Journal of Japanese Society of Pediatric Radiology
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Imaging approach for fever of unknown origin: musculoskeletal disease
Hidekazu AokiOsamu Miyazaki
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2018 Volume 34 Issue 1 Pages 23-30

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はじめに

小児不明熱の原因は多様で,感染性,自己免疫性,腫瘍性,神経原性,遺伝性(自己炎症性),詐病熱,医原性などが含まれ,感染に起因する場合が最も多いと言われている1).不明熱の診断には,現病歴,熱型,随伴症状などの理学所見や血液・尿・髄液などの生化学検査,単純X線撮影や超音波検査をはじめとする画像検査に加えて,患児の年齢,家族歴,ペット飼育歴,渡航歴,在住地域など,生活環境や疫学的背景も考慮した総合的アプローチが大切である1)

本項では,不明熱の原因となる骨軟部疾患の中から,臨床の場で遭遇する頻度が高く,画像診断の担う役割の大きい以下の疾患について解説する(骨髄炎,仙腸関節炎,悪性疾患(白血病,神経芽腫骨髄転移),若年性特発性関節炎).これらは不明熱に加えて骨痛や関節痛,皮疹,リンパ節腫脹などの身体所見を伴うが,他にも多くの鑑別疾患が含まれる(Table 11)

Table 1  Physical findings and associated fever of unknown origin diagnoses(文献1より抜粋引用,一部改変)
System Finding Associated illness
筋骨格系 骨痛 骨髄炎,悪性疾患,乳児皮質過骨症(Caffey病)
関節痛 家族性地中海熱,SLE,高IgD症候群,TRAPS感染症(鼠咬熱,ライム病,クラミジア性リンパ肉芽腫,ブルセラ症)
筋痛 皮膚筋炎,結節性多発動脈炎,感染症(ブルセラ症,旋毛虫症,アルボウイルス)
皮膚 結節性紅斑 感染症,JIA,SLE,悪性疾患,炎症性腸疾患
サーモンピンク疹 JIA
蝶形紅斑 SLE
触知できる紫斑 結節性多発動脈炎
リンパ節 リンパ節腫脹 リンパ腫,猫ひっかき病,感染症(結核,クラミジア性リンパ肉芽腫,サイトメガロウイルス,Epstein-Barrウイルス,HIV,トキソプラズマ,ブルセラ症,野兎病,マイコバクテリウム),JIA,菊池病,白血病,高IgD症候群,クリオピリン関連周期熱症候群

SLE:systemic lupus erythematosus(全身性エリテマトーデス)

TRAPS:tumor necrosis factor receptor-associated periodic syndrome(TNF受容体関連周期性症候群)

JIA:juvenile idiopathic arthritis(若年性特発性関節炎),HIV:human immunodeficiency virus

I  骨髄炎

骨髄炎の感染経路としては,血行性感染,周囲の軟部組織・関節の炎症からの波及,および異物や外傷,手術などによる直達感染があり,血行性感染が最も多い.臨床経過からは急性,亜急性,慢性に分類され,起因菌は黄色ブドウ球菌が多い2).小児の急性骨髄炎は,局所の急性感染徴候(腫脹・発赤・熱感)により疑うことが可能であるが,訴えの不十分な乳幼児などの場合,発熱,不機嫌,活動性低下,歩行の不安定などの曖昧な症状で発見されることがある.

小児の骨髄炎は大腿骨や脛骨,上腕骨などの長管骨の骨幹端に好発する(Fig. 1).

