Equilibrium Research
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Clinical Findings in Scuba Divers with Inner Ear Symptoms with an Emphasis on Eustachian Tube Function
Naoharu KitajimaAkemi Kitajima
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2026 Volume 85 Issue 2 Pages 57-63

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Translated Abstract

Objectives: We investigated the clinical findings in sport scuba divers with inner ear symptoms.

Methods: The study was conducted in 152 scuba divers with inner ear symptoms and 27 healthy volunteers with no history of diving injuries. All the divers underwent audiometric measurements, including hearing testing, tympanometry, and Eustachian tube function testing (sonotubometry and impedance test), and were asked to respond to a questionnaire about the problems they experienced in relation to scuba diving. Test results from the two groups were compared.

Results: Out of all the persons who showed failure of Eustachian tube closure, 98 had tubal stenosis and 8 had a patulous Eustachian tube. Almost all of the individuals suffered from alternobaric vertigo (AV) and inner ear barotrauma (IEB), with some additionally suffering from inner ear decompression sickness, superior canal dehiscence syndrome, etc. The result of Eustachian tube function testing were significantly worse in the divers with AV/IEB s than in the healthy volunteers, while there were no significant differences between the divers with AV and IEB.

Conclusions: To prevent ear barotrauma in scuba divers, we recommend a thorough Eustachian tube function evaluation. Any dysfunction should be treated before an individual engages in scuba diving. Moreover, divers need to ensure that they dive safely within the limits of their ability.

 はじめに

海洋スポーツの普及によるスキューバダイビング人口の増加につれ,ダイビングに伴うトラブルが増加傾向にある。当院では平成21年よりダイビング外来を開設し,これまでにおよそ1600人のダイバー患者の診察を行なってきた。ダイビング後にめまいや難聴などの内耳障害を生じる患者も多く,中には外リンパ瘻を生じ,不可逆的な機能障害にいたることもある。今回,潜水後に,めまいや難聴など,内耳症状を生じたダイバー患者について検討し,興味深い結果を得たので報告する。

 対象と方法

令和5年12月までに,当院ダイビング外来を受診した1519例(スキンダイバーは含めず)のうち,耳疾患が1260例(83%)を占め,そのうち167例(11%)でダイビング中,もしくは後に難聴・めまいなどの内耳障害を生じていた。内耳障害を認めた167例中,研究同意を得られた152例を検討対象とした(アクシデントダイバー群)。アクシデントダイバー群の内訳は,男性58例・女性94例で,年齢42.9 ± 11.7才である。これまでにダイビングアクシデントのないボランティア27例(男性9例・女性18例;年齢34.3 ± 12.9才)を正常ダイバー群とした。アクシデントダイバー群には複数の疾患が混在するため,疾患別に分けて正常群と比較検討した。

アクシデントダイバー群152例に対し,全例で,初診時に標準純音聴力検査,ティンパノメトリ,平衡機能検査,および,耳管機能検査を施行した。加えて,ダイバー用の問診票を用いて,臨床症状のほか,ダイブプロフィールなどを詳細に確認し,疾患の診断,および比較検討の要素として用いた。

耳管機能検査にはリオン社のJK-05Aを使用し,音響法とインピーダンス法をおこなった(図1)。音響法は嚥下運動によって一時的に開放した耳管を通じて,鼻咽腔に負荷した音を外耳道で検出することにより開放所見をとらえる検査法で,耳管開大持続時間(duration)と音圧上昇(amplitude)を比較パラメータとして用いた。またインピーダンス法は中耳腔圧変化が引き起こす鼓膜の動揺を鼓膜のコンプライアンスの変化を測定する検査法で,通常,ダイビング時におこなう耳ぬき時の圧力をかけるよう指示し,耳管開大圧(opening pressure)を評価に用いた。鼓膜穿孔を伴う場合,比較データには音響法の結果のみを用い,インピーダンス法はバルサルバ時の外耳圧変化の参考とした。両検査共に統計的検討には患側耳のデータのみを用いた。

