The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation
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Workshop
Nursing practice for a patient with chronic respiratory failure based on the chronic illness trajectory framework
Yasuko Igai
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2022 Volume 30 Issue 3 Pages 294-299

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要旨

病状の改善がみられず,死を思い苦しむ慢性呼吸器疾患をもつ人々を,医療者はどのように援助してゆけばいいのだろうか.慢性疾患と共に生きる人々の言動,そして行動の意味を洞察する道標のひとつに,病みの軌跡理論がある.本理論は,StraussとGlaserらによる,死にゆく人と家族,医療者の相互関係の研究から発展したものである.Straussは病院,及び家庭での慢性疾患の管理を調査し,慢性疾患を生きる人々は軌跡を描くことを1984年の著書,慢性疾患を生きる―ケアとクォリティ・ライフの接点,にまとめ,1992年,看護師のCorbinと病いと生きる方策を導く本理論を開発した.

本稿では病みの軌跡理論の成り立ち,および主要概念を概説する.また,病みの軌跡理論を基盤とした,病状の改善の見られない慢性呼吸不全患者が今を生きることを見出してゆく看護援助の事例研究を用いて,高度実践看護師である専門看護師による理論と実践の統合について解説する.

緒言

専門看護師は,看護理論に基づいて現象を説明し,臨床推論により介入の結果を予測する実践を行う高度実践看護師である.Hamric1は専門看護師による看護実践を,対象者の経験している現象に実践,理論,研究を土台としたコンピテンシーを広範囲に応用すること,と定義している.看護理論とは,日常の看護場面で生じる複雑な出来事の関係を系統的に整理し,考え方や見方を示すもの2である.慢性呼吸器疾患により生じる呼吸困難感は,症状緩和の手立てが限られ,慢性呼吸器疾患をもつ人々は,不安やパニックを引き起こし易い.また,死を連想させ,生きる意味や目的への問題をもたらすと考えられている3.症状の悪化に直面しながら自立を失い,死を思い苦しむ慢性呼吸器疾患をもつ人々を,医療者はどのように支えてゆけばいいのだろうか.

慢性疾患と共に生きる人々の言動や,行動の意味を洞察する道しるべに,病みの軌跡理論4がある.病みの軌跡理論は,社会学者で質的研究のグラウンディッド・セオリーを開発したStraussとGlaser,そして看護師のBenolielにより1965年に行われた死にゆく人と家族,医療者の相互関係の研究が発展したものである.Straussは1960年代後半から1970年代,1980年代にかけて病院,及び家庭での慢性疾患の管理を調査した.そして,慢性的な状態は一つの行路をもち,その行路は適切に管理すれば方向づけができること,そして,慢性疾患は日常生活に様々な問題をもたらし,生活の質を維持するためには,患者と家族がその問題を管理しなければならない,との結果を得た5.この研究により,軌跡という用語が慢性疾患に適用され5,Straussは著書,慢性疾患を生きる―ケアとクォリティ・ライフの接点6,において慢性疾患を生きる人々は軌跡を描くことを著した.さらに,看護師のCorbinとの調査で,生活上必要不可欠な調整を行う際の努力が明らかになり,1992年,病みの軌跡理論を開発した.原著のThe Chronic Illness Trajectory Framework―The Corbin and Strauss Nursing Model4は,American Journal of Nursing誌の1993年度ブック・オブ・ザ・イヤー7に選ばれ,我が国には,1995年に黒江らによる翻訳本が発表された5

正木による病みの軌跡の特徴と,セルフケア上の課題の分類8では,慢性呼吸器疾患は病みの軌跡の曲線が大きく揺らぐ急性増悪期と緩解期を繰り返しながら進行していきやすい慢性疾患に分類されている.本稿では,病みの軌跡理論の概説に加え,病みの軌跡理論を基盤とした病状の改善が見られない慢性呼吸不全患者が今を生きることを見出した看護援助の事例を用い,専門看護師による理論と実践の統合を解説する.

看護理論とは

看護理論は,看護学独自の学問体系である2.外来診察室で看護師と医師は同じ現象を見ているが,看護師は生活者である人を中心に現象を見,医師は疾患を中心に現象を見ている.看護理論は,看護師が何に立脚して現象を見ているのかを示すものであり,説明する現象を示す主要概念と,その定義がなされている.2つ以上の概念の関係性を説明したものをモデル,枠組みという.

