2024 Volume 32 Issue 2 Pages 239-244
【背景】吸入療法は気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患治療において重要であるが,保険薬局における吸入指導を拒否する患者は少なくない.
【目的】薬剤師による吸入指導の提案をどの程度承諾するかの実態,及び吸入手技不良の因子を検討した.
【方法】薬剤師がデモ器を用いた吸入指導の提案を行った者を対象に,各種因子を後方視的に調査した.吸入指導の承諾者においては吸入手技不良の因子について解析した.
【結果】解析対象283名において,吸入指導の承諾群155名(54.8%)と非承諾群128名(45.2%)となった.承諾群は非承諾群と比べ,吸入アドヒアランス良好者,女性,及びかかりつけ薬剤師制度の利用者が多かった.吸入手技不良の因子は,75歳以上,及び使用期間4年以上であった.
【考察】潜在的吸入手技不良者が多数存在するため,医師と薬剤師が連携すること,及びかかりつけ薬剤師制度の活用が重要となる可能性がある.
気管支喘息(喘息)や慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)の治療において吸入療法は重要な位置を占めている1,2).吸入薬の種類やデバイスの多様化に伴い,その吸入手技は複雑なものとなっている.内服薬とは異なり吸入薬は適切に使用できなければ十分な効果が期待できないが,適切に吸入できていない者が少なくない3,4,5).特に高齢者においては加齢に伴い身体機能や認知機能の低下が生じるため吸入手技や吸入アドヒアランスに問題が起こりやすく,吸入薬の十分な効果が得られない懸念がある6,7).
近年,院外処方箋の増加により,地域の保険薬局において吸入指導を行う機会が増加しており,薬局薬剤師が定期的に吸入指導を行うことは,患者の吸入手技の習得と吸入アドヒアランス向上において重要である8,9,10).令和2年度の調剤報酬改定では,吸入薬指導加算が新設され保険薬局における吸入薬の適正使用に関する取り組みが評価された11).
しかしながら,薬剤師による吸入指導を拒否する患者も少なくないため,吸入手技が適切に行えていない者が潜在的に存在する可能性がある.薬局薬剤師が行う吸入指導に対する患者アンケート調査12)では,約1割の患者が吸入指導は不要と回答した.一方,アンケート調査ではなく,保険薬局に来局した患者が,薬剤師による吸入指導の提案を実際にどの程度承諾するかの実情,及びそれら患者の特性の違いを解析した報告は私どもが知る限りない.本研究は,吸入指導に対する患者の承諾割合を高めるために,医師からの吸入指導依頼をもとに指導を行った患者ではなく,薬局薬剤師の提案による吸入指導を承諾する者(承諾者)と拒否する者(非承諾者)の特性を明らかにすることを第一の目的に後方視的に調査した.さらに,承諾者において薬剤師が行った吸入手技評価をもとに,適切に手技が行えている者(吸入手技良好者)とそうでない者(吸入手技不良者)の特性を解析し,吸入手技不良の因子について検討した.
対象は,過去の調剤録及び薬歴から,(i)~(iii)に合致する者とした.(i)2022年7月1日から2022年8月31日までの間に,スター薬局大野原店に来局し吸入薬の処方箋を持参した20歳以上の者で,(ii)3ヵ月以上にわたって,デモ器による吸入指導を受けずに,同一の吸入デバイスを使用しており,(iii)薬剤師がデモ器を用いた吸入指導の提案を行った者とした.医師からの吸入指導依頼書を持参した者は対象から除外した.薬剤師の吸入指導の提案を受け入れた者を「承諾者」とし,拒否した者を「非承諾者」と定義した.