図1  耳管機能検査

上:音響法。音圧上昇(Amplitude)と耳管開大持続時間(Duration)を評価対象とした。

下:インピーダンス法。耳管開大圧(open pressure)を評価対象とした。

一般的に受動的開大圧の正常値は150–550 daPaとされ,800 daPa以上で耳管狭窄が疑われる(耳管狭窄症診断基準1))。当院では,これに過去の文献も加味して,音響法で音圧上昇が5 dB以下,インピーダンス法で耳管開大圧が650 daPa以上をもって狭窄耳管型の耳ぬき不良と診断している2)3)。音響法にて提示音圧100 dB未満または開放プラトー型をしめす場合と,インピーダンス法にて鼓膜の呼吸性動揺を認めた場合を開放耳管型の耳ぬき不良と診断した(耳管開放症診断基準案20161))。検査結果は,3群間を一元配置分散分析法(one-way ANOVA検定)検定後,Tukeyの多重比較おこない,P < 0.05をもって有意差ありとした。統計計算ソフトにはEZR(Jichi Medical University, Tochigi, Japan)4)を用いた。

結果に先んじ,潜水医学に特有と思われるめまい疾患を挙げる。中耳気圧外傷の1つである圧変動性めまい(alternobaric vertigo: AV)は左右中耳腔圧の相対的陽圧化によって生じるめまいで,耳ぬき不良の状態でダイビングを続けた時,潜降中もしくは浮上後に発症する5)。感音難聴・耳鳴など蝸牛症状を生じず数分で症状消失し(Transient AV),発作時には患側へ向かう眼振を認めるが,外来受診時には眼振を認めず,問診および検査結果から診断されることが多い。長時間持続する例(Persistent AV)もあり,耳管機能不全に加え,鼻閉および,嚥下運動に伴って鼻咽腔に生じた圧変動が中耳腔に圧変化をもたらすこと(Toynbee現象)が原因とされ6),外来受診時には持続する軽度の浮遊感,微細な健側向きの眼振を認めることが多い。内耳気圧外傷(inner ear barotrauma: IEB)は臨床的に最も重篤な耳気圧外傷で,めまい感を伴う眼振,および感音難聴,耳鳴が特徴で,AVとの鑑別には眼振の程度,蝸牛症状が重要となる。IEBの最重症例として外リンパ瘻(Perilymph fistula,内耳窓破裂症)が挙げられ,瘻孔現象など検査所見や臨床経過から判定される。

本研究はヘルシンキ宣言を遵守し治療指針や目的など十分説明し文書による承諾を得た上で行い利益相反行為の関与なく施行された。なお本研究は公益社団法人 日本医師会 倫理審査委員会(No. R1–12, R3–7),および東京医科大学 医学倫理委員会(No.3032)の承認を受けている。

 結果

表1にアクシデントダイバー群の初診時所見,およびダイブプロフィールを示す。耳管機能検査では,152例中99例(65%)に耳管機能不全を認め,うち91例が狭窄耳管型の耳ぬき不良,8例が開放耳管型の耳ぬき不良だった。耳管機能不全の多くは片側のみ(116例)で,36例で両側だったが両耳間の耳管機能に大きな差を認めなかった。初診時,少数疾患を除くと,AVの4割(Persistent AV),IEBの3割,開放耳管の5割で眼振を認めた。IEBのうち5例で外リンパ瘻を生じていた。

表1 アクシデントダイバー群の初診時所見,およびダイブプロフィール

疾患 症例数 年齢 性別
(M:F)
経験本数 発症深度
(ダイブ後除く)
眼振の有無 耳管機能不全
正常ダイバー 27 34.3 ± 12.9 9:18 なし
AV 77 42.0 ± 10.4 26:51 299.7 ± 632.9 9.7 ± 5.9 あり:31例 狭窄耳管:44例
IEB
(開放耳管のぞく)
63 43.4 ± 13.1 28:35 180.9 ± 458.2 9.8 ± 7.5 あり:17例
(うち,5例が外リンパ瘻)
狭窄耳管:45例
SCDS 1 28 1:0 0~10 0~10 軽度眼振あり 狭窄耳管:1例
顔面神経麻痺を
伴うめまい
1 65 1:0 1530 浮上後 軽度眼振あり 狭窄耳管:1例
IEDCS 2 38,35 0:2 37,529 17,
(1例浮上後)
1例で上下に揺れる
異常眼球運動あり
なし
開放耳管(IEB) 8 45.1 ± 11.6 4:4 271.3 ± 698.7 全例浮上後 あり:4例 開放耳管:8例

