2026 Volume 42 Issue 1 Pages 4
2025年10月,期待と不安を胸に成田空港からカタール・ドーハのハマド国際空港へ向かいました.Asian and Oceanic Society for Pediatric Radiology(AOSPR)2025に参加し,発表の機会をいただいたためです.海外での学会参加は初めてで,参加登録の手続きなどでいくつか苦労しましたが,無事に現地に到着することができました.
約12時間のフライトを経て,金曜の朝にハマド国際空港へ到着しました.ハマド国際空港はハブ空港で,世界各地への便が多数就航していると聞き,多くの人で賑わっていました.現地では,事前に地下鉄で移動する予定にしていましたが,この日は金曜で礼拝日(多くの公共機関や店舗が休業・時短)に当たっており,地下鉄は運行していませんでした.しかし,親切なタクシードライバーに案内され,ホテルへ向かうことができました.
学会会場は,屋外の約35°Cの暑さにも負けない熱気に満ちており,活発な議論が交わされていました.2日間にわたるセッションでは,放射線領域におけるAIの発展とその適切な利用が大きく取り上げられ,シンポジウムでも白熱した質疑応答が続きました.国内でも医療におけるAI導入は課題が多いと感じる一方,AIを適切に使いこなすための臨床力を養う必要性を強く意識しました.特に印象に残ったのは,カタールのWalid Mubarak先生による気管内ステントに関する講演です.本邦では保険適応外であり,合併症や手技の難易度から積極的に行われていない治療ですが,同先生は症例提示を交えながらカタールでの現状と工夫を詳しく紹介してくださり,大いに勉強になりました.また,教育講演にはアメリカや英国からの講師も招かれており,アジアのみならず世界の小児放射線学の潮流を学ぶ貴重な機会となりました.会場で見かけた,タキーヤ帽(イスラム圏で見られる小型の帽子)を被った聴衆の姿は,国内の学会ではなかなか目にすることのない印象的な光景でした.
学会後は,ドーハで最も賑わう市場スーク・ワキーフを訪れ,ファルコンショップを見学した後にケバブやひよこ豆のフムスを楽しみました.異文化に触れながら食を通じて現地の風情を味わうことができ,学会滞在がより豊かなものになりました.
最後に,このような貴重な機会をいただいた小児放射線学会に深く感謝いたします.初めての海外学会参加はかけがえのない経験となり,今後の診療と研究への大きな刺激になりました.AOSPRは2029年に日本で開催予定と伺っています.その際はさらに充実した発表ができるよう,日々研鑽を重ねてまいります.