The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation
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The effects of daily physical activity enhancement program with feedback of a pedometer during pulmonary rehabilitation in patients with severe COPD
Yasuhiko TsujimuraAyumu AkiyamaTetsuo HiramatsuKotaro MikawaKazuyuki Tabira
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2020 Volume 29 Issue 2 Pages 334-340

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要旨

【目的】歩数フィードバック(歩数FB)を併用した呼吸リハビリテーション(PR)が,重症COPD患者の身体活動量(PA)を向上させるか検討した.

【対象】PR未経験でかつ日常生活において強い呼吸困難と活動制限があるGOLD の病気分類III~IVの男性14例を対象とした.

【方法】本研究は介入前調査2週間の後,PRのみ,PR+歩数FBを各々8週間行い,セッション毎に評価した.主要評価は加速度センサー付歩数計による歩数と運動量で,副次評価は息切れ,運動耐容能,日常生活における役割の有無,生活範囲とした.

【結果】PRにてPA,息切れ,運動耐容能等が有意に改善した.これらは歩数FBをさらに追加することで向上した.

【考察】PRは身体機能の改善を介してPAを向上させ,歩数FBによる活動目標の設定はPAをさらに向上させたものと考えられた.

緒言

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)患者における身体活動量(physical activity: PA)は,予後に関係する重大な因子であることが知られている1,2,3.よって,COPD患者の疾病管理において,PAを評価することやその維持・向上のための取り組みは重要である.特に重症COPD患者のPAは,顕著に減少していることが知られており4,5,6,7,8,9,疾病管理に十分な注意を必要とする.しかし,強い息切れや運動耐容能の低下からその改善には苦慮することが多い.

COPD患者に対する息切れや運動耐容能,QOLの改善には呼吸リハビリテーション(pulmonary rehabilitation: PR)の実施が推奨されており,PA向上への効果も報告されている10,11,12,13,14,15,16,17,18.さらに近年では,PA向上には行動変容が必須であるとの観点から,PRに加え,歩数計を用いた目標設定と歩数の自己管理(歩数feed back:歩数FB)によるPA向上への取り組みが試みられている.この方法は,PAを増加させる具体的な目標を設定できると共に,歩数を患者自身でモニターするため活動に対するモチベーションの向上に有用と報告されている19,20,21,22,23,24,25,26,27

しかし,これらの研究は中等症から最重症までの患者を網羅した調査がほとんどであり,PAの低下している重症患者のみを対象とした報告はない.そのため,重症COPD患者を対象にこれらの報告を考察することは困難で,重症COPD患者の疾病管理を考えるにあたり,PA向上のための手段の確立は重要な課題である.

そこで,今回我々はPAの低下している重症COPD患者を対象に,PRの身体活動に対する効果を検討した.さらに,歩数FBによるアプローチを併用した場合の上乗せ効果についても検討した.

対象と方法

1. 対象

平松内科・呼吸器内科クリニックにおいて,2016年3月から2018年3月までに新たにPRの依頼があったCOPD患者の中から,季節が身体活動量に影響をおよぼすことを考慮し,春あるいは秋に調査が実施可能で,以下の選択基準を満たした患者に対し研究の説明と参加の依頼を行った.そして,書面による同意が得られた患者を本研究調査の対象に取り込んだ.

① 標準的医療によって病状が安定している.

② 過去にPRを実施したことがない.

③ Global initiative for chronic obstructive lung disease(GOLD)の病期分類IIIまたはIV.

④ PR介入前調査におけるPAが,国民健康・栄養調査28の報告にある,65歳以上の1日の平均歩数である5,120歩の50%未満である2,500歩未満であった場合を,身体活動が低下しているとして定義対象とした.

⑤ modified Medical research council(mMRC)息切れスケールがgradeII以上.

⑥ COPD Assessment test score(CAT)が10以上.

⑦ 過去3か月以内に増悪の病歴がない.

⑧ 気管支喘息の合併症がない.

