Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
Original Research
Relation between Anxiety and Depression and Personal Attributes or Difficulties in Daily Life in Patients after Total Laryngectomy
Noriko TeruyaYoko SunagawaTakehiko ToyosatoHaru IhaMasayoshi ChinenYasutaka KimuraTakao Yokota
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2018 Volume 13 Issue 1 Pages 49-56

Details
Abstract

本研究は,喉頭摘出者の不安・抑うつ傾向と個人属性および日常生活における困難感との関連性を検討することを目的とした. A県患者会に所属する135名を対象に無記名の質問紙調査を行った.調査内容は基本属性,日常生活における困難感,不安・うつ尺度(NAS-J-L 6項目)である.有効回答が得られた43名を対象として重回帰分析を行った結果,年齢(β=-0.369,p=0.004),外出・趣味に関する困難感(β=0.419,p=0.002)は不安・うつ尺度得点と有意な関連性が認められ,若年,中年者および外出・趣味に困難を有する者では不安・抑うつ傾向が高いことが明らかとなった.看護者はこれらの対象者に対し,より注意深く心理状況や生活環境のアセスメントを行い,継続的な心理社会的支援を行う必要性が示唆された.

緒言

喉頭摘出術を受けた者(以下,喉摘者)は永久気管孔の造設により,音声言語機能の喪失,摂食・嚥下機能や味覚・嗅覚機能の低下および痰の喀出困難,怒責ができないことによる排便への影響,外観の変化によるボディイメージ変容など,日常生活にさまざまな問題が生じる.術後,患者はこれらの問題に対応するために,永久気管孔の管理や呼吸,食事摂取,排泄に関するセルフケアの習得に加え,言語に代わる新たなコミュニケーション手段の獲得など,術前とはまったく異なる生活への適応に向けた取り組みが求められる.なかでも,失声はコミュニケーション障害をもたらし,他者との関係性喪失やアイデンティティ喪失につながりかねない出来事であり,心理的負担が最も大きい17).それゆえ,喉摘者では不安や抑うつ,引きこもり,心的外傷後ストレス障害を有する者が多く36),Quality of Life(以下,QOL)にも影響を及ぼすことが報告されている6,7)

これまで,喉摘者の不安・抑うつには,術後経過年数8)やソーシャルサポート9),自尊感情10,11),性機能障害11,12),嚥下障害13)との関連性が報告されている.また,酒井14)は喉摘者の抑うつに関与する因子として,「精神的に不安定」「家に閉じこもりがち」「日常生活に不満がある」ことを挙げており,術後生じる生活上の困難が心理面に影響を及ぼしていることが推測されるが,不安・抑うつに影響を及ぼす具体的な生活上の困難に焦点を当て検討した研究は見当たらない.一方で,喉摘者の不安・抑うつ状態,QOLの改善には,心理社会的支援や嚥下訓練,代用音声獲得など機能回復を図る介入が有効とされている5,6,9,15).しかしながら,罹患年齢と重なる高齢者においては,代用音声獲得自体の困難性の問題16,17)や術後1年以上経過しても情動面や社会的統合に支障をきたしている者もみられる7,18)ことから,患者の年齢やサポート状況などが心理社会面に影響していることが考えられる.そこで,本研究は喉摘者における不安・抑うつ傾向と個人属性および喉摘後に生じる呼吸,食事,排泄,コミュニケーションや社会参加における困難感との関連を明らかにすることで,喉摘者の不安・抑うつを予防するための生活上の困難への看護援助について検討することを目的とした.

方法

調査方法

日本喉摘者団体連合会支部であるA県友声会(以下,患者会)の代表者より調査協力の承諾を得たうえで,患者会に所属する会員135名を対象に,郵送法による無記名式質問紙調査を実施した.調査は,2010年8月から9月にかけて行い,対象者個人へ,調査依頼文書および調査票を郵送にて配布した.なお,調査票の記載にあたって対象者本人による記入が難しい場合には,家族による代理記入を依頼した.その結果,135名のうち調査可能であった者は宛先不明者9名,死亡者9名を除く117名で,57名(回収率48.7%)より回答があり,そのうち有効回答の得られた43名(有効回答率36.8%)を分析対象とした.

