The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation
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Quantitative evaluation of daily living movements using a triaxial accelerometer capable of judging posture/movement and comparison with physical functions
Ayako SuganoAkie SumikawaYusaku MatsuiYoshino TeruiMasahiro IwakuraYutaka FurukawaNaohiro SakaiKeiyu SugawaraHitomi TakahashiTakanobu Shioya
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2020 Volume 29 Issue 1 Pages 104-110

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要旨

【目的】階段昇降と自転車走行の実施時間を測定できる新規三軸加速度計を使用してCOPD患者の身体活動時間を測定し,身体機能との関連を明らかにすること.

【方法】COPD群14名(75.2±6.5歳,一秒量49.3±19.6%pred)と若年健常者群(健常群)15名(21.7±0.5歳,一秒量90.6±7.2%pred)を対象とした.測定期間は9日間以上とし,三軸加速度計で測定した1日におけるinactive+static,walking,stair walking,cyclingの時間について二群を比較,両群において各姿勢・動作時間と身体機能との相関関係を検討した.

【結果】1日の各姿勢・動作の平均総時間は,COPD群と健常群でそれぞれinactive+staticが657.6分と652.2分,walkingが55.4分と62分,stair walkingが1.7分と3分,cyclingが0.3分と3分であった.stair walking時間とcycling時間はCOPD群が学生群よりも有意に低値であった.また,COPD群においてstair walking時間は吸気筋力と中等度の有意な正の相関を示した.

【結論】COPD患者は健常学生よりも中等度~高強度の運動時間が短いことが示唆された.

緒言

成人期の生活習慣病の主要な要因として,身体活動量の減少がその一つと考えられており,近年,成人の強度別の身体活動を定量化する方法として加速度計を用いた方法が注目されている1,2.特に,三軸加速度センサー内蔵活動量計は,三方向の動きを捉えることができることだけでなく,行動判別アルゴニズムによって低強度から高強度までの様々な身体活動を正確に推定でき,客観的な評価に基づく身体活動疫学研究が行えるようになっている3,4.また,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;以下,COPD)患者における不活動は疾患の重症度の指標であるだけでなく,疾患の進行にも影響する5,6という報告もあり,COPD患者における身体活動量の定量的評価はCOPD患者の客観的な臨床評価指標になると言われている7,8

近年,DynaPort MoveMonitorTM(McRoberts社,オランダ;DMM)(図1)が開発され,欧米で広く使用され始めている.DMMは従来の三軸加速度計と異なり,一つの加速度計のみで測定し独特なアルゴニズムによりlying,sitting,standing,shuffling,walking,stair walking,cyclingの動作を判別測定できることが報告されている9,10.また,DMMは動作活動時間,活動変化,生活リズムを視覚的に理解しやすいレポートとして患者にフィードバックすることも可能であるという特徴がある.従来,三軸加速度計を用い,日常生活の1分毎の活動強度(metabolic equivalents;METs),総エネルギー消費量,Ex(エクササイズ;3METs以上の身体活動のMETs以上の身体活動のMETs値にその実施時間をかけた1週間当たりの量),歩数,歩行速度,および歩行率を求め,これらの指標と肺機能,運動耐容能,体組成,年齢,通勤形態や家屋構造と比較検討した研究は比較的多く行われている3,11.しかし,日常生活で実際に行われている各姿勢・動作(臥位,座位,立位,歩行,階段昇降,自転車)時間と身体機能などを比較した研究は非常に少なく,日本においてDMMを用いた研究は著者らが検討した範囲では見当たらない.本研究では若年者とCOPD患者の日常生活における各姿勢・動作時間の比較,また各姿勢・動作時間と身体機能との関係性の検討を行った.