Fig. 1 

Relative frequency of osteomyelitis in the different bones including all pediatric age groups(文献3より引用)

これは,成長板閉鎖前の小児においては,成長が早い長管骨では骨幹端の血流が豊富で,かつ血流が遅いため,病原体が増殖するのに好条件下であるためである2).また,生後18か月未満の乳児では,骨幹端を栄養する血管(metaphyseal vessel)と骨端核を栄養する血管(epiphyseal vessel)の間を交通する血管(transphyseal vessel)があり,成長板を介して互いに血流が行き来しうるため,骨幹端の骨髄炎は容易に骨端や関節内へと波及しうる3,4).そのため,適切な治療が遅れると,関節炎や骨膜下膿瘍に進展し,不可逆的な関節の変形や骨の成長障害の原因となるため,早期診断と治療が重要である3,4)

画像診断としては単純X線撮影が第一に選択されるモダリティであるが,単純X線撮影による急性骨髄炎の診断能は20%未満とされ,感度は低い.むしろその役割は,外傷・骨折や骨腫瘍との鑑別にある3).超音波は骨外病変の検出に有効で,骨膜下膿瘍,軟部組織の膿瘍,関節液貯留などの評価が可能である.骨髄炎の早期像としての軟部組織腫脹も同定できる.骨膜下膿瘍は,液体により押し上げられた骨膜と,骨皮質の間の無エコー域として認められる(Fig. 2a矢印)3).骨髄炎の早期診断にはMRIや核医学検査が推奨される.MRIでは骨髄の浮腫性変化を反映して,T1強調画像(T1-weighted image; T1WI)で信号低下,選択的脂肪抑制T2強調画像(Fat-suppressed T2-weighted image; FS-T2WI)や非選択的脂肪抑制法(short T1 inversion recovery; STIR)を用いたT2強調画像で発症24~48時間で信号上昇を認める(Fig. 2b矢印).脂肪抑制ガドリニウム造影T1強調画像(Fat-suppressed gadolinium-enhanced T1-weighted image; FS-GdT1WI)にてびまん性の造影剤増強効果を示すため,比較画像としてガドリニウム投与前のFS-T1WIも推奨される(Fig. 2c, d矢印)4).核医学検査ではtechnetium 99mで標識したMethylene diphosphonate(99mTc-MDP)による骨シンチグラフィが用いられ,必ずしも鎮静の必要がない利点がある.骨髄炎の部位診断や拡がりを診断でき,3相撮影(血流相,血液プール相,遅延相)が有用である.

Fig. 2 

Osteomyelitis

(a) Ultrasound of right ankle joint.

(b, c, d) Coronal MR images of right distal tibia (b: short T1 inversion recovery (STIR), c: fat-suppressed T1-weighted image (FS-T1WI), d: fat-suppressed gadolinium-enhanced T1-weighted image (FS-GdT1WI)

Ten-year-old boy with right ankle pain and swelling. Radiograph shows no abnormality (not presented). (a) Ultrasound demonstrates thickening of soft tissue around right ankle joint and fluid collection suspected of subperiosteal abscess (arrow). (b) STIR shows high intensity in the bone marrow of the distal tibial metaphysis and epiphysis (*). There is also high intense lesion in the subperiosteal space and in the adjacent soft tissue (arrow). (c, d) FS-GdT1WI shows heterogeneous abnormal enhancement in the bone marrow of the distal tibial metaphysis and epiphysis (*) which spreads into subperiosteal space and adjacent soft tissue (arrow).

※pitfall

不明熱の原因としては非典型的であるため詳細は割愛するが,慢性非感染性骨髄炎(chronic non­bacterial osteomyelitis; CNO)/慢性再発性多発性骨髄炎(chronic recurrent multifocal osteomyelitis; CRMO)と呼ばれる原因不明の非感染性の骨髄炎や,transient bone marrow edema,microgeodic diseaseなどの,自然消退も期待できる予後良好な病態も認識しておく必要がある.transient bone marrow edema,microgeodic diseaseは(臨床経過や画像上,感染性骨髄炎と混同され,不必要な治療や生検が行われた報告もあり,注意が必要である.

