Abstract
【目的】ナラティブレビューにより心不全患者のfatigue(倦怠感)に関する研究の現状と課題を明らかにする.【方法】 2018年3月までに発表された医学中央雑誌Web版,PubMed,CINAHL,PsycINFOから119文献を抽出した.【結果】対象は和文献2件,英文献117件であった.心不全患者のfatigueの疾患特異的な定義は存在しなかった.Fatigueの有症率は50〜94%であり,fatigueを測定する尺度,Quality of Lifeなどの下位尺度を用いて評価がされていた.関連要因には心不全の重症度,低い運動耐容能,抑うつ症状,高齢,女性などが挙げられた.Fatigueの重症度は生命予後へ影響することが報告されていた.【結論】Fatigueの疾患特異的な定義と評価方法が欠如しており,今後は心不全患者のfatigueを適切に評価する方法を確立することが求められる.
緒言
近年,治療の進歩に伴い,循環器疾患患者の予後の改善が認められている.一方,加齢性疾患でもありあらゆる循環器疾患の終末像でもある心不全患者は増加の一途をたどっている.日本の循環器診療の全国調査であるThe Japanese Registry of All cardiac and vascular Disease(J ROAD)によると,心不全入院患者数は,2014年が22万9,417人,2015年が23万8,840人,2016年が24万7,996人,2017年が26万157人と着実に増加していることが報告されている1).心不全とは,「心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果,呼吸困難,倦怠感や浮腫が出現し,それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群」と定義されており2),心不全患者は多様な症状とともに生活をし,これらによって心不全患者のQuality of Life(QOL)は著しく低下する3).終末期心不全患者の症状に関するシステマティックレビューの結果では,心不全患者は,呼吸困難感72%(範囲; 18〜88%),倦怠感69%(42〜82%),疼痛41%(20〜78%),浮腫39%(33〜44%)など多様な症状に伴う苦痛を体験していることが示されている4).中でも,倦怠感は呼吸困難に次いで頻度の高い症状であるにもかかわらず,心不全患者の多くが対処困難な症状として捉え,医療者に対して症状を報告することは少なく,また,医療者側からも過少評価されがちな症状であり,適切な評価と対処がされていないといった現状がある.心不全における倦怠感の病態生理学的要因の一つとして,低心拍出症候群が挙げられる.低心拍出症候群は,心臓からの拍出量低下による各臓器への還流低下が起こり,その症状の一つに全身倦怠感が含まれる5).また,低心拍出以外に倦怠感をきたす原因として,抑うつ,甲状腺機能低下症,貧血,利尿薬過量投与,電解質異常,睡眠時無呼吸,潜在性感染症などがあり2),さらに,倦怠感の有症率は,心不全の重症度と比例して上昇することが先行研究により示されている6).加えて,心不全患者における倦怠感の存在は,QOLの低下7),心血管関連による再入院と死亡率の増加との関連が示されている8).そのため,心不全患者の倦怠感を適切に評価し,倦怠感の重症度に関連する要因を明らかにしていくことが重要である.しかし,心不全における倦怠感に関するレビュー論文は存在せず,一貫したコンセンサスが得られていないのが現状である.
そこで,本総説では,心不全患者の倦怠感に関する原著論文のナラティブレビューを行い,心不全患者の倦怠感に関する研究の現状と課題を検討することを目的とした.
倦怠感の用語の定義
倦怠感は英語でfatigueと訳され,最も一般的に使用されている用語である.Fatigueは労作に関連しないものとして定義され,労作に伴う一時的な疲労はtirednessとして,用語の定義が区別されている9).しかしながら,患者が用いる表現では,「だるい」「身の置きどころがない」といった倦怠感を示唆する表現から,「疲れた」「へとへとだ」など疲労を示唆する表現が混在しており,患者の実体験としては,倦怠感と疲労の双方がオーバーラップしており,倦怠感を有する患者の多くは疲労を体験している可能性が高い.Fatigueの用語の概念分析を行ったReamらは,fatigueを「個々の通常の能力を機能させる能力を妨げ,頑固で全体的な状態を作り出す,疲労から消耗までを含めた身体全体の主観的で不快な症状」と定義し,fatigueには「身体・精神・認知」の3つの側面があることを明らかにしている9).さらに,身体的fatigueとは,易疲労性,活動力の低下を意味し,精神的fatigueとは,意欲・気分・活気の低下を意味し,認知的fatigueとは,思考・集中力の低下を意味する9).このように,fatigueは多面的な側面をもち,倦怠感から疲労まで幅広い意味を含む用語として使用されているが,日本語でfatigueに該当する用語は見当たらない.そのため,本総説では,分析対象となる文献の多くが海外文献であることから,日本語で倦怠感と疲労を区別して記述するのではなく,fatigueという用語を用いて記述していくこととする.
