2019 Volume 14 Issue 2 Pages 79-88
【目的】患者会やピアサポートの活動を継続している長期がんサバイバーは,ピアサポート活動を続ける意味をどのように捉えているかを明らかにする.【方法】研究参加者は診断後10年以上のがんサバイバーでピアサポート活動に参加している18名である.半構造化面接を用いて療養経過,患者会等に参加した契機,活動経過と内容,継続する理由等を尋ねた.分析は,質的帰納的に分析した.【結果】サポート活動を長期に継続する意味として,〔長期生存者・証言者としての使命〕〔がん体験者の思いを共有する重要性の確信〕〔出会った人が元気になっていくことが生きがいやライフワークになる〕〔医療者とのつながりの継続〕〔ピアサポートと「がん相談」の違いの認識〕〔今後の活動への模索〕が見出された.【結論】長期サバイバーが捉えている使命感や生きがい,医療者との繋がりや政策提言を志向していることを尊重した連携が必要である.
2007年にがん対策基本法が施行されて10年以上が経過した.社会全体の高齢化が進み,年間約86万人もの人々が新たにがんの診断を受けている1).一方,75歳未満のがん死亡率は,早期発見,治療,侵襲の少ない治療法や新薬の開発,喫煙や職業病等の予防により,低下傾向にあり,国民の半数はがんサバイバーとして地域で生活している.
がんサバイバーの課題として,1)心理社会的問題,2)疫学的な予防と放射線療法や小児がん患者の晩期障害の問題,3)疾患および治療に伴う機能障害や後遺症のケアの問題の3点にまとめられる2).またノルウェーの回顧的コホート研究3)によると,全がん患者の体調不良(sick)が消失するのは,75%は治療後1年,23%は4年後であった.そしてその体調不良の予測因子は,直腸がん,乳がん,悪性リンパ腫,子どものいる独身者,教育レベルの低さ,診断前からの体調不良であった.また,2005年の国内の7885人のがん患者調査4)では,治療期間の長期化,生活費の問題,職場での偏見5~7)から,就労支援も社会的に重要な課題とされている.がん登録などの基礎データづくりは,がん対策基本法の施行後より始まったばかりであり,10年以上の長期的視点からがんサバイバーの実態,当事者間支援の現状や治療期に受けた心理社会的ケアの影響を明らかにした研究はみられない.
2.がんサバイバーが担うピアサポート活動における課題一方で,がん対策推進基本計画に沿って,地域でのがん診療連携拠点病院を中核にしたがん相談支援センターと緩和ケアセンターの設置,相談支援にあたるピアサポートの取り組みが進んでいる.がん診療連携拠点病院や都道府県の健康医療行政窓口と連携するがん患者会,がん患者支援団体など,がんサバイバーがピアサポートをえる機会が306件(2006年)から1195件(2013年)へ3.9倍に増加した8,9)との報告もある.
また,これまで専門職によるがん患者へのグループ支援の効果は国内外で示されてきた.初期にはSpiegelら10)がIII,IV期乳がん患者への支持感情表出グループ療法で生存期間が延長したことを示した.その後の無作為抽出対照研究で,全体では生存期間の延長は示されなかったが,新たなうつ病予防,絶望感・無力感と心的外傷症状の軽減,社会的機能の向上11,12),参加者の満足度,士気やその他のQOLの利益が報告された13,14).国内でも多くのグループ支援が試みられ,グループ参加前後,短期でのQOL向上,うつ症状や不安の軽減に効果が示されている15~23).近年のピアサポート事業では,がんサバイバーが研修を受けて支援に携わっているが,サバイバーは自身の治療や仕事など社会生活も別にもち,維持継続が困難な状況も抱えている24).今後,全国でピアサポートを必要とする人々がケアを受けられるよう,活動の維持・質の向上,発展を目指すためには,医療者等専門職者との協働も必要である.実際に,患者会の約6割は病院内で活動していた24).さらに患者会の72.2%に10年以上のがんサバイバーが参加あるいは運営に関与し24),患者会は長期サバイバーの居場所であり,実質的にピアサポートを担っていると考えられる.しかし,10年以上の長期サバイバーが自身の病気や社会生活をどのように営みながらピアサポート活動に関わっているのか,彼らの経験とその意味は明らかではない.
