2017 Volume 12 Issue 2 Pages 239-249
【目的】外来がん患者が,日常生活で経験する食に関する苦悩および工夫の実態を明らかにする.【方法】外来通院中のがん患者で,研究の同意が得られた者に対し,食に関する苦悩および工夫について自記式質問紙調査を行い,質的分析を行った.【結果】食に関して苦悩があると回答した176名を分析対象とした.食に関する苦悩においては222コードが抽出され,[疾患および治療に伴う食に関する症状],[食事の準備に関する苦悩],[外食時の気がかり]など5カテゴリーに分類された.食に関する工夫においては224 コードが抽出され,[食べやすくするための食べ方の工夫],[食べられないときの気持ちのコントロール],[食事の準備に関する工夫]などの8カテゴリーに分類された.【結論】外来がん患者において,食に関連する症状に対するケアに加え食事の準備や外食時の気がかりに対するケアの重要性が示唆された.
「食べる」ことは人間にとって基本的ニードであり,栄養摂取の側面だけでなく,生きがい1)楽しみ,嗜好の充足など生活の豊かさを構成する重要な要素である2).しかし,がんに罹患し,治療を受けることで食事摂取が減少した患者は,体重減少,体力の低下,闘病意欲の減退をきたし,さらには生活の質の低下を生じることが報告されている3〜5).
がん対策基本法の改定に伴い,療養生活支援サポートの拡充の必要性が高まっている.生活指導やセルフケア支援の強化が求められており,なかでも,外来通院中のがん患者の生活を支えるうえで,食事に関するセルフケア支援やサポートは重要な課題のひとつである.がん患者の食事に関する研究においては,外来がん患者は,栄養学的リスク状態であり6),なかでも外来化学療法施行中のがん患者の約4割が,低栄養もしくは栄養学的リスク状態であること7)が報告されている.化学療法を受けるがん患者において,食欲不振や倦怠感,味覚,嗅覚変化,下痢,口内炎などが食事に影響していることが報告されており4,8〜10),また,食道がんや胃がんの術後患者においては,摂取可能量の減少や摂食時のつかえによる不快,消化液の逆流など11〜13),頭頸部に放射線治療を受けている患者においては,味覚障害,口腔内乾燥,口腔粘膜炎14,15)などが食事に影響を及ぼす症状として報告されている.このように,化学療法や放射線療法,手術療法における入院中の食に関する苦悩についての研究はなされているが,外来通院中のがん患者の食に関する苦悩や工夫に焦点をあてた研究は,わずかに散見するのみである.
そこで本研究は,外来がん患者における食に関する苦悩および工夫の実態を明らかにし,外来がん患者の食に関する看護ケアの示唆を得ることを目的とする.
本研究は,質的帰納的研究であり,アンケートから得られたデータを収集し,内容分析を行った.
対象2011年5月(1日間)に,がん専門病院(1施設)の外来を受診した患者全員(1192名)に質問紙を配布し,質問紙に回答した患者695名(回収率58.3%)のうち,食事に関する苦悩について回答し,20歳未満の対象を除いた176名(25.3%)を本研究の分析対象とした.
調査方法および内容調査方法は無記名の自記式質問紙調査法とし,質問紙の内容は基本的属性(性別,年齢,主たる診断名,診断からの期間),現在経験している食事に関する苦悩および工夫についての項目で構成されている.
【用語の操作的定義】
食に関する苦悩:外来がん患者が食において知覚している身体・心理・社会的苦痛および対応に関する苦悩,困っていること.
食に関する工夫:外来がん患者が食に関することで良い方法や手段を見つけ出すこと.
分析方法基本的属性,症状の有無においては単純集計を行い,食に関する苦悩および工夫については自由記載とし,記載された内容は内容分析法16)を参考に,下記の方法手順に従い質的に分析した.