病みの軌跡を基盤とした看護実践事例

1. 事例紹介

50歳代の女性A氏は,原因不明の慢性II型呼吸不全である.10年前に在宅酸素療法(安静時,労作時共,経鼻カニューラ 2.5 L/分),6年前に在宅非侵襲的陽圧換気療法を導入した.心不全の増悪により入院するも,病状の改善はみられず,保清などの援助を拒むようになったため,病棟師長と主治医から専門看護師に相談があった.

2. 倫理的配慮

A氏とご家族に口頭と文書にて自由意思による同意を得た.また,筆者の研究実施時の所属施設の倫理委員会で承認を得た(承認日2016年3月31日,承認番号なし).

3. 病みの軌跡の概念枠組み

病みの軌跡理論は,Trajectory(軌跡)が主要概念である.これは,病気の慢性的状態は,長い時間をかけて多様に変化していく一つの行路(course)を示す,という考えに基づいている5.軌跡は,過去,現在,そして軌跡の予想への道筋を示し,揺らぎながら進む力動的なモデルである.また,病みの行路(illness course)は,管理をし,方向を定めることができる.本モデルは様々な慢性疾患に適用され,一般化されている5.また,援助者に現象の洞察を深めることを促し,看護実践を導くことに役立つ9

4. 病みの軌跡理論の哲学的前提と関心領域

病みの軌跡理論の哲学的前提は,Chronicity(慢性性)である.Chronicityとは,慢性疾患と長らく生活を共にして人生を生きるというあり方であり,その思想の根底に流れているものである10

看護理論には,人間,健康,環境,看護,の4つの関心領域がある.本理論では,人間は,若者から高齢者まで誰もが慢性状況に苦しめられる可能性があること,健康は,慢性状況におけるケアの焦点は慢性状況の予防と病気を管理し,その病気と共に生きる方策を発見すること,環境は,家庭がケアの中心であること,看護は,病みの行路を方向づけることができ,同時に生活の質を維持できるように支持的援助をすること,とされている5

5. 看護援助によるA氏の変容の過程

1) A氏の語り(表1)と変容

A氏とは8回面談を行った.事前に訪問日時を決めておき,支援する意思をA氏に示すようにした.A氏の面談の語りを表1に示す.A氏は,初回,および2回目の面談では,息苦しさと死の恐怖に関心が向いており,「もう頑張れない.今は前が向けない,家族に申し訳ない.」と語った.面談で対話を積み重ねるうちA氏は家族からのサポートに気づいていった.母親役割が新たな関心となったA氏は,思考と行動の変容がみられるようになり,今を生きるようになった.

表1 A氏の語りと変容の過程
面談1回目2回目3回目4回目5回目6回目7回目8回目
語り動くと,どきどき息苦しくなる.苦しみながら死ぬのは嫌だ.前の入院は頑張れた.今は何も前が見えない,家族に申し訳ない.色が変わってきた足を家族が黙ってさすってくれる.家族の支えが心強い.子供の成長ぶりが母として嬉しい.苦しい病気になるのは何か意味がある.母には色々心配事がある.動いた後の息苦しさに躊躇するけれど,気分転換に車椅子に乗れたらなぁ.前が向ける感じがするので子どもと面会します.子どもに弱い顔は見せられなかった.実際は動けてないけど,希望が持てる.車椅子に乗る事を楽しみにしていて下さい.
A氏の変容の過程症状・死の恐怖に関心が向きふさぎこむ家族からのサポートに気づく母親役割の再獲得今を生きる

2) A氏の病みの軌跡(図1

病みの軌跡理論において軌跡(trajectory)は主要な概念である.軌跡は,病みの行路と同義であり5,過去を振り返った時にはじめてわかる,もしくは不確かでわからない場合もあるが連続的曲線を成す.行路の方向づけには,患者本人,家族,そして保健医療専門職の努力が必要である5

図1

A氏の軌跡の局面と局面移行

脚注,HOT(Home Oxygen Therapy);在宅酸素療法

A氏の病みの行路を図1に示す.A氏は子どもの頃から体が弱かったが,思いがけず3人の子どもの母となり,忙しい日々を送っていた.10年前,全身に浮腫が出現し受診したところ,即日,在宅酸素療法が導入された.徐々に家事などができなくなり,入退院を繰り返しながら病いと生きてきた.A氏における今という時間は,「死に至る病気に侵されていると知った時,現在という瞬間が,余人とは違った重みを持つ11」,まさにその時と考えられた.