⑨ 調査において支障となる他の重症もしくは不安定な合併症がない.

また,以下の条件に該当した場合は対象から除外した.

① 調査期間内に計画されたPRや評価が完遂できなかった.

② 健康上の理由で1週間以上生活活動が制限された.

③ 調査の中止を申し出た.

2. 調査・計測方法

この研究は,2週間の介入前調査,8週間のPR,8週間の歩数FBを加えたPRの3つのセッションで構成し,それぞれのセッションごとに評価を行った(図1).

図1

研究計画

調査内容に関しては,介入前調査期間中に患者の診療記録および患者とその家族からの聞き取りにより,基本情報として年齢,性別, Body mass index,pack years,肺機能(%努力性肺活量:Predicted forced vital capacity: %FVC,対標準1秒量:Predicted forced expiratory volume in 1 second: %FEV1,1秒率:forced expiratory volume in 1 second(FEV1)/forced vital capacity(FVC)ratio: FEV1%),GOLDの病期分類,mMRC,CATを調査した.

PRおよび歩数FBを加えたPRの効果は,主要評価をPAとし,副次評価として息切れ,運動耐容能を調査した.さらに,今回の主要評価がPAであることから,PAに関係する生活環境要因として,日常生活における役割や生活範囲のアンケート調査についても実施した.身体活動量の評価は,各セッション終了2週間前より開始し,その他の評価は各セッション終了時に実施した.

1) 身体活動量

PAは,加速度センサー付歩数計ライフコーダEx(スズケン社,名古屋)を用いて測定した1日の平均歩数および運動量とした.使用方法に関しては,調査開始時に書面を用いて説明した.装置は患者のベルトに取り付け,位置は左上前腸骨棘部とした.装着時間は,起床から就寝までの間で入浴以外の時間とした.装着期間は,介入前調査および歩数FBを加えたPR期間は毎日装着した.PR期間は毎日装着せず,セッション開始後6-8週の2週間のみ装着した.

測定における注意として,介入前調査およびPR期間の測定時は歩数FBを避けるため,歩数計をパッキングして歩数の確認ができないように配慮した.また,全期間を通じて他の測定器を用いて歩数を測定しないように説明した.

研究対象データは,2週間連続測定したデータから1日の平均歩数および運動量を算出し用いた.

2) 息切れ

息切れは,全調査期間を通してBaseline dyspnea index(BDI)/Transitional dyspnea index(TDI)を用いて評価した.

研究対象データは,TDI総スコアおよび臨床的に意味があるとされる「1」以上改善29,30した患者の割合とした.

3) 運動耐容能

運動耐容能は6分間歩行テスト(6-minute walking test: 6MWT)を用いて評価した.6MWTの実施手順はAmerican thoracic societyの基準31に従って実施した.

研究対象データは,6分間歩行距離(6-minute walking distance: 6MWD)を用いた.

4) 生活環境要因

家事や趣味の有無,活動範囲は身体活動量に影響を与える.そこで今回,厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準」32や竹原らの報告33,34を参考に,3項目からなるオリジナルのアンケートを作成した.アンケートは内容がわかりやすく,チェックに時間がかからないように配慮した.

アンケートは患者の直接記入によって実施した.

① 毎日実施する家事動作があるか.

② 週2回以上実施する活動を伴う趣味があるか(例:花作り,畑仕事,グラウンドゴルフなど.ただし散歩は除く).

③ 歩行による活動範囲は次の4つのどれにあてはまるか(a.自宅内,b.自宅敷地内,c.隣近所,d.それ以上).

5) 呼吸リハビリテーション

PRプログラムは病院と在宅の両方で実施した.外来PRは15分程度の患者教育と60分程度の運動療法を組み合わせたプログラムを,週1回外来通院にて実施した.また,在宅においても毎日プログラムを実施するよう指導した.

PRプログラムは以下の内容で構成した.

① 患者教育:疾患教育や吸入指導,在宅療養指導など.

② コンディショニング:口すぼめ呼吸,簡単な柔軟体操.