方法
分析対象文献の抽出
本ナラティブレビューの分析対象とする文献の適格基準は,心不全患者のfatigueに関する原著論文であり,言語は英語および日本語,対象は成人とした.2018年3月までに発表された文献を対象に,2018年4月に検索を行った.国内文献は,医学中央雑誌Web版を用いて,“心不全” AND “倦怠感/疲労 or 易疲労”をキーワードとして検索した.fatigueの英語での表記は,The Cochrane Libraryで慢性疾患のfatigueに関するレビュー論文のAppendixを分析したところ,“fatigue”, “tiredness”, “exhaustion”, “lack of energy”が検出されたため,この4つの用語をfatigueの同義語とした10〜12).海外文献は,PubMed, PsycINFOおよびCINAHLを用いて,“heart failure or ventricular dysfunction” AND “fatigue or tiredness or exhaustion or lack of energy” をキーワードとして検索した.その結果,国内文献は552件,海外文献は3,035件が該当した.そのうち,特定の薬物の治療効果を検証した文献,介入研究の結果としてfatigueが評価されている文献は,関連要因に対するバイアスが生じるため除外した.また,運動生理学の限界点としてのfatigueの評価を検討した文献は,心不全患者が日常的に体験しているfatigueとは異なるため除外した.図1に示す文献抽出の過程に沿って,タイトルレビュー,抄録レビューを行い,315件の本文レビュー対象文献が抽出された.最終的に,1)入院中または在宅療養中の心不全患者を対象としているもの,2)評価指標を使用してfatigueを評価しているもの,3)心不全患者のfatigueの体験を検討しているもの,4)心不全患者のfatigueの関連要因を検討しているもの,5)心不全患者のfatigueが予後に及ぼす影響を検討しているもの,以上の5つの採択基準を満たす,国内文献2件,海外文献117件,計119件を分析対象とした.分析対象文献の抽出におけるプロセスでは,心不全医療・看護に精通した看護師である2人の研究者が独立してレビューを行い,討議のうえ,最終的な分析対象文献を抽出した.

図1
文献抽出の過程
対象論文の分析方法
心不全患者のfatigueは明確な定義がされておらず,有症率も評価方法によってばらつきがある.また,fatigueは主観的な症状であるため,有症率のみでは患者が体験しているfatigueの特徴を明らかにするには限界がある.さらに,fatigueを悪化,または改善させる要因は多岐にわたることが示されているが,fatigueの重症度が入院および死亡を含む予後への影響を検討した論文は多くない.そのため,心不全患者のfatigueに関する研究の現状と課題を検討するため,以下の6つの視点で分析した.まず,心不全患者におけるfatigueが,どのように定義されているかを明らかにするために,1)引用されているfatigueの定義について分析した.また,心不全患者のfatigueの特徴を明らかにするために,2)心不全患者のfatigueの評価指標を尺度別に分析し,次に,評価指標別に,3)心不全患者のfatigueの有症率を入院患者,外来患者で分析した.さらに,質的研究の内容をもとに,4)心不全患者が体験しているfatigueを分析した.加えて,心不全患者のfatigueに影響を与える要因を明らかにするために,5)臨床的要因,身体機能的要因,症状要因,心理・精神的要因,社会人口統計学的要因の視点で分析した.最後に,fatigueの再入院,死亡への関与を明らかにするために,6)fatigueが再入院率と死亡率へ及ぼす影響の視点で分析を行った.