3) A氏の軌跡の局面と局面移行(表2図1

軌跡の局面とその定義を表212に示す.軌跡の局面は,1992年に患者と家族の語りにより8局面が導かれ,2001年に9局面となった13.A氏の病みの行路は,増悪期と安定期との軌跡の局面移行をしながら進んでいた(図1).

表2 軌跡の局面12
局面phase特徴管理の目標
前軌跡期pretrajectory個人あるいは地域における慢性状況に至る可能性のある遺伝的要因あるいはライフスタイル慢性の病気の発病予防
軌跡発現期trajectory onset徴候や症状がみられる.診断の期間が含まれる適切な軌跡の予想に基づき,全体計画を作り出す
安定期stable病みの行路と症状が養生法によりコントロールされている状況安定した病状・生活史への影響・毎日の生活活動を維持する
不安定期unstable病みの行路と症状が養生法によってコントロールされていない状況安定した状態に戻る
急性期acute病気や合併症の活動期,その管理のため入院が必要となる状況病気をコントロールのもとに置くことで,今までの生活史と毎日の生活活動を再び再開する
クライシス期crisis生命が脅かされる状況生命への脅威を取り去る
立ち直り期comeback障害や病気の制限の範囲内での受けとめられる生活のあり様に徐々に戻る状況.身体面での回復,リハビリテーションによる機能障害の軽減,心理的側面での折り合い,毎日の生活活動を調整しながら生活史を再び築くことなどが含まれる行動を開始し,軌跡の予想および全体計画をすすめる
下降期downward身体的状態や心理的状態は進行性に悪化し,障害や症状の増大によって特徴づけられる状況機能障害の増加に対応する
臨死期dying数週間,数日,数時間で死に至る状況平和な終結,解き放ち,および死

4) A氏とその家族,医療者の軌跡の予想(表3

軌跡の予想は,病いの行路に関する見通しのこと5である.病いの意味を含み,どのような見通しをもつのかにより行動や思考に影響を及ぼす.疾患の管理に携わる患者自身と,家族,医療者の各々が軌跡を予想するが,それらは,必ずしも一致するとはいえない.事例における軌跡の予想を表3に示す.

表3 A氏,家族,医療者の「軌跡の予想」
軌跡の予想現状の認識への語り
A氏不安定期?
下降期?
苦しみながら死ぬのは嫌だ.息が苦しくて苦しむのは嫌だ,怖い.
だけど,そうなるかもしれない.今までさんざんこんな生活だった.
家族立ち直り期?
下降期?
自宅に帰りたいなら,付きっ切りで看る覚悟はできている.
医療者下降期労作によるSpO2の低下,および脈拍の上昇傾向がみられており,状態は悪い.
退院できないことはないが,本人の意思がわからない.

5) A氏への看護援助と変容の過程(図2

A氏への看護援助と変容の過程を図2に示す.初回面談では,現在までの体験の表出を試み,心情を受け止めながら傾聴した.面談2回目では,A氏は家族への申し訳なさを語るも,家族は病棟看護師長に,「本人の望む支援をしたい.」と話し,大切にしていた.家族はA氏の慢性状況の管理に影響を与える条件のひとつであると考えられた.

図2

A氏への看護援助と変容の過程

面談3回目の「色が変わってきた足を,家族が黙ってさすってくれる.」との語りをきっかけに,家族による支えをA氏が気づけるように関わった.面談4回目で,家族に大切にされていることに気づき,「家族の支えが心強い.子どもの成長ぶりが,母として嬉しい.」と語った.また,A氏の病みの軌跡から,在宅酸素療法のためにガス台に近づくことができなくなり食事の支度ができず,家族の役に立てなくなったという思いを抱えていたことがわかった.それは,母親役割の喪失と考えられた.Thomasらは,看護師の役割とは,患者が新たな考え方に心を開くのを励ますこと,と述べている14.母親役割の再獲得は,A氏が病いと生きる自分と折り合いをつけることを助け,また,死の恐怖へのコーピングを促進すると考えられた.よって,これらをもとに面談3,4回目の時点で「軌跡の全体計画」を立案した(表4).A氏は,軌跡の局面における「下降期」にあると考えられた.「下降期」の目標は,身体状態の悪化に適応するために,生活史と日常生活活動における必要な調整,再調整ができるように患者を援助すること5とされる.そこで,A氏の目標は「家族,医療者による心身の援助により母親役割を強め,今を生きるようにすること.」とし,介入の焦点を「母親役割を再獲得し,今を生きることができる.」とした.

