Japan Journal of Human Resource Management
Online ISSN : 2424-0788
Print ISSN : 1881-3828
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Skill Mismatch and Job Satisfaction in a Japanese Company
Tomotaka HIRAO
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2019 Volume 20 Issue 1 Pages 19-36

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Abstract

It is generally found that over-skilled workers receive less job satisfaction than their correctly placed colleagues. Over-skilling refers to the mismatch wherein an individual has higher skills than that required for his/her current jobs. The increasing trend of youth to enroll for longer educational courses and the relative scarcity of suitable job opportunities later results in over-skilling. This phenomenon leads to various negative outcomes. In sharp contrast to the lively debate on the economic effects of skill mismatch in Europe, evidence from Japan on this issue is relatively scarce. In this paper, we analyze the effects of over-skilling on job satisfaction in a Japanese company. Our study uses the longitudinal data gathered from an employee satisfaction survey (ES survey) of a Japanese medium-sized company. As expected, there is a negative relationship between over-skilling and job satisfaction in line with previous researches. Over-skilled workers receive significantly lesser job satisfaction than their correctly placed colleagues, after controlling for ability and other potential bias. This suggest that over-skilled workers become less satisfied with their work as a result of being unable to sufficiently realize the full capacity of their productivity. Thus, the empirical results of this study raise a number of important issues for training of Japanese labor force.

1. はじめに

本研究では,「個人が保有するスキル」と「個人が就いている仕事を遂行する際に求められるスキル」の差(スキル・ミスマッチ)を捉え,それが仕事満足や会社コミットメントに与える影響を明らかにする。

技能の種類,その形成過程,費用負担,変化の方向が労働研究を応用分野に持つ社会科学,とりわけ経済学,経営学,社会学において重要な研究課題であることは言うまでもないだろう。この研究課題に対して,国内外を問わず,多くの研究者が枚挙に暇がないほど研究成果を発表してきたが,熟練研究の1つの金字塔としては,Becker(1964)の人的資本理論を挙げることができる。人的資本理論では,他企業でも通用する一般技能とその企業でしか使えない企業特殊技能という技能の種類とそれらの技能を身につけるための訓練費用(一般訓練,特殊訓練)のあり方が考察されている。一方,Braverman(1974)は「科学的管理法は労働者の熟練を解体する」ことを主張し,労働過程が熟練形成に与える影響について論争を喚起した1

同時期,日本では社会調査によって労働者の技能形成の実態を把握し,理論化を行うという研究が行われていた。その代表的な研究成果は,小池和男が提唱した知的熟練であろう。小池(2005)によれば,知的熟練とは「問題と変化への対応」という「ふだんと違った作業」をこなす腕のことであり,「問題」とは品質不具合や設備不具合をさし,「変化」とは生産方法,生産量,製品構成,人員構成の変化をさす。この「問題」と「変化」に対して,ライン内において生産労働者がどのように,そして,どれくらいの「経験の深さ」でもって対応しているかが生産性を大きく左右するという。

また,トヨタ労働者について実態調査を行った辻(1989)は,労働者集団が集団として形成・保有している「集団としての熟練」と労働者個人が所属する労働者集団に寄与・貢献し,機能する「集団のための熟練」の存在を集団的熟練という概念で提唱した。小池(2005)辻(1989)は,日本企業に勤める労働者の熟練を実態調査から理論化した先進的な研究であったということができる。

以上の研究,またこれまでの技能やスキルに関する研究の多くは,技能の種類,形成過程,その需要変化(解体過程),さらには生産性との関係に分析の関心が向けられていたということができる。本研究では,これまでの日本の技能やスキルに関する研究とは違った視点から,具体的には,「個人が保有するスキル」と「個人が就いている仕事を遂行する際に求められるスキル」の差をスキルのマッチ・ミスマッチとして捉え,職場の個人レベルでのそれを観察する。

なお,本稿の構成は次の通りである。続く第2節では先行研究を概観し,本研究の貢献を明示する。第3節では,スキル・ミスマッチの理論的な検討を行い,既知の理論から実証分析における仮説を提示する。第4節では,調査の実施方法,調査対象企業,データについて説明を行う。第5節では,人事マイクロ・パネル・データを用いた統計分析を行い,結果を解釈する。最終節第6節では,まとめと若干の議論を行う。

