Quarterly Journal of Marketing
Online ISSN : 2188-1669
Print ISSN : 0389-7265
Special Issue / Invited Peer-Reviewed Article
A Dynamic Process Model for Digital Transformation:
A Case Approach
Yoshinori FujikawaNorio ImaiKimihiko KondoHanae OkawaKengo Horiuchi
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2022 Volume 41 Issue 3 Pages 44-56

Details
Abstract

本論文の目的は,デジタル・トランスフォーメーション(DX)のダイナミック・プロセスモデル(Fujikawa, Kondo, & Imai, 2022)が捉えようとするDXの動的過程について,事例分析を通じて詳述することにある。Fujikawa et al.(2022)が提唱する概念モデルは,プラットフォームの有無とステークホルダーの広狭の2つの次元を組み合わせた4つの象限(段階)からなり,特定の段階から別の段階への移行(パス)を動態的に記述する。本論文は,この概念モデルを用い,理論的サンプリングの手法に基づき,「DXの発展段階を異なる移行過程(パス)を通じて経時的変化を遂げた事例」として選択した4事例(アスクル,パイオニア,コマツ,日本交通)を分析する。新たな発見をもたらす事例,ならびに,経時的な変化を扱う縦断的事例としての事例分析から得た新たな知見や論理を概念モデルに反映する可能性について議論する。

Translated Abstract

This paper takes a case-based approach to describe the dynamic processes inherent in digital transformation (DX). Using a theoretical modeling approach, Fujikawa, Kondo, and Imai (2022) proposed a dynamic process model in the form of a two-dimensional matrix with two axes (platform and stakeholder), four quadrants (stages) and two transitions (paths). Based on a theoretical sampling approach, the current study identifies four cases (Askul, Pioneer, Komatsu, and Nihon Kotsu) as “DX cases that went through different stages and paths” and analyzes these examples as revelatory and longitudinal cases. The paper explores the possibility of integrating new insights and logic detected in the case analyses back into the conceptual model.

I. はじめに

Fujikawa, Kondo, and Imai(2022)は,デジタル・トランスフォーメーション(以下,DXとする)の先行研究における様々な定義の共通項,および,DX企業教育における実務家との対話を通じて得た知見に基づき,DXを,デジタル技術の活用を前提とすること,新たな顧客価値の実現を目的とすること,そのために必要となる企業変革を遂行すること,として捉えた。そして,近年のDX関連の先行研究を対象とした文献レビューから,その動的過程に関する体系的知識の欠如を指摘したうえで,経営分野のダイナミック・ケイパビリティ研究における様々な組織能力に関する知見と,マーケティング分野のサービス・ドミナント・ロジック研究における組織内外の主体間の資源統合に関する議論を統合し,その動的過程を概念的に捉えるダイナミック・プロセスモデルを提唱した。

本論文の目的は,DXの動的過程について事例研究を通じて詳述することにある。DXの発展段階や移行過程においていかにダイナミック・ケイパビリティが発揮されるか,その記述を進めることで,新しい知見や論理を発見し,概念モデルに反映する可能性を検討する。

II. ダイナミック・プロセスモデル:段階移行(パス)とダイナミック・ケイパビリティ

DXダイナミック・プロセスモデルは,プラットフォームの有無とステークホルダーの広狭の2つの次元を組み合わせた4つの象限(段階)からなり,特定の段階から別の段階への移行(パス)を発展的に捉える(Fujikawa et al., 2022)(図1)。

図1

デジタル・トランスフォーメーションのダイナミック・プロセスモデル

出典:Fujikawa et al.(2022),図5

まず,ダイナミック・プロセスの出発点は,左下の象限「スタンドアローン」段階である。プラットフォームが形成されておらず,ステークホルダーも組織内に限定される。この段階では,デジタイゼーション・ケイパビリティによる既存業務の効率化が図られる。