結果
対象論文の研究デザインは,横断観察研究62件,縦断観察研究25件,後ろ向き研究10件,無作為化比較対照試験(Randomized Controlled Trial: RCT)の二次解析8件,質的研究9件,尺度開発5件であった.研究対象は,外来心不全患者を対象としている研究が最も多く85件,入院患者を対象としている研究は25件,外来患者と入院患者が混在している研究が7件,外来患者と入院患者を比較した研究が1件であった.発行年を10年ごとに見ると,1990年以前は2件,1990~1999年は9件,2000~2009年は59件,2010~2018年は49件であり,2000年以降に文献数は増加していた.
心不全患者におけるfatigueの定義
分析対象文献で,fatigueの定義が記述されていた文献は23件であった.分析対象文献で用いられているfatigueの用語の定義を表1に示した.fatigueの定義で最も多く使用されていたのは,北米看護診断North American Nursing Diagnosis Association(NANDA)13)が10件であり,次いでがん患者を対象に開発されたPiperの定義14)が6件,一般人を対象に開発されたAaronsonの定義15)が2件,fatigueの概念分析であるReamの定義9)が2件,心筋梗塞患者を対象に開発されたAppelsの定義16)が2件,看護の中範囲理論であるLevineの定義17)が1件であったが,心不全のfatigueを特異的に定義したものはなかった.しかし,1993年に発表された38名の入院中の心不全患者を対象にfatigueの体験を明らかにすることを目的としたSchaeferらの研究では,「うっ血性心不全関連のfatigueとは,圧倒的な疲労と機能的能力の妨害による持続する問題であり,疲労と消耗,身体と精神の両方の構成要素を含み,ストレスや身体的活動,疾患の結果によって出現する」と特徴づけているが,定義するには至っていなかった18).
表1
先行研究におけるfatigueの定義
心不全患者におけるfatigueの測定方法
Fatigueを測定するために利用されていた尺度は28種類であった.分析対象文献で使用されている尺度の詳細を表2に示す.分析対象文献の41件が,fatigueそのものを評価する尺度を使用していたが,その一方で,54件の文献が,QOL,心不全症状,症状全般,症状の知覚,主観的健康状態,心理的状態,抑うつ症状を評価する尺度の下位概念を用いて評価していた.
分析対象文献から抽出された28種類の尺度のうち,信頼性と妥当性が検証され,かつ,心不全患者での信頼性と妥当性が検証された尺度は,8種類であった.また,fatigueそのものを評価する尺度は13種類であり,さらに,これらは,多次元で構成された10種類の尺度と,単次元で構成された3種類の尺度に分類された.以下,使用されていた代表的な尺度の特徴を述べる.
Fatigueそのものを評価する尺度では,多次元で構成された,Multidimensional Fatigue Inventory(MFI)が7件の文献で使用されていたが,心不全患者における信頼性と妥当性は検証されていない19).この尺度は,20項目,5つの下位概念である「全般的疲労感,身体的疲労感,精神的疲労感,活動性の低下,意欲の低下」で構成され,「全くそう思わない」から「全くその通りだ」の5段階で評価する19).また,Multi-Dimensional Assessment of Fatigue Scale(MAF)も7件の文献で使用されていたが,本尺度も心不全患者における信頼性と妥当性は検証されていなかった20).本尺度は,16項目,4つの下位概念である「重症度,苦痛,日常生活への支障,時期」で構成され,0から100のVisual Analog Scale(VAS)で評価し,点数が高いほど症状が強いことを示す20).その一方で,単次元で構成された尺度では,Dutch Exertion Fatigue Scale(DEFS)が6つの文献で使用されていた.本尺度は,9項目からなり,労作時のfatigueを「いいえ」から「はい」の4段階で評価する21).本尺度は,心不全患者を対象に開発された尺度であり,信頼性と妥当性が検証されている21).
尺度の中のいくつかの項目を用いてfatigueを評価している論文もあり,QOLを評価する尺度では,心不全特異的なQOL尺度であるMinnesota Living with Heart Failure Questionnaire(MLHFQ)は17件の文献で使用されていた.この尺度は,心不全患者のQOLを心不全症状によってどの程度生活に支障があったかを評価する22).本尺度におけるfatigueを問う質問は,「疲れや倦怠感があり,活力が低下した」である22).
