2023 Volume 31 Issue 3 Pages 334-339
背景)気管支喘息においてLAMA(long-acting muscarinic antagonists)はICS(inhaled corticosteroid),あるいはICS-LABA(inhaled corticosteroid-long-acting beta2-agonists)で効果不十分な場合に併用することが推奨されている.しかし,反応性にはばらつきがあり,その効果を評価するにあたりエアゾル発生リスクが少ない安全な検査手技が求められている.
目的)喘息においてLAMAが有効な症例の予測因子を探る.LAMAの効果をオシレーション法で予測し評価する.
対象)気管支喘息患者のうち,ICS-LABAを投与しても閉塞性換気障害が残存した31例.
方法)対象者にLAMAを追加し,追加前後にスパイロメトリー,オシレーション法,FeNO測定を実施した.
結果)一秒量(FEV1)は平均119 ml増加していた.FEV1が10%以上増加する予測因子は,共振周波数(Fres)高値であることだった.FEV1とFresには良好な相関関係がみられた.
結語)オシレーション法を実施することで喘息におけるLAMAの有効な症例が予測でき,その効果の評価も可能と思われる.
気管支喘息は慢性の気道炎症と可逆性の気道狭窄と気道過敏性の亢進を特徴とするが,病態は多様性にとみ,さまざまなフェノタイプの分類が試みられている1).発症年齢,発作の誘因(アトピー型,非アトピー型,ウイルス感染など),気道炎症のタイプ,肥満,喫煙歴などで分類され,その特徴から治療方法を選択することが望まれる.2010年ころから喘息における長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の有用性が複数報告されている.2型炎症の有無や2),body mass index(BMI)にかかわらず呼吸機能の改善効果がみられ3),コントロール不良な患者に対してICSを増量するよりLAMAを追加したほうが呼吸機能の改善効果を示したとの報告4)から現在は日本アレルギー学会のガイドラインでも推奨されている5).しかし,臨床においては症状や呼吸機能が顕著に改善するものがある一方で反応性に乏しいものもしばしば経験する.どのような症例でLAMAが効果を示すのか予測できれば効率的に治療ができる.また治療の客観的評価の指標としてこれまでFEV1が一般的に用いられてきた.しかしスパイロメトリーの検査手技は被検者の努力に依存するため,被検者によっては正確な計測が困難な場合もある.深呼吸や最大努力での強制呼気を行う検査手技は周囲への飛沫やエアゾルの飛散を生じ,被検者がcoronavirus disease 19(Covid19)だった場合,感染拡大のおそれがある.オシレーション法はスパイロメトリーに比べより簡便で,安全な検査であり,オシレーション法でLAMAの効果を予測しかつ効果を評価できれば実臨床においても有用と考え,本研究で検証した.
2020年10月から2021年12月の間で地域医療機能推進機構高岡ふしき病院に通院中のCOPD合併喘息(ACO)含む喘息患者は90例だった.1ヶ月以上コントロールされた状態(ACT 20以上)の安定した喘息患者でICS-LABA投与中(76例)だが,スパイロメトリーで一秒率(FEV1/FVC)が70%未満の閉塞性換気障害が残存するものは35例だった.このうち緑内障や前立腺肥大のあるのものを除外し,研究の同意をえたもの31例に,LAMAを追加した.ウメクリジニウム 62.5 μgを追加したものが26例,チオトロピウム 5 μgを追加したものが5例だった.1ヶ月以内に呼吸器感染を併発したもの,胸部画像上明らかな胸郭異常や腫瘍性病変があるものは除外した.
方法薬剤追加前にスパイロメトリー,オシレーション法,呼気一酸化窒素濃度(FeNO)測定と血液検査(好酸球分画,血清総IgE値,IgE RAST)を実施し薬剤追加から3ヶ月後にスパイロメトリーと広域周波オシレーション法を再検し,その効果を評価した.