左上の象限「企業間情報/データ共有」段階では,組織内の生産,商品,販売,物流・ロジスティクス,あるいは顧客に関するデータが組織外のステークホルダーと共有される。「スタンドアローン」から「企業間情報/データ共有」への移行に重要な役割を果たすのは,関係ケイパビリティ,調整ケイパビリティ,および分析ケイパビリティである。

右下の象限「社内共有プラットフォーム」段階では,それまで部署内に偏在したデジタル・データが全社共有される情報/データ統合プラットフォームに移管される。この移行では統合ケイパビリティと調整ケイパビリティが重要となる。

ダイナミック・プロセスモデルの終着点は右上の象限「デジタル・プラットフォーム・エコシステム」段階である。この段階にいたるパスは二通りある。まず,「企業間情報/データ共有」を経由するパスI(左上から右上)では,調整ケイパビリティと分析ケイパビリティが重要となる。一方,「社内共有プラットフォーム」で企業内に閉じたプラットフォームが社外のステークホルダーに開放されるパスII(右下から右上)では,すべてのダイナミック・ケイパビリティが必要となる。社内の共有プラットフォームを外部のステークホルダーに展開するためには,様々な主体と関係を構築する関係ケイパビリティ(起動ケイパビリティと促進ケイパビリティ)が不可欠である。また,プラットフォーム・エコシステムにおいてステークホルダーと成功裡に協業するためには,資源やケイパビリティを企業間で統合的に管理する統合ケイパビリティが発揮されなければならない。さらに,こうしたデジタル・プラットフォーム・エコシステムにおいて,諸活動や資源・ケイパビリティをステークホルダー間で効果的に編成・配分する調整ケイパビリティ,ならびにステークホルダーとの協業によりデータを多面的に分析することにより,高次のソリューションを引き出す分析ケイパビリティも必要とされる。

III. 事例選択

本研究で取り上げる事例は,理論的サンプリング(theoretical sampling)の手法(Glaser & Strauss, 1967)に従い,「DXの発展段階を異なる移行過程(パス)を通じて経時的変化を遂げた事例」という基準で選択した。各事例は,Yin(2018)の指摘する事例選択の5つの理論的根拠のうち,新たな発見をもたらす事例(revelatory case),および,経時的変化を扱う縦断的事例(longitudinal case)に対応する。前者は,ダイナミック・ケイパビリティや社内外の主体間の資源統合の視点からの理論的検討がこれまで行われておらず,本研究を通じて新たな知見や論理を発見することを目的とする。後者は,DXの各段階の移行過程において,そこで発揮されるダイナミック・ケイパビリティが時系列でどのように変化してきたかを明らかにする。

まず,本論文の著者のうち藤川と今井が携わる,DXをテーマとする企業研修プログラムの参加企業60社および登壇企業30社,堀内の顧客企業事例28社を含む118社を対象とした。いずれも著者自身が,各社のDXを率いる経営者や担当者から直接話を聞き取る機会をもった事例である。そして,先述の理論的サンプリングに基づき,4事例(アスクル,パイオニア,コマツ,日本交通)を選択した。また,パスI型,パスII型のそれぞれに製造業事例と非製造業事例が含まれるように配慮した。表1は,各事例の発展段階および移行過程において発揮されたダイナミック・ケイパビリティをまとめたものである。次章において,事例ごとに詳述する。

表1

DX発展段階・移行過程とダイナミック・ケイパビリティ

出典:筆者作成

注)表中の斜線(点線)は,Fujikawa et al.(2022)が提唱するダイナミック・プロセスモデルにおいて詳述のないケイパビリティを指す。

IV. 事例分析

1. アスクル

アスクルの誕生は,文具メーカーのプラス内でアスクル事業部として始まった1993年に遡る。その後の同社の発展をダイナミック・プロセスモデルに基づいて分析すると,創業当初のカタログ取引のオンライン化を進めた「スタンドアローン」段階を出発点とし,「企業間情報/データ共有」段階(左上の象限)を経て,「デジタル・プラットフォーム・エコシステム」段階(右上の象限)に至る,パスI型の移行経路をたどった事例として捉えられる。