2. 調査項目調査項目は,年齢,性別,吸入薬の適応疾患(疾患),吸入デバイス,現吸入デバイスの使用期間(使用期間),吸入指導の承諾の有無,吸入手技,吸入アドヒアランス,及びかかりつけ薬剤師制度利用の有無とし,調剤録及び薬歴を参考に後方視的に調査した.疾患は,喘息,COPD,asthma and COPD overlap(ACO)に分類した.吸入デバイスは,dry powder inhaler(DPI),pressurized metered dose inhaler(pMDI),soft mist inhaler(SMI)に分類した.使用期間は,2年未満,2~4年未満,4年以上の3段階に分類した.吸入手技は,菅原らの報告13)を参考に「デバイス操作」「息吐き」「吸気」「息止め」の4項目を,「できる」「確認が必要」「できない」の3段階で評価した.4項目のうち全て「できる」の場合を「吸入手技良好者」とし,それ以外を「吸入手技不良者」とした.吸入アドヒアランスは,直近3ヵ月間の吸入薬の処方数量と受診間隔が一致する場合を「吸入アドヒアランス良好者」,一致しない場合を「吸入アドヒアランス不良者」と定義した.
3. 評価方法と統計解析承諾群と非承諾群の特性の違いを,年齢は,Mann-Whitney U検定,性別,疾患,吸入デバイス,使用期間,吸入アドヒアランス,及びかかりつけ薬剤師制度は,Fisher正確検定で解析した.吸入手技の評価は,非承諾群ではデモ器を用いた評価ができないため,承諾群のみを対象に行った.承諾群においては,吸入手技良好者と吸入手技不良者に分けて,それらの特性の違いを,年齢は,Mann-Whitney U検定で解析し,性別,疾患,吸入デバイス,使用期間,吸入アドヒアランスは,Fisher正確検定で解析した.吸入手技不良の調整オッズ比は,ロジスティック回帰分析において,目的変数を吸入手技不良,説明変数を75歳以上,女性,喘息,COPD,DPI,pMDI,使用期間4年以上,吸入アドヒアランス不良の全変数を投入したモデルで算出した.統計解析は,EZR version 1.37(自治医科大学附属さいたま医療センター,埼玉)14)を用い,有意水準は0.05とした.
4. 倫理的配慮本研究は,人を対象とする医学系研究に関する倫理指針,個人情報保護に留意し,香川県薬剤師会研究倫理審査委員会の承認を得た(2022香薬第4号).同意取得に関しては,臨床研究に関する情報を薬局店内に掲示して,研究への参加拒否の機会を保障した(オプトアウト).
対象は285名,そのうち全ての調査項目が満たされた283名を解析対象とした.医師からの吸入指導依頼があった19名(承諾17名,非承諾2名)は対象から除外した.承諾群,非承諾群の特性を表1に示す.承諾群が155名(54.8%),非承諾群が128名(45.2%)であった.年齢の中央値(四分位範囲)は,承諾群で72(63,80)歳,非承諾群で71(75,78)歳であった.性別は,承諾群で女性88名(56.8%),非承諾群で女性50名(39.1%)と承諾群で女性の割合が高かった(P=0.004).吸入アドヒアランスは,承諾群で良好者131名(84.5%),非承諾群で良好者95名(74.2%)と承諾群で吸入アドヒアランス良好者の割合が高かった(P=0.037).かかりつけ薬剤師制度では,承諾群で利用者12名(7.7%)であり,非承諾群で利用者1名(0.8%)と,承諾群でかかりつけ薬剤師制度の利用者が多かった(P=0.008).疾患,吸入デバイス,使用期間は,両群で差は認められなかった.