スパイロメトリー:FUKUDA DENSHI 肺Per®を用いた.熟練した臨床検査技師が「呼吸機能検査ガイドライン」6)にもとづいて実施した.3回の計測で最も良好なスパイログラムが描出できたものを採用した.また基準値は日本呼吸器学会肺生理委員会が提唱しているもの7)を用いた.
オシレーション法の測定:モストグラフ®(MostGraph-02,CHEST社)を用いた.スピーカーから発生させたパルス波をマウスピースから口腔内に伝播させ,返りの圧と気流をマウスピース接続部のセンサーが測定しフーリエ変換する.対象者は椅子にすわり,ノーズクリップを装着し,マウスピースを漏れのないようにくわえ,用手的に頬部を圧迫し安静換気を行う.安定した段階で測定を開始し安静呼吸5回の平均値を自動解析し測定値とした.診察室で主治医が実施した.5 Hz,20 Hzの抵抗をそれぞれR5(cmH2O/L/s),R20(cmH2O/L/s),両者の差をR5-R20(cmH2O/L/s),5 HzのリアクタンスをX5(cmH2O/L/s),共振周波数をFres(Hz),共振周波数までのリアクタンスの積分をALX(cmH2O/L)と表現した.
呼気一酸化窒素濃度(FeNO)測定:Bedfont社のNO breath®を用いた.ATS/ERSのガイドラインに準じ,全肺気量位から 50 ml/sの呼気流量を保って呼出させ,主治医が診察室で測定した.
倫理的配慮本研究では個人情報保護のため匿名性を守ること,本研究以外には使用しないことを約束し,対象者全員の同意を得ており,地域医療機能推進機構高岡ふしき病院の倫理委員会の承認を得た(審査番号:R3-02号 高ふ病倫).
統計学的解析統計解析は統計ソフトSPSS Ver. 23を用いた.統計値は平均値±標準偏差で表記した.対数正規分布をとる変数(IgE,FeNO)については平均値と95%信頼限界値で表記した.また,対数正規分布をとる変数は対数変換後に統計学的解析を行った.2群間の対応のあるサンプルの比較はT検定をおこなった.FEV1の改善率と各患者パラメーターの関連は2変量解析を行った.FEV1が顕著に改善すること(10%以上の改善)に関する多変量解析はロジステイック回帰分析にて評価した.p<0.05を統計学的に有意とした.
対象となった31症例の背景,呼吸機能,FeNO,モストグラフの各指標の平均値を示す(表1).平均年齢70.4歳,男性23例,女性8例だった.BMIは 25.4 kg/m2だった.ACOが11例(35.5%),アレルギー性鼻炎を合併しているものが10例(32.3%)アトピー性皮膚炎を合併しているものが5例(16%)含まれていた.定期使用していたICS-LABAはフルチカゾンフランカルボン酸 100 μg/ビランテロール 25 μgが15例,フルチカゾンフランカルボン酸 200 μg/ビランテロール 25 μgが11例,ブデソニド 160 μg/ホルメテロール 4.5 μg1日4吸入が2例,フルチカゾンプロピオン酸エステル 125 μg/ホルメテロール 5 μg1日4吸入が3例だった.併用薬はロイコトリエン拮抗薬(LTRA)やテオフィリン徐放剤が投与されているものもいたが,抗体製剤を投与されているものはいなかった.
年齢(歳) | 70.4±11.4 |
男:女 | 23/8 |
ACO | 11人(35.5%) |
BMI(kg/m2) | 25.4±5.8 |
FeNO(ppb) | 37.7[28.9-49.8] |
好酸球数(/μL) | 353±274 |
IgE(IU/ml) | 262[137-498] |
合併症 | |
アレルギー性鼻炎の合併 | 10人(32.3%) |
アトピー性皮膚炎の合併 | 5人(16%) |
併用薬 | |
LTRA | 8人(25.8%) |
テオフィリン徐放剤 | 2人(6.5%) |
定期使用していたICS-LABA | |
フルチカゾンフランカルボン酸 100 μg/ビランテロール 25 μg | 15人(49%) |
フルチカゾンフランカルボン酸 200 μg/ビランテロール 25 μg | 11人(36%) |
ブデソニド 160 μg/ホルメテロール 4.5 μg1日4吸入 | 3人(6%) |
フルチカゾンプロピオン酸エステル 125 μg/ホルメテロール 5 μg1日4吸入 | 2人(4%) |
数値は平均値±標準偏差で表した.対数正規分布をとる変数(IgE, FeNO)については平均値[95%信頼限界値]で表した.