II  仙腸関節炎

化膿性仙腸関節炎は,小児の化膿性関節炎の1–4%程度と稀で5),そのうち10%には先行する外傷歴(打撲やスポーツ外傷)があるとされる5,6).平均発症年齢22歳と,仙腸関節の可動域の大きい若年に多いと言われており,関節の弛緩・損傷に関連する,妊娠・出産も危険因子の一つとして知られている5,6).起因菌は黄色ブドウ球菌が80%と最多である5).症状は臀部痛,股関節痛,下腿痛,腹痛などと多彩であり,また稀な疾患であるため,椎間板ヘルニア,単純性股関節炎,急性虫垂炎,尿路感染症などと誤診され診断が遅れることがある5).発症から診断までの平均日数は17日と言われている7).画像診断は,単純X線撮影やCTは病初期には正常で診断できないことが多く,早期診断にはMRIや核医学検査(99mTc-MDP骨シンチグラフィ)が有用である.MRIではFS-T2WI/STIRが有用で,異常所見としては,仙腸関節周囲の骨髄浮腫を示唆する高信号,周囲軟部組織や仙腸関節面の高信号,関節面のerosionなどが知られている.滑膜炎や関節包炎はFS-GdT1WIにて関節面やその辺縁の造影効果が認められるが,これらの病変の拡がりはFS-T2WI/STIRで同定可能であり,造影MRIは仙腸関節炎の診断に必ずしも必要ではない8).MRIでの異常所見は,仙腸関節面の異常に先行して周囲の軟部組織にFS-T2WI/STIRで高信号を呈したり,症状消失後も長期間の異常信号が残存しうるなど,画像所見と症状との乖離などが知られており,注意が必要である(Fig. 35)

Fig. 3 

Sacroiliitis

Coronal short T1 inversion recovery (STIR) images of pelvis. (a) 3rd, (b) 11th, and (c) 57th day after onset.

Thirteen-year-old boy with fever and right hip pain. Ultrasound of right hip joint and abdominal cavity shows no abnormality (not presented). Antibiotic treatment was performed for bacteremia; gram-positive cocci was identified in blood cultures. Initial MR image (a: 3rd day) shows no apparent abnormality, but repeat MR image (b: 11th day) shows high intensity in bone marrow around right sacroiliac joint (arrow). MR image of follow-up (c: 57th day) also shows remaining small high intense lesion although the patient is asymptomatic (arrow).

III  白血病

白血病は小児悪性腫瘍の中で最も頻度の高い疾患であり,腫瘍細胞の由来により骨髄性とリンパ性に,臨床経過により急性と慢性に分類される.小児白血病は,急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia; ALL)が75%と最も高頻度で,次いで,急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia; AML, 10–25%),慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia; CML, 5%未満)が見られる9).症状は,骨髄が白血病細胞に置換されることによる造血機能の低下,あるいは実質臓器における白血病細胞浸潤などに起因するもので,主に骨痛や関節痛,貧血,発熱,紫斑・出血傾向,肝脾腫,リンパ節腫脹などが主な症状である.末梢血中の芽球の存在や細胞数異常(白血球増多,貧血,血小板減少など),骨髄検査による腫瘍細胞の同定により診断に至るが,関節炎や骨髄炎と混同され,診断が遅れることがある.

正常の赤色髄(造血骨髄)はT1WIにて筋に比して軽度高信号を呈するのに対し,腫瘍細胞に置換された骨髄信号はT1WIにて筋や椎間板より低信号を呈する(Fig. 4a10).その他に正常骨髄との信号の境界が明瞭,mass effect,骨破壊,骨外軟部組織の腫瘤形成なども,髄内悪性腫瘍を示唆する所見である10).白血病細胞による骨髄置換のパターンには,びまん性,斑状,限局性に分けられるが,この中ではびまん性パターンが最も多い.同病変はFS-T2WI/STIRや拡散強調像での高信号を呈しうる(Fig. 4b).びまん性の骨髄T1WI低信号は,後述するように,神経芽腫や横紋筋肉腫のびまん性骨髄転移など他の悪性腫瘍でも認められ非特異的である.ALLの6.5–15%に骨梗塞や骨髄壊死を伴う10).単純X線撮影での異常所見の陽性率は高くはないが(40%),骨粗鬆症,硬化性変化,骨破壊,骨膜反応,成長板に平行な骨幹端の線状透亮像(metaphyseal lucent band),病的骨折などを伴うことがある9).骨病変の他,AMLの2–8%では髄外にも骨髄芽球ないし未熟骨髄細胞からなる腫瘤を形成することがあり,myeloid sarcomaと呼ばれる11).頭頸部(中枢神経系,眼窩,鼻粘膜,口腔),皮膚・軟部織,消化管,リンパ節,後腹膜腔などに好発するが,小児では皮膚や眼窩病変の頻度が高い9,11).AML発症後の他,AMLの初発巣として発症することも多い.