そこで,本研究は,患者会やピアサポート活動を継続している長期がんサバイバーが,彼ら自身の人生経験の中でのピアサポート活動とその意味を,どのように捉えているのかを明らかにすることを目的とする.本研究の結果によって,ピアサポートに携わるがんサバイバーへの支援のあり方,さらには活動の維持・向上,医療者等専門職者との協働を検討をする一助となると考える.
2014年にがん患者サロン,ピアサポート事業等のピアサポート授受の機会に関与している,全国のがん患者会およびがん患者支援団体422団体に,闘病10年以上のサバイバーを対象とした本研究の概要と参加者募集を送付した.422団体のうち,10年以上のサバイバーの関与があると回答したのは304団体(72.2%)であり,そのうち18団体(5.9%)の24名より協力意思の返答があった.さらにそのうち研究期間中に日程調整がついた18名を本研究参加者とした.
2.面接方法2015年12月~2016年8月に,研究者所属施設の面談室または,研究参加者の活動場所を訪問し,個別に半構造化面接を行った.面接時間は平均65.4分(レンジ55~82分)であり,面接は許可を得て録音した.
3.調査内容1)属性に関する自己記入式フェイスシートへの記入を依頼し,面談の最初に確認した.項目は,がんの診断時期,部位,病期,受けた治療,現在の状態,経験しているピアサポートの形態および内容である.
2)フェイスシートを確認しながら,①病気・療養の経過,②診断の受け止め,初期に患者会やピアサポートの機会に関与した際のきっかけや動機,③その後の活動,④現在の活動内容と意味づけ,を質問した.
4.分析方法音声データから逐語録を作成し,サポート活動を継続する意味に着眼して質的帰納的に分析した.分析の手順は,まず面接の担当者が,個別に逐語録より内容の区切りごとに切り出し,その内容を表すタイトルと要約を記述した.その際,できるだけ話者の意図を損なわないよう,キーワードを残すよう留意した.そのタイトルと要約の記述内容を,面接項目(行)×参加者(列)に配置し,1列に1人のデータを,面接項目または類似内容ごとに並べた.その内容をまず,共同研究者間で共有し,話者の意図する内容が十分に記述された切片になっているかを検討し,適宜修正を加えた.
次に18名全員分の列を1つのシートに合体し,マトリックを作成した.各参加者の共通性と相違性に着目して議論し,サブテーマ,テーマへとグルーピングしていった.最終的に,抽象度を調整し,対象者の語りの内容を忠実に表現するようサブテーマ名,テーマ名を議論し,決定した.
5.倫理的配慮本研究は,平成27年度首都大学東京荒川キャンパス研究安全倫理委員会で承認(番号15041)を受けて行われた.
研究参加者18名の背景を表1に示した.性別は男性5名,女性13名.年齢は40代と50代で4名,60代~80代の14名は定年退職していた(図1).また,すでに退職している者も,医療職,行政施設の相談業務,会社経営,労働組合のまとめ役,PTA役員や子育て支援などの相談対応経験や,親の介護,看取り経験などの医療経験があった.最初のがん告知からの年数は平均17.6年(標準偏差6.0,レンジ10~30),がんの部位は,乳腺11名,胃2名,大腸1名,子宮1名,喉頭1名,舌1名,腎臓1名,膀胱1名,白血病1名,性腺外原発胚細胞腫1名.3名は多重がん経験者,別の4名は再発・転移治療を経験していた.病期は図2の通り,Stage 0~IIが8割,Stage IIIは2名,Stage IVは2名,不明1名(自己申告)であった.患者会やピアの集まりへの参加年数を図3に示した.平均11.8年(標準偏差3.9,レンジ3.5~19)である.18名のうち,13名は新しいピアサポートの機会(患者会,NPO法人,がん患者サロン等)の立ち上げを経験し,3名は現在のまとめ役を,2名は定期的な参加者の立場で相談を受け,活動の広報を行っていた.