図1

DMMとセンサー装着位置

対象と方法

1. 対象

市立秋田総合病院で外来呼吸リハビリテーションを実施中の安定期COPD患者14名(男性14名;COPD群),秋田大学医学部保健学科に在籍する若年健常者15名(男性7名,女性8名;健常群),とした(表1).対象者は本研究で使用する機器の取り扱いが可能な者とした.また,歩行に支障をきたす整形外科疾患,不安定な心疾患,脳卒中や神経系疾患,精神疾患を有する者は除外した.本研究については,平成28年度秋田大学大学院医学系研究科・医学部倫理委員会の承認を受けた(承認番号:1581).さらに,対象者には研究の内容,目的,プライバシーの保護等に関して十分に説明し,書面にて同意を得た.

表1 対象者背景
COPD群(n=14)健常群(n=15)
年齢(歳)75.2±6.5**21.7±0.5
BMI(kg/m222.0±3.321.0±2.1
体脂肪率(%)21.9±3.721.7±7.0
筋肉量(kg)43.5±4.642.1±202.5
基礎代謝量(kcal/日)1146.0±367.71323.0±202.5
FVC(L)2.3±0.7**3.8±0.9
FEV1/FVC(%)50.3±16.9**86.1±7.1
%FEV1(%)49.3±19.6**90.6±7.2
PImax(cmH2O)78.5±30.090.6±27.1
CS-30(回)13.0±3.7**24.7±3.7
運動習慣(日/週)0.4±0.71

対応のないt検定,Mann-WhitneyのU検定 **:p<0.01

BMI; body mass index, FVC; forced tidal capacity, FEV1; forced expiratory volume in one second, %FEV1;対標準1秒率,PImax; maximum inspiratory mouth pressure, CS-30;30秒椅子立ち上がりテスト

2. 方法

1) 日常生活における身体活動量測定

対象者には事前に簡単なアンケートを行い外出時の主な移動手段,外出頻度,日中の主な生活場所,家屋構造,運動習慣の有無と頻度を調査した.

計測機器は軽量薄型三軸加速度センサーのDMMを使用した.DMMは専用ベルトによって第二腰椎部に装着し,DMMから得られる加速度,センサーの傾きを利用して姿勢・動作検出を行うことができる.測定できる姿勢・動作はlying,sitting,standing,shuffling,walking,stair walking,cyclingの7種類であり,5分から2週間で連続測定期間を設定することが可能である.得られたデータはアウトカムとして活動の種類,活動の時間,歩数,運動強度などがグラフとともに評価レポートとして表示される.本研究における身体活動量の測定項目は,inactive+static(lying,sitting,standing,shuffling),walking,stair walking,cyclingの総時間を採用した.

対象者はDMMを起床時から就寝時まで,入浴で装着できない場合を除いて装着し1日の身体活動時間を測定した.測定期間は土日を挟んだ9日間とした.対象者には事前に機器の使用方法について十分に説明し,装着しなかった日については記録することとした.

2) 呼吸機能

Autospiro AS-507(MINATO医科学社:大阪)を用いて肺活量,一秒率,一秒量,予測一秒量,吸気筋力を測定した.また,運動耐容能の指標として30秒椅子立ち上がりテスト12を行い,前後のSpO2,修正Borg scaleを用いた評価を行った.

3) 身体組成

体組成計BC-759(TANITA:東京)を用いて体重,BMI,体脂肪率,筋肉量,基礎代謝を測定した.

3. 統計解析

・日常身体活動量測定について

DMMは,装置を装着していない状況においては「not worn」と判定される.それに基づいて,初日と最終日を除く7,装着した時間が1日あたり600分以上となった日のデータを採用し平均値を用いた.実際の測定時間は,対象者の異なるライフスタイルによりばらつきがあるため,1日あたりの日中活動時間(測定時間)を12時間として換算した.すなわち,身体活動のそれぞれの動作時間を実測定時間で除し,それに12時間(720分)を乗じた値を1日の各動作時間の合計とし,測定日数に応じて平均値を求めた.