調査内容

1.対象者の属性

性別,年齢,同居家族,趣味および職業の有無,疾患名,手術時年齢,術後年数,主なコミュニケーション手段について設問した.

2.日常生活における困難感(以下,生活困難感)

設問は,先行研究19,20)を参考に作成した.22項目からなり,各項目について「手術前と比べ困っていると感じているか」を尋ね,「1:全くそうでない」「2:少しそうである」「3:だいぶそうである」「4:とてもそうである」の1~4点を配点し,得点が高いほど困難感も高いことを示している.これら生活困難感を示す内容について,妥当性,信頼性を検証することを目的として,主因子法,プロマックス回転による探索的因子分析を行った.その際,各因子ともに因子負荷量0.4未満の項目を削除し,再度因子分析を行い,最終因子を確定した.因子確定後,Cronbachのα係数を算出し内的整合性を確認した.

3.不安・抑うつ傾向の測定

測定は,NAS-J-L(Nottingham Adjustment Scale Japanese Version-Laryngectomy)尺度を使用した.本尺度は,喉摘者の心理的適応を評価する尺度として信頼性と妥当性が検証され,「失声に対する障害の受容」「失声障害者への態度」「自己効力感」「自尊感情」「ローカスオブコントロール」「不安・うつ」の6下位尺度26質問項目から構成されている20).6下位尺度のうち,本研究では不安・抑うつに焦点を当てたため不安・うつ尺度を使用した.不安・うつ尺度は,「最近,元気がなく落ち込んでいると感じていますか」「最近,いつも緊張していると感じていますか」など6項目の質問から構成され,「最近」とはここ数週間のことを尋ねるものである.各項目に対し,「1:全くそうでない」「2:少しそうである」「3:だいぶそうである」「4:とてもそうである」の1~4点を配点し,得点が高いほど不安・抑うつ傾向も強く,得点範囲は4~24点である.本尺度使用に際してはNAS-Jの著作権を有する鈴鴨21)の許諾を得た.また,分析にあたっては不安・うつ尺度のCronbach α係数の算出,因子抽出(最尤法)を行い,内的整合性および因子構造を確認した.

4.これまでの闘病における心の支え(自由回答)

闘病中の心理的支えについて具体的に把握することを目的として,「病気や手術,リハビリテーションを乗り越えるにあたって,心の支えになったこと」を尋ね,自由記載による回答を求めた.

分析方法

はじめに,対象の属性,生活困難感,不安・うつ尺度の得点の記述統計を算出した.年齢,術後年数,生活困難感,不安・うつ尺度得点についてはKolmogorov-Smirnov検定を行い,正規性を確認した.対象者の不安・抑うつ傾向と個人属性,生活困難感との関連性を検討するために,性別,同居家族,職業,趣味,コミュニケーション手段(食道発声法使用の有無)における2群間の不安・うつ尺度平均得点の比較にはt検定を行い,年齢,術後年数,生活困難感との相関はPearsonの積率相関係数を求めた.次に,不安・うつ尺度得点を従属変数とし,不安・抑うつ傾向と関連のみられた(t検定,単変量解析の結果p<0.05)変数を独立変数とした重回帰分析(強制投入法)を行った.有意水準は5%未満とし,統計解析にはSPSS for Windows ver. 20.0Jを使用した.

「これまでの闘病における心の支え」に関する自由記載については,内容分析法22)を用い質的に分析した.回答者の記述から「心の支え」に関する意味内容を表す記録単位(単語,単文)を抽出し,その回答者数も把握した.抽出された記録単位の意味内容の類似性に従い集約,分類し,その内容を考慮してカテゴリー化を行った.分析の過程で研究者間の一致をもって信頼性の確保を行った.

