Equilibrium Research
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Original articles
A Study of Benign Paroxysmal Positional Vertigo Associated with Meniere’s Disease
Yuki KodaTakashi OnoToru MiwaTeppei KogaSyunpei FutamiKishiko Sunami
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2024 Volume 83 Issue 1 Pages 16-22

Details
Translated Abstract

Benign paroxysmal positional vertigo (BPPV) is a typical vertigo disease, and BPPV developing during the course of diseases causing peripheral vertigo, including Meniere’s disease, is also known. Between June 2017 and March 2021, 29 (23%) of 124 patients who visited the Department of Otolaryngology, Osaka Metropolitan University Hospital, who were diagnosed as cases of definite Meniere’s disease exhibited complicating BPPV and their data were analyzed retrospectively. Out of the 29 cases, 23 (79%) had lateral semicircular canal BPPV, 4 (14%) had posterior semicircular canal-type BPPV, 1 had lateral semicircular canal-type BPPV (cupulolithiasis) + posterior semicircular canal-type BPPV, and 1 had lateral semicircular canal BPPV (canalolithiasis) + posterior semicircular canal-type BPPV. Of the 25 cases, 16 had cupulolithiasis and 9 had semicircular canalolithiasis. The side affected by Meniere’s disease and BPPV was the same in 14 of the 29 cases (48%), while opposite sides were affected by the two conditions in the remaining 11 cases (38%). No strong association was found between the severity of Meniere’s disease or hearing loss and the development of BPPV. In regard to the timing of onset of the BPPV, in more than a half of the cases, the BPPV developed within 1 month of the diagnosis of Meniere’s disease. We consider that it would be useful to identify predictors of the development of complicating BPPV in patients diagnosed as having Ménière’s disease.

 はじめに

良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo: BPPV)は代表的なめまい疾患であり,高齢者に好発し,50~60歳代がピークとされている1)。長期臥床,寝返りをうたない,同じ頭位で睡眠をとる人が罹患しやすく,発症には耳石が大きく関与している。罹病率は1985年の報告ではあるが10.2/10万人であり,再発率は20~30%とする報告がある2)~4)。メニエール病や前庭神経炎といった末梢性めまい疾患の経過中に続発性のBPPVが発症する事も知られており,718例のBPPV症例を対象とした検討では約9%に内耳疾患が存在し,その1/3がメニエール病であったとの報告もある5)。今回,我々は当科めまい外来でメニエール病確実例と診断し経過中にBPPVを発症した症例に対して検討を行った。

 対象と方法

2017年6月から2021年3月の間,大阪公立大学医学部附属病院耳鼻咽喉科めまい外来を受診し,メニエール病確実例と診断した症例中,BPPVを発症した症例に対して後方視的に解析した。メニエール病の診断に関しては2020年5月までの症例は日本めまい平衡医学会のメニエール病診療ガイドライン2011年版6)に従って,2020年6月以降の症例は2020年版メニエール病診療ガイドライン7)に従って行った。BPPVに関しては日本めまい平衡医学会のBPPV診断基準2)に従って診断し,患側の決定は以下の通り行った。

i 後半規管型:Dix-Hallpike法において懸垂頭位での眼振が反時計回りでは患側右となり,時計回りは患側左とした。

ii 外側半規管型(半規管結石症):supine roll testにおいて眼振やめまいが強くなる頭位側を患側

iii 外側半規管型(クプラ結石症):坐位から仰臥位への頭位変換によって観察される水平性眼振急速相が向く側あるいはsupine roll testにおいて左右耳下頭位で眼振やめまいが弱い頭位側を患側とした8)9)