上記で求めた各姿勢・動作時間を2群間の比較を行った.1日に占める各姿勢動作の割合の比較としてカイ二乗検定,身体活動として表される各姿勢・動作時間を各群で比較するためにパラメトリックな指標(inactive+static, walking)には対応のないt検定,ノンパラメトリックな指標(stair walking, cycling)にはMann-WhitneyのU検定を行った.1日の平均総時間(総時間)としての各種身体活動(inactive+static, walking, stair walking, cycling)と各種検査指標との相関関係を検討するためにPearsonの積率相関係数を求め,順位尺度の指標にはSpearmanの順位相関係数を求めた.さらに,各姿勢・動作時間の予測因子を明らかにするために,総時間における各種姿勢・動作時間のそれぞれの項目を従属変数として,Stepwise法による重回帰分析を行った.多重共線性の影響を排除するために,互いに関連しあう変数や相関行列により有意確率がp<0.05を示す項目は一方を除外した.統計ソフトはIBM SPSS statistics 24を用い,いずれも有意水準は5%未満(p<0.05)とした.

結果

1) 各種姿勢・動作時間の比較

装着した時間が1日あたり600分以上みられた日のデータを採用した結果,測定日数は対象者全員で平均約6.5日であった.実測定時間はCOPD群で平均837.3±132.0分,健常群で901.7±137.9分であり,有意差が認められた.1日の姿勢・動作時間において,COPD群はinactive+static 657.6±40.8分,walking 55.4±36.0分,stair walking 1.7±2.6分,cycling 0.3±0.6分で,健常群はinactive+static 652.2±7.0分,walking 62.0±24.8分,stair walking 3.0±1.3分,cycling 3.0±3.5分であった(図2).カイ二乗検定による1日における各種姿勢・動作時間の割合の比較では群間に有意な差はみられなかった.各種姿勢・動作時間のうち,1日の総stair walking時間と総cycling時間ではCOPD群が健常群と比較して有意に低値を示していた(表2).

図2

各群における1週間の各種身体活動のグラフ

表2 各種身体活動時間の比較
mean±SD
COPD群(n=14)健常群(n=15)p値
測定日数(日)99
1日あたりの平均測定時間(分)837.8±132.0901.7±137.9p=0.01
総時間(分)inactive+static657.6±40.8652.2±7.0p=0.678
walking55.4±36.062.1±24.8p=0.563
stair walking1.7±2.6**3.0±1.3p=0.002
cycling0.3±0.6**3.0±3.5p=0.003

対応のないt検定,Mann-WhitneyのU検定 **: p<0.01

mean=各種身体活動の項目/実測定時間×720. SD; standard deviation

2) 各群における各検査指標と各姿勢・動作時間との関連性

各群において,各検査指標と各姿勢・動作時間の相関関係を表3に示す.健常群において,総walking時間はBMI,筋肉量,基礎代謝量,努力肺活量とそれぞれ中等度の有意な正の相関を示した(0.53<r<0.65).総inactive+static時間はBMI,筋肉量,基礎代謝量,努力肺活量とそれぞれ中等度の有意な負の相関を示した(-0.62<r<-0.52).COPD群において,総inactive+static時間はPImaxと中等度の有意な負の相関を示した(r=-0.56).総stair walking時間はPImaxと中等度の有意な正の相関を示した(r=0.67).その他の各種姿勢動作の総時間の間には有意な相関係数はみられなかった.

表3 各群における一日の総時間と各種検査指標との相関係数
COPD群(n=14)inactive
+static
walkingstair walkingcycling
年齢(歳)0.427-0.391-0.4130.082
BMI(kg/m2-0.3890.2540.381-0.277
体脂肪率(%)-0.1110.1520.137-0.052
筋肉量(kg)-0.3310.2410.352-0.249
基礎代謝量(kcal/日)-0.2170.1550.313-0.249
FVC(L)0.0090.0170.011-0.119
FEV1/FVC(%)-0.2880.2000.165-0.082
%FEV1(%)0.013-0.001-0.261-0.179
PImax(cmH2O)-0.561*0.4970.667**-0.003
CS-30(回)-0.1250.0020.1950.029
健常群(n=15)inactive
+static
walkingstair walkingcycling
年齢(歳)-0.2290.1960.0000.164
BMI(kg/m2-0.515*0.530*0.3740.050
体脂肪率(%)0.088-0.1120.080.171
筋肉量(kg)-0.580*0.618*0.24-0.277
基礎代謝量(kcal/日)-0.602*0.641**0.269-0.275
FVC(L)-0.621*0.648**0.239-0.211
FEV1/FVC(%)0.410-0.4350.057-0.146
%FEV1(%)-0.1680.1520.314-0.046
PImax(cmH2O)0.023-0.021-0.251-0.061
CS-30(回)0.389-0.3720.068-0.237