自由記載された内容を熟読し,食に関する苦悩および工夫に関する部分を意味内容が損なわれないよう抽出し,コード化した.次に,コードの意味内容の類似したものと相違を検討し,類似したコードを集約し,サブカテゴリーとした.さらにサブカテゴリーを同様な方法で抽象度を上げ集約し,カテゴリーとした.なお,分析の過程において,2名の研究者間で分析内容の一致性を確認し,質的研究に精通した研究者および臨床に精通しているがん看護専門看護師のスーパーバイズを受け,信頼性の確保に努めた.
倫理的配慮研究倫理審査委員会の承認を得て,対象者に対し研究の趣旨,研究への参加は自由意思であること,協力を拒否しても不利益は受けないこと,匿名性,個人情報の保護について文書で説明し,質問紙回収箱への投函をもって調査協力の同意とした.
対象者は男性92名(52.3%),女性84名(47.7%)であり,年代は60歳代が64名(36.4%)と最も多く,次いで50歳代41名(23.3%),70歳代36名(20.5%)の順となっており,60歳以上が約6割を占めていた.原疾患(複数回答)は,胃がんが40名(22.7%)と最も多く,次いで乳がん26名(14.8%),食道がん20名(11.4%)の順となっており,消化器がんに罹患している患者が約半数を占めていた.診断からの期間は,半年~1年未満が38名(21.6%)と最も多く,次いで半年以内32名(18.2%)であり,診断からの期間が1年未満の者が約4割を占めていた.治療方法(複数回答)は,手術療法が120名(68.2%)と最も多く,次いで化学療法113名(64.2%),放射線療法72名(40.9%)であった(表1).手術療法を受けた者のうち,化学療法もしくは放射線療法を併用している患者は78名(65.0%)であった.
外来がん患者の食に関する苦悩176名による食に関する苦悩についての自由記載の結果,222コードが抽出され,31サブカテゴリー,5カテゴリーに分類された.以下カテゴリーは[ ],サブカテゴリーは〈 〉,コードは「 」で表記した(表2).
1)[疾患および治療に伴う食に関する症状]
これは,疾患および治療に伴う食の苦悩に関する症状を示しており,13サブカテゴリーで構成されていた.食の苦悩に関する症状として13症状が抽出され,〈食欲不振〉や〈味覚変化〉,〈嗅覚変化〉,〈嘔気〉,〈口腔内症状〉,〈腹部症状〉,〈便秘〉,〈下痢〉,〈ダンピング症候群〉,〈疼痛〉,〈発熱〉,〈しびれ〉があり,疾患や治療に伴う症状により食事が食べにくい,または,おいしく食べられない状況を示していた.また,「プロゲステロンの内服で食欲があり,肥った」などの〈ホルモン治療に伴う過食〉があり,ホルモン治療に伴う過食は,食に関する症状のなかでも食事摂取低下に関する苦悩とは異なる唯一の症状であった.
2)[疾患および治療に伴う摂食機能・食行動の変化]
これは,疾患および治療に伴う有害事象によって生じている,摂食機能や食行動の変化を示しており,9サブカテゴリーで構成されていた.〈食嗜好の変化〉や,〈嚥下困難〉,〈硬いものの咀嚼困難〉,「口内炎があるため,熱いものやスパイシーなものは食べなくなった」などの〈味や温度による刺激が強いものの摂取困難〉,〈食事摂取量の減少〉,「舌半分を切除したため舌を思うように動かせず食事に時間がかかる」などの〈食事時間の遅延〉が挙げられた.胃や食道,口腔内の手術に関連した後遺症や放射線治療や化学療法に関連する粘膜炎などの有害事象に伴い,口腔期から食道期にかけての摂食機能に変化を生じ,食事摂取困難を経験していた.さらに,食事摂取量の減少を経験した者は,〈食事摂取量・体重減少に伴う体力・気力の減退〉を感じている者もいた.その他に,消化器官の機能障害とは別に,「右手が不自由なため食事中にこぼす」などの〈上肢の障害に伴う摂取困難〉を経験している者もいた.