ACO: asthma COPD overlap, BMI: body mass index, FeNO: fraction of exhaled nitric oxide,
LTRA: leukotriene receptor antagonist, ICS-LABA: inhaled corticosteroid-long-acting beta2 agonist
LAMA追加後の呼吸機能検査の変化を示す(表2).FEV1,FEV1/FVC,対標準一秒量(%FEV1)は有意差をもって改善をみとめた.FEV1は平均で 119±140 ml増加していた.平均の改善率は9.4±13.5%だった.FVCとFeNOはLAMA導入後に有意な変化はみられなかった.またオシレーション法のパラメーターであるレジスタンス成分,リアクタンス成分ともに変化をみとめた.ただし,FEV1が10%以上増加した著効例が11例(36%)がある一方で5%未満のものが14例(45%)にみられた(図1).
追加前 | 追加後 | p | |
---|---|---|---|
FVC(L) | 2.90±1.11 | 3.00±1.02 | NS |
FEV1(L) | 1.79±0.68 | 1.91±0.64 | <0.05 |
FEV1/FVC(%) | 61.7±10.6 | 64.2±11.4 | <0.05 |
%FEV1(%) | 68.6±17.1 | 75.3±16.1 | <0.05 |
FeNO(ppb) | 37.7[28.9-49.8] | 30.5[24.2-38.4] | NS |
R5(cmH2O/L/s) | 3.78±1.35 | 2.92±1.07 | <0.05 |
R20(cmH2O/L/s) | 3.05±1.06 | 2.44±0.83 | <0.05 |
R5-20(cmH2O/L/s) | 0.71±0.49 | 0.49±0.38 | <0.05 |
X5(cmH2O/L/s) | -1.12±1.23 | -0.67±0.85 | <0.05 |
Fres(Hz) | 12.0±6.1 | 9.5±4.8 | <0.05 |
ALX(cmH2O/L) | 8.3±12.8 | 4.3±9.0 | <0.05 |
T検定 p:有意確率
LAMA追加後の FEV1の改善率の分布
FEV1の改善率と患者背景の関連を検討したところ,年齢,BMI,血清総IgE値,末梢血好酸球数とは関連性がみられなかった.FeNOが高い症例(r=0.48, p=0.006)で改善率が良好だった.呼吸機能検査のパラメーターではLAMA追加前のFEV1(r=-0.523, p=0.003),%FEV1(r=-0.447, p=0.012),と逆相関がみられ,R5(r=0.488, p=0.005),R20(r=0.402, p=0.025)と相関があり,R5-R20(r=-0.468, p=0.008),X5(r=-0.666, p=0.0001)と逆相関がみられ,Fres(r=0.64, p=0.0001),ALX(r=0.716, p=0.0001)と相関がみられた(表3a).オシレーション法との関連性では特にリアクタンス成分との関連性が高い傾向がみられた.さらに10%以上FEV1が増加することを従属変数とし,2変量分析で関連性がみられた,FeNO,FEV1,%FEV1,R5,R5-20,Fresを独立変数としてロジステイック回帰分析を行った.Fres高値であることが独立したFEV1が10%以上改善する予測因子であった(表3b).