2. 先行研究

スキル・ミスマッチの研究は,世界的には学歴ミスマッチの研究から派生してきた歴史を持つ。特に,学歴ミスマッチにおいて問題となるのは教育過剰(overeducation)である。教育過剰とは,個人の学歴がその個人が就いている仕事に求められる学歴よりも高いことをいう。Freeman(1976)がその著作を発表し,Duncan and Hoffman(1981)がミンサー型賃金関数の中にその概念を定式化して以降,研究成果は枚挙に暇がないほど発表され,教育過剰は賃金や仕事満足に「負の影響」を与えることが実証されてきた。

スキル・ミスマッチ研究は,スキルの差を学歴ミスマッチ研究と同様の考え方・方法で捉えるものであり,労働市場におけるジョブ・マッチングを学歴ではなくスキルという物差しを用いて測るものである。スキル・ミスマッチ研究においても,学歴ミスマッチ研究における教育過剰と同じく,個人のスキルがその個人が就いている仕事に求められるスキルよりも高い状態であるスキル過剰(overskilling)の影響が問題とされ,欧米を中心に多くの実証研究が積み上げられてきた。

スキル・ミスマッチの先行研究を概観するとスキル過剰の状態にある者はそうでない者に比べて賃金が低く(McGuinnes and Sloane 2011,Sanchez-Sanchez and McGuinnes 2015など),仕事満足も低いことが報告されている(Allen and van der Veleden 2001, Mavromaras et al. 2011, Bárcena-Martín et al. 2012など)。また,スキル過剰が職場の調和を低めるとする研究もある(Belfield 2010)。

日本における学歴ミスマッチ研究は立ち後れていたが,近年,いくつかの先駆的研究が進められている(例えば,OECD2013市川2016ab平尾2016)。世界的な流れと同じく,学歴ミスマッチ研究とともにスキル・ミスマッチ研究が日本においても進展していくことが期待されるが,学歴ミスマッチ研究が立ち後れていたため,そこから派生してきたスキル・ミスマッチ研究の存在は日本では皆無となっている2。この研究課題が日本ではほとんど追究されていないという現状からすれば,本研究は先駆的な貢献を果たすものとなる。

また,これまでのスキル・ミスマッチ研究では,各国のナショナル・サンプル(全国標本)などを用いて,その状態の把握と影響の計測を行っているものがほとんどで,人事マイクロデータなど特定の企業や職場の詳細なデータを用いて実証研究を行っているものは,Belfield(2010)など数少ない。すなわち,労働経済学や教育経済学の研究として,一国の労働市場におけるスキル・ミスマッチの発生とその影響については多くの研究の蓄積があるものの,人的資源管理の研究として,企業や職場レベルでのスキル・ミスマッチの影響を分析したものは少ない。企業レベルの詳細なデータを用いることで,企業の施策や風土を同条件・所与のものとしてスキル・ミスマッチの影響をクリアに分析できることが本研究のもう1つの貢献となる。

個人の持つスキルが成果として発揮されるのは,労働者が働く職場や日々の仕事の中である。その意味でも,スキル・ミスマッチは人的資源管理において重要な問題となる。特に,企業内でのジョブローテーションを通じた熟練形成が日本の経済成長の源泉であったことを考えれば,企業内における人的資本の配置によって生じるロスを看過することなく正確に計測し,是正策を考えていかなければならないだろう。

そこで,本研究では,日本のある企業において実施した従業員アンケート調査から得られたデータと人事マイクロデータを用いて,スキル・ミスマッチが仕事満足および会社コミットメントに与える影響を分析する。

本研究では,スキル・ミスマッチ変数は説明変数となるが,被説明変数となる仕事満足,会社コミットメントに関わる研究も概観しておく必要があるだろう。いわゆるワークモチベーション研究は,古くはホーソン研究が労働者の生産性の決定要因としてワークモチベーション(心理的要因)を指摘したことに端を発し,その後の社会環境と企業組織の変化の中で様々な理論枠組みが提唱されてきた3

近年の日本企業の文脈では,2000年頃に盛んに議論された成果主義との関係で,ワークモチベーションの実証研究が積み上げられてきた(例えば,玄田ほか2001大竹・唐渡2003井川2007中嶋ほか2013など)。すなわち,近年の日本におけるワークモチベーション研究も成果主義という企業と従業員を取り巻く環境・制度の変化とモチベーションの関係を追究してきたといえるだろう。

その一方,労働者が保有するスキルとそれに見合った仕事の配分という事象がワークモチベーションとどのような関係にあるのかは,人的資源管理の分野ではあまり追究されてこなかった。その意味で,企業内で収集した人事マイクロ・パネル・データを用いる本研究は,スキル・ミスマッチ研究と人的資源管理におけるワークモチベーション研究の架け橋として位置づけることができよう。