メニエール病確実例は124例であり,平均年齢は57 ± 13歳であり,男性45例,女性79例であった。患側は右46例,左72例,両側6例であった。124例はいずれも1年以上(12ヶ月から51ヶ月)の経過観察できた症例を対象とした。124例中,BPPVを発症症例は29例(23%),発症を認めなかった症例は95例(77%)であった。BPPVを発症症例の平均年齢は63 ± 9歳であり,男性9例,女性20例であった。BPPVの発症を認めなかった95例の平均年齢は56 ± 14歳であり,男性36例,女性59例であった。BPPVの発症症例と認めなかった症例の年齢,性別,初診時と3ヶ月後の患側耳の平均聴力,初診時と3ヶ月後のめまいの重症度(Dizziness Handicap Inventory: DHI),メニエール病診療ガイドライン2011年版6)の総合重症度を用いた総合重症度の比較検討を行った。平衡機能検査は温度刺激検査(冷温交互試験)で半規管機能低下(Canal Paresis: CP)が20%以上をCPとした。BPPVの発症症例の患側とメニエール病の患側,それぞれの耳石迷入部位の検討も行った。

統計処理解析はIBM SPSS 25 Statistic Baseを用いて,t検定とMann-Whitney検定を行い,P < 0.05(両側)を有意差ありとした。本研究は所属機関の倫理委員会(承認番号2020-082)承認を得て行った。

 結果

メニエール病の経過中にBPPVの発症を認めた症例は29例であった。男女別で見ると,20例(69%)は女性であり,また年齢もBPPV発症症例は発症を認めなかった症例に比べて有意(t検定,P = 0.037)に高齢であった(図1)。

図1  BPPV発症症例は発症を認めなかった症例に比べて有意(t検定 P = 0.037)に高齢であった。

BPPV発症症例では初診時の患側耳の平均聴力(4分法)は初診時40 ± 16 dB,3ヶ月後は34 ± 16 dBであった。BPPV発症を認めなかった症例では患側耳の平均聴力(4分法)は初診時36 ± 19 dB,3ヶ月後は26 ± 15 dBであった。患側の純音聴力検査(4分法)では,BPPV発症症例は発症を認めなかった症例と比較し初診時,3ヶ月後で有意差は認めなかった(表1)。

表1 純音聴力検査(4分法)の初診時と3ヶ月後の比較

初診時 初診から3ヶ月後
BPPV発症症例 40 ± 16 dB 34 ± 16 dB | n.s
BPPV発症を認めなかった症例 36 ± 19 dB 26 ± 15 dB

BPPV発症症例は発症を認めなかった症例と比較し初診時,3ヶ月後で有意差を認めなかった。

総合重症度の分類はBPPV発症症例の29例はStage 1が3例,Stage 2が12例,Stage 3が9例,Stage 4が5例であり,自覚的苦痛度0(正常)が3例,1(時に苦痛)が11例,2(しばしば苦痛)が9例,3(常に苦痛)が6例であり,日常活動の制限は0(正常)が2例,1(時に制限)が11例,2(しばしば制限)が10例,3(常に制限)が6例であった。BPPVの発症を認めなかった95例の総合重症度はStage 1が6例,Stage 2が37例,Stage 3が34例,Stage 4が18例であった。メニエール病の総合的重症度分類別ではBPPV発症例と発症認めなかった症例のどちらともStage 2が最も多かった。

めまいの障害度(DHI: Dizziness Handicap Inventory: DHI)の平均点はBPPV発症症例29例では初診時38点,3ヶ月後35点であった。BPPVの発症を認めなかった95例ではDHIの平均点は初診時38点,3ヶ月後21点であった。BPPV発症症例は発症を認めなかった症例と比較して,初診時のDHIは有意差を認めなかったが,3ヶ月後のDHIでは有意(t検定 P = 0.023)に高値であった(図2)。また,メニエール病確定診断からBPPVの発症までの期間は1ヶ月以内に16例(55%)と半数以上で認めた。

図2  DHI(Total)初診時と3ヶ月後の比較

BPPV発症症例と発症を認めなかった症例との比較では,初診時のDHIは有意差を認めなかったが3ヶ月後のDHIではBPPV発症症例は有意(t検定 P = 0.023)に高値であった。