(1) スタンドアローン段階:通信販売からECへの転換

創業当初の同事業の特徴は,ターゲット顧客をそれまで文具業界では見過ごされがちであった中小規模の事業所に絞り,地域の文具店をエージェントとして,新規顧客開拓と債権管理の機能を担わせたことが挙げられる。1997年にはECへの転換を開始するが,この段階は従来のカタログによる取引のオンライン化が中心であり,ダイナミック・プロセスモデル上の「スタンドアローン」段階にあたる。アナログの業務プロセスをオンライン上で再現するため,デジタイゼーション・ケイパビリティが発揮されたと考えられる(Askul, 2002)。

(2) 企業間情報/データ共有段階への移行:蓄積されたデータの活用

アスクルは顧客の購買データをリアルタイムに把握することができるため,社内データ活用に加え,取引先メーカーとも共有して様々な取組を進めるようになった。その代表的な取組として,2002年に本格稼働したマーケティング情報共有システムによるリアルタイム情報共有があった。需要予測システムにより,単品単位での地域別予測を行い,日次で適切な発注量を自動発注する仕組みを構築し,アスクル社内だけでなく,取引先企業でも参照可能とし,各社業務に活用できるようにした(Askul, 2002)。その結果,社内だけでシステム利用していた当時は欠品原因がアスクル側とサプライヤー側でほぼ半々だったが,自動発注開始後にはサプライヤー側の理由による欠品が約9割を占めるようになった。そこでサプライヤーとデータ共有を行うことで,ある取引先企業ではアスクル向け商品の欠品率が1%前後から0.1%前後に,在庫枠も29.7億円から15.8億円に圧縮された(Logi biz, 2003)。

また,2014年には,LOHACO ECマーケティングラボを開始した。サプライヤー12社と開始したこの取組には,2021年には123社,約470名の研究員が参加した(Askul, 2021)。参加企業は個人情報に配慮した顧客データに専用回線経由でアクセスし,効果検証や事例共有などを行うことができる。たとえば,店頭販売の商品が競合との差別化を意識した派手なデザインやパッケージになりがちであるのに対し,多くの生活者がそれを好まないことに注目した花王が,従来容器の通常品とシンプルな容器に入った同一商品をアスクルで同時発売したところ,後者が前者の8倍の売上を記録したという(Askul, 2019)。

このような情報共有の取組は,同社がダイナミック・プロセスモデルにおける左上の象限,すなわち「企業間情報/データ共有」段階に進んだことを示唆する。この移行過程においては,提供データの種類や範囲,提供の方法,提供に際する条件などを合意するための調整ケイパビリティと,共有データの活用方法としてデータ分析と各企業の業務への落とし込みを可能にする分析ケイパビリティが重要な役割を果たしたと考えられる。

(3) デジタル・エコシステム・プラットフォームへの移行:データ連携

2019年,同社はLOHACO Insight Diveを開始した(図2)。従来の取組と異なる点は,LOHACOのデータだけでなく,メーカーが保有するデータも共有対象となること,そしてLOHACOでの販売促進施策だけでなく,それ以外の目的でも活用できることにあった。

図2

アスクル:LOHACO Insight Dive

出典:Askul (2019), p. 1.

LOHACO側の購買データ,行動データ,レビューデータなどがメーカー側のデータと紐付けられるデータ連携サービスや,メーカーの顧客データをアスクルが受け取り分析するサービス,メーカーが希望するユーザー調査やテストマーケティングを実施するサービスなどが提供された(Askul, 2019)。これは様々な企業が各自目的に応じて活用できるイノベーション・プラットフォームの役割を担う点において,ダイナミック・プロセスモデルの右上の象限,「デジタル・プラットフォーム・エコシステム」段階に移行したと考えられる。この移行過程では,データ連携などのシステム面,プライバシーなどの法務面における調整ケイパビリティが発揮され,連携する各社のデータや分析目的の違いに応じた分析ケイパビリティの発揮も重要であったと考えられる。