3)[疾患および治療に関する食事制限]
これは,抗がん剤などの治療に伴い,免疫力の低下や薬剤に関連して食事制限が生じ,食べたいものが食べられないという状況を示していた.「グレープフルーツを含む食材や飲み物が摂れない」などの〈治療に関する食事制限〉,「糖尿病のため甘いものは食べないでいる」などの〈疾患に関する食事制限〉,「白血球が低いため,刺し身などの生ものが食べられない」などの〈白血球減少に関する食事制限〉の3サブカテゴリーで構成されていた.
4)[食事の準備に関する困難]
これは,「疲れやだるさで買い物や調理をするのに苦労する」などの〈疲労・倦怠感による食事の準備困難〉,「食べて良い物が少ないため料理が大変」などの〈食事制限に合わせた食事の準備困難〉,「味覚がわからないため,うまく味付けができない」などの〈味覚変化による味付けの困難〉があり,症状を抱えながら食事の準備をする困難を示しており,3サブカテゴリーで構成されていた.
5)[外食時の気がかり]
これは,症状や食事制限に関する外食時の不安や困難を示しており,〈外食時の症状に関する不安〉や,「外食時,生ものが入っていないか不安」などの〈外食時の食事内容に対する気がかり〉,〈外食時にインスリンを打つ場所がない〉の3サブカテゴリ―で構成されていた.
外来がん患者が行っている食に関する工夫外来がん患者が行っている食事に関する工夫についての自由記載の結果,224 コードが抽出され,43サブカテゴリー,8 カテゴリーが抽出された(表3).
1)[食べやすい,食べたい食事の選択]
これは,食べやすい,食べられそうな食事の内容について示されており,〈のどごしが良いものを食べる〉,〈果物が食べやすい〉,〈好きなもの,食べたいものを食べる〉などの9サブカテゴリーで構成されていた.
2)[からだに負担がかかる飲食の回避]
これは,症状や食事制限に伴い意識的に摂取を控えている食事の内容について示されており,〈消化に負担がかかる油っこいものを避ける〉や「塩分の摂取を控えている」などの〈特定の食材の摂取を控えている〉などの5サブカテゴリーで構成されていた.
3)[食べやすくなるための食べ方の工夫]
これは,症状や摂食機能の変化に対し,食べやすくなるための食べ方の工夫ついて示されており,「よく噛んで食べる」,「ゆっくり時間をかけて食べる」,「1日の食事回数を増やす」などの〈食事の量,時間,回数を調整する〉,「冷ましてから食べる」,「おかずはあんかけにしてとろみをつけると食べやすい」などの〈食べやすくなるよう食事の温度,形態を調整する〉などの4サブカテゴリーで構成されていた.
4)[栄養のバランスがとれた,体に良いものを積極的に摂る心がけ]
これは,健康維持に対する意識や抗がん作用,免疫力,体力を高めることを意識した食事に対する心がけについて示されており,〈野菜や果物などの食物繊維を多く含む食品を食べるようにしている〉や「がんにはきのこ類が良いと言われ毎日食べている」などの〈抗がん作用があると言われている食材を食べるようにしている〉,〈栄養のバランスを考え食べる〉などの5サブカテゴリーで構成されていた.
5)[食べられないときの気持ちのコントロール]
これは,疾患や治療に伴い,食事が食べられないときの対処行動について示されており,〈食べられそうなものをいろいろ試してみる〉,「気分転換になるので外食するようにしている」などの〈食べられないことを考えすぎないよう気分転換を図る〉,〈食べられない時は無理して食べようとせず,食べられるのを待つ〉,〈体のために無理してでも少しでも食べる〉などの6サブカテゴリーで構成されていた.
6)[食を促進させる生活習慣]
これは,健康維持を意識し,より食事摂取を促すために行っている生活習慣上の工夫について示されており,〈間食を控え,時間通りに食べる〉や〈外食を控え,自分で作った食事を食べる〉,「おいしく食べるために運動をする」などの〈おいしく食べるために運動と休息のバランスを図る〉,「便秘をすると食事が食べられなくなるので,定期的に下剤を飲んでいる」などの〈定期的に下剤を飲む〉などの5サブカテゴリーで構成されていた.