表2
心不全患者のfatigueの評価に用いられた尺度
心不全患者におけるfatigueの有症率
心不全患者におけるfatigueの有症率を検討した文献は24件であり,fatigueの有症率は,使用する尺度とその解析方法により異なっているが,概ね,入院患者,外来患者ともに半数以上でfatigueが認められた.評価方法別によるfatigueの頻度と特徴を表3に示し,以下に主要な尺度によるfatigueの有症率の特徴を述べる.
Memorial Symptom Assessment Scale(MSAS)は,症状の有無を「はい」または「いいえ」で回答し,有症率を算出しているが23),本尺度を使用した文献では53.0%から89.9%と,文献間において有症率に差を認めた.
Minnesota Living with Heart Failure Questionnaire(MLHFQ)は,症状に伴う生活への指標を0 (支障はない)〜5 (とても支障がある)で評価をするが22),Austinらの文献では,4〜5点の点数を有症率として算出しているのに対し24),Kraaiらの文献では,1〜5点の点数を有症率として算出しており25),有症率に評価方法のばらつきが反映されている.
以上のように,fatigueを有症率として算出する一方,fatigueそのものを評価する尺度のうち,多次元で構成された尺度では,下位概念ごとに点数を算出している.Multidimensional Fatigue Inventory(MFI)を使用した7件の文献における心不全患者のfatigueの傾向として,精神的疲労感と意欲の低下よりも,身体的疲労感と全般的疲労感において高い点数を認めている26〜32).また,Tang Fatigue Rating Scale(TFRS)の尺度を用いた文献においても33),精神的fatigueよりも身体的fatigueで高い点数を認めている.その一方で,Fatigue Impact Scale(FIS)を用いた文献では,認知的fatigueと身体的fatigueよりも,精神的fatigueで高い点数を認めている34).
分析対象文献のうち,New York Heart Association(NYHA)心機能分類別にfatigueを算出した文献は1件であった.Albertらは276名の心不全で入院中の患者に,入院前7日間で体験した症状を独自で開発したチェックリストを用いて調査を行っている.Fatigueの有症率は,NYHA Iでは9.3%,NYHA IIでは14.3%,NYHA IIIでは53.5%,NYHA IVでは85.4%であった6).
表3
心不全患者におけるfatigue の有症割合
心不全患者のfatigueの体験
心不全患者のfatigueの特徴を明らかにすることを目的とした量的研究が多数を占める一方で,質的研究によって,心不全患者のfatigueの実態を明らかにする文献も存在した.分析対象となった質的研究文献9件のうち,質的研究の結果のみの文献が6件35〜40),量的研究を補う意味での質的データの収集を行った文献が3件18,41,42)であった.質的研究の手法として,グラウンデッドセオリー法が2件36,38),現象学的手法が1件40),内容分析が6件18,35,37,39,41,42)であった.また,fatigueのみでなく症状を全体として捉え,その中にfatigueが含まれている論文が2件であった40,42).質的研究の内容は,心不全患者が体験しているfatigueとfatigueの成り行き,fatigueに対する患者独自の対処方法を分析している.心不全患者が体験しているfatigueは,身体的または精神的無力感の意味を含む活力の欠如(lack of energy)40),身体全体を妨げる圧倒的で未知な体験37),予測しない症状36,37),孤立の症状39)であることが報告されている.また,Falkらは,身体的fatigueを「力とエネルギーの欠如と眠気の感覚」,精神的fatigueを「士気喪失,知性の欠如」と,fatigueの多面的側面の様相を明らかにしている36).次に,fatigueの成り行きは,日常生活と社会的活動の制限40),他者への依存の増加37,41),自信の喪失36)をもたらすことが報告されている.さらに,2007年にはFalkらによって,これらの現象はfatigueによる一方通行の現象ではなく,「fatigueとは,fatigueの成り行きがfatigueを誇張させる循環プロセスである」ことを報告している36).患者のfatigueへの対処の内容は,休息をとる18,36),身体的精神的活動を行う36),fatigueによる影響を最小限にし,エネルギーを保持するために効率的に行動する39),といった内容が報告されている.