倫理的配慮

対象者が所属する患者会の代表者に対し,調査の趣旨,目的,方法および倫理的配慮(無記名で行い,調査結果は数値化するため個人の匿名性は保持されること,調査協力は任意であり拒否できること,プライバシーを遵守すること,調査票の返送をもって調査協力の同意を得たとすること)を記載した依頼文書および調査票について口頭による説明と調査への協力依頼を行った.調査協力に承諾を得たうえで患者会名簿を借用し,対象者個人へ調査の趣旨,目的,方法,倫理的配慮に関する説明文書と調査票を郵送にて配布した.患者会名簿の使用にあたっては調査者が厳重に管理し,使用後は代表者へ返却した.なお,本調査は,琉球大学疫学研究倫理審査委員会の承認(承認番号 67)を得て実施した.

結果

対象者の属性および各群における不安・うつ尺度の平均得点(表1

対象者は41名(95.3%)が男性であった.平均年齢は67.5±10.6歳で,25名(58.1%)が65歳以上であった.手術時の平均年齢は61.2±9.8歳,術後平均年数は6.3±6.5年で,術後2年以内の者が19名(44.1%)であった.家族との同居の有無では36名(83.7%)が同居していた.職業(休職中含む)では約8割が無職で,趣味を有する者は半数を占めていた.コミュニケーション手段として,食道発声を使用している者は11名(25.6%),使用していない者は32名(74.4%)で,その内訳は筆談が15名(34.9%)と最も多く,次いで,電気喉頭10名(23.3%),電気喉頭+筆談5名(11.6%)などであった.

対象全体の不安・うつ尺度の平均得点は9.5±3.5点であった.属性の各群別に示した平均得点は表1の通り,2群間で有意差はみられなかった.なお,不安・うつ尺度得点の分析にあたっては,最尤法による因子抽出を行い,1因子構造であることを確認し,Cronbach のα係数も0.83と高い内的整合性を有していた.

表1 対象者の属性および不安・うつ尺度の平均得点(n=43)

生活困難感に関する探索的因子分析結果(表2

生活困難感22項目について,主因子法・プロマックス回転による探索的因子分析を行った.その結果,因子負荷量が0.4未満であった「口から息を吹きかけられないことで熱いものが食べにくい」「痰が出しにくいことがある」「風邪をひきやすい」の3項目を削除し,最終的に19項目について因子分析を行った結果, 5因子が抽出され,累積寄与率は77.7%であった.第1因子は「コミュニケーションが難しいので,外出がおっくうである」「永久気管孔をつくる前に比べ,趣味などを行う楽しみがなくなった」などの項目から構成され,『外出・趣味に関する困難感』と命名し,第2因子は「便通が悪くなったことで腹部膨満感をよく感じる」「永久気管孔をつくる前に比べ,便秘することが多い」などから構成され,『排便に関する困難感』と命名した.第3因子は「食事の楽しみが減ってしまった」「一度にたくさん食べられず,食事に時間がかかってしまう」などから『食事摂取に関する困難感』と命名し,第4因子は「入浴,シャワー時,気管孔から水が入り,苦しくなることがある」「血痰が出ることがある」などから『永久気管孔による日常生活への影響』と命名した.第5因子は「家族に自分の伝えたいことを伝えることが難しいと感じる」「電話に出るのが難しいと感じる」などから構成され,『コミュニケーションに関する困難感』と命名した.これら5因子のCronbachのα係数は0.79~0.90の範囲を示していた.

各質問項目で「だいぶそうである」,または「とてもそうである」と回答した割合が最も高かった項目は,「電話に出るのが難しい」が34名(79.0%)で,次いで「他人に自分の伝えたいことを伝えるのが難しい」27名(62.8%),「家族に自分の伝えたいことを伝えることが難しい」20名(46.5%),「趣味を行うことが難しい」16名(37.2%),「外出が少なく家で過ごすことが多い」15名(34.9%)などが上位を占めていた.一方で割合が低かった項目は,「血痰が出ることがある」2名(4.6%),「息が苦しくなることがある」6名(14.0%),「便秘することが多い」7名(16.3%)などであった.

表2 日常生活における困難感に関する因子分析結果

不安・うつ尺度得点と個人属性および生活困難感との相関関係(表3

不安・うつ尺度得点と有意な相関が認められた項目は,年齢(r=−0.446, p=0.003),排便に関する困難感(r=0.332, p=0.030),外出・趣味に関する困難感(r=0.540, p<0.001)であった.