次節では,スキル・ミスマッチの理論的な検討を行い,そこから既知の理論を援用し,実証分析における仮説を提示する。

3. 理論的検討

  • (1)   スキル・ミスマッチの測り方

まず,Cohn and Khan(1995)を参考にスキル・ミスマッチ(スキル過剰 overskilling,スキル適当 required skilling,スキル過少 underskilling)の定義を行っておこう。今,スキルの高低を連続的な数量で把握できると仮定し,個人のスキルの高さをS,ある仕事をするために必要とされるスキルの高さをSrとすれば,スキル過剰の程度は,

overskilling = S - Sr if S > Sr

と定義できる。同様にスキル過少の程度は,

underskilling = Sr - S if S < Sr

と定義できる。なお,

S = Sr

の場合はスキル適当となる。分析には,このようなスキル・ミスマッチについて,下記の通りダミー変数(スキル過剰ダミーOS,スキル適当ダミーRS,スキル過少ダミーUS)を作成し,それらを使用することになる。

OS=1, if overskilling > 0, and OS=0, otherwise;

RS=1, if SSr, and RS=0, otherwise;

US=1, if underskilling > 0, and US=0, otherwise.

スキル・ミスマッチの計測方法については,先行研究を概観すれば,2つの方法があることがわかる。この点については,Quintini(2011)Perry et al.(2014)がまとめている通りであるが,1つは,主観的計測法と呼ばれ,質問紙調査等で調査対象者に直接「現在の状況がスキル・ミスマッチか否か」を聞く方法である。もう1つは,客観的計測法と呼ばれ,職務分析の資料などを使い「個人が保有するスキル」と「個人が就いている仕事を遂行する際に求められるスキル」を比較して差を捉える方法である。

前者は,スキル・ミスマッチ研究の主流をなす方法であるが,回答が主観的であり,正確にスキル・ミスマッチを把握しているのかという測定誤差の問題が残る。Quintini(2011)は,前者については,どのスキルが不足し,活用されていないのかを知り得ないことに限界があり,後者については,言語能力や計算能力の計測に限界があり,スキルの全範囲を捉えることの困難さがあると指摘している。

また,Perry et al.(2014)は,客観的計測法を採用する場合,労働者のスキルに関するデータは例えばPIACC(Programme for the International Assessment of Adult Competencies)など国際的・大規模に行われる調査のデータから得るしかなく,その実行には多大なコストがかかること,それ故に,使用できるデータが少なく,研究対象となる国や期間などの制約条件も多いことを指摘している。

なお,本研究では,主観的計測法によってスキル・ミスマッチの把握を行う。PIACCで行われているようなスキルのテストを調査対象者に実施することが困難であること,日本には欧米にあるような職務記述書(Job Description)がなく,従業員の仕事とその仕事に求められるスキルを特定するのは容易ではないことが理由として挙げられる。一定の限界はあるものの,主観的計測法で得られたデータの分析を行うことで,社会的な議論に寄与する結果を発信し,さらなる研究を推し進める契機を創出したいと考えている。

  • (2)   仕事の配分の結果

では,このスキル・ミスマッチを既知の理論でどのように把握することができるであろうか。ここでは,近年,行動経済学などの分野で取り上げられることの多い非金銭的報酬と労働意欲の関係に注目して,分析仮説を導く4

非金銭的報酬を検討する前に伝統的な金銭的報酬について整理しておく必要があるだろう。ある労働者が他の労働者より長く働くこと,また,精神的・肉体的疲労の大きい仕事に就くことへの疑問については,補償賃金仮説によって説明がなされてきた(Rosen 1986)。補償賃金仮説に従えば,完全情報下では,使用者は労働者の努力水準に依存した雇用契約によっても労働者の適切な努力を引き出すことが可能となる。換言すれば,それは負荷の大きい仕事をするという意欲を金銭的報酬によって創出できるということを意味している。

一方,金銭的報酬が労働意欲を高めるとする補償賃金仮説の限界を指摘する研究もなされてきた。代表的なものとしては,Holmstrom and Milgrom(1991)などによるマルチタスク問題,Frey and Jegen(2001)がまとめているモチベーションのクラウディングアウトの問題が挙げられるだろう。前者は,単一の仕事ではなく複数の仕事がある場合に,ある1つの仕事だけに金銭的報酬を設定すると,労働者が適切な処理をしないという指摘であり,後者は,金銭的報酬が労働者の内発的動機づけを減退させるという指摘である。