平衡機能検査は温度刺激検査(冷温交互試験)でBPPVを発症した29例中13例でCPを認めた。BPPVの患側とCP側が一致したのは5例(17%)であった。

BPPVの内訳としては,外側半規管型BPPVは23例であり,後半規管型BPPVは4例,外側半規管型BPPV(クプラ結石症)+後半規管型BPPVは1例,外側半規管型BPPV(半規管結石症)+後半規管型BPPVは1例であった(図3)。29症例の内,2症例は外側半規管と後半規管の重複例であり,耳石の迷入した半規管は31例(以下:責任半規管と記載)であった。責任半規管は外側半規管型BPPV(クプラ結石症)16例,外側半規管型BPPV(半規管結石症)9例,後半規管型BPPV6例であった(表2)。外側半規管型BPPV(クプラ結石症)16例中,1分以上の眼振が持続する持続性方向交代性背地性眼振を認めたものは4例であった。外側半規管型BPPV(半規管結石症)9例中,1分以上の眼振が持続する持続性方向交代性向地性眼振を認めたものは1例であった。

図3  メニエール病の経過中にBPPVを発症した症例
表2 責任半規管(31例)

total 患側右 患側左 不明
外側半規管型BPPV(クプラ結⽯症) 16 7 7 2
外側半規管型BPPV(半規管結⽯症) 9 1 4 4
後半規管型BPPV 6 2 4 0

外側半規管型BPPVが最多であった。

責任半規管は31例であり25例(81%)が外側半規管であり,後半規管型は31例中6例(19%)であり,外側半規管型が多かった。特に外側半規管型BPPVの中でもクプラ結石症が16例(64%),半規管結石症9例(36%)でありクプラ結石症が多かった。

患側は外側半規管型BPPV(クプラ結石症)で16例中,右7例,左7例,不明2例,外側半規管型BPPV(半規管結石症)で9例中,右1例,左4例,不明4例,後半規管型BPPVで6例中,右2例,左4例であった。メニエール病の患側と一致したものは29例中14例(48%)であり,外側半規管型BPPV(クプラ結石症)で5例,外側半規管型BPPV(半規管結石症)で4例,後半規管型BPPV5例であった。メニエール病の患側と不一致症例は,29例中11例(38%)であり,外側半規管型BPPV(クプラ結石症)で9例,外側半規管型BPPV(半規管結石症)で1例,後半規管型BPPVで1例であった(表3表4)。一致した症例は不一致の症例群と比較して年齢に有意差は認めなかった。治療に関しては後半規管型BPPVに対しては全例にCanalith Repositioning Procedure(CRP)が行われ,全例で眼振所見は改善を認めていた。外側半規管型BPPVに対してはRolling-Over Maneuver(ROM)およびCRPを行われた。持続性方向交代性背地性眼振を認めた4例,持続性方向交代性向地性眼振を認めた1例ではROMおよびCRP後も眼振は継続的に認めていたが自覚症状は改善を認めていた。

表3 メニエール病の患側とBPPVの患側が一致した症例

total 患側右 患側左
外側半規管型BPPV(クプラ結⽯症) 5 1 4
外側半規管型BPPV(半規管結⽯症) 4 0 4
後半規管型BPPV 5 2 3

メニエール病の患側と一致したものは14例であり,外側半規管型BPPV(クプラ結石症)で5例,外側半規管型BPPV(半規管結石症)で4例,後半規管型BPPV5例であった。

表4 メニエール病の患側とBPPVの患側が不一致の症例

total 患側右 患側左
外側半規管型BPPV(クプラ結⽯症) 9 6 3
外側半規管型BPPV(半規管結⽯症) 1 1 0
後半規管型BPPV 1 0 1

メニエール病の患側と不一致症例は11例であり,外側半規管型BPPV(クプラ結石症)で9例,外側半規管型BPPV(半規管結石症)で1例,後半規管型BPPV1例であった。