項目 | 承諾群(n=155) | 非承諾群(n=128) | P値 |
---|---|---|---|
n(%) | n(%) | ||
年齢a) | 72(63,80) | 71(75,78) | 0.17b) |
性別 | |||
男性 | 67(43.2) | 78(60.9) | 0.004c) |
女性 | 88(56.8) | 50(39.1) | |
疾患 | |||
喘息 | 101(65.2) | 76(59.4) | 0.53c) |
COPD | 46(29.7) | 46(35.9) | |
ACO | 8(5.2) | 6(4.7) | |
吸入デバイスd) | |||
DPI | 114(73.5) | 90(70.3) | 0.44c) |
pMDI | 34(21.9) | 29(22.7) | |
SMI | 9(5.8) | 13(10.2) | |
使用期間e) | |||
2年未満 | 33(21.3) | 36(28.1) | 0.38c) |
2~4年未満 | 47(30.3) | 33(25.8) | |
4年以上 | 75(48.4) | 59(46.1) | |
吸入アドヒアランス | |||
良好 | 131(84.5) | 95(74.2) | 0.037c) |
不良 | 24(15.5) | 33(25.8) | |
かかりつけ薬剤師制度 | |||
利用者 | 12(7.7) | 1(0.8) | 0.008c) |
未利用者 | 143(92.3) | 127(99.2) |
a)中央値(四分位範囲) b)Mann-Whitney U検定 c)Fisher正確検定
d)複数の吸入デバイス使用者を含む e)現吸入デバイスの使用期間
略語:COPD, chronic obstructive pulmonary disease; ACO, asthma and COPD overlap; DPI, dry powder inhaler; pMDI, pressurized metered dose inhaler; SMI, soft mist inhaler
承諾群155名のうち,吸入手技良好者は68名(43.9%),吸入手技不良者は87名(56.1%)であった.吸入手技良好者と吸入手技不良者の特性を表2に示す.年齢の中央値(四分位範囲)は,吸入手技良好者で70(54,78)歳,吸入手技不良者75(65,82)歳と吸入手技不良者で年齢が高かった(P=0.003).使用期間が4年以上であったのは,吸入手技良好者で25名(36.8%),吸入手技不良者で50名(57.5%)と,吸入手技不良者で長期使用者が多かった(P=0.041).吸入手技不良因子の調整オッズ比を算出したところ(表3),吸入手技不良と関連していた因子は「75歳以上」,「使用期間4年以上」であり,それぞれ調整オッズ比は2.15(95%信頼区間 1.03,4.50),2.10(1.04,4.24)であった.
項目 | 吸入手技 | P値 | |
---|---|---|---|
良好者(n=68) | 不良者(n=87) | ||
n(%) | n(%) | ||
年齢a) | 70(54,78) | 75(65,82) | 0.003b) |
性別 | |||
男性 | 30(44.1) | 37(42.5) | 0.87c) |
女性 | 38(55.9) | 50(57.5) | |
疾患 | |||
喘息 | 47(69.1) | 54(62.1) | 0.47c) |
COPD | 19(27.9) | 27(31.0) | |
ACO | 2(2.9) | 6(6.9) | |
吸入デバイスd) | |||
DPI | 45(66.2) | 69(79.3) | 0.19c) |
pMDI | 19(27.9) | 15(17.2) | |
SMI | 5(7.4) | 4(4.6) | |
使用期間e) | |||
2年未満 | 18(26.5) | 15(17.2) | 0.041c) |
2~4年未満 | 25(36.8) | 22(25.3) | |
4年以上 | 25(36.8) | 50(57.5) | |
吸入アドヒアランス | |||
良好 | 57(83.8) | 74(85.1) | 0.83c) |
不良 | 11(16.2) | 13(14.9) |
a)中央値(四分位範囲) b)Mann-Whitney U検定 c)Fisher正確検定
d)複数の吸入デバイス使用者を含む e)現吸入デバイスの使用期間
略語:COPD, chronic obstructive pulmonary disease; ACO, asthma and COPD overlap; DPI, dry powder inhaler; pMDI, pressurized metered dose inhaler; SMI, soft mist inhaler