このように金銭的報酬に限界がある時,労働者の労働意欲を引き出すためには金銭的報酬ではない非金銭的報酬を与えることが必要になってくる。職場における非金銭的報酬としては,仕事を通じて形成される経験やスキル,仕事の配分,職場での地位などが考えられるが,本研究では,スキルに見合った仕事の配分を一種の非金銭的報酬と捉え,その結果としてのスキル・ミスマッチを観察する。仕事を通じた人的資本の形成や経験の蓄積は,それ自体が短期的な非金銭的報酬であり,その適切な運用は長期的には金銭的報酬につながることを期待させ,労働者を会社に引きつける機能を有するだろう。

  • (3)   仮説の設定

ここまでの検討を踏まえ,次に実証分析のための仮説を導こう。今,スキル過剰,スキル適当,スキル過少の3種類の仕事の配分があるとする。スキル過剰は自身の保有する能力以下の仕事をしている状態,スキル適当は自身の保有する能力相応の仕事をしている状態,スキル過少は自身が保有する能力以上の仕事をしている状態である。

スキル過剰では仕事を通じた人的資本の形成が見込めず,仕事で自分のスキルを活かせない苦痛や不満もでてくるだろう。人的資源管理の視点から見れば,スキル過剰は仕事の配分に失敗しているといえる。一方,スキル適当は適切な仕事の配分によって人的資本の形成が見込める状態であり,仕事でスキルが活用できることで苦痛や不満は少なくなるだろう。スキル過少は,自身が保有する能力以上の仕事をしている状態であり,仕事の配分を通じて高い目標管理が行われている状態といえる。適切な仕事の配分であるスキル適当より高い目標管理が行われており,それを達成することを通じて,より多くの人的資本形成や経験の蓄積が期待されることになる。人的資源管理の視点から見れば,スキル過少は会社が従業員に成長への大きな機会と期待を与えているといえる。しかし,その一方で,自身が保有する能力以上の仕事は,従業員にとって負担が大きいという側面もある。

この3つの仕事の配分において,金銭的報酬と仕事の負荷が同等である場合,多くの労働者は後々のキャリア形成を期待してスキル適当ないしスキル過少の仕事の配分を望むだろう。企業内での仕事の配分は,主に新規学卒一括定期採用方式による横並びの企業内教育訓練と異動の中で行われるもので,純粋な労働者個人の選択の結果ではない。そのため,スキル過剰者は,スキル適当者に比べて,仕事内容に満足できず,人的資本形成への期待も薄らぎ,会社へのコミットメントを失っていくと考えられる5。以上から,本研究における分析仮説は次の通りとなる。

仮説:スキル過剰者の仕事満足および会社コミットメントは,スキル適当者よりも低い(スキル過剰ダミー変数の係数の符号の向きは負)。

また,仕事の配分を通じた高い目標管理が非金銭的報酬として機能するならば,スキル過少者の仕事満足や会社コミットメントはスキル適当者のそれよりも高くなる可能性がある。しかし,スキル過少が負担である場合,スキル過少者の仕事満足や会社コミットメントはスキル適当者のそれより低い,あるいは変わらない結果になるだろう。すなわち,スキル過少ダミー変数の係数の符号は明らかではない。実証分析を通じて,スキル過少がより良い仕事の配分なのか否かを確認する。

4. 調査概要とデータ

  • (1)   調査概要

実証分析に入る前に,調査対象となった企業(Z社)とデータについて概観しておこう。Z社は従業員規模約500名の食品製造企業である。従業員の平均年齢は35歳前後,20歳代の従業員が約40%を占める。女性比率は30%弱である。近年の業績拡大により,中途採用者も増え,正規従業員に占める中途採用者の比率は35%程度となっている。

筆者らは,Z社と共同でここ10年ほど年に1回,「従業員意見調査」を行ってきた。この調査は,休職中の従業員を除く全従業員に対して行われている。調査はZ社の協力を得て,職場ごとにアンケートへの回答時間を設定し,一斉に実施,調査票の回収を行っている。そのため,回収率はほぼ100%である。

アンケート調査の内容は,毎年80~90問程度の質問項目から構成されている。会社や仕事への思い,人事制度や処遇に関する満足度,自身の仕事ぶり,上司や同僚の仕事ぶりなど毎年共通の質問項目が70問程度ある。調査毎に一部質問項目の入れ替えを行っているが,2013年調査よりスキル・ミスマッチに関わる質問項目を追加した。「従業員意見調査」はパネル調査であるが,スキル・ミスマッチに関わる質問項目は2013年調査が初めてであり,本研究では2013年~2015年の3年3期のパネルデータを使用する。