Fig. 4 

Acute lymphoblastic leukemia

Coronal MR images of the hip joint. (a) T1-weighted image, (b) short T1 inversion recovery (STIR)

Six-year-old girl with repetitive fever and right hip pain. Empiric antibiotic therapy was performed for osteomyelitis or arthritis. (a) Diffuse decreasing of bone marrow signal is noticed on T1-weighted image. (b) STIR image shows abnormal high intensity in the soft tissue around right iliac bone (arrow). There is no abnormality in hip joint. Definitive diagnosis as acute lymphoblastic leukemia was made by bone marrow examination.

IV  神経芽腫骨髄転移

小児の転移性骨腫瘍の原発巣は神経芽腫が最多であり,この項では神経芽腫の骨髄転移について解説する.神経芽腫は神経堤由来の交感神経系組織から発生し,原発巣の占拠部位,転移の有無,腫瘍随伴症候群の有無などにより様々な症状を呈しうる.腹部腫瘤の触知が最も多いが,mass effectによる腹痛・嘔吐などの消化器症状や頻尿,脊髄圧迫による四肢の痛みや麻痺,VIP産生による下痢,不随意眼球運動(オプソクローヌス)などを呈しうる.神経芽腫の初発時の半数以上に骨髄転移,骨転移を認めることが知られており,骨転移の好発部位は眼窩周囲や側頭骨などの頭蓋である2).骨髄転移は診断時にはびまん性パターンとして認められる事が多いが,初期には骨髄内に限局性の結節状の転移巣を形成するといわれており,骨転移は先行する骨髄転移から進展すると考えられている12).骨転移を伴う神経芽腫は,発熱や骨痛,関節痛,歩行障害など,関節炎と類似した臨床経過で発症することがある.単純X線撮影にて骨溶解像や骨膜反応,metaphyseal lucent band,病的骨折などを認めることがあるが特異的な所見ではない.また,単純X線撮影にて異常が認められないこともあるため,単純X線撮影が正常であっても関節痛や骨痛などの症状が続く場合,MRIを撮像すべきである.

MRIでは,上述した白血病の骨髄病変と同様,腫瘍細胞に置換され骨髄の脂肪成分を失った骨髄信号は,T1WIやT2WIで低信号を呈する(Fig. 5a).FS-T2WI/STIRでは高信号の病変を呈しうる(Fig. 5b).白血病の骨髄信号異常と同様に,撮像範囲の骨髄全体にびまん性に均一な病変が認められることが多く,所見を見逃がさないように注意が必要である.

Fig. 5 

Metastatic neuroblastoma

(a, b) Coronal MR images of the hip joint. (a) T1-weighted image, (b) short T1 inversion recovery (STIR) image. (c) Coronal contrast-enhanced CT. (d)123I-MIBG scintigraphy, anterior and posterior scan.

Five-year-old boy with continuous fever and bilateral hip joint pain. Empiric antibiotic therapy was performed for osteomyelitis or arthritis, but the symptoms was not improved. (a) Diffuse decreasing of bone marrow signal is noticed on T1-weighted image. (b) STIR image shows high signal intensity in iliac and femur bone marrow, their subperiosteal space, and adjacent soft tissue. (c) Contrast-enhanced CT reveals right adrenal mass considered as primary neuroblastoma (arrow). (d) MIBG scintigraphy shows uptake in the right adrenal mass (arrow). Numerous foci of bony uptake are also visualized consistent with metastatic disease.