AV;Alternobaric vertigo IEB;Inner ear barotrauma SCDS;superior semicircular canal dehiscence syndrome IEDCS;Inner ear decompression sickness

アクシデントダイバーの疾患内訳は,AVが77例,外リンパ瘻をふくむIEBが71例で,AVとIEBのみで全体の9割以上を占め,開放耳管型の耳ぬき不良の8例全てでIEBを生じていた。それ以外の疾患は,内耳型減圧症(Inner ear decompression sickness; IEDCS)2例,上半規管裂隙症候群(superior semicircular canal dehiscence syndrome; SCDS)1例,顔面神経麻痺を伴うめまい1例だった。

少数症例の疾患を除くと,正常例,AV,IEBの3群間で年齢・性差に有意差を認めなかった。ダイビング経験本数と疾患発症とに相関や統計学的有意差を認めなかったが,AVに比して重症度の高いIEBは経験本数の少ないダイバーに生じやすい傾向を認めた。ダイビング経験本数が数100~1000本以上のベテランであってもアクシデントを認め,発症深度は,深度10メートル以内の浅深度,および浮上後に多かった。

外来初診時,耳ぬき不良を強く自覚した側を患側耳とし,明らかでない場合は各種検査結果がより不良な側を患側耳として対応した。AV症例77例中31例,IEB症例71例中17例でめまい感を伴う眼振を認めた。AVでは注視眼振検査にて健側に向かう微細な眼振を認め,動作時などに伴う浮遊感を自覚していた。IEBもまた受診時は健側向きの眼振を認め,17例中5例で外リンパ瘻が疑われた。

表2および図2にAVとIEBの耳管機能検査の結果を示す。両疾患ともに,正常ダイバーと比して有意に耳管開大圧が高かったが,両群間では有意差は認めなかった。

表2 AVとIEBの耳管機能検査の結果


*:p < 0.05 **:p < 0.01 AV;Alternobaric vertigo IEB;Inner ear barotrauma

正常ダイバーと比してAV,IEBともに有意に耳管開大圧が高かった。しかしAVとIEBの両群間では有意差は認めなかった。

図2  AVとIEBの耳管機能検査の比較

a:耳管開大持続時間(duration)。b:音圧上昇(amplitude)。c:耳管開大圧(opening pressure)。

正常ダイバーと比してAV,IEBともに有意に耳管開大圧が高かった。しかしAVとIEBの両群間では有意差は認めなかった。

表3にAVとIEBのめまいの有無による耳管機能の比較を示す。AV,IEBともに検査結果に統計学的有意差を認めないものの,めまいを伴う群のほうが,音響法,インピーダンス法ともに狭窄傾向が強い傾向にあった。

表3 AVとIEBのめまいの有無による耳管機能の比較

外来初診時の状況 音響法 インピーダンス法
Dutration(msec) Amplitude(dB) 耳管開大圧(daPa)
AV めまいなし 323.5 ± 236.9 10.6 ± 7.5 623.4 ± 344.3
めまいあり 303.3 ± 297.7 10.3 ± 9.0 779.2 ± 355.0
IEB 難聴のみ・めまいなし 277.6 ± 338.1 8.7 ± 7.7 617.3 ± 345.6
難聴・めまいあり 229.7 ± 205.6 8.7 ± 8.6 724.8 ± 417.4