また,Z社からは調査時点の全従業員の人事マイクロデータが研究チームに提供される。アンケート調査データには従業員のID情報があるため,人事マイクロデータとこれを突合することができる。人事マイクロデータには,属性に関わるもの以外では,職能等級や配属職場,調査時点の賃金などが含まれている。

  • (2)   スキル・ミスマッチの発生状況

次に,調査対象となったZ社のスキル・ミスマッチの発生状況について確認しておこう。第3節で定義したスキル・ミスマッチを具体的な質問項目で把握するため,「従業員意見調査」において,「あなたの能力と現在行っている仕事の関係は下記のどれに該当しますか」という質問項目を設けた。その質問に対して,「能力以上の高度な仕事をしている(スキル過少)」「能力相応の仕事をしている(スキル適当)」「能力以下の仕事をしている(スキル過剰)」の3つの選択肢を設定した。

調査期間の3年3期におけるZ社正規従業員のスキル・ミスマッチの発生状況を示したものが表1である。2013年調査時点では,75.7%の従業員が「能力相応の仕事をしている」と答えている一方で,約25%の従業員がスキル・ミスマッチがあると答えている。18.9%が能力以上の高度な仕事をしているスキル過少の状態,5.5%が能力以下の仕事をしているスキル過剰の状態と答えている。

表1 スキル・ミスマッチの発生状況

「従業員意見調査」にスキル・ミスマッチの質問項目を設定した2013年以降,この構造は大きく変わらないが,年を経るごとにスキル適当者の割合が減って,スキル過剰者の割合が増加している。2015年調査では,スキル過剰者が9.7%と約1割になっている。

スキル・ミスマッチは人的資源管理上,ある意味で不可避な,または一時的な現象でもある。人材育成のために勤続や経験の少ない者によりレベルの高い仕事を配分した結果,スキル過少状態になることがあるだろうし,スキルの高い転職者が新しい会社での仕事を簡単と考え,スキル過剰状態になっているかもしれない。また,異動や担当業務の変更,研修の受講などによってもその状態が変わるかもしれない。Z社固有の事情で言えば,前述の通り,近年の好調な業績による従業員数の増加,事業拡大にともなう新しい仕事の創出が起こっている。人事制度の改定にも熱心な企業であるが,スキル過剰者の拡大は,企業の拡大に適切な人材配置の対応が追いついていない結果とも考えられる。

次節では,スキル・ミスマッチしていることそれ自体が仕事満足にどのような影響を与えるのかを,同一個人の多時点の変化を捉えることができるパネルデータを分析することで考察していく。

5. 実証分析

  • (1)   分析方法

本節では,スキル・ミスマッチが仕事満足に与える影響について,パネルデータを用いた分析を行う。分析には,「従業員意見調査」のアンケート調査データと人事マイクロデータを従業員ID情報で結合した3年3期のパネルデータを用いる。分析の対象は正規従業員である。

パネルデータを用いることで,見せかけの相関を打ち消すことや横断面データでは対処の難しい観察困難な個体固有の効果を制御できるようになる。観察困難な個体差として挙げられるのは,個人の生来の能力や価値観である。例えば,本研究の分析の場合,推定の被説明変数は仕事満足であるが,説明変数として学歴や勤続年数,性別といった属性変数を使用するだけでは,決定要因を正しく計測できているのかという疑問が大きく残ってしまう。

そもそも,生来の能力が高い人は仕事ができる可能性が高く,その結果,仕事満足が高いかもしれない。また,仕事ができる人は,上司や部下との良好な関係を築き,会社の中でも重要な仕事を配分され,よりよい処遇を得ているかもしれない。その結果,会社へのコミットメントが高くなり,会社を成長させようとよりチャレンジングに仕事に取り組んでいくと考えられる。

パネルデータを用いることで,時間を通じて変化しない個人特有の効果を制御したかたちで分析が可能となる。そのため,スキル・ミスマッチそれ自体が仕事満足に与える純粋な効果を計測できるということになる。具体的には,最小二乗法,固定効果分析,変量効果分析を行った上で,個体固有の効果が存在するか,個体固有の効果はランダムか否かを検証する検定を行い,分析方法を選定した後に,結果を解釈する。

  • (2)   被説明変数と説明変数

以上の分析を行うために調査で得られたデータから次のように変数の作成を行った。被説明変数となる仕事満足については,「従業員意見調査」の4つの質問項目「仕事に対して面白さを感じる」「仕事を通じて自分が成長していることが実感できる」「私は,この会社で働くことに満足している」「現在担当する仕事を続ければ力がつく」の回答を主成分分析し6,その第1主成分より得られた推定値を使用する(表2)。

