2015 Volume 50 Issue 2 Pages 85-88
キセノハリオチス症原因菌Candidatus Xenohaliotis californiensisに対する蒸留水 (DW) と紫外線 (UV) の殺菌効果をバイオアッセイで評価した。5から60分間DWと混合処理した感染クロアワビの糞便に未感染クロアワビを暴露した。また,UV照射 (17または 30 mJ/cm2) した感染メガイアワビ飼育水を用いて未感染メガイアワビを飼育した。飼育後のPCR陽性率に統計学的有意差は認められなかったものの,本菌はDW未処理区 (2/10個体) ならびに低UV区 (2/18個体) とUV未照射区 (3/17個体) のみに検出され,DW処理区や高UV区では検出されなかった。未処理区の陽性率が低かったこともあり明瞭な殺菌効果は認められなかったが,DW処理やUV照射により本菌の感染力を低減できる可能性が示された。