2. パイオニア

1937年創業のパイオニアは,多くの世界初となる独自製品を提供してきたことで知られるが,その一つがGPSやカーナビゲーションシステムである。1990年の発売以来,記憶媒体はCD-ROMからDVD-ROM,HDDへと変化し,通信機能の追加やインフォテイメントシステムとしての機能強化などを経て発展を遂げた。本節では,同社のカーナビゲーションシステムについて,「スタンドアローン」段階を出発点とし,「企業間情報/データ共有」段階(左上の象限)を経て,「デジタル・プラットフォーム・エコシステム」段階(右上の象限)に至る,パスI型の事例として分析する。

(1) スタンドアローン段階:カーナビゲーション製品の発売

同社の初期のカーナビゲーション製品は,GPSを利用するものの,そのデータと地図情報の組み合わせにより現在地を表示する製品単体の機能にとどまっており,「スタンドアローン」段階にあったと考えられる。この段階では,地図データや位置情報をデジタル化する,デジタイゼーション・ケイパビリティが必要であった。

(2) 企業間情報/データ共有段階への移行:蓄積データのユーザーへの共有

同事業の第一の転機として,2006年の蓄積型プローブを搭載したカーナビゲーション製品の発売と,スマートループ構想に基づくサービス提供の開始があった(Pioneer, 2006)。スマートループ構想とは,全国のユーザーから走行状況等の情報を通信経由で提供してもらい,その情報を分析してユーザーと共有して実用性向上と新しい価値創出を目指すもので,蓄積型プローブはそれを実現するための,データの収集,処理,フィードバックまでの一連の仕組であった(Pioneer, 2006)。これは社外の主体との情報/データ共有が行われたため,ダイナミック・プロセスモデルの左下の象限から左上の象限,すなわち「企業間情報/データ共有」に進んだことを示唆する1)

この移行に際しては様々なケイパビリティの発揮が必要となるが,中でも特に分析ケイパビリティと調整ケイパビリティの役割が重要である。サービス開始から約4ヶ月間で,走行距離データが約80万キロ,登録地点は約6万5千地点,検索履歴データが述べ24万ものデータが収集された(Pioneer, 2006)。このような大量のデータから登録地点,検索履歴,オートパーキングメモリーといったデータを抜き出して編集し,登録地点データの形式に加工して,ユーザーに役立つ情報として配信するプロセスは,分析ケイパビリティなくして実現はできない。また,調整ケイパビリティについても,これまでの社内の財務,生産,調達といった自社関連のデータとは異なるデータを大量に扱うための基盤整備を中心に,事業部門と情報システム部門など社内での調整ケイパビリティが発揮されたと考えられる。

パイオニアは,その後も様々な企業とのデータ共有の取組を推進した。例えば2008年には,本田技研工業との間で,より正確な交通状況の把握と,運転に有益な情報提供の強化を目的として,両社が収集しているデータの相互活用を開始した(Pioneer, 2008)。また,2010年にはNTTドコモとのドライバー向け情報提供サービス「ドコモドライブネット」のスマートフォン対応に向けた協業合意も発表された(2021年9月末でサービス終了)。これらの取組は,関係ケイパビリティ内の促進ケイパビリティを構成する潜在価値発見能力による自社データと他社データを組み合わせた新しい資源結合の機会の発見や,起動ケイパビリティを構成する資源交換再設計能力に基づく既存事業のリソースの再配分,また,統合ケイパビリティの発揮によるビジネスプロセスへの統合などを示唆している。

(3) デジタル・エコシステム・プラットフォームへの移行:データ連携

その後,2013年に自動車向けクラウド基盤であるモバイルテレマティクスセンターを構築し,2014年には米トレジャーデータと自動車業界向けビッグデータ関連事業の業務提携を締結した。この提携により,両社は様々なデータの検知,分析により運転状況を把握するエンジンの共同開発を進め,効率的で精度の高いデータ分析が可能となった(Treasure Data, 2020)。これは,ダイナミック・プロセスモデルの左上から右上の象限「デジタル・エコシステム・プラットフォーム」段階への移行として捉えることができる。この移行過程では,共同開発の分析エンジンにより分析ケイパビリティが強化され,各社との提携で育んだ調整ケイパビリティが発揮されたと考えられる。