表3 不安・うつと個人属性,日常生活における困難感との相関関係

不安・うつ尺度得点に関する重回帰分析結果(表4

不安・うつ尺度得点を従属変数とし,先の結果で関連を認めた年齢,排便に関する困難感,外出・趣味に関する困難感を独立変数とした重回帰分析を行った. VIF (variance inflation factors)値は1.030~1.142を示し,多重共線性がないことを確認した.その結果,最終的に有意な関連性を認めたのは,年齢(β=−0.369, p=0.004),外出・趣味に関する困難感(β=0.419, p=0.002)で,調整済み決定係数は0.411(p<0.001)であった.

表4 不安・うつ尺度得点に関する重回帰分析結果

これまでの闘病における心の支え(表5

これまでの闘病における心の支えについて,32名の回答より抽出された71の記録単位が10カテゴリーに分類された.最も多かった回答が「家族の支え」で,次いで「趣味・楽しみに関すること」「仕事に関すること」「医療者の励まし」などであった.

表5 これまでの闘病における心の支え(N=32,複数回答)

考察

対象者の特徴および不安・抑うつ傾向について

対象者の平均年齢は67.5±10.6歳で,男性が9割を占めていたが,これは喉頭がん,下咽頭がんの好発年齢である60~70歳代23)や男性が9割を占めるという先行研究2,4,8,9,11,19,20)と一致する結果であった.主なコミュニケーション手段では,筆談や電気喉頭を用いる者が7割以上を占め,食道発声法の使用率は,先行研究2428)の37.0~74.1%に比べ25.6%と低くなっていた.今回,日常生活において困難を感じていると回答した者の割合が高かった項目をみると,先行研究6,17,20 24)と同様,コミュニケーションや趣味,外出に伴う困難が上位を占めていたが,このようなコミュニケーション手段が困難感に影響していることが推察された.また,食道発声法の使用率が低かった背景として,今回の対象者では術後2年以内の者が4割以上を占めていたことや食道発声法の獲得が困難とされている高齢者16,17,25)の割合が高かったことが影響を及ぼしているものと考える.

NAS-J-Lの不安・うつ尺度を用いて白川8)が喉摘者368名を対象に調査した結果では,各質問項目の平均得点が1.31~1.59点であったが,今回の平均得点は1.40~1.70点を示し,全項目において得点が高くなっていた.このことから,今回の対象者における不安・抑うつ傾向は比較的高いことが示唆された.

不安・抑うつ傾向に対する関連要因の検討

今回,対象者の不安・抑うつ傾向と個人属性および生活困難感との関連性について検討した結果,加齢は不安・抑うつ傾向の低減に関連し,外出・趣味に関する困難感は不安・抑うつ傾向を高くすることが明らかとなった.