項目 | 吸入手技 n(%) | オッズ比(95%信頼区間) | ||
---|---|---|---|---|
良好者 n=68 | 不良者 n=87 | 粗 | 調整a) | |
年齢 | ||||
75歳以上 | 21(30.9) | 44(50.6) | 2.29(1.18,4.45)* | 2.15(1.03,4.50)* |
性別 | ||||
女性 | 38(55.9) | 50(57.5) | 1.07(0.56,2.02) | 1.28(0.59,2.76) |
疾患 | ||||
喘息 | 47(69.1) | 54(62.1) | 0.73(0.37,1.43) | 0.72(0.13,4.12) |
COPD | 19(27.9) | 27(31.0) | 1.16(0.58,2.33) | 0.92(0.14,5.84) |
吸入デバイス | ||||
DPI | 45(66.2) | 69(79.3) | 1.96(0.95,4.03) | 3.00(0.54,16.60) |
pMDI | 19(27.9) | 15(17.2) | 0.54(0.25,1.16) | 1.62(0.26,9.99) |
使用期間b) | ||||
4年以上 | 25(36.8) | 50(57.5) | 2.32(1.21,4.46)* | 2.10(1.04,4.24)* |
吸入アドヒアランス | ||||
不良 | 11(16.2) | 13(14.9) | 0.91(0.38,2.18) | 0.75(0.29,1.95) |
* : P<0.05
a)吸入手技不良(目的変数),75歳以上,女性,喘息,COPD,DPI,pMDI,使用期間4年以上,吸入アドヒランス不良(説明変数)で調整
b)現吸入デバイスの使用期間
略語:COPD, chronic obstructive pulmonary disease; DPI, dry powder inhaler; pMDI, pressurized metered dose inhaler
吸入手技不良者における各吸入手技の達成状況を図1に示す.各項目の「できる」の割合は,デバイス操作85名(97.7%),息吐き61名(70.1%),吸気45名(51.7%),息止め19名(21.8%)と,吸気は約5割,息止めは約2割の者しか適切に行えていなかった.
本研究では,一保険薬局の調査であるが,薬剤師による吸入指導の提案に対して,承諾した者が155名(54.8%),拒否した者が128名(45.2%)と半数近くの者が吸入指導を拒否していることを示した.吸入指導を拒否する者の割合が高かったのは,本研究では,医師から吸入指導依頼があった者を除外したことが影響しているかもしれない.松本らの報告12)では,薬局薬剤師による吸入指導を不要とする者が約1割おり,多くの患者が医師からの指導を希望した.その理由として,医師は継続的に患者を診ており,病態と関連付けて説明するため,薬剤師よりも患者と双方向のコミュニケーションがとりやすいことがあげられている.したがって保険薬局で吸入指導を行う際には,医師と薬剤師が連携することで,患者の吸入指導の承諾割合が高まることが考えられる.また,保険薬局では一人の患者に毎回同じ薬剤師が対応できるとは限らず,患者と薬剤師との間に信頼関係が構築されにくいため継続的にコミュニケーションをとることが難しく,吸入指導を拒否する者の割合が高くなったのかもしれない.近年,保険薬局では,一人の患者を一人の薬剤師が担当する,かかりつけ薬剤師制度の取り組みが求められている15).本研究では,承諾群ではかかりつけ薬剤師制度の利用者の割合が高かったことを示しており,制度の利用者は,かかりつけ薬剤師と日頃から気軽に相談できる関係性を構築しており,吸入指導の提案を受け入れやすかったと考えられる.ただ,かかりつけ薬剤師制度の利用者は1割に満たず,制度の浸透が必要である.
本研究において吸入指導の承諾群と非承諾群の患者特性を比較したところ,吸入アドヒアランスと性別の項目で差が認められた.吸入アドヒアランスは,承諾群において良好者の割合が高かった.吸入アドヒアランスは,患者の病態や治療薬に対する理解度に影響を受ける16).吸入指導を拒否した者は,適切な吸入手技の習得が治療にとって重要であることの理解が不足し,治療に対する参加意識が低い可能性がある.また,吸入アドヒアランスの不良は,喘息やCOPD症状の悪化だけでなく,死亡率の増加や医療費の増加につながるとされる17,18).患者に病態や吸入薬の継続使用の必要性などの患者教育を行うことが,吸入アドヒランスを維持・向上する上で重要である19).性別に関しては,吸入指導の承諾群で女性の割合が高かった.著者の経験では,女性は男性より吸入手技に不安を持っている場合が多く,このため承諾した者が多かった可能性が考えられるが,性差に関しては今後の検討が必要である.