③ 筋力トレーニング:椅子坐位での膝伸展トレーニング,椅子坐位からの立ち上がり,つま先立ち.

④ 有酸素トレーニング:5分程度の連続歩行を患者自身の最適歩行スピードから開始.目標は15-20分の連続歩行.外来通院時はさらにエルゴメータートレーニングを実施.

⑤ 歩数フィードバック:歩数FBは患者自身で自由に確認を行うが,歩数計を外す時は必ず確認を行うように指導した.また,昼(12:00頃)や夕方(16:00頃)にも確認するよう促し,フィードバックの機会が多くなるように配慮した.さらに,歩数計に記録されているデータを2週間に1回解析ソフト(Lifelyzer05 Coach,スズケン社,名古屋)を用いて解析し,日々の歩数状況を確認すると共に,得られたデータをサマリーとして患者に提供し,活動へのモチベーションの維持・向上を促した.また,得られたデータの+10%あるいは+500歩を1日の目標歩数に設定した.

⑥ その他:PR実施期間中,対象は日々の体調や在宅リハビリテーションの実施状況,日常生活の問題点などを活動日誌に記載した.また,歩数FBの期間中はこれらの記載に加え歩数も記載した.活動日誌の記録内容は,理学療法士が外来通院時に必ずチェックし,問題点などをその都度患者と話し合いながら解決した.また歩数FBの期間中は目標歩数の見直しを行った.

6) 歩数計使用と在宅リハビリテーションに関する状況調査

活動日誌および歩数計の解析データより,歩数計の装着コンプライアンスおよび歩数の確認状況,在宅リハビリテーションの実施状況を検討した.また,歩数FBに関する意見を直接記入によるアンケートにて調査した.

3. 解析方法

本文中および図・表の数値は平均±標準偏差で示した.PRおよび歩数FBを加えたPRの効果に関しては,PA(平均歩数,運動量)および6MWDの推移を反復測定分散分析を用いて比較検討し,さらに,Tukey’s methodを用いて多重比較検定した.息切れ(TDI)に関しては,PRと歩数FBを加えたPRでWilcoxon signed-rank testを用いて比較検討した.データ分析にはIBM SPSS Statistics for Windows, Version 23.0(Armonk, NY: IBM Corp)を用い,統計学的有意差は5%未満とした.

4. 倫理的配慮

本研究はヘルシンキ宣言を遵守し,すべての対象者には事前に書面および口頭にて研究の趣旨・方法に関して説明し,測定データの使用に関する同意を得て行った.また,得られた測定データに関しては個人が特定されないように,個人情報の保護に十分に配慮して検討を行った.本研究は,中部学院大学臨床研究倫理審査委員会の承認を得ている(承認番号:D18-0003).

結果

対象者背景を表1に示す.調査期間内に対象条件に該当したのは14名であり,全員から本研究への参加の同意が得られた.また介入前に参加辞退した患者はいなかった.そして除外設定に1名も該当することなく調査計画を完遂した.

表1 対象者背景
年齢(歳)73.5±2.3
性別(男/女), n14/0
BMI(kg/m218.5±2.0
GOLD病期分類(3/4), n6/8
mMRC(3/4), n3/11
BDI(点)3±0.6
CAT(点)20.1±2.4
介入前歩数(歩)1,635±459
服薬状況
 LABA/LAMA, n(%)11(79)
 ICS/LABA+LAMA, n(%)3(21)
肺機能
 %FVC(%)72.2±10.7
 %FEV1(%)30.7±6.3
 FEV1%(%)43.0±8.8

歩数計使用状況に関しては,歩数計の解析データから全員が毎日装着していることが確認できたことから(装着率100%),装着コンプライアンスは良好であると考えられた.また,活動日誌への歩数記録率が100%であったことから,毎日歩数フィードバックが行われていると判断できた.