心不全患者のfatigueに関連する要因
Fatigueの重症度に関連する要因を検討した文献は61件であった.これらの対象文献が明らかにした関連要因の内容を表4に示す.Fatigueを悪化させる関連要因は,臨床的要因では,NYHA心機能分類である心不全の重症度の高さが多くの研究で報告されていた.また,心不全との関連がある心筋梗塞,高血圧,心房細動だけでなく,脳血管疾患,糖尿病,腎機能障害,認知機能障害,といった併存疾患との関連も多数の報告がされていた.身体機能的要因では,運動耐容能の低下が多く報告されていた.症状要因では,症状に伴う苦痛が高いこと,呼吸困難をはじめとするさまざまな症状の存在が多く報告されていた.次に,心理・精神的要因では,抑うつ症状が多くの研究で関連性が報告されていた.加えて,社会人口統計学的要因では,高齢者と女性,低い教育歴が報告されていた.対して,fatigueを改善させる関連要因として,両心室ペースメーカーの利用や高い血清ナトリウム値,高いヘモグロビン値,高い身体的機能,高い活動コーピングやストレス対処能力などが挙げられた.このように,多くの要因が挙げられている一方で,β遮断薬の内服があることがfatigueの悪化,改善の双方に関連している,高齢,若年の双方がfatigueの悪化に関連しているといった結果もみられた.また,年齢や性別6,7,43),婚姻歴28),身体的機能34),睡眠呼吸障害44)と関連しないという研究の報告も存在している.
表4
心不全患者におけるfatigueの関連要因
心不全患者のfatigueが再入院率と死亡率に及ぼす影響
Fatigueとアウトカムとの関連に関する対象論文は5件であった8,45〜48).Smithらは,外来通院中の心不全患者380名を対象に,fatigueをDEFSとFASの尺度を用いて評価し,1年後の死亡率との関連を検討しており,DEFSで評価された労作性fatigueが,全死亡率の独立した予測因子(Hazard Ratio(HR)=1.04, 95% Confidence Interval(CI)1.01-1.06)であるが,FASで評価された全般性fatigueと死亡率との関連はみられなかったことを報告している47).また,Pascualらは,外来通院中の心不全患者497名を対象に,exhaustionをCentre for Epidemiologic Studies Depression(CES-D)の尺度を用いて評価し,1年後の生命予後との関連を検討しexhaustionが全死亡率の独立した予測因子(HR=1.83, 95%CI 1.21-2.77)であるが,再入院との関連はみられなかったことを報告している46).その一方で,Volzらは,外来通院中の111名の心不全患者を対象にexhaustionをMastricht Questionnaire(MQ)の尺度を用いて評価し,平均2.8年の生命予後との関連を検討しており,exhaustionが死亡率,再入院率ともに有意な関連がなかったことを報告している45).
考察
心不全患者のfatigueに関するナラティブレビューの結果から,fatigueが多面的側面を持ち,患者の生活に影響を及ぼしていることが明らかとなった.また,心不全患者のfatigueは,概ね高い有症率であることが明らかとなった.さらに,fatigueが複合的な要因の影響を受け,心不全患者の再入院や死亡へ影響していることが明らかとなり,心不全患者のfatigueの介入支援の確立のためには,fatigueの関連要因の多面的探索が必要であると考える.
心不全患者におけるfatigueの定義
分析対象文献において,さまざまな対象で開発された定義が引用されていたが,共通点は,fatigueが身体全体を取り込み,身体的精神的側面を持つ主観的症状であるという特徴を有すること,と考えられる.
定義の文中にある身体全体という用語は,fatigueを特異的に評価する尺度では,全般的という下位概念として反映されていると考えられる.この全般的という用語についてReamらは,解剖学的構造に制限された感覚ではなく,fatigueの感覚に取り込まれた人間に言及しており9),これらのことから,fatigueが患者にとって捉えがたく,また,表現が困難な症状であることがわかる.
