新年度が始まり,「情報管理」誌も無事に57巻を数えました。今号の機械翻訳記事に,初めての機械翻訳実験が行われたのは1954年とあります。人工知能研究の本格的な開始は1956年(本誌55巻7号参照)ですから,本誌の創刊からこれまでの歩みと機械翻訳や人工知能の歩みは,ほぼ重なることになります。情報技術の進歩は,一般市民の生活にもさまざまな変化をもたらすようになりました。
今号で紹介した医療・健康情報の管理は,誰もが自分のこととして考えなければならない問題となってきました。人由来の情報と資料には公共性があるのか,それともあくまでその本人のものなのか。自分自身の個人情報がどのように取得され,利用されるかを自らコントロールするために,この記事が役立てばうれしく思います。
JSTによる文献データベースサービスJDreamが民間に移行して,この4月で1年が経ちました。今号ではJDreamIIIの開発担当者に,開発の経緯とコンセプト,特徴,その後の機能追加について紹介していただきました。
集会報告にありますように,3月8日にデータ分析コンテスト本選が開催され,高校生や若い世代の発表を聴くことができました。自分の高校時代を思い返すと,テーマを決めてデータを集め,グラフにしたら終わりだったように思います。いまはデータを解析し,新たな知見を得るところまで高校生が取り組んでいます。若い力を感じて,これからが楽しみになりました。
予想では,東京の桜の見頃は3月下旬から4月上旬ですから,予想が当たれば,今号が公開される頃には桜は満開となっていることでしょう。新年度を迎え,さらに充実した記事をお届けできるよう心新たに力を入れて取り組みます。ご愛読をよろしくお願いいたします。 (KM)