 考察

メニエール病の経過中にBPPVを合併する割合は,3.2%~44%10)と報告によって異なるが,日常臨床で経験する事はしばしばある。本検討では124例中29例の23%であった。この結果はBPPVの一般的な罹患率3)に比較して高い結果であった。また,メニエール病患者のBPPV発症率は女性の割合が高く,高齢でみられるとの報告がある11)。本検討でも,女性が69%をしめ,年齢もBPPV発症例は発症なしの症例に比べて有意に高齢であり,同様の結果であった。メニエール病の総合的重症度分類とBPPVの発症に関しては,発症症例および発症を認めなかった症例もStage 2が最も多い結果であった。総合重症度にも関連する純音聴力検査(4分法)の結果でもBPPV発症症例は発症を認めなかった症例と比較し初診時,3ヶ月後で有意差は認めなかったことからも,本検討ではメニエール病の総合重症度および,聴力とBPPVの発症には特に関連は認められなかった。BPPVの発症時期はメニエール病確定診断後から1ヶ月以内の発症が16例(55%)で認めていた。発症から比較的早期に合併が認められた。DHIの結果も当科初診時では有意差は認めなかったが,3ヶ月後ではBPPVの発症症例は発症を認めなかった症例に比較して有意に高値であった。一概には言えないが,このことからメニエール病診断後早期はBPPVを発症しやすく日常生活に対して影響を与える可能性が考えられた。また,今回の検討ではCRPやROMは持続性眼振を認めていた症例を除いては効果的であることから,メニエール病診断後も比較的早期にBPPV発症を合併する事も念頭にいれ,問診,眼振検査を行い,CRPやROMといった治療を行う事は有用であると考えられた。

責任半規管に関しては31例中25例(81%)と外側半規管が多い結果であった。特に外側半規管型BPPVの中でもクプラ結石症が多かった。メニエール病に合併するBPPV症例では特発性BPPVよりも外側半規管が責任半規管になりやすい10)と報告がある。本検討でも外側半規管が多かった。この理由は明確にはされていないが,メニエール病の経過中にBPPVを合併する機序として内リンパ水腫が卵形嚢に障害を与え卵形嚢耳石が剥離して生じる12)との報告がある事や,また,機序について言及されていないがメニエール病で生じる内リンパ水腫の影響を外側半規管が最も受けやすいとの報告13)もあることから,内リンパ水腫が関連している可能性も要因ではないかと推測される。一方で,外側半規管型BPPVで持続性方向交代性背地性眼振を認めた症例が4例,持続性方向交代性向地性眼振を認めた症例が1例であった。持続性方向交代性向地性眼振に関してはNeutral Positionに関しての詳細な記載は確認できなかったが,頭位治療を行った後も,眼振所見の改善を認めなかったことからクプラ―内リンパ系の比重の違いやクプラ自体の障害などによる,いわゆるLight cupulaによる眼振の可能性も考えられた。そのため,メニエール病に発症する方向交代性向地眼振にはlight cupulaによる眼振も一定数は混じっているため,鑑別に注意を要する。

