Abstract
脳卒中片麻痺患者に対し,ロボットスーツ HAL (HAL)を用いて,理学療法を実施する上での問題を検討した.対象は,回復期リハ病棟入院中の脳卒中片麻痺患者 16例(年齢 50∼78歳,脳梗塞 7例,脳出血 9例)で,両脚型 HAL 福祉用を用いて,理学療法を行う際に,必要とした介助者の人数,所要時間を調査し,患者や理学療法士(PT)の意見を聴取した.両脚型 HAL 福祉用を用いて理学療法を行うには,常に 2名以上の介助者を必要とし,準備に訓練と同等の時間を要した.患者は長時間の座位·立位保持による疲労を認めたが,訓練に対する意欲向上はみられた.両脚型 HAL 福祉用を用いるためには,患者が長時間の座位·立位保持能力を有することと,PT が使用に関する十分な知識や技術を有する必要がある.