角膜潰瘍によるコラーゲン分解の本態が,角膜線維芽細胞によるコラーゲンの分解機構であることを考えると,角膜潰瘍に対する有効な治療薬とは,線維芽細胞が分泌した後の蛋白分解酵素を抑制するのではなく,線維芽細胞による分泌を直接的に規制する働きが望ましい.こういった観点から推察すると,EGCGによる細胞への直接的な作用機序は,病態の開始点を抑制する作用として働き,角膜潰瘍の治療に有用である可能性があると考えられる.
9.おわりに
生体内の組織は血管が豊富に分布しており,どこを切っても出血が起こる.これは体内の組織において毛細血管同士が最大でも10 μmしか離れていないからである.角膜のように生体内では極めて稀な無血管組織において,血管の豊富な組織におけるものと同様に血液由来の細胞による生体防御が役割を演じているかについては極めて疑問がある.一般的な創傷治癒過程は止血期・炎症期・増殖期・再構築期の4段階に分かれる.傷害が起こると出血し,速やかに単核食細胞系細胞が出現し,生体防御や組織修復に働く.しかし角膜は無血管組織であるため,角膜創傷治癒過程において止血期は存在しない.血栓を分解する反応として最初に発見された線溶系因子は,近年の研究により,驚くほど多岐にわたり機能を有することが明らかになった.上述のように角膜では血管系の関与なしでも線溶系因子が幅広く関わっている点を考えると,線溶系因子の機能や役割の把握が創傷治癒を含む角膜における生体防御の全体像の理解に必須であろう.さらに角膜における線溶系因子の役割は病態に関連する機能も多いことから創薬のターゲットとしても注目すべき分野であると考えられ,今後の研究の発展が期待される.
謝辞
本稿で紹介した筆者らの研究は,近畿大学医学部眼科学教室第3研究室で1984年から行われてきたものである.当時近畿大学眼科の講師であった西田輝夫現山口大学名誉教授には,研究を通じて基礎研究の大切さや研究の進め方を懇切丁寧にご指導いただいた.そして同時に臨床医としての心構えについても教えていただいた.先生は,生体現象や疾患は神の創造であり,それを解明する基礎研究は,神の創造を覗き見る行為であるとのお考えを持ち,現在でも私の研究生活を鼓舞し,ご指導くださっている.ここに心より感謝申し上げます.また,生体における線溶系因子の役割やその重要性,さらには今後解明すべき点についてご指導いただき,現在も線溶系遺伝子欠損マウスを提供いただいている松尾理近畿大学医学部名誉教授にも心より感謝申し上げます.最後に,研究生活に際し,共に苦楽を味わい,支えてくれた髙橋彩先生,村上純子先生,佐藤朋子先生,岩田美穂子さん,さらには研究共同者として,日夜ご協力いただいた岡田清孝先生,吉田浩二先生に心から感謝いたします.
著者の利益相反(COI)の開示:
本論文発表内容に関連して開示すべき企業との利益相反なし
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