表2 主成分分析(仕事満足)

その他の被説明変数として会社コミットメントについても変数を作成した。会社コミットメントについては,同じく「従業員意見調査」の5つの質問項目「職場で必要とされている実感がある」「友達や親戚に当社への入社を勧めたい」「会社に行くことが楽しい」「この会社では,まじめに努力しつづければ報われるという実感がある」「社外の人に対して,『私はZ社の社員です』と自信を持って言える」の回答を7,主成分分析し,その第1主成分より得られた推定値を使用する(表3)。

表3 主成分分析(会社コミットメント)

説明変数については,スキル・ミスマッチ変数以外では,教育年数,女性ダミー,勤続年数,管理職ダミー,基本月給(千円),月当たり時間外労働時間,健康不安ダミー,職場要因(合成変数),上司要因(合成変数),他部門要因(合成変数),仕事の裁量ダミーを使用する。

これら説明変数の作成方法についても記しておこう。教育年数は,中学卒=9,職業訓練校卒=11,高校卒=12,専門学校・短大・高専卒=14,大学卒=16,大学院卒=18とした連続変数である。

健康不安ダミーは,「従業員意見調査」の質問項目「自分の健康状態が心配だ」について,「全くあてはまらない」「あまりあてはまらない」「どちらともいえない」にゼロを与え,「多少あてはまる」「非常にあてはまる」に1を与えたダミー変数である。

職場要因は,「従業員意見調査」の質問項目「日常的に,よくコミュニケーションが取れている職場である」「職場は,他部門と連携するため,情報発信や意見交換を積極的に行っている」「定期的に振りかえりをし,進歩している職場である」「職場では,メンバー同士で個人的に教えあうことが多い」「メンバー同士で快く支援協力が得られる職場である」の回答を主成分分析し8,その第1主成分より得られた推定値を使用する(表4)。

表4 主成分分析(職場要因)

また,上司要因は,「従業員意見調査」の質問項目「管理職には,尊敬できる人たちが多い」「上司は,日頃から仕事の進め方や能力をよく観察して,メンバーに適切でタイムリーなアドバイスを行っている」「仕事以外の問題や心配事に対して,上司はよく話をきいてくれる」「上司は,現場の意見を職場の年度目標に反映させる努力を行っている」「部下があげた案件について,上司は速やかに判断している」「職場で上司からの感謝の気持ちを感じることがある」の回答を主成分分析し,その第1主成分より得られた推定値を使用する(表5)。

表5 主成分分析(上司要因)

加えて,他部門要因は,「従業員意見調査」の質問項目「プライベートで気軽に話せる他部門の方が増えた」「仕事について相談できる他部門の方が増えた」「私の仕事を理解しようと働きかけてくる他部門・他職場の人が多い」「他部門・他職場の仕事を知る機会が増えた」「私は,他部門の人と話す機会に,それぞれの仕事内容について話題にしている」の回答を主成分分析し,その第1主成分より得られた推定値を使用する(表6)。

表6 主成分分析(他部門要因)

仕事の裁量ダミーは,「従業員意見調査」の質問項目「仕事上必要な情報を自由に手に入れることができる」について,「全くあてはまらない」「あまりあてはまらない」「どちらともいえない」にゼロを与え,「多少あてはまる」「非常にあてはまる」に1を与えたダミー変数である。

3年3期の各調査時点における変数の記述統計量は表7に示すとおりである。なお,分析対象は正規従業員であるが,調査期間中に発生する新卒採用や中途採用,退職,休職,質問への未回答などの理由により,パネルデータは全ての変数に欠損のないbalancedパネルデータではなく,unbalancedパネルデータを分析することになる。

表7 記述統計量

最後に,スキル・ミスマッチと仕事満足および会社コミットメントの関係を記述統計量で確認しておこう。表8は,スキル・ミスマッチの状態と前述の仕事満足に関わる4つの質問項目の回答(平均値)をまとめたものである。同じく,表9は,スキル・ミスマッチの状態と会社コミットメントに関わる5つの質問項目の回答(平均値)をまとめたものである。なお,数値の割り当てについては注6を参照されたい。

表8 スキル・ミスマッチと仕事満足の関係
表9 スキル・ミスマッチと会社コミットメントの関係

この2つの表を概観すると,スキル適当者に比べてスキル過剰者の数値が低いことがわかる。平均値の単純比較ではあるが,第3節で検討した分析仮説通りの結果,すなわち,スキル過剰者の仕事満足,会社コミットメントはスキル適当者よりも低いことがわかる。次項以下では,他の要因および個体効果を制御してもなお同様の結果が得られるかどうか,パネルデータを分析していく。

