Journal of Information Processing and Management
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2013 Volume 56 Issue 8 Pages 570

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今までPCのスタートメニューをじっくり眺めたことがありませんでした。遅ればせながら最近,職場で使っているWindows PCのスタートメニューの中で,「コンピューター」「プリンター」という表記が使われていることを知りました。

遅ればせながら,と書いたのは,マイクロソフトがカタカナ語の長音表記ルールを変更したのは2008年のことだったからです。「コンピューター」という表記はWindows7から使われています。

マイクロソフトのルール変更の根拠となっているのは,1991(平成3)年の内閣告示第2号「外来語の表記」です。語尾の-er,-or,-arを長音符号「ー」を用いて書き表す,という原則が盛り込まれています。しかし「外来語の表記」の前書きには「一般の社会生活において,現代の国語を書き表すためのよりどころを示すもの」であり,「科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない」とあり,すぐに科学技術の専門分野に影響を与えることはありませんでした。ICTが進歩を遂げ環境が変わり,マイクロソフトの表記変更に至るまでには17年かかっています。

マイクロソフトの文書には,「コンピューターが広範に普及するにつれ,末尾の長音を省略する傾向の強い工業系,自然科学系の表記に対するユーザーの違和感が増大しています。市場のニーズとして,より発音に近い表記が求められています」とあります。さらに,自然な表記を採用することで読み上げソフトで自然な発音が可能になることもルール変更のメリットとしてあげています。

入力経費を節減するために抄録文の最後の句点を省略していた時代を思うと,隔世の感があります。

なお弊誌は自然な表記を優先しており,「コンピューター」が原則です。 (KM)

次号予定

  • ●   WIDEプロジェクトの25年:日本とインターネットのこれまでとこれから
  • ●   農林水産研究情報総合センターのサービスの継承と現在:APIの提供を中心に
  • ●   「国立国会図書館の書誌データ作成・提供の新展開(2013)」について
  • ●   学会の役割を考える:電子情報通信学会論文誌による国際学術情報発信
  • ●   日本版NIH創設に向けた新しい指標の開発(2):テクノロジー別にみた医薬品開発の現状俯瞰・将来予測
  • ●   研究・実務に役立つ!リーガル・リサーチ入門 第15回 ドイツ法,フランス法,ヨーロッパ連合(EU)法情報

編集委員会

  • <委員長>加藤治(科学技術振興機構)
  • <編集委員> 江草由佳(国立教育政策研究所)・小河邦雄(大正製薬㈱)・気谷陽子(聖学院大学)・志賀智行(旭化成㈱)・青山幸太・伊藤祥・植松利晃・木村美実子・黒田雅子・佐藤恵子・土屋江里・野田口真也・火口正芳・余頃祐介(以上 科学技術振興機構)

編集事務局

  • 木村美実子(事務局長)
  • 藤井昭子・本橋野枝・及川優子(以上 科学技術振興機構)

版下作成・印刷

  • 昭和情報プロセス株式会社

発行

  • 独立行政法人 科学技術振興機構
  • 〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
  • 「情報管理」編集事務局
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