Trace Nutrients Research
Online ISSN : 2436-6617
Print ISSN : 1346-2334
Proceeding
HPLC / ICP-MS specialization of arsenic compounds in biological samples
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JOURNAL FREE ACCESS

2001 Volume 18 Pages 161-164

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Abstract

ヒ素は生態系を含む自然環境中において普遍的に分布しており,水圏生態系においてもさまざまな化学形態を取りながら存在している。しかしヒ素は生物に対して毒性が高いため,環境影響評価の観点からヒ素の生体影響について明らかにされねばならない。一般的にヒ素は主に飲料水や食品を介してヒトに侵入するが,特に海産生物に多量に含まれているため,多量のヒ素が海産食品を介してヒト体内に侵入することが考えられる。これまで海産物摂取によるヒ素中毒は報告されていないが,ヒ素による健康影響への懸念は残る。ヒ素のヒトに対する影響や生体内挙動は,ヒ素の化学形態に大きく依存することが考えられるため,ヒ素の化学形態別分析が必要であり,得られた結果について総合的に評価することが重要である。ヒ素の化学形態別分析法として,最近では HPLCあるいは ICによりヒ素化合物を分離した後, ICP-MSで検出する方法が多く用いられるようになってきた。しかし,これまで報告されている分析方法では分離に多くの時間を要し,アルゴンの消費量も多いため,ランニングコストが問題点となっていた。本研究では HPLC/ICP-MS分析を行う際の省資源化を実現するために,逆相担体を充填したセミミクロカラムを用いてヒ素化合物を分離し, ICP-MSで測定する高感度でかつ迅速な一斉分析法について検討し,淡水生物,海産生物ならびに海産物摂取後の尿中ヒ素の形態別定量を行ったので報告する。

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