  • (3)   モデルの選択

先に示した被説明変数と説明変数を使用して,データをプールしての最小二乗法,固定効果モデル,変量効果モデルの推定を行った(表10)。なお,教育年数と女性ダミーは時間を通して変化しない属性であるため,固定効果モデルの推定では除外される。また,ここでは説明変数に勤続年数を用いている。年齢も使用可能であるが,勤続年数と年齢の時間の変化を通じた増分は完全に同じだと考えられるので,説明変数としてはどちらか一方を選択する必要がある。本研究では,保有するスキルと求められるスキルの差に関心があるので,年齢よりも企業内経験をあらわす勤続年数を用いることにした9

モデルの選択のために,まず,個人効果が存在するか否かを見極めるため,データをプールしての最小二乗法と固定効果モデルの比較を行う。F検定の結果,「個人効果がない」という帰無仮説が棄却されれば固定効果モデルを,棄却されなければ最小二乗法を選択することになるが,帰無仮説が棄却され固定効果モデルの採択が支持された。

表10 推定結果

次に,データをプールした最小二乗法と変量効果モデルを比較するために,ブラシュ・ペーガンLM検定(Breusch and Pagan Lagrangian multiplier test)を行う。データをプールした最小二乗法の誤差項がゼロであるという帰無仮説が棄却できるか否かの検定である。この場合,帰無仮説が棄却されることは,誤差項に個体の異質性が残っていること,すなわち,個人効果の存在が認められることを意味する。検定の結果,帰無仮説が棄却され,変量効果モデルの選択が支持された。

以上の2つの検定から固定効果モデルと変量効果モデルが採択されたわけであるが,最後に,個人効果がランダムか否かを見極めるため,固定効果モデルと変量効果モデルの比較を行う。ここでは,「個人効果と説明変数に相関はない」とする帰無仮説をハウスマン検定(Hausman specification test)を行うことよって判断する。変量効果モデルは個体効果と説明変数の相関を認めず,固定効果モデルはその相関を認める分析方法である。ハウスマン検定の結果,帰無仮説は棄却され,固定効果モデルの採択が支持された10。以下では,固定効果モデルの推定結果に従って,結果を確認していこう。

  • (4)   推定結果

仕事満足を決定する要因として,スキル過剰ダミー変数の係数の値は負で有意になっている。すなわち,スキル過剰者の仕事満足はスキル適当者より低いということがわかる。保有するスキルより低いスキルしか求められない仕事をしている者は,身につけたスキルを発揮する機会に恵まれず,その結果,労働意欲を失い,仕事満足も低くなっていくと推察される。係数の値も大きく,スキル過剰状態にあり続けることのマイナスは大きいといえるだろう(表10)。

また,スキル過剰であることは会社コミットメントをも低めている結果が表10で確認できる。仕事満足と同様に,保有するスキルより低いスキルしか求められない仕事をしている者は,身につけたスキルを発揮する機会に恵まれず,労働意欲を失う中で,会社コミットメントも低くなっていくといえるだろう。

一方,スキル過少ダミー変数は,スキル過剰ダミー変数と同様に負ではあるものの有意ではない。スキル過少者とスキル適当者の間には,仕事満足,会社コミットメントに差がないという結果となった。

その他,分析から明らかになったことは,仕事満足,会社コミットメントの決定要因として,職場要因,上司要因,他部門要因が正で有意な影響を与えていることである。当然ではあるが,職場環境がよく,上司の理解があり,他部門との連携がうまくいっているほうが,そうでない場合より仕事満足や会社コミットメントは高くなる。

6. おわりに

本研究で得られた知見をまとめると次のようになる。第1に,スキル過剰者はスキル適当者に比べて仕事満足および会社コミットメントが低いことが明らかになった。「保有するスキル」と「就いている仕事を遂行する際に求められるスキル」との関係において,前者が後者を上回る場合,生産性を十分に発揮できないことによる意欲の低下と不満の拡大が起こるものと推測される。このスキル過剰状態の拡大を放置することは,将来の職場の生産性にとって好ましくない結果を導くことが予想され,人的資源管理の実践の中で対策が求められることになる。