V  若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis; JIA)

JIAは,「16歳未満で発症し,6週間以上持続する原因不明の関節炎で,他の病因によるものを除外したもの」と定義され,小児リウマチ性疾患の中で最多である7).全身型,少関節炎,リウマトイド因子陰性多関節炎,リウマトイド因子陽性多関節炎,乾癬性関節炎,付着部炎関連関節炎,未分類関節炎の7つの病型に分類され,このうち全身型が40%と最も多い.全身型JIAは,1関節以上の関節炎と2週間以上続く発熱(うち3日間は連続する)を伴い,①暫時の紅斑,②全身のリンパ節腫脹,③肝腫大または脾腫大,④漿膜炎(胸膜炎,腹膜炎,心膜炎)の1つ以上を伴う関節炎である13).血液検査では,炎症を反映する所見として白血球やCRP,赤沈,FDP,Dダイマーなど線溶系の高値を認める.高サイトカイン血症を反映する所見として,特に全身型で,血清フェリチンの著増,IL-6やIL-18の増加が認められ,IL-18は疾患活動性を反映するマーカーとして知られている.関節炎を反映する所見として,血清MMP-3の増加を認める13)

単純撮影では骨びらんや関節裂隙の狭小化,骨膜反応,骨の成長障害,亜脱臼や関節硬直などの変形を評価できるが,これらは進行例のJIAに認められる所見で,病初期の診断には不向きである.手根骨や足根骨に好発する14).MRIは,骨髄・骨皮質,滑膜,軟骨,関節,周囲軟部組織などを包括的に評価するのに最適であり,特に造影MRIは滑膜炎の検出に最も鋭敏な検査である(Fig. 6a–d14).骨髄浮腫はMRIでのみ評価可能であり,滑膜炎や骨髄浮腫は骨びらんの予後を予測する上でも重要である14).骨髄浮腫や骨びらんの評価にはスピンエコー法あるいは高速スピンエコー法によるT1WIが有用で,FS-T2WI/STIRが関節液や,軟骨,骨髄浮腫,腱の評価に有用である.活動性の滑膜炎の評価にはガドリニウム造影前後でのFS-T1WIが有用である14)

Fig. 6 

Systemic juvenile idiopathic arthritis

(a, b) Coronal and (c, d) axial MR images, and (e, f) ultrasound images of the right elbow joint.

(a, c) short T1 inversion recovery (STIR) image

(b, d) fat-suppressed gadolinium-enhanced T1 weighted image (FS-GdT1WI)

(e) gray-scale

(f) power doppler

Three-year-old boy with repetitive fever, neck and multiple joint pain. (a–d) Joint effusion on STIR (a,c arrow) and abnormal synovial enhancement on FS-GdT1WI (b, d arrow) are detected. (e, f) Ultrasound also demonstrates the joint effusion, and the peripheral vascularity of the fluid collection is increased. There was no other cause of fever by cardiac/abdominal ultrasound and whole body contrast-enhanced CT. Anti-nuclear antibody, increased inflammatory marker (erythrocyte sedimentation rate, ferritin, C-reactive protein), and elevated serum pro-inflammatory cytokine (interleukin-6, 18) were confirmed.

高周波数(12–15 MHz)のリニアプローブ端子を用いた超音波検査も有用である.滑膜増生や関節液貯留,軟骨の形態,骨皮質のびらん,腱鞘・滑膜炎の有無などが評価可能で,カラーまたはパワードプラにて滑膜の血流分布や血流増加の有無が評価できる(Fig. 6e, f14).骨髄浮腫の評価ができない点や,顎関節や頸椎歯突起周囲,仙腸関節などの,深部の関節評価は困難である点は,MRIに劣る.

まとめ

不明熱の原因となる骨軟部疾患について概説した.骨髄炎や関節炎は,治療が遅れると成長障害や関節の拘縮・変形などの後遺症を残す可能性があるため,早期の治療が必要である.単純X線撮影や関節超音波所見が正常であっても,臨床経過から骨髄炎や関節炎の疑いが強い場合は速やかにMRIを撮像し,治療の時期を逸しないことが大切である.また,白血病や神経芽腫のびまん性骨髄転移などの悪性疾患は,骨髄炎や仙腸関節炎と臨床症状が類似しうる事を認識しておくべきであり,MRIでのびまん性の骨髄信号異常を見逃さないよう注意が必要である.

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