患側に関しては,先述した内リンパ水腫が卵形嚢に障害を与える事が原因で耳石が剥離したのであればメニエール病の患側と同側にBPPVが発症すると考えられるが,メニエール病の患側とBPPVの患側に関しては,患側が一致した症例は48%であり,不一致の症例は38%であった。既存の報告ではメニエール病の患側と同側にBPPVが発症する頻度は71.9%14)との報告があり,本検討はやや低値であった。理由としては,メニエール病による重度の難聴の症例では前庭が機能していないためBPPVを発症してもめまいの症状として自覚しない可能性があるとの報告があり,既存の報告は聴力が0–19 dBの症例が61%と今回の検討より重症度の低い症例を検討していると考えられる。一方,今回の検討では,メニエール病のStage 3,Stage 4の症例は14例の48%であり,既存の報告に比較して重症度の高い症例を検討している。そのため,BPPVのめまい症状の訴えが少なかった可能性が考えられた。また,38%で患側が一致しなかった事からも,同側の卵形嚢の障害以外にもBPPVを発症する要因が存在すると推測された。温度刺激検査の結果も検討したが,半規管麻痺側とBPPVの患側が一致したものは5例(17%)であり,半規管麻痺とBPPVの関連は乏しいと考えられた。今回,メニエール病の患側とBPPVの患側が一致しない要因として以下の2点を推測した。①メニエール病発作により,自覚的苦痛度・日常活動の制限が増加しめまい発作による安静や臥床時間の増加がBPPVを発症しやすい環境となった可能性,②一側性メニエール病の健側耳に内リンパ水腫を認めており,無症状の健側内リンパ水腫が卵形嚢耳石の剥離に影響を及ぼした可能性を考えた。まず①であるがめまいの自覚的苦痛度・日常活動の制限が高ければ安静や臥床時間が増加する可能性を予測したが,自覚的苦痛度は1(時に苦痛)が最も多く,日常活動の制限も1(時に制限)が最も多かった。このことから自覚的苦痛度・日常活動の制限が増加することとBPPVの発症との関与性は乏しいと考えられた。しかし,睡眠頭位・睡眠時間はBPPV発症と関連している。本検討ではこれらが確認できておらず,今後は睡眠頭位や睡眠時間との関連性を検討していく必要はある。また,②に関しては健側耳の内耳造影MRIで9.9%15)~75%16)に前庭の内リンパ水腫を認めたとの報告もあり,一定数は無症候性の内リンパ水腫が存在する事が内耳造影MRIにおいて示されている。これらからも,健側内リンパ水腫により卵形嚢耳石が剥離されBPPVを合併した可能性も考えられる。今後も症例を重ねて,無症候性の内リンパ水腫とBPPVの発症に関して比較検討を行う必要性があると考える。

今回のメニエール病の経過中に認めたBPPVが続発性BPPVか特発性BPPVかに関しての鑑別は厳密にはできていない。しかし,過去の報告,および今回の検討からは,メニエール病患者に対するBPPVの発症率は一般的なBPPVの罹患率より高いと考えられ,少なくとも患者はメニエール病のめまいに加えてBPPVによるめまいを発症することで日常に障害を自覚している。特に,メニエール病と診断がついて比較的早期にBPPVは発症しやすく,DHIが有意差を持って高値であることからも,メニエール病と診断して早期はBPPVの発症に注意が必要となる。また,メニエール病症例の中でどのような症例がBPPVを合併しやすいかの傾向を調べ,対処する事は有意義であると考える。今回は後方視的研究であるため,前庭誘発筋電位(VEMP)・自覚的視性垂直位(SVV)といった迷路刺激検査の検査が十分に行われていなかったため,内耳障害の評価が行えなかった。今後,迷路刺激検査を行い,メニエール病症例での内耳障害とBPPVの発症の関連性や,内耳造影MRIや水腫推定試験で無症候性の内リンパ水腫とBPPVの発症の関連性を検討していくことで,メニエール病症例の中で,どのような症例がBPPVを合併しやすい傾向にあるかを予測する事は有用であると考える。

 結論

メニエール病に合併した良性発作性頭位めまい症の検討を行った。23%でBPPVの発症がみられ,女性で高齢の症例に合併しやすく,外側半規管が責任半規管として最多であった。メニエール病の患側と同側が病変のBPPVは48%でみられ,38%はメニエールの患側と不一致であった。メニエール病の重症度や聴力とBPPVの発症との関連は乏しかった。BPPVの発症時期はメニエール病確定診断後から1ヶ月以内の発症が半数以上で認め,DHIでは有意に高値であった。メニエール病症例の中で,どのような症例がBPPVを合併しやすい傾向にあるかを予測する事は有用であると考える。

利益相反に該当する事項はない。

 文献
 
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