さらに,2015年には,東京海上日動とのテレマティクスサービス事業での協業も開始した。この取組では,同社は自動車向けクラウド基盤上のビッグデータ分析・情報配信技術や,次世代車載通信端末ノウハウを提供した。この仕組を活用して東京海上日動から契約したドライバーに対し,事故映像の自動送信による対応,安全運転診断,ドライバーの状況に合わせた注意喚起による事故防止といったサービスが提供されるようになった。2021年1月末現在,契約車両数は約43万台であった(Tokio Marine & Nichido Fire Insurance, 2021)。

この取組は,パイオニアが培ってきたビッグデータ分析,情報配信技術,次世代の車載通信端末ノウハウと,東京海上日動が所有する事故関連データや対応ノウハウが統合されたものだが,サービスの提供には様々なケイパビリティの活用を指摘することができる。まず両社が保有するアセットにより,どのような価値を提供できるかを特定する促進ケイパビリティを構成する潜在価値発見能力や,それぞれの社内で新サービス開発に向けた起動ケイパビリティの資源交換再設計能力,さらに事故発生時の対応や保証内容が大きな価値であった従来の保険から,事故を未然に防ぐという新しい価値を提供するという点において,規範再設定能力も求められたと考えられる。加えて,両社の役割や責任範囲などの明確化における調整ケイパビリティ,両社のリソースをシームレスに統合して契約者に対して提供するための統合ケイパビリティもサービスの提供に必要なケイパビリティである。そして,競合他社との競争優位性を維持するためには,いかに蓄積されたデータから精度の高い分析や新しい分析結果を提供することができるか,すなわち,分析ケイパビリティが重要となる。

さらに,この取組は東京海上日動専用のプラットフォームではなく,様々な自動車関連事業への活用が想定されていた。実際,BtoB領域でタクシーの安全運転支援の実証実験や高齢者の運転見守りサービスへの採用などが進められてきた。カーナビゲーションへの蓄積型プローブ搭載から始まった一連の取組は,様々なダイナミック・ケイパビリティの発揮により,デジタル・プラットフォーム・エコシステムの構築から新たな顧客価値を実現した一例といえる。

3. コマツ

1990年代から,コマツはIoTの先進事例といわれる「KOMTRAX」を始め様々なデジタル施策を進めてきた。本節では,KOMTRAXの開発前後の「スタンドアローン」段階を出発点とし,「社内共有プラットフォーム」段階(右下の象限)を経て,「デジタル・プラットフォーム・エコシステム」段階(右上の象限)に至る,パスII型の事例として分析する。

(1) スタンドアローン段階:KOMTRAXの開発前後

まず,同社のDX関連の取組の中での大きな一歩として考えられるKOMTRAXの開発前後の状況を,「スタンドアローン」段階として捉える。この段階では,プラットフォームが形成されておらず,ステークホルダーも組織内に閉じている。また,情報のデジタル化を通じて既存業務の効率化を図ることが目的とされる。KOMTRAXの場合,その開発契機は,1990年代当時,油圧ショベルが盗難され,それを使ってATMを壊して現金が強奪される事件が多発していたことが挙げられた。さらに,「建設機械が自らの現在地や,搭載燃料などの情報を送信してくれると便利」というニーズから着想を得て,プロジェクトの提案がされたという(Sakane, 2019)。KOMTRAXは,このような背景による建設機械のデジタイゼーションから始まった。

(2) 社内共有プラットフォーム段階への移行:KOMTRAX標準搭載とプラットフォーム促進

1998年のKOMTRAX開始当初は有料オプションによるサービス提供としたために,搭載件数は限定的な規模にとどまったが,2001年に社長に就任した坂根正弘が下した標準装備化の決定がプラットフォーム化への大きな転換点となった。KOMTRAXの標準搭載によって,GPSによる位置情報に加えて稼動時間や操作内容,燃料残量など様々な情報取得が可能になった。これらのデータに基づき,故障発生前の部品交換や修理実施,機械使用の改善提案,予定外の機械修理による工事計画の遅延回避など,建設現場の生産性向上が実現した。