本研究では,吸入指導の承諾者のうち,吸入手技不良者は87名(56%)と,半数以上が適切な吸入手技を行えていなかった.先行研究3,4,5)においても吸入手技の評価方法により値は異なるものの,20~80%の患者で何らかの吸入手技の問題が指摘されている.特に,高齢者では呼吸機能の低下により吸入流速が低下し,吸入薬の効果を減弱させる20).本研究においても,75歳以上は吸入手技不良の独立した因子であり,調整オッズ比は2.15(95%信頼区間1.03,4.50)であることが示された.近年,喘息やCOPD患者に占める高齢者の割合は年々増加しており1,2),今後,吸入療法を行う高齢者が増加すると予想される.喘息患者を対象とした保険薬局における吸入実技指導の報告9)では,60歳以上の高齢者で理解度・吸入手技スコア,及び臨床効果指標値の改善を示しており,高齢者に対しては個々の患者に応じた丁寧な吸入指導と患者教育を継続していくことが重要である.
さらに,吸入手技不良者の現吸入デバイスの使用期間は,吸入手技良好者と比べ4年以上の長期使用者が多かった.吸入薬の長期使用者を対象にした調査21)では,約50%の患者で吸入手技に問題があり,吸入薬の長期使用者に対しても新規導入者と同様に,デモ器を用いた吸入手技の確認が必要である.また,同研究では,吸入手技項目の中で,吸入後の息止めの達成率が最も低いことを示している.本研究の結果においても息止めが正しくできていない者の割合が最も高かった.吸入後の息止めは,有効成分の肺内沈着率を上げるために行っており,吸入薬の治療効果を最大化させる上で重要である.息止めが正しくできていない理由は,注意力と呼吸機能の問題がある.注意力の問題としては,吸入薬の使用歴が長くなるにつれて無意識のうちに息止めの実施が疎かになると考える.呼吸機能の問題としては,年齢とともに呼吸機能が低下し,吸入後に十分な息止めが難しくなると考える.これらから,吸入指導を行う際は,患者が吸入手技を適切に行えているかを確認することはもとより,患者の呼吸機能に応じた吸入デバイスかどうかを定期的に確認し,必要に応じて医師にフィードバックすることが求められる.
本研究には幾つかの限界がある.第一に,呼吸器内科専門医からの処方が主である単一薬局における研究である.第二に,吸入指導の実態を後方視的に検討していることから,吸入指導を依頼しやすい患者や,吸入手技に問題があると思われる患者に対して吸入指導を提案した可能性があり選択バイアスが少なからず考えられる.第三に,調査期間は呼吸器感染症が少ない時期を考慮して7,8月としたが2ヵ月間と短く,気道病変は季節性の要因の影響を受けることから長期間での研究が必要である.さらに,今後,多施設共同研究及び医師からの吸入指導依頼があった者の患者特性や吸入手技評価の検討が必要と考えられる.
本研究は,薬局薬剤師が行う吸入指導において,半数以上の患者が指導を拒否していること,さらに吸入指導の承諾者のうち半数以上で吸入手技に問題があり,75歳以上,及び現吸入デバイスの使用期間4年以上が吸入手技不良の因子であることを明らかにした.吸入療法の効果を最大化するには,適切な吸入手技の習得と吸入アドヒアランスの維持が求められ,保険薬局における定期的な吸入指導の実施は極めて重要となる.潜在的吸入手技不良者が多数存在することから,保険薬局において吸入指導を確実に実施するには,医師と薬局薬剤師が連携すること,及びかかりつけ薬剤師制度の活用が重要になる可能性がある.
本論文発表内容に関して特に申告すべきものはない.