AV;Alternobaric vertigo IEB;Inner ear barotrauma

 考察

今回の検討で,ダイビング後の内耳障害の多くがAV,およびIEBだった。AVは1965年にLundgren7)によって報告され,左右中耳腔圧の相対的陽圧化によって生じ,加圧がアブミ骨底板,および蝸牛水管を介し内外リンパ圧差および内耳圧変化を生じて発症するとされる8)。臨床的特徴として,ダイビング中,もしくは浮上後に発症し,耳管機能不全に関連して中耳内圧の左右差が60 cm H20以上で発症するとされ,蝸牛症状を生じない9)。一般に後遺症を残さず10分以内に症状消失するが(Transient AV),耳管機能不全の状況などで数日間持続する場合もある(Persistent AV)6)10)。IEBは,気圧の急激な変化,あるいは緩徐な気圧変化でもその圧変化の幅が大きいか,あるいは圧変化の持続時間が長い場合に起こる内耳有毛細胞の損傷である11)。IEBの発症要因として,蝸牛内出血(血流障害),ライスネル膜の破綻(内外リンパ液の混合),外リンパ瘻,さらに,これらの要因が複数関与して発症するとされる11)~13)

AV,IEBともにダイビング後の内耳障害を生じる代表的疾患であり,ともに耳管機能不全に伴う耳ぬき不良が原因となる場合が多い10)13)。今回の検討でも,前庭症状を認める群で耳管機能不全が大きい傾向にあった(表3)。中耳圧変化による内耳への影響は本邦でも複数報告され14)~16),中耳圧に伴う内耳圧変化が前庭反応に密接にかかわり,大きい中耳圧変化速度下では前庭神経放電の変化が高く生じ,AVに中耳圧変化速度が関与することが報告されている。IEBは外リンパ瘻と同一視されることが多いが,発症の一因にすぎない。Lamkinら17)は,中耳腔への直接圧負荷にて,蝸牛窓やコルチ器には変化がなかったが鼓室階基底回転付近に出血を認めることを報告している。当院のIEB患者で瘻孔現象などの所見はほぼ認めず,このような場合,外リンパ瘻よりも内耳震盪症などに近いのかもしれない。また,開放耳管を伴うダイバーは全例でIEBを認めた。開放耳管の場合,過剰な中耳圧変動が呼吸性鼓膜移動を生じて耳小骨―蝸牛への過大な圧力を引き起こし,内耳障害が発現するとされる18)19)。今回の検討では疾患によるが3~5割程度で初診時に眼振を認めた。当院においては,患者が初診するまで,受傷から3日~1週間を経ていることが多く,その間に自然軽快した可能性もあるが,潜水による内耳障害,とくにIEBの診断には蝸牛症状が重要といえる。

今回,1例のみ顔面麻痺を伴うめまい症例を経験している。圧変動による顔面麻痺は中耳気圧外傷の症状のひとつとされ,耳ぬき不良により生じた中耳腔内圧の異常な上昇が顔面神経管水平部の裂隙を通して顔面神経を圧迫するために生じる。本症例ではPersistent AVと顔面麻痺が併発したと考えられる。潜水によって顔面麻痺が誘発される場合,中耳HRCTなどで精査する必要があるだろう20)

今回,深度10メートル以内の浅深度での発症を多く認めた。一般に耳気圧外傷は浅深度で生じやすく,海中での圧力は下降した距離に比例して加圧される。閉鎖空間における気体の体積変化量は,ボイルの法則から同一距離を移動した場合は海表近くにおいて最も大きくなるためと言われる21)。対して,IEDSCは深深度潜降かつ,急速浮上で生じやすいとされ22),今回の2症例もそれを満たしていた。

今回の検討にて,経験本数の少ないダイバーほど内耳障害を生じやすい傾向があった。ダイビング経験が少ないダイバーは適切な対処ができず,無理な耳ぬきで過剰圧力をかけていっそう耳気圧外傷を悪化させ,耳痛や不安からパニックを起こし冷静な判断ができなくなることも考えられる。対してベテランダイバーでも内耳障害を認めるのは,逆にその経験が自己過信につながり,耳管機能不全があるにもかかわらず急速潜降や急速浮上などの危険なダイビングをおこなったためと考えられる23)