表4 A氏の「軌跡の全体計画」
軌跡の局面の予想軌跡の予想の背景
A氏不安定期?下降期?身体の辛さに関する主観的感覚
呼吸困難感
家族立ち直り期?下降期?言葉を交わすことなくA氏の身体をさすりベッドサイドにいる夫,長女,母
医療者下降期看取りは否定できない
全身状態は悪い
・介入の焦点:A氏が母親役割を再獲得し,今を生きることができる.
・目標:家族,医療者による心身の援助により母親役割を強め,今を生きるようにすること.
・管理に影響する条件:
①資源:キーパーソンである配偶者,長女,母とは情緒的な結びつきがある.在宅酸素療法業者のケア担当者とも良好な関係にある.長男,次男とは「元気な母親でありたい.」との思いから,本入院ではまだ面会に応じていない.A氏は,母親としてどうありたいか,を大切にしていると考えられ,自身の行動についての意思決定ができる.
②調整が必要な資源:A氏が今を生きるようになると,未来へも関心が向くようになると考えられ,思考,および行動の変容が予測される.また,A氏は,家族に迷惑をかけている,との思いをもち続けているため,家族との気持ちの調整が必要である.

面談5回目に,「苦しい病気になるのは何か意味がある.母には色々心配事がある.」と語った.A氏は,母親役割が今もなお存在し続けており,どんな時も変わらず母親として大切にされている自分に気づいたと考えられた.Bennerら11は,人は喪失や苦しみに見舞われても,その状況下で新しい関心を通じ,新たなつながり方を見出せる,と述べている.A氏の新しい関心は母親役割であり,その再獲得に伴い自己像の揺れが緩やかになったと考えられ,保清などの拒否や拒薬がみられなくなった.そして,面談6回目には,「動いた後の息苦しさに躊躇するけど,気分転換に車椅子に乗れたらなぁ.」との語りがあった.面談7回目には,入院してから長女以外の2人の子どもとの面会に応じない理由が語られた.それは,母親が辛そうにしている姿を見せたくない,との思いであった.A氏は,「前が向ける感じになったから,面会します.子どもに弱い顔は見せられない.」と語った.そして,子どもたちとの面会後,「母として,子どもの成長ぶりをみられることが嬉しいというか.病気にならなければ,気づかなかったかもしれない.どんなに苦しくても母として生きたい.母はこの世でひとりですから,どんなに苦しくても生き抜きます.」と語った.筆者は,病いの体験を意味づける援助を続けた.A氏は,今を生きるようになったと考えられた.

しかしながら,A氏の病状は更に悪化していた.面談7回目の3日後,バイタルサインズの記録から急変が近いと判断し訪室することにした.8回目の面談で,A氏は普段と変わらぬ穏やかな笑みを湛えながら,「実際は動けていないけれど希望が持てる.あなたに車椅子に乗せてほしいわ.いつか車椅子に乗ることを楽しみにしていて下さい.」と語った.この面談の2時間後,A氏は致死性不整脈により,苦しむことなく生涯を終えた.

6) A氏の「管理に影響する条件」と「軌跡の全体計画」(表4

A氏の「軌跡の全体計画」を表4に示す.軌跡の全体計画とは,病みの行路の全体的な方向づけをすること,今ある症状をコントロールすること,障がいに対応すること,を目的として立案される計画のことである5.この計画は,治療計画以外に思考などを指す「管理に影響する条件」を含んでいる.軌跡の全体計画の遂行は多くの条件の影響を受けており,薬剤の副作用,使用する医療機器,知識,人的資源,経済力,経験などがある.よって,必要な資源を準備,調整し,軌跡の全体計画の目標の設定を行う.事例では,家族とA氏の思考も資源であると考えられた.軌跡の全体計画には,現在の軌跡の局面における目標と,介入により期待できる帰結を記した.