Pearsonの積率相関係数,Spearmanの順位相関係数 *: p<0.05, **: p<0.01

3) 各種姿勢・動作時間を目的変数とした重回帰分析

健常群において1日の総inactive+static時間を従属変数とした重回帰分析の結果では有意な標準偏回帰変数としてBMIとCS-30の回数が抽出され,分散分析の結果は有意(p<0.01)であり,決定係数はR2=0.600であった.また,1日の総walking時間を従属変数とした重回帰分析の結果では有意な標準偏回帰変数としてBMIとCS-30の回数が抽出され,分散分析の結果は有意(p<0.01)であり,決定係数はR2=0.601であった(表4).その他の各種姿勢・動作時間,COPD群においては有意な独立変数は抽出されなかった.

表4 健常群における1日の各種姿勢動作時間を従属変数とした重回帰分析
独立変数標準化係数(β有意確率(p)決定係数(R2
inactive+staticBMI-0.7050.0030.600
回数0.6090.008
walkingBMI0.7160.0030.601
回数-0.5950.009

Stepwise法による重回帰分析

考察

高齢者やCOPD患者における身体活動量の調査は,これまでに数多く行われている13.本研究では,最近開発された重力加速度の検出と傾斜機能を有する三軸加速度センサー内蔵活動量計を用いて高齢安定期COPD患者と若年健常者における姿勢,動作ごとの身体活動時間の測定と各種身体機能を比較した.今回用いた三軸加速度センサー内蔵活動量計DMMによる測定時間の妥当性については,ビデオ撮影との比較によりwalking,sitting,standing,lying downのうちwalkingとsittingの全体一致率は85%以上であったと報告している14.また,standingからsittingを区別するときには約25%の誤差があるとされていることから15,本研究ではlying,sittingを合わせたinactive時間とstanding,shufflingを合わせたstatic時間を合計したinactive+static時間をデータとして採用することとした.

各種日常姿勢・動作時間の結果から,COPD群の日常生活における1日の総stair walking時間は平均1.8分,総cycling時間は平均0.4分であり健常群と比較して有意に低値を示していた.自転車は3.5~16.0METs,階段昇降は3.5~8.8METs16と中等度~高強度の運動とされている.また,PittaらによるとCOPD患者は健常高齢者と比較して歩行速度が低下していることから,日中の運動強度が低いことを示しており17,Stijntjesらは加速度計を用いて25m歩行時の運動強度を測定し高齢になるほど歩行速度や椅子立ち上がり試験の測定値が低下するとした18.本研究の結果と先行研究の比較から,COPD患者は健常学生に比較して中等度~高強度の運動時間が短いことが特徴であることが示唆された.

今回,身体活動性の指標として,覚醒時間中で 600 分以上の記録が得られたデータのみに絞り,得られた活動時間に[12 時間/測定時間]を乗じて患者間並びに患者内での総測定時間を統一する処理を加えた.しかし,実際,装着忘れが生じやすいのは,起床時と入浴後が多いと推察される.特に入浴後から就寝までの時間帯では活動が比較的乏しい,すなわち 実際はwalking 時間は少なくinactive+static 時間が多いと考えられる.この時間帯のデータが含まれていない状態で12 時間に補正してしまうと,見かけ上 walking 時間が長く inactive+static 時間が短い値となってしまう.今回,1日あたりの実測定時間における2群間の有意な差が検出された.また,高齢者の COPD 患者では若年の学生に比べ装着忘れが生じやすい可能性があり,walking 時間が見かけ上長くなることが予測される.walking時間が見かけ上長くなったことが,両群間でwalking時間に有意差がみられない一因になった可能性があると考えられる.