7)[食事の準備に関する工夫]
これは,疾患や治療に伴う症状を軽減するための調理方法や配膳方法について示されており,〈味覚変化があるため,家族と味付けを調整する〉や「すぐに食べられる調理済の冷凍食品を多く買い置きしている」などの〈調理の負担を軽減するために,調理済みの冷凍やレトルト,缶詰食品などを活用する〉,〈においがあるものは部屋の外に置くようにする〉などの4サブカテゴリーで構成されていた.
8)[外食時の工夫]
これは,外食時に生じる症状の軽減および予防のために,気を付けていることについて示されており,〈痛み止めを飲んでから外食する〉,〈外食時トイレの場所を確認し,下着を準備しておく〉,〈外食時,店員に食事に何が入っているか確認する〉などの5サブカテゴリーで構成されていた.
1)外来がん患者の食に関する苦悩と基本的属性との関係
本調査におけるがん患者において,食の苦悩を訴えた者は,手術療法を受けた患者が最も多くいたが,そのうち約6割は化学療法もしくは放射線療法を併用しており,記述されている苦悩の内容の多くは,化学療法に関連する内容であった.また,がんと診断されてからの期間が3~5年,5年以上の者のコードの内容においては慢性的な症状に伴う苦悩というより,術後再発に伴う化学療法に関連するコードが主であり,化学療法は外来がん患者の食の苦悩に関与していた.また,食の苦悩のコードのうち,診断されてから1年未満の者のコードが約4割を占めており,診断されてから1年未満の患者においては,治療後早期,外来治療中の患者が多く,外来がん患者の食において,診断後1年未満もしくは外来治療中の患者のフォローが重要である.
2)外来がん患者の食に関する苦悩の特性
外来がん患者が体験する食の苦悩に関する内容において,最もコード数が多かったのは,[疾患および治療に伴う症状]であった.食に関連する症状として食欲不振をはじめとする13症状が挙げられており,これら症状に伴い[疾患および治療に伴う摂食機能・食行動の変化]を生じ食事摂取の困難を経験していた.この結果は,外来化学療法や放射線療法,食道がんや胃がん術後患者の食事に関する先行研究7〜15)と一致しており,本研究はこれらの結果を支持していると考える.また,外来がん患者は治療や疾患に伴う食事制限により,薬剤との組み合わせが合わない食事や免疫力の低下のため生ものが食べられないなど,食材選択に制限がかかることで食の苦悩を感じていた.入院患者において化学療法中に食べたいと思う食品があるのに,食事制限が強いられている食べられない現状17)が報告されているように,外来がん患者においても同様であった.このように「疾患および治療に関連する症状」,「摂食機能・食行動の変化」,「疾患・治療に伴う食事制限」は,入院患者だけでなく外来患者にも共通した食の苦悩であると考える.
一方,[食事の準備に関する苦悩],[外食時の気がかり]は退院後に経験する苦悩であり,外来がん患者が抱える食の苦悩の特性である.外来がん患者のなかには,化学療法や放射線療法に伴う倦怠感や,手術療法後の体力や筋力の低下を実感し,食事の準備に困難を抱えていた.また,[外食時の気がかり]として,「トイレが近いため心配」などの症状に対する不安を挙げており,頻回な下痢がもたらす外出制限の報告5)と一致している.しかし,「食事の準備に関する苦悩」や「外食の気がかり」に関する先行研究は少なく,その対処法においても,食べ方や食材選択に関する報告が主である4,18,19).「食事の準備に関する苦悩」や「外食時の気がかり」は,コードの内容をみても疾患・治療に伴う症状や摂食機能・食行動の変化,食事制限と密接に関係しており,これら要因を踏まえたうえで,さらに療養環境および外食状況に即した,食事の準備や外食時のセルフケア方法についての研究が必要である.
