Japan Marketing Journal
Online ISSN : 2188-1669
Print ISSN : 0389-7265
Editorial Note
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Kei Kuriki
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2020 Volume 39 Issue 4 Pages 104

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本号の特集では,これからの日本の観光マーケティングにおいて重要となると思われる,複数のプレイヤーの連携,体験型消費の深化,地域との共生,さらには新しい観光消費の動機理解といった問題を取り上げた。

観光マーケティングに向き合うと,マネジリアル・マーケティングに由来する従来型のマーケティングの枠組みを超える課題に次々と出会う。

本号の編集を行うなかで,期せずして中国武漢発のコロナ・ウィルスの騒動が発生した。その影響は,グローバル・サプライチェーンを通じて,多くの産業に広がっているが,観光はそのダメージの最も大きい産業となっている。グローバル時代にあって観光産業は,各種の国際問題への感度を高めつつ,個別組織を超えた地域の公的組織の拡充に努めて行く必要が増している。

本号の特集が,観光マーケティングというフィールドの広さと取り組むべきマーケティング問題の多彩さ,そしてそこには多くの対立と矛盾が渦巻いており,マーケティング理論の出動が待たれていることに,より多くのマーケティング関係者が目を向ける契機となることを願っている。

 
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