Japanese Journal of Visual Science
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2022 Volume 43 Issue 1 Pages 34

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第62回日本視能矯正学会が2021年11月20~21日の2日間(オンデマンド配信:2021年12月3~17日)に渡り東京国際フォーラム ホールAにおいて開催されました。日本視能矯正学会は,全国視能訓練士登録者数約6,600人の視能訓練士協会が主催する学会であり,“視能矯正学”に関する研究,臨床報告を発表する場です。今年はコロナ渦のため,ハイブリッド(現地開催・後日オンデマンド配信)での開催でした。学会長は南雲幹先生(井上眼科病院)が務められ,テーマは“視機能管理のスペシャリストとして,高く,そして深く”とされ,視能訓練士の歴史,現状,今後等,眼科医療に関して改めて勉強ができ,視能訓練士としての働き方を考え直す良い機会になりました。また,今年は日本視能訓練士協会の設立50周年にあたるため,特別講演3件,シンポジウム4件,セミナー16件,一般公演73件(口頭発表:26件,ポスター発表:47件)と充実した内容となっており,多くの医師,視能訓練士(現地参加+WEB参加:2,051名)が熱心に聴講されていました。

特別講演では東京大学の本吉勇先生が“「見える」を作り上げる脳のメカニズム”という演題でご講演されました。多彩で美しい「見える」世界を作り上げる脳情報処理研究に関して大変興味深く,脳神経,情報処理に関して多くのことを勉強できました。

シンポジウムでは,日本視能訓練士協会が設立50周年ということもあり,眼科医療の発展,視能訓練士の業務内容や卒前卒後の技術力に関して,ご講演いただいた先生方と共に考える形になっていたと感じます。諸外国と比較して,我が国の眼科医療の提供体制が優れており,眼科医と視能訓練士を中心とする多職種の方々が協力し,均一で質の高い医療を患者様に届けてられていることを改めて痛感しました。また,国家検定資格眼鏡作成技能士の新設,他職種の業務指定規定の改定,AIの急速な発展等があり,今後の視能訓練士の業務内容や眼科医,患者様から求められる技能,課題に関して考える機会となり,目指す視能訓練士像を見つけることができました。

また,帝京大学大学院視能矯正学専攻の学生3名が一般公演で発表し,私は「近赤外光の固視目標を使用した暗所視下での経時的な屈折度測定」という演題で報告しました。研究から臨床報告まで視能矯正学会ならではの演題が多く,様々な分野に関して勉強できました。

コロナ渦のため,会場に行けなかった方も多いと思いますが,学会後もオンデマンド配信にて質疑応答が可能であり,ハイブリッド開催は新しい時代に合った学会形式であると感じました。

 
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