ピアサポート活動の契機は,がん診断当初のショックをどのように受け止めるのか,なぜ自分ががんになったのか,これからどうするかを考える際に,情報が欲しい,仲間が欲しい等から既存の会に参加した,治療病院で知り合った仲間を支えたい思いから病室や外来で自然発生的に集い,主治医の後押しによって会を大きくしていった,などの経緯があった.また,がん対策基本法施行以降にピアサポート研修会に参加し,ピアサポーターとして複数の拠点病院等でのサロン,相談活動,地域のがん対策推進委員をしている者もいた.
最終的に集約されたテーマとサブテーマを表2に示した.サポート活動を長期に継続する意味として,〔長期生存者・証言者としての使命〕〔がん体験者の思いを共有する重要性の確信〕〔出会った人が元気になっていくことが生きがいやライフワークになる〕〔病院・医療者とのつながりの継続〕〔ピアサポートと「がん相談」の違いの認識〕〔今後の活動への模索〕が見出された.以下にテーマを〔 〕,サブテーマを< >,語りの例を「 」で示し,順に述べる.語りの記載のアルファベットは表2のIDを示している.
〔長期生存者・証言者としての使命〕
このテーマは,1つ目のサブテーマは<がんで長生きしている自身が希望を与える>で,「あぁすごいな,生きているよ10年も,という値打ち(L)」「…実際に生きている者がいると,私もそうなるかもしれないと思え晴れやかな顔に(Q)」等である.2つ目の<生き残った自分の経験を伝える使命>のサブテーマには,「死ぬときに何か残していくのも必要ですからね.残った人に何かメッセージか態度か,何かしら残していかなきゃいかんから(H)」,「がんで命をとられていった友達の思いを受け止めることをしてがんばって生きる.生き残っているのに,やっぱり何かできることはしないと,と本当に思ってしまって(I)」等の語りであった.
〔がん体験者の思いを共有する重要性の確信〕
このテーマの1つ目のサブテーマは,「再発の言葉が頭から離れない気持ちを何度も語り合える(C)」,「家族とは違うきずなで相互に支えあい,わかりあうからしゃべると軽くなる(J)」,「いろんな話がフランクに話せる(P)」,「きっと私と同じような人がいる,寄り添ってあげられる(M)」,「自分だけじゃないと思えることが大事(Q)」という<がん患者同士だからなんでも話しやすいという確信>であった.そして2つ目は,「家庭では話せないようなことなど好きなことを言っていい場所が欲しかった(G)」,「1人でもんもんとしているよりは,やっぱり口に出す場所があって,同じ経験をした人間がいれば話しやすい(J)」といった<がん患者がなんでも話せる場所が大事>であった.早期で診断後10年以上経っていても,体調不良時や仲間の再発転移時などには自身の再発不安が高まり,それを気兼ねなく何度も繰り返して話せることが重要であるという実感,またそのような場所の重要性を確信していた.
〔出会った人が元気になっていくことが生きがいやライフワークになる〕
このテーマは4つのサブテーマが連動して意味をもつ経験となっていた.生きているからこそ<いろいろな人と会える楽しみ>,そこで出会った人の<話を聞いた仲間が元気になる姿を見たりお礼を言われると自分も元気になる・成長する・支えたい>ことを実感し,自分が世話になった<感謝と恩返し>をしたい思いから,<生きがい,生きる意味,ライフワーク>となっていた.
<いろいろな人と会える楽しみ>は,ピアの集まりで「つらいばかりでなく,素晴らしい人にも出会える(N)」「生きているからこそ,色んな人とつながれてうれしい(I)」などの語りからなるサブテーマであった.<話を聞いた仲間が元気になる姿を見たり,お礼を言われると自分も元気になる・成長する・支えたい>のサブテーマは,「吐き出して元気になる人をみると自分も元気になる(L)」や,「自分がつらい思いをしたから他の人がつらくないようにしてあげたい(C)」という自分の診断時のつらさと,支援を求めていた気持ち,「葛藤から一歩を踏み出して来てくれたことが嬉しく大事にお話を聞きたい(G)」と聞く経験を重ね,その役割と効果の確信からの強い思いであった.3つ目の<感謝と恩返し>は,「不安だったことを自分も和らげてもらったので,恩返しで伝えて行きたい.(K)」「今は元気だから感謝して接している(K)」等で活動を続ける動機となっている.さらに4つ目のサブテーマは,「人生転換期に与えられた新しいライフワーク.(R)」「生きがいになるかはわからないけど自分らしさにつながる(N)」「(この活動は)大変でも生きる意味になっていて大事(Q)」「定年後の活動の一つ.私の人生に「がん」がついた.(L)」等の<生きがい,生きる意味,ライフワーク>である.初期治療時から10年以上が経過した今,定年退職し,子育てもひと段落し,ピアサポートの活動が,感謝とやりがい,人とのつながりを確認する居場所となっていた.