第2に,スキル過少者の仕事満足と会社コミットメントは,スキル適当者と差がないという結果であった。この点については留保が必要かもしれない。スキル過少の程度が大きくない場合は「成長の機会」となるが,スキル過少の程度が大きすぎる場合は,それはブラック企業的な働き方になっている可能性がある。換言すれば,スキル過少の程度がほどよく小さければ人的資本を蓄積する手段となるが,逆にそれが大きすぎれば人的資本を摩耗する結果につながる。本研究の分析結果は,適度なスキル過少の正の効果と過度なスキル過少の負の効果が打ち消しあった結果なのかもしれない。この点については,残された課題になるが,今後スキル過少の程度を捉えられる調査と分析が必要になるだろう11

本研究の主眼は,内部労働市場におけるジョブ・マッチングをスキルという物差しで測り,そのミスマッチが仕事満足に与える影響を解明することにあった。特に,保有する能力以下の仕事をするスキル過剰の意味を人的資源管理の問題としてどのように考えればいいのだろうか。

Drucker(1969)は,知識経済の進行によって生み出される知識労働者をいかに管理するかが重要になること,すなわち,知識労働者に知識職業(それに見合った職業)を与える必要性を述べている(訳書pp.368-369)。これは高学歴化の予想の中で,知識労働者に十分な仕事がないことへの警笛であった。しかし,本研究の分析結果は,高学歴な知識労働者でない一般労働者においても,スキルに見合った仕事の配分が人的資源管理にとって重要であることを示している。事実,本研究で使用したサンプルの平均教育年数は14.2年ほどであり(表7),全員が高学歴とは言えない。知識労働者がそのスキルに見合った仕事を遂行できないことの損失は大きいが,一般労働者においてもその損失は存在する。

日本企業の生産性の源泉がOJTによる技能蓄積と異動による効率的な仕事の配分にあったことを考えれば,今後の生産性上昇のためには,非効率的なスキル過剰状態の固定化を避けるための方策を考えていかなければならないだろう。

最後に残された課題を述べて結語にしたい。本研究は,1企業を対象とした研究であり,日本企業および日本社会における一般化には慎重でなければならない。外的妥当性の確保のために他企業や日本労働市場全体を対象とした大規模調査が望まれる。また,スキルとは何なのかという深い理論的な考察とより批判の少ないスキル・ミスマッチの計測方法の開発も求められる。今後も実証研究を続けていくことで,これらの課題の解決に取り組みたいと考えている。

【謝辞】

本稿の作成にあたり匿名の査読者および編集委員会から有益なコメントをいただきました。ここに記して感謝申し上げます。本研究はJSPS科研費16K03704の助成を受けたものです。

*1  また,ME化の進行の観点から日本の労働現場の熟練解体を論じたものとして田中(1984)がある。

*2  例えば,その証左として,EUの研究機関であるEuropean Centre for the Development of Vocational Training(欧州職業訓練開発センター:Cedefop)は,労働市場におけるスキル・ミスマッチに関して一連のレポートを公表している(Cedefop 2009, 2010a, 2010b, 2011, 2012)。研究の蓄積において大きな差がある。

*3  『日本労働研究雑誌』2017年7月号(No.684)において,「モチベーション研究の到達点」という特集が組まれ,数本の詳細なサーベイ論文が寄稿されているので参照されたい。

*4  以下の記述は安藤(2017)を参考にしているので,より詳しい説明はそちらを参照されたい。

*5  なお,本研究の想定とは異なり,仕事を生活のためだけの義務と捉え,最低限の金銭的報酬のみを求める職業観を持つ労働者にとっては,スキル過少は苦痛でしかなく,むしろ負担の少ないスキル過剰を望むとも考えられる。しかし,田靡(2017)がまとめているように,日本社会における仕事の価値は,「仲間との楽しさ」や「専門知識や特技」「能力の発揮」という内的価値への志向が強まっている。それ故に,この想定よりも本研究の想定のほうが現実的な妥当性があるといえるだろう。

*6  選択肢は5件法で質問されており,「全くあてはまらない」=1,「あまりあてはまらない」=2,「どちらともいえない」=3,「多少あてはまる」=4,「非常にあてはまる」=5となっている。

*7  上記注6に同じ。

*8  職場要因,上司要因,他部門要因とも選択肢は全て上記注6に同じ。

*9  勤続年数ではなく年齢を使用して分析を行っても以後の結果について結論の変化は起きない。

*10  モデル選択のための検定については,北村(2005)を参考にした。

*11  スキル過剰の程度についても整理しておく。小さなスキル過剰は仕事満足に対して小さな負の効果,大きなスキル過剰はそれに大きな負の効果を持つと考えられる。スキル過剰はスキル過少と違い程度によって効果の方向が変わることはないと予想される。

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