川越らは安定期高齢COPD患者の日常生活における1日の総歩行時間が健常高齢者と比較して約40%低い値を示すとしていたが8,本研究では総walking時間における2群間の有意な差は検出されなかった.また,北村らは健常学生における一日の総歩行時間が141分だったとしている19が本研究の1日の健常学生における平均walking時間は62分と先行研究より56%以上低値を示している.この理由としては,高畑らの報告よりスポーツ実施人数の割合が男女それぞれで,大学受験期が25.2%,12.7%で大学入学直後が41.6%,27.6%と示しており20,今回の対象者全員が国家試験を控える受験生でスポーツ実施の割合が低下し不活動時間が増加したためと考える.

COPD群において,stair walking時間でのみPImaxと有意な正の相関関係が認められたが,その他の姿勢・動作時間と身体機能に相関関係は認められなかった.1週間身体活動時間を測定し得られた1日の平均歩行時間と身体機能との関連について,川越ら8は年齢,呼吸筋力,6分間歩行試験,大腿四頭筋筋力,呼吸困難感の間に有意な相関が認められると報告しており,Pittaら17は1秒率,努力肺活量,大腿四頭筋筋力,呼吸筋筋力,6分間歩行試験と相関が認められると報告している.2つの先行研究の結果に共通している6分間歩行試験はCS-30と相関関係が認められている21ことから,本研究では運動耐容能の評価としてCS-30を採用したが,歩行時間との間に相関関係は認められなかった.先行研究の結果と本研究結果が異なる原因の一つは,川越ら8の対象者は平均年齢76.8歳と本研究の対象者と年齢は近いが,1日の平均歩行時間が118分と長く,Pittaら16の対象者は平均年齢64歳と本研究よりも10歳程度若いものの,%FEV1は平均43%で平均歩行時間が44分と本研究結果よりも低値であることから,対象者の年齢及び呼吸機能,歩行時間の相違が影響していると考えられる.二つ目に,本研究の対象者数は11名で,川越ら8の26名,Pittaら16の50名と比較して非常に少ないことも原因として考えられる.今後は対象者数を増やし,身体機能のレベル別の日常生活姿勢・動作時間の現状を把握することが必要だと考える.

本研究のlimitationとしてコントロール群として国家試験前の健常大学生を用いたことがあげられる.年齢差,学生の特殊な生活状況の影響等COPDの疾患特徴以外の条件が異なる2集団の間での比較となっているため,今後,COPD患者群と同年齢の健常高齢者を対照としての比較検討を行う必要があると考える.

COPD患者にとって身体活動量は生命予後に影響を及ぼすことが明らかになった22.また,身体活動量を増加させるためには,病院で実施する通常の運動療法に加えて活動量計等で身体活動量を測定したうえで患者教育を実施した方がよいことが報告されている23,24.本研究で使用したDMMは身体活動時間を測定し,測定期間中の身体活動を時系列でグラフ化し,かつ,1日ごとの各姿勢・動作の総実施時間もグラフで表示されるため,視覚的に活動量を理解しやすい.また,本研究の結果,DMMを使用した測定によって,高齢COPD患者が日常生活内で階段昇降や自転車走行といった中等度から高強度の運動をわずかであるが実施していることが明らかとなった.DMM機器は髙価であること,国内では容易に入手できないことといった本邦での使用における欠点はあるものの,DMMを使用することで身体活動量増加のためにCOPD患者に対するより細やかな患者指導を実施できると考える.

備考

本論文の要旨は,第28回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会(2018年11月,千葉)で発表し,座長推薦を受けた.

著者の COI(conflicts of interest)開示

本論文発表内容に関して特に申告すべきものはない.

文献
 
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