これまで,一般集団を対象とした不安・抑うつ傾向と年齢との関連性について検討した先行研究では,加齢に伴い抑うつ症状が増加することが報告されている2931).がん患者を対象とした知見では,加齢とともに抑うつ症状が減少するという報告3235)や加齢とともに不安や悩みは減少するものの抑うつ症状は増加していたとの報告36)があり,対象やがんの種別,病期によって年齢と不安・抑うつとの関連性は異なることが推察され,統一した見解はみられない.先行研究3234)によると,加齢に伴う不安・抑うつの低減の要因として,ソーシャルサポートやコーピングスタイルが関連していることが報告されている.辻ら37)は,喉摘者39名へのインタビュー調査の結果,失声により1度は人生に落胆しパワーレス状態に陥りながらも周囲の人々の支援を受けることで自己の価値を再確認し,ライフスタイルの再編成に取り組んでいたことを述べている.間瀬ら38)も“職場復帰”や“自身の声の再獲得”に向け食道発声法を獲得すべく,“物事の肯定的思考”や“家族のサポート”によって精神的安定の保持,自分らしい生活の継続に努める喉摘者の自己決定行動を報告している.今回の結果からも家族や友人,同病者によるインフォーマルサポート,仕事や趣味に励み,食道発声の習得を目指すなどポジティブなコーピングスタイル,肯定的思考が喉頭摘出後の生活の再構築に重要な役割を果たしていることがうかがえた.その反面,独居や家族によるサポートが得られない状況にある者では,自己肯定感や自己受容の低下37,38),代用音声獲得に対する動機づけの欠如16,17)に陥りやすく,不安・抑うつ傾向のリスクが高くなることが考えられる.このことから,とくに退院後は,このような対象に対して,抑うつや引きこもりなど地域社会から離脱37,38)した状況にないか,社会参加を促進できるような心理状態,生活環境にあるのかについて継続的なアセスメントや心理社会的支援が必要と考える.また,対象者が喉頭摘出術を受けた年齢の平均は61.2±9.8歳であり,この年代は心身機能の低下や老いの自覚,定年退職に伴う社会的役割や経済力の低下,子供の独立,配偶者や友人の死などさまざまな喪失体験に関わるライフイベントが重なる時期でもある.老年期は自身の生涯を振り返り,自分なりの存在価値を見出す「統合」と自己の人生を悔いて絶望感に陥る「絶望」という心理社会的危機に陥ることが指摘されており39),このような年代にある者が,疾患の発症,治療に伴って声をも失うことの心理的ダメージは計り知れない8).一方で,今回の結果から,若年および中年世代においては不安・抑うつ傾向に陥るリスクが高くなることが推測された.失声による障害は離職や自主退職などの失職を招き2,17),働き盛りにある時期に声を失うことは社会的役割の縮小,喪失という社会統合に影響を及ぼすことから不安・抑うつを助長することが容易に考えられる.言語機能の喪失は,他者との関係性のなかで生きていく人間の存在としての根幹を揺るがす深刻な危機的状況と言える10,40).看護者は,対象者の発達段階を踏まえたうえで心理状況をアセスメントし,人生の危機を乗り切ることができるよう診断時から退院後の生活に至るまで継続的支援を提供する体制が求められる.また,喉摘者の最も身近な支援者となる配偶者や近親者へのサポートの重要性も指摘されている41,42)ことから,看護者は,配偶者や支援者となる家族の心理社会的状況にも目を向け,患者・家族ともに退院後の生活へ適応できるよう支援していくことが重要である.

本研究は,A県内の喉摘者患者会に所属する135名のうち調査協力が得られた43名という限られた対象の横断的な調査結果であるため,一般化には限界がある.今回,日常生活における困難感に焦点を当て,不安・抑うつとの関連性について検討したが,困難感を測定する尺度の妥当性については,さらなる検証が必要と考える.今後は対象数を増やし,縦断的な調査や不安・抑うつに影響すると考えられる性格傾向についても精査した検討を行い,その詳細を明らかにすることで,喉摘者へのより具体的な看護支援の検討ができるものと考える.

結論

今回,喉摘者の不安・抑うつ傾向と個人属性および生活困難感との関連性を検討した結果,加齢は不安・抑うつ傾向の低減に関連し,外出・趣味に関する困難感は不安・抑うつ傾向を増長することが明らかとなった.このことから,看護者は,不安・抑うつ傾向リスクの高いことが推測される若年,中年世代にある者に対しては,より注意,関心を向け心理状況のアセスメントおよび心理社会的支援を提供する重要性が示唆された.退院後は,とくに外出・趣味など社会参加に関連した困難感についても把握し,代用音声の獲得に向けた支援もさることながら,社会参加が促進されるような心理状態や生活環境に着目した継続的支援の提供が重要であると考える.

謝辞

本調査にご協力くださいました友声会会長ならびに会員の皆様に深甚なる謝意を表します.

利益相反

著者の申告すべき利益相反なし

著者貢献

照屋は研究の構想およびデザイン,データ収集,分析,データ解釈,原稿の起草,および原稿の知的内容に関わる批判的な推敲に貢献;砂川は研究の構想およびデザイン,データ収集,分析,データ解釈,原稿の知的内容に関わる批判的な推敲に貢献;豊里,伊波,知念,木村,與古田は研究データの解釈,原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献した.すべての著者は投稿論文ならびに出版原稿の最終承認,および研究の説明責任に同意した.

References
 
© 2018 by Japanese Society for Palliative Medicine
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