歩数フィードバックに関する患者の意見は,「歩数が増えるのを見るのは楽しい」,「目標の達成感によって歩くことへの意欲が高くなる」,「家族が褒めて励ましてくれる」などの肯定的意見のみであり,「手間がかかる」,「面倒」などの否定的意見はなかった.また,歩数状況のサマリーの提供は「努力の結果が自分の目で確認することができ楽しい」との肯定的意見のみが得られた.

在宅リハビリテーションの実施状況に関しては,活動日誌の記録からPR期間の実施率96.4%,歩数FB期間の実施率96.4%であることが確認できたことから,良好に実施されていると考えられた.

歩数および運動量の経時的推移を図2に示す.歩数および運動量は介入前と比較し,PR後および歩数FBを加えたPR後においていずれも有意な増加を示し(歩数(歩):1,634±459,2,180±843,3,050±1,045,P<0.01.運動量(Kcal):26.8±9.8,38.7±17.8,52.6±20,P<0.01),低下した患者はいなかった.さらに,PR後と歩数FBを加えたPR後の間にも有意な増加を認めた(P<0.01).

図2

身体活動に対する呼吸リハおよび呼吸リハ+歩数フィードバックの効果

息切れに関しては,TDI総スコアにおいて臨床的に意味があるとされる「1」以上改善した患者の割合は,PR後および歩数FBを加えたPR後共に100%(14/14名)と良好な結果を示し,低下した患者はいなかった.また,総スコアはPR後および歩数FBを加えたPR後の間に有意な改善を示した(P<0.01)(表2).

表2 呼吸リハおよび呼吸リハ+歩数フィードバックの効果
介入前呼吸リハ呼吸リハ
+
歩数フィードバック
TDI(点)1.3±0.72.4±0.9†
6MWD(m)212±35248±40*285±47*†
生活環境要因
 毎日実施する家事動作があるか(有/無), n0/144/107/7
 週2回以上実施する活動を伴う趣味があるか(有/無), n0/140/142/12
歩行による活動範囲自宅内:4名(28%)自宅内:0名自宅内:0名
自宅敷地内:8名(57%)自宅敷地内:9名(64%)自宅敷地内:2名(15%)
隣近所:2名(15%)隣近所:3名(21%)隣近所:7名(50%)
それ以上:0名それ以上:2名(15%)それ以上:5名(35%)

All data are presented as mean ± SD.

介入前 vs 呼吸リハ,呼吸リハ+歩数フィードバック;* P<0.01,呼吸リハ vs 呼吸リハ+歩数フィードバック;† P<0.01.

運動耐容能に関しては,6MWDは介入前と比較しPR後および歩数FBを加えたPR後においていずれも有意な増加を示し(P<0.01),低下した患者はいなかった(表2).さらに,PR後と歩数FBを加えたPR後の間にも有意な増加を認めた(P<0.01).

生活環境要因の経時的推移を表2に示す.毎日実施する家事動作の有無は,PR後は4名(29%),歩数FBを加えたPR後は7名(50%)が実施していた.週2回以上実施する活動を伴う趣味の有無は,歩数FBを加えたPR後で2名(14%)が実施していた.歩行による活動範囲は,PR後に8名(57%)に拡大を認め,歩数FBを加えたPR後は,PR後よりさらに10名(71%)が拡大した.また,生活環境要因が低下を示した患者はなかった.

考察

重症COPD患者におけるPA向上に対する手段の確立は重要であり,早急に対処すべき課題である.そこで本研究では,PRがPAに与える効果について検討を行った.さらに,歩数計を行動変容のツールとし,歩数FBを併用した上乗せ効果について検討を行った.

今回の研究において,PRにより歩数や運動量は有意な増加を認めた.これは,PRにより息切れや運動耐容能が有意に改善したことが理由と考えられる.