分析対象文献のうち,最も多くの引用がされていたfatigueの定義はNANDA であった.NANDAとは北米看護診断協会が出版している看護診断の定義と分類で,看護介入の選択根拠になるものである49).NANDAは1992年の初版から日本を含む多くの諸外国の臨床の場で使用されているため,分析対象文献において最も多くの引用がされていたと考えられる.また,心不全特異的なfatigueの定義は見当たらなかったが,1993年に発表されたSchaeferらの質的研究では,うっ血性心不全関連のfatigueを特徴づけていた18).しかし,この文献では,対象者を入院中の心不全患者としているため治療や入院環境の影響を強く受けている可能性があり,在宅療養中の患者を含む心不全患者全般を反映するには十分ではなく,心不全関連のfatigueの定義にはさらなる研究の洗練が必要である.
心不全患者のfatigueの評価方法
本レビューの結果,fatigueそのものを評価する尺度を使用した文献よりも,さまざまな尺度の下位概念を使用して評価を行った文献のほうが多くを占めており,fatigueが多様な症状やQOL,抑うつの症状の一部として捉えられていることがうかがえた.また,fatigueそのものを評価する尺度のうち,心不全患者を対象に開発され,かつ信頼性と妥当性が検証された尺度はDEFSのみであり,心不全患者のfatigueを明確に評価ができる統一した評価方法が確立されていないことが明らかとなった.また,分析対象文献で使用されていた尺度すべてが海外で作成された尺度であり,言語の定義,症状の感じ方や表現方法には文化的および社会的背景の影響を受けることを考慮すると,日本人が体験するfatigueとは異なる可能性がある.したがって,わが国における心不全患者のfatigueを適切に評価できる尺度の開発が求められる.
心不全患者におけるfatigueの有症率
本レビューにおける心不全患者のfatigueの有症率は,外来患者,入院患者においては50〜94%であったが,研究ごとに対象患者の背景,評価方法やその分析方法が異なることから,各研究間の比較と解釈は困難である.しかし,がん患者を対象とした先行研究での有症率75%や50),COPDを対象とした先行研究の有症率42〜96%と比較すると4),本レビューにおける心不全患者のfatigueの有症率は,がん患者や他の慢性疾患と同等であり,緩和ケアを必要とする重要な症状の一つであることが示唆された.また,がん患者を対象にした症状に関する大規模調査では,fatigue/tirednessの有症率を,診断早期では59〜69%51),終末期では60〜80%52)と,その病期やがんの疾患によっても有症率が異なっていることが示されている.心不全においても,薬物治療からデバイスなどの非薬物治療など幅広い治療が適応となるだけでなく,増悪と寛解を繰り返すといった特徴を有するため,fatigueを評価する際には,各個人の病期や治療の影響を考慮しつつ,維持的に評価しながら症状の特徴を明らかにしていくことが必要である.
心不全患者のfatigueの体験
本レビューの結果から,心不全患者が体験しているfatigueは,患者によって表現が多様であり,多面的側面が存在するといった特徴を有していた.また,fatigueがfatigueとその成り行きによる循環プロセスを形成しているといった特徴を有することから,fatigueを評価する際には,症状の存在だけではなく,症状によってもたらされる成り行きも含めた評価が必要であることが明らかとなった.さらに,心不全患者がこの循環プロセスから抜け出せるための支援の重要性が示唆された.
心不全患者のfatigueの重症度に関連する要因
本レビューの結果から,心不全のfatigueには複合的な要因が相互に関連している可能性が考えられる.NYHA心機能分類による心不全の重症度の評価では,その重症度の高さとfatigueの関連は多くの文献で示されており,fatigueを適切に評価することの重要性が示唆された.加えて,併存疾患や,貧血,β遮断薬やループ利尿薬,脂質異常症改善薬,ジキタリス製剤の内服との関連性も示されていたことから,心不全以外の疾病やそれに伴う治療の評価をしていくことが重要と考える.さらに,このような臨床的要因だけでなく,運動耐容能の低さや身体機能の低下との関連も多く報告されていた.先行研究において運動療法によるfatigueの改善が報告されており53),fatigueの評価において運動耐容能や身体機能を評価していくことは重要であるといえる.また,fatigueは,呼吸困難や疼痛など,多様な症状との関連も多く報告されており,fatigueは単独の症状として出現するのではなく,心不全症状および心不全症状以外の症状とも相互に関連し合い,出現している可能性が示唆された.したがって,症状のアセスメントを行う際には,個々の症状のみならず症状を全体として評価したうえで,症状によって患者が感じている苦痛,日常生活への支障を合わせて評価していくことが重要である.心理・精神的要因では,抑うつ症状が心不全の重症度と並んで多く報告されていたが,抑うつ症状には,fatigue/lack of energyが含まれているため,fatigueを評価する際には,抑うつによる影響を考慮していくことが重要である.さらに,社会人口統計学的要因として,女性が関連要因として多く報告されていた.先行研究では,心不全患者において,女性は男性よりもQOLが低いとの報告があるが54),心不全症状に関する性差については,先行研究が少なく,さらなる研究が求められる.