〔病院・医療者とのつながりの継続〕
このテーマは2つのサブテーマからなる.<医療者と対等なつながりができる>は,「他の乳がんの先生はじめ腎臓とか色々な先生と治療法を一緒に話す機会が増えて,すごく近くなった(J)」,「手術から10年たって,再発したとき,会でつながりのある医師が手術してくれた(A)」等,講演会の企画準備やピアサポート会場で医師や看護師と改めて出会い,診察室内とは異なる関係ができることに意味を見出していた.2つ目は,「検診は年1回でも毎週サロンで病院にくるのでおかしいと思えば早めに受診できる(I)」「毎日元気だよと報告しに来ているような感じの人もいるし(G)」等に代表される<受診頻度が減っても病院に来る機会がある>のサブテーマであった.身体的には安定し,受診間隔が長くなっても先を案ずる不安があり,それを受け止める機会となっていた.
〔ピアサポートと「がん相談」の違いの認識〕
彼らは,自らのピアサポートの活動と専門職による相談支援との違いを認識し,活動の意味を語っていた.1つ目のサブテーマは,<お互いに生きていくために支え合う存在>で「家族とはまた違う絆.ずっと支えたり,支えられたり(J)」,「ピアサポートは仕事ではなくフレンドリーに(R)」など対等に支え合う同士である立場の違いが語られていた.2つ目の<かしこまらない余計なおしゃべりが大事>は,「相談支援センターでがん患者が嫁姑話まで聞いたらパンクして回らないでしょ(C)」,「ここでは余計なおしゃべりでハハハと笑って,もう料理の話から,孫の話から,嫁さんの悪口から(笑).もう何でもありなので,根本的には私はこっちが楽しいです.(I)」等,かしこまった相談とは異なり,仲間と皆で「包み込むように」対応する,肩の力が抜けている場の効果も語られていた.
〔今後の活動への模索〕
このテーマは今後の活動継続や展開にむけて新たな意味を模索する語りであった.<後継者探しに苦心>は,参加者数が先細り,「私たちも年を取っていきますし,それから医療も変わってきますので,新しい患者さんがここに次の引き継ぎの方ができたらいいな(K)」と考える一方,「若い人は,治療が終わると仕事に戻る(I)(K)」状況に,マンパワーの不足から活動頻度や方法を模索していた.また,<地域行政への政策提言>は,「患者会の全国調査をしてデータを持って提言したい(O)」,「ピアサポートは仕事ではなくフレンドリーに.がんサバイバーのボランティアとして地域のために皆で働く.自分たちでやるからセルフマネジメントが大事.その教育が必要(R)」と提案すること,「認知症や難病や介護者も来ていい場所への広がり(K)(I)」を地域からの打診で検討していた.
がん診断後10年以上が経過した長期サバイバーたちが,何を経験しているのかという実態がわかっていないにもかかわらず,ピアサポーターとして期待され,患者会やがん患者支援団体,ピアサポート事業の運営に関与している.そのピアサポート活動を続ける意味として,6つのテーマが明らかとなった.診断後10年以上の長い時間が経った現在において,彼らがピアサポートに携わる意味の特徴と考えられた2点に絞って考察する.