r | p | |
---|---|---|
年齢 | 0.327 | 0.073 |
BMI | -0.246 | 0.183 |
FeNO | 0.48 | 0.006※ |
末梢血好酸球数 | 0.202 | 0.257 |
血清総IgE値 | 0.066 | 0.74 |
FVC | -0.481 | 0.006※ |
FEV1 | -0.523 | 0.003※ |
FEV1/FVC | -0.259 | 0.159 |
%FEV1 | -0.447 | 0.012※ |
R5 | 0.488 | 0.005※ |
R20 | 0.402 | 0.025※ |
R5-R20 | 0.468 | 0.008※ |
X5 | -0.666 | 0.0001※ |
Fres | 0.64 | 0.0001※ |
ALX | 0.716 | 0.0001※ |
2変量解析 r:Pearson の相関係数,p:有意確率
偏回帰係数 | 有意確率p | OR | 95%信頼区間 | ||
---|---|---|---|---|---|
下限 | 上限 | ||||
Fres | 0.18 | 0.023 | 1.197 | 1.025 | 1.398 |
定数 | -2.867 | 0.01 | 0.057 |
ロジステイック回帰分析
従属変数:10%以上のFEV1の改善
独立変数:FeNO,FEV1,%FEV1,R5,R5-R20,Fres
p:有意確率
LAMA追加前後のFEV1の変化とオシレーション法のパラメーターの変化を示す(表4).レジスタンス成分,リアクタンス成分ともに相関を認めた.FEV1とFresの関係では,LAMA追加前後のFEV1とFresは相関があり(導入前r=-0.702,p=0.0001),(導入後r=-0.698,p=0.0001),FEV1が低い領域ではFEV1の改善がわずかでもFresの変化がおおきく,FEV1の高い領域でFresの変化がちいさい傾向がみられ(図2a),Fresの逆数とFEV1が一次回帰していた(図2b).
2変量解析 r:Pearson の相関係数,p:有意確率
LAMA導入前後の FEV1とFresの関係
LAMA導入前後のFresの逆数(1/f) FEV1との関係
今回の検討ではICS-LABA投与下でも閉塞性換気障害が残存する症例,すなわちAsthma and COPD Overlap:喘息合併COPD(ACO)やリモデリングがすすんだ中等度から重症の喘息を対象としている.それでも半数以上でLAMAの追加効果がみられた.またLAMAの有効性を予測する独立因子はFres高値であることだった.
2010年ころから喘息におけるLAMAの有用性が報告されるようになった.2010年,コントロール不良の喘息患者に対してICSを倍増するよりチオトロピウムを追加するほうが呼吸機能も症状も改善させたと報告され4),さらにICS-LABA投与でもコントロール不良で%FEV1が低い集団でチオトロピウムを追加すると,呼吸機能が改善し,増悪までの期間が延長した8)と報告され,喘息でもLAMAの有効性にコンセンサスがえられるようになった.様々なフェノタイプがあるなかでも,肥満は喘息のリスクであり,肥満喘息はICSやICS-LABAへの反応性が悪い9)とされていたがSandhyaらは,あらゆる重症度でもあらゆるBMIでもチオトロピウム投与で,呼吸機能の改善をみとめたと報告している3).我々の検討でもFEV1の改善率とBMIに関連性はみれず,肥満の有無にかかわらず効果が期待できると思われた.喘息においてチオトロピウムは末梢血好酸球数,血清総IgE値にかかわらず呼吸機能を改善し,増悪のリスクも減らすと報告されている2).我々の検討でも同様の結果がえられており,LAMAの幅広い有効性がうかがえる.ただしLAMAの効果がとぼしい症例が少なからず存在することもしられている.StephanらもLAMAの反応性の予測因子を検討している.LAMAへの反応性に乏しい症例が約4割存在した.一方で反応性が良好なものはLAMA導入前の閉塞性換気障害が高度であったとしている.一秒率がひくいものほどピークフロー,FEV1の改善率が良好であり,気道閉塞がLAMAの反応性の予測因子だったと報告している10).我々の検討でもLAMAへの反応性に乏しい症例が45%存在したが,導入前の%FEV1,FEV1が低い症例でFEV1の改善率が良好だった.これらの報告に矛盾しない結果だった.