7) 病みの軌跡理論における「折り合いをつける」と「編みなおし」

「折り合いをつける」とは,慢性状況を生きるために必要なアイディンティティの適応のプロセスのことである5.事例では,母親役割の再獲得により病いと生きることに折り合いをつけていた.また,編み直しは,ひと目ひと目ほどいては編み直す,という人間の内面的な作業を示す.病いは自分ではコントロールできないが,生き方は自分で決めることができる.A氏は,「この病気にならなければ,子どもの成長の喜びに気が付かなかったかもしれない.」と話している.A氏にとって病いは死に至る苦しいものから,大切なものを気づかせるものとの編み直しがなされたと考えられた.

6. 看護援助の評価

病みの軌跡理論を基盤とした看護実践の最終目標は,より良く生きること(well-being)を高いレベルで維持することである.傾聴を中心とした看護援助によりA氏の思考が整理され,自己価値に気づく機会になったと考えられる.また,A氏は自らのもつ母親役割に気づき,思考と行動が変容し,今を生きるようになったと考えられる.Schwing15は,「心を病気にするほどに重荷,葛藤,そして失意による圧迫が重い場合は,第二の人が現れ重荷に耐えてゆくのをどんなときにも助けるべきである.」と述べている.この第二の人となる看護師には,どのような自分なら相手は話しやすいのか,の自己洞察が常に求められている.沈黙も語りの一部であり,共に在ることを示す援助と考えられる.

結語

病みの軌跡理論を基盤とした看護援助の事例より,専門看護師による理論と実践の統合を解説した.本事例から,どんなに苦しい日々を生きているとしても,関わりによって,人は豊かに生きられる可能性を秘めていることを学んだ.苦しみの中にある豊かな生を,共に歩める援助者でありたいと考えている.

備考

事例をご提供頂きましたAさんとご家族,滋賀県立総合病院呼吸器内科部長渡邉壽規先生に深謝申し上げます.事例研究の要旨は,第7回日本慢性看護学会学術集会(2013年5月,兵庫県)で発表した.

著者のCOI(conflicts of interest)開示

本論文発表内容に関して特に申告すべきものはない.

文献
  • 1)   Hamric  AB,  Spross  JA,  Hanson  CM: Advanced practice nursing: an integrative approach 4th ed, W. B. Saunders Co, Philadelphia, 2009, 78.
  • 2)   Chinn  PL,  Kramer  MK: Integrated theory and knowledge development in nursing 8th ed, Mosby/Elsevier, St. Louis, 2011.
  • 3)   Lanken  PN,  Terry  PB,  Delisser  HM, et al.: An official American thoracic society clinical policy statement: palliative care for patients with respiratory diseases and critical illnesses. Am J Respir Crit Care Med 177: 912-927, 2008.
  • 4)   Woog  P: Chronic illness trajectory framework: the corbin and strauss nursing model, Springer Pub Co, New York, 1992.
  • 5)   Woog  P:慢性疾患の病みの軌跡—コービンとストラウスによる看護モデル—,黒江ゆり子,市橋恵子,寳田穂訳,医学書院,東京,1995.
  • 6)   Strauss  AL,  Corbin  J,  Fagerhaugh  S:慢性疾患を生きる ケアとクオリティ・ライフの接点,南裕子監訳,医学書院,東京,1987.
  • 7)   Stotts  N: Book of the year. American Journal of Nursing 93: 48-55, 1993.
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  • 9)   Lubkin  IM,  Larsen  PD:クロニックイルネス 人と病いの新たなかかわり,黒江ゆり子監訳,医学書院,東京,2007.
  • 10)  黒江ゆり子:病いのクロニシティ(慢性性)と生きることについての看護学的省察.日慢性看会誌 1: 3-9, 2007.
  • 11)   Benner  P,  Wrubel  J:現象学的人間論と看護,難波卓志訳,医学書院,東京,1999.
  • 12)  黒江ゆり子,藤澤まこと,普照早苗:病いの慢性性(Chronicity)における「軌跡」について—人は軌跡をどのように予想し,編みなおすのか.岐阜看大紀 4: 154-160, 2004.
  • 13)   Hyman  RB,  Corbin  J: Chronic illness research and theory for nursing practice, Springer Publishing Company, New York, 2001.
  • 14)   Thomas  SP,  Pollio  HR:患者の声を聞く 現象学的アプローチによる看護の研究と実践,川原由佳里監訳,エルゼビア・ジャパン,東京,2006,286-289.
  • 15)   Schwing  G:精神病者の魂への道,小川信男,船渡川佐知子共訳,みすず書房,東京,1966,14-166.
 
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