1.長期生存者としての使命とヘルパー・セラピー3つのテーマ〔長期生存者・証言者としての使命〕,〔がん体験者の思いを共有する意味への確信〕,〔他者が変わる喜び・恩返しとライフワーク〕は,セルフヘルプグループやピアサポートの原動力となるヘルパー・セラピー原則14,25)が基盤にあるといえる.人の助けとなることで,自信を回復し,癒しを得,治療的効果が働く.がんの診断後,一時は気落ちし,不確かさに迷い,支援を求めたが,ピアサポートの活動で同じような状況にある人を援助できる,という誇りをもつ.長期に支援を続けている人々は,まず,同じような状況の人々の前に,長期生存者としてその存在を示すこと,そして,思いを聞き,共有することで,落ち込みや迷いのなかにあった仲間が,道を見つけて元気になっていく姿に,喜びを見つけ,助けになるという確信を持ち,自信と誇りとなっていた.一方,その自信と誇りが,サバイバーたちが自分自身の不安に直面しつつも,それをくぐりぬけていく,大きな力になるといわれている.本研究の参加者らは,長期生存者として他のサバイバーたちと語ることに生きがいと使命感という大きな意味を感じていた.彼らは長期生存者として語ることが,自分自身が生き延びることにおいても重要な行為であったと考えられる.「自分自身の生を語ることは,その生に対する責任を引き受けることである」25)というように,彼らは他者に語ることを通して,生かされている自分,自分自身の存在を確認し,生きる意味を問うことになっているのではないか.ピアサポート活動そのものが,長期生存者にとって大きな意義があるといえる.
2.医療者とのつながりの継続初期のがんの診断を受け10年以上を経過していても,ぬぐえない再発の不安を抱き,通院頻度が低くなっても,最新の医療情報や医療者との接点を持ちたいと願っていることが,活動の原動力の一つとなっていることが明らかとなった.確かに,がん治療の発展は著しい.10年以上前に自身が受けた治療の知識では,現在治療を受けている人の体験を理解し,役に立つ情報提供が難しい現実,そしてもし,自身や仲間が再発して治療を受ける際にも知っておきたい,というニーズがあるのは当然である.がんサバイバー支援においては,ピアサポーター自身も学び,医療者とつながっていたいというニーズを持っていることを理解し,尊重,協働する姿勢が必要である.またピアサポート活動の質の向上に向けた,専門職者との協働,差別化においては,ピアサポートだからこそできる「かしこまらない」「横並び」で「支え合う」プログラムの利点を理解し,ピアサポーター後継者の育成,活動への支援が重要と考える.
3.本研究の限界と課題本研究の参加者は長期がんサバイバーは全体のごく一部である.まだ長期サバイバー全体のデータが少なく,理解を深めるデータの積み重ねが求められる.
がんの診断後10年以上の長期サバイバーがピアサポーターの活動を続けている意味を,彼らの人生生活の中で〔長期生存者・証言者としての使命〕〔がん体験者の思いを共有する重要性の確信〕〔出会った人が元気になっていくことが生きがいやライフワークになる〕〔病院・医療者とのつながりの継続〕〔ピアサポートと「がん相談」の違いの認識〕〔今後の活動への模索〕と意味づけていた.これらを理解して協働することが,ピアサポート活動の継続,質の向上,連携に必要である.
本研究に積極的にご協力いただきました研究参加者のみなさまに心より感謝申し上げます.そして,日々がん患者,家族のサポートに尽力されているがん患者支援団体,ピアサポーターの皆様に敬意を表したいと思います.なお,本研究は,研究課題:平成25~28年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)(基盤研究C)「がん闘病生活10年間におけるサポート・グループ参加と当事者間支援の実際とその意味」(課題番号25463420)の助成によって行われました.
19th World Congress of International Psycho-Oncology and Psycho-Social Academy 2017,第22回日本緩和医療学会学術大会(2017.6.23-24 横浜)で発表したものに,加筆修正を加えたものである.
著者の申告すべき利益相反なし
福井は,研究の構想および,データ収集,分析の研究全体の統括,原稿の起草に貢献; 吉田は,研究デザイン,データの収集,分析,解釈,原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献; 守田は,研究構想およびデザイン,データの収集,分析,解釈,原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献; 奥原は,研究デザイン,データの収集,分析,解釈,原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献; 遠藤は,データの収集,分析,解釈,原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献した.すべての著者は投稿論文ならびに出版原稿の最終承認,および研究の説明責任に同意した.