1990年代にヘルパーT細胞タイプ2(Th2)サイトカイン下流にあるIgEや好酸球が活性化した病態をTh2炎症といってたが,2010年のグループ2自然リンパ球(ILC2)の発見からTh2リンパ球とILC2が中心になっておこる炎症の総称を2型炎症と呼ぶようになった11).ILC2は気道上皮に障害がおきるとIL-33の刺激で,速やかに大量のIL-5やIL-13を産生することがわかってきた.2型炎症においては,主にIL-4,IL-13,IL-5が病態において重要な役割をはたし,特異的IgE抗体感作を示すアトピー型喘息と好酸球増多を示す喘息は,両方に該当するものも,いずれか一方のみのものも存在し2型炎症のなかにもさまざまなサブタイプが存在する.どのタイプに属するのかを知ることは治療薬の選択において参考になる.現在のところ,これらのサイトカインがTh2由来なのかILC2由来なのか区別する方法は確立されていないが,IgEはILC2非依存性,Th2型サイトカイン依存性と考えられている.サイトカインは微量であり,臨床での測定は困難だが,IL-4,IL-13活性はFeNOが,IL-5は末梢血好酸球数が反映している.今回の検討ではFeNO高値の症例でLAMAの反応性が良好であった.末梢血好酸球数,血清総IgE値との関連はみられなかった.マウスモデルではあるがチオトロピウムがILC2を介して気道からのIL-5やIL-13の産生を抑制すると学会報告されている12).LAMAの抗炎症作用とILC2が何等かの関与をしている可能性がある.
オシレーション法はスパイロメトリーに比して本人の呼吸努力に依存しない非侵襲的な呼吸機能検査で,約20秒の安静換気下で呼吸抵抗(respiratory system resistance: Rrs),呼吸リアクタンス(respiratory system reactance: Xrs)を連続して測定でき,カラー3Dで表示される.深呼吸や最大努力での強制呼気などの手技でエアゾルの拡散が生じるが,そのようなリスクはない.スパイロメトリーは努力呼吸,オシレーション法は安静呼吸と測定条件が異なり,代替にはならないが,オシレーション法のパラメーターとスパイロメトリーのパラメーターにある程度の相関があり,オシレーション法の測定からVC,FEV1を推定しうるとの報告もある13).短時間の安静呼吸で測定が可能で,エアゾル発生の心配がない検査手技で治療効果の客観的評価が可能であればその有用性は大きい.気道径を反映するのが 5 HzにおけるRrs(R5)であり,気道閉塞がすすめばR5は高くなる.抵抗の大きさは半径の4乗に反比例するためわずかな気道径の変化でも抵抗への影響はおおきい.末梢メカニクスの不均等性がでて換気不均等がでてくると周波数依存性がみられるようになる.リアクタンス成分は軽症の喘息ではおおきく偏位しない.重症化やCOPDの合併など,末梢病変が合併すると下方に変異してFresは高くなる14).今回の対象者はすでに治療されているACOやリモデリングのある症例であり,Fresが高い症例が多くふくまれていた.ICS-LABA投与でもFresが高値の場合,LAMAの効果が期待できると思われた.
またオシレーション法をLAMA導入前後で実施することでFEV1の改善を評価することが可能であった(表4,図2).これまでに喘息においてFEV1とFresは関連性が深く,双方は双曲線の関係にあると報告されている15,16).我々の結果でもLAMA追加前後ともにFEV1とFresに既報と同様の関係がみられた.Fresの変化をみることでFEV1の変化を推測することが可能で,LAMAの効果を評価することが可能と考えらえた.
ICS-LABA吸入下でも閉塞性換気障害が残存するある程度リモデリングが起きているような重症喘息やACOを対象にLAMAを追加した.ICS-LABA吸入下でもFeNOが高い症例,Fresが高い症例ではLAMAの効果が期待できる.オシレーション法は安静呼吸でできて非侵襲的であり,飛沫の飛散の心配が少ない安全な検査法であり,LAMA導入前のFres値とその変化はFEV1の変化を反映していると思われ,喘息におけるLAMAの有効な症例の予測,治療効果の評価にも有用と思われる.
本論文発表内容に関して特に申告すべきものはない.