希少疾患として,当院で,これまでにIEDCSを2例認めている。IEDCSは,急激な減圧によって膨化した不活性ガスの気泡が,内耳動脈系の閉塞を起こすとともに,内皮細胞を障害するために,めまい・難聴を引き起こすとされ,発症にはさまざまな仮説が提唱されている22)。IEDCSは減圧症の中でも重症型とされるType IIの一型に含まれ早期の再圧治療を要するが,統計上は減圧症患者の2%から7%程度と非常にまれな疾患である24)。当院でも確実例と言えるのは今回挙げた2例のみである25)。臨床症状として,特徴的な眼振や聴力障害などの所見がなく,潜降深度や使用したガスの種類などダイブプロフィールの問診が最重要となり,高気圧酸素治療(hyperbaric oxygen therapy; HBOT)が有効である26)27)。HBOTは,発症後12時間を超えると治療効果は著明に低下し可及的早急に施行することが推奨されるが,発症24時間以降では過剰に治療を急く必要はなく,十分な神経耳科的検査をおこない,IEBとの鑑別をするべきだろう。表4にダイビング後に内耳障害を生じる代表疾患を示す28)

表4 ダイビング後に内耳障害を起こす代表的疾患(文献21より改変)

圧変動性めまい
(Alternobaric vertigo; AV)
内耳気圧外傷
(Inner ear barotrauma; IEB)
上半規管裂隙症候群
(superior semicircular canal dehiscence syndrome; SCDS)
内耳型減圧症
(Inner ear decompression sickness; IEDCS)
頻度 最多 AVについで多い 極めてまれ まれ
潜水曝露 どのような状況でもありえる どのような状況でもありえる どのような状況でもありえる 減圧制限に近い,
あるいは超える
発症状況 急速な浮上,
ダイビング後
急速な潜降,浮上,
ダイビング後
急速な浮上,ダイビング後 深度による。急速な浮上,
ダイビング後
内耳症状 前庭症状を生じる 前庭・蝸牛症状(難聴)
ともに生じる
前庭症状(垂直成分),
時に伝音難聴
50%前庭症状,30%蝸牛症状,20%両症状
耳管機能不全 あり あり あり 耳管機能不全は影響しない
瘻孔現象・
Tullio現象
なし あり
(外リンパ瘻を生じた場合)
あり なし
他の合併症 中耳気圧外傷 中耳気圧外傷 中耳気圧外傷 他の減圧症症状,ディープダイブ,飽和潜水
画像所見 所見なし 卵円窓の陥凹,外リンパ液漏出(外リンパ瘻) 上半規管裂隙を認める 所見なし
使用ガス 主に通常空気 主に通常空気 主に通常空気 主にヘリウムか水素
治療 保存的治療 保存的治療・外科療法 保存的治療・外科療法 再圧療法・高圧酸素療法

耳気圧外傷の予防には,耳管機能不全の改善のほか,潜降時の耳ぬきを上達がさせることが有効である。さらには浮上のスピードを遅くする,特に深度10 mからは毎分8–10 mにすることも事故防止につながるとされる24)。加えて,急潜降や急浮上を避ける,自己過信による無茶なダイビングや,自身の技術以上のダイビングを行なわないなどを指導し,それでも症状が反覆する場合は,中耳HRCTでSCDS28)の精査が必要と考えた。

 結語

一般にダイビング後のめまいというと,外リンパ瘻が挙げられることが多い。しかしながら,実際のところ外リンパ瘻はそれほど多くなく,中耳圧変化に伴うAVが最多であり,予後や治療法が異なるため,問診や検査結果から注意深く鑑別する必要がある。また,総じて言えることは,耳管機能不全が大きく影響し,そこに技術的な問題や経験不足が重なって障害を引き起こしている。正確な鑑別や疾患対応にはより多くの集積が必要と思われた。

本論文の要旨は第83回日本めまい平衡医学会総会・学術講演会にて発表した。

利益相反に該当する事項はない。

文献
 
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