外来がん患者の食に関する工夫治療・疾患に伴う症状,摂食機能・食行動の変化,食事制限に関連する食の苦悩に対し,外来がん患者は,[食べたいもの・食べやすいものを選ぶ]や[食べやすくなる食べ方の工夫],[からだに負担のかかる飲食の回避]することで,自分にあった食材を選択し,食事摂取を促しており,これまでの報告4,20〜22)と同様の傾向がみられた.
一方,これらの工夫を行っても食欲がなく,食事が食べられないとき,患者は「何も食べたくない」という思いと「体のために食べなくてはいけない」という思いを抱えており,これらの思いが葛藤している.「食べられるまで待って我慢する」や「無理してでも食べる」,「食事のことを考えすぎないように気晴らしをする」ことで食べられない現状に対し,気持ちをコントロールしていた.患者の背景によって食に対する思いは異なるため,食べられないことに苦悩を抱える患者がどのような思いで食に向き合っているかを傾聴し,患者の思いに寄り添った,ケアを提供することが重要である.
[食事の準備に関する苦悩]に対し,調理済みの食品や冷凍・レトルト食品を代用するなどの工夫が行われており,身体的疲労の軽減を図っていた.また,味覚変化や嗅覚変化が生じた患者は,自分で味付けができないなどの,調理時の困難を訴えており,「味付けを家族に確認してもらう」や「家族と本人の食事を別々で用意する」などの対処を行っていた.食事の準備に関する苦悩においては,家族の協力が必要となることが多く,家族の協力を得られるよう支援することや,負担が軽減できる便利な食品などの活用の情報提供していく必要がある.
[外食時の気がかり]として,「トイレが近いため心配である」などの症状に対する不安が挙げられていたが,下痢が頻回な患者の気がかりであり,これに対し,「外食時にトイレの場所を確認する」や「下着を持ち歩く」などの工夫を行うことで対処していた.患者が外食時の苦悩を思い,外食を制限してしまうことがないよう,患者が安心して外食できるよう工夫方法を提示していく必要がある.
外来がん患者の食に対する意識食に関する苦悩では抽出されなかったが,工夫の内容に抽出されたものとして[栄養のバランスがとれた,体に良いものを積極的に摂る心がけ]がある.臨床において,がんに対してどのようなものを食べたら良いかなどの質問は少なくなく,抗がん作用を見込める食や日常生活における食についての関心は高い23).患者が体のために良い食を探求することは良いが,誤った情報の認識により,偏った食事になり栄養バランスを崩していないかを確認する必要がある.必要であれば,外来でも栄養士と相談できるよう看護師が連携を図ることが重要である.
研究の限界
今回の研究は1施設のみの調査であるため,今回の結果を外来がん患者の食の苦悩として一般化することはできない.また,単回の質問紙調査による質的分析であるため,食の苦悩と疾患や治療,罹病期間などとの関係を詳細に明らかにすることはできなかった.今後,食の苦悩に関する詳細なインタビュー調査を行い,また,食事の準備や外食時の苦悩においては,患者だけでなく,家族も困難を感じていることが想定されるため,家族も含めた食の苦悩の背景を明らかにすることで,より具体的な生活上の食に関する工夫方法を提示していくことができると考える.
今回の研究で,外来がん患者の食に関する苦悩や工夫についての特性が明らかとなった.なかでも,外来患者の食の苦悩の特性として「食事の準備に関する苦悩」,「外食時の気がかり」が抽出された.しかし,これら苦悩に対する外来におけるサポートは,まだ十分とは言い難い.実際,外来で患者のケアを行ううえでも見落とされやすく,また患者も訴えにくい内容であるため,今回の調査結果は,外来患者の食に関するアセスメントおよび情報提供の貴重な臨床的基礎資料になり得ると考える.疾患・治療に伴う症状や摂食機能・食行動の変化,食事制限に対するケアに加え,さらに患者の療養環境および外食状況に即した,食に関する工夫方法を情報提供の必要性が示唆された.