心不全患者のfatigueの重症度が再入院率と死亡率へ及ぼす影響
本レビューの結果より,fatigueが心不全患者の予後に影響を及ぼす可能性が示唆された一方で,fatigueが予後に影響しないという報告もあり,統一した見解は得られなかった.また,fatigueが心不全患者の生命予後へ及ぼす影響を検討した文献件数は今回の分析対象期間中6件で,すべて2009年以降の報告であり,この分野に関する知見は十分とはいえない.しかし,再入院率や死亡率に影響を及ぼす心不全重症度や併存疾患,抑うつなどの変数で調整後も,fatigueが心不全患者の生命予後に影響を及ぼす結果が報告されていることは8,39,46〜48),fatigueが心不全の治療やケアにおいて重要な症状であることを示唆している.今後,心不全患者のfatigueの評価方法を確立しつつ,fatigueとの関連を検討する研究の蓄積が求められる.
研究の限界
本総説は,心不全患者のfatigueに関する研究の現状と課題を,ナラティブレビューの手法を用いて明らかにした.対象文献の質は十分に評価できていない.また,fatigueの関連要因の検討では,メタアナリシスを行っておらず,関連要因の影響力の検討には至っていない.心不全患者のfatigueに対する効果的な介入方法を構築するためには,今後,介入研究を含めた分析が求められる.
結論
心不全患者のfatigueに関する原著論文をナラティブレビューした結果,以下のことが明らかとなった.(1)心不全患者におけるfatigueの定義は存在せず,産褥期,慢性疾患全般,心筋梗塞を対象に開発された定義が使用されていた.(2)心不全患者におけるfatigueの評価方法は,fatigueそのものを評価する尺度が13種類存在し,そのうち心不全患者での信頼性妥当性が検証されている尺度はDEFSの1種類であった.(3)心不全患者のfatigueの有症率は入院患者,外来患者ともに5割以上であったが,評価方法によって有症率に差がみられていた.(4)心不全患者のfatigueに関する質的研究では,fatigueには多面的で複合的な要因が関連しており,患者によって多様な表現がされ,その成り行きとして,日常生活への影響,他者への依存の増加などをもたらし,fatigueがfatigueとその成り行きによる循環プロセスを形成していることが明らかとなった.(5)心不全患者のfatigueの重症度に関連する要因は,臨床的要因,身体機能的要因,症状要因,精神的要因,社会人口統計学的要因が複合的に相互に関連していることが明らかとなった.(6)心不全のfatigueがアウトカムに及ぼす影響は,死亡率への影響が示唆されたが,評価方法によって結果に差を認めた.以上の結果から,心不全患者のfatigueは多面的側面を有し,各々の側面に複合的な要因が関連している可能性が明らかとなり,また,再入院や死亡を含む予後に影響を及ぼす可能性が示唆された.しかし,心不全のfatigueを特異的に定義したうえで,fatigueの多面性を評価する方法は確立されていなかった.このため,医療者と患者の間に症状の捉え方のずれを生じさせ,適切なタイミングでの評価と介入が十分にされていない要因となっていると考えられる.Fatigueという主観的症状を医療者が適切に捉えるためには,心不全患者のfatigueを疾患特異的に定義し,また,評価する方法を確立することが求められる.
謝辞
本研究にご協力いただきました皆様に感謝申し上げます.
著者貢献
石田,眞茅は研究の構想およびデザイン,研究データの収集,分析,原稿の起草,原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推敲までのプロセス全体に貢献した.すべての著者は投稿論文ならびに出版原稿の最終承認,および研究の説明責任に同意した.
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