これまでの報告において,息切れや運動耐容能が歩数と強い関係にあることは明らかにされている4,35,36,37,38,39.一方,重症COPD患者は息切れが強く,運動耐容能が著しい低下を示し,PAを支える基本的な身体機能が低下していることが多い.そのような状況下で身体活動を促したり,行動変容をきたすような教育を積極的に行ったとしても,効果を得ることは困難である.そこで今回,呼吸法指導などにより息切れをコントロールしつつ,筋力トレーニングや有酸素運動といった基本的なメニューによる身体機能の改善を行った.その結果,息切れの改善や運動耐容能が向上し,PAを支える基本的な身体機能を取り戻したことで,歩数や運動量の増加を成し得たと考えられた.

今回の研究において,歩数FBを加えることでPAのさらなる向上が得られた.近年ではPA向上のためには,活動するための目的を有することが重要であると言われている.川越らはPR群と歩数FBを加えたPR群との比較を行い,歩数FBを加えたPR群の歩行時間が有意に長かったと報告している40.また加藤らは歩数計と活動日誌を用いた自己管理プログラムは,歩数を有意に向上させると報告している41.しかし,本研究においては低活動である重症COPD患者が対象であることから,歩数管理による活動目標の設定が活動量向上の取り組みとして成功するか疑心があった.しかし,今回歩数FBの効果を認めたことから,重症COPD患者においても活動のための目標は有効であることが示された.また,歩数FB後に歩行による活動範囲のさらなる拡大を認めたことから,歩数FBは重症COPD患者の行動変容を促す手段として有効な方法であると考えられた.

介入ツールとして歩数計を選択したことに関しては,歩数FBに関する患者の印象は非常に良好で,装着コンプライアンスも良好であったことから,重症COPD患者の治療デバイスとして十分に使用できると考えられた.

今回の研究では,身体活動量の変化が生活環境要因の変化に与える影響についても調査を行った.本研究期間内において,すべての患者に活動範囲の拡大を認め,半数の患者が毎日実施する家事動作を得ていたことから,PRと歩数FBが重症COPD患者の行動変容をきたすことが示唆された.一方,毎日実施する家事動作や週2回以上実施する活動を伴う趣味をすべての患者が得るには至らなかった.この結果は,歩数増加が単に歩数を増やすための行動に終わっている患者が存在する可能性を示唆すると考えられる.今回得られたPA向上効果を生活習慣に反映し長期的に維持するには,家庭の役割をもつことや社会参加が重要である39,42,43.今後,身体機能のみではなく患者を取り巻く家庭や社会環境まで一歩踏み込んだ指導や,長期的なフォロー体制の確立などの対策が必要であると考えている.

今回の研究における限界としては,症例数が少ないことがあげられる.重症COPD患者の多くがPRを経験していることから,今回の調査対象条件に該当する患者を選択することが困難であった.また,本研究は結果として男性COPD患者のみが対象となったため,性差別の検討も必要と考えられる.今後,単施設による調査ではなく,多施設間研究により対象者の増大,または性差別の検討を行うことで,根拠を深める必要があると考えている.

研究方法における限界としては,PRおよび歩数FBの単独効果を評価していないことがあげられる.今回の対象者は歩数FBに先行してPRを実施していることから,8週間のPRにより身体状態が改善し,引き続きのPRによりTDIや6MWD,PAがさらに改善したという結果が得られた可能性がある.研究参加者を集めることに苦慮したため今回このような方法を選択したが,研究方法の見直しは必要であると考えている.

介入方法における限界としては,患者教育や活動状況のチェック時における対象者への励ましや指導内容が統一されていないことがあげられる.患者のモチベーションを考えた場合,励ましや指導は重要であり結果に影響を与える可能性がある.今後は,指導マニュアルの作成などによる統一化が考慮される必要があると考えている.

重症COPD患者のPAを向上させるためには,解決すべき多くの問題があり困難を極める.これに対し,PRと歩数FBの組み合わせがPAを向上させることが示唆されたことは非常に意義深い.

今後,我々はこれらの方法を積極的に実施していくと共に,残された課題を解決すべく調査研究を継続していきたいと考えている.

著者のCOI(conflicts of interest)開示

本論文発表内容に関して特に申告すべきものはない.

文献
 
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