このように建設機械への標準搭載化により,製品のプラットフォーム化は図られたものの,社内を中心とした限られた範囲でのプラットフォームからのデータ共有が中心であった。つまり,ダイナミック・プロセスモデル上の左下の象限から右下の象限「社内共有プラットフォーム」段階へ移行したと考えられる。この移行過程においては,統合ケイパビリティ,調整ケイパビリティ,分析ケイパビリティが発揮されたと考えられる。統合ケイパビリティは,スタンドアローン段階では各業務や機能に特化して導入された個別システムを統合するための組織能力である。また,調整ケイパビリティと分析ケイパビリティは,各部門において部分最適に構築されたシステム,業務,あるいは資源を全社的な観点から再編し,組織レベル間の相互依存の最適化を図るために必要となる。KOMTRAXの場合,当初は盗難防止など特定領域の改善を意図して始まったが,世界中の建設機械の稼働状況を把握,分析して全社レベルの経営意思決定の改善に活用するようになった。その過程においてこれらケイパビリティが発揮されたと考えられる。

(3) デジタル・プラットフォーム・エコシステム段階への移行:LANDLOGの取組

2001年に同社は,構造改革の柱の一つとして「経営の見える化」を推進し,KOMTRAXから得たデータの活用を通じて,他社との差別化を目指すようになる。2015年には,建設業界の枠を超えた顧客自身のバリューチェーンに深く関わることを目指して「スマートコンストラクション」を推進し,その基盤としてクラウドプラットフォームである「KomConnect」の提供を開始した。そして,2017年には,建設生産プロセス全体の情報を収集,蓄積,解析する機能を分離し,間接的に関わる関係者も含め,建設生産プロセス全体を包括する新たなプラットフォーム「LANDLOG」を立ち上げた。

さて,「社内共有プラットフォーム」段階で企業内に閉じたプラットフォームが社外のステークホルダーに開放される「デジタル・プラットフォーム・エコシステム」に移行する過程では,すべてのダイナミック・ケイパビリティが必要となる。たとえば,LANDLOGはコマツ単独ではなく,NTTドコモ,SAPジャパン,オプティムによる4社共同の企画運用であった。そのため,各社との関係ケイパビリティ,中でも起動ケイパビリティを構成する規範再設定能力や,促進ケイパビリティを構成する資源動員能力を駆使する必要がある。また,プラットフォーム構築や運用に向けて,各社の役割を決定するための調整ケイパビリティ,各社が提供するリソースを成果につなげていくための統合ケイパビリティが求められる。

また,プラットフォーム構築後の運用段階においても様々なケイパビリティが必要となる。たとえば,LANDLOGを構成する「見える化IoTソリューション活動」とは,建設機械をはじめとして,現場の環境,資材,作業者など,関係する全ての「モノ」から得られるデータを収集・解析し,地形の変化や作業者の作業内容などの価値ある「コト」データに加工し,各種アプリーケーションでの可視化によって活用していくことを指す。そのためにこの活動ではデータを統合的に収集,蓄積するだけでなく,データの組み合わせや文脈などから何らかの価値を見出すために,分析ケイパビリティが必要とされる。同じくLANDLOGを通じて提供されるアプリプロバイダー向けサービス活動やランドログパートナー活動では,エコシステムに関わる様々な企業の参加と活動が前提となる。そのためにはプラットフォーム構築時と同様に,これまでに必ずしも直接の取引がなかった企業に,なぜソリューションの自社開発や,他のソリューションへの参加ではなく,より大きなメリットを得られるLANDLOGに参加すべきなのかという点を理解させ,エコシステムへの参加を勝ち取るという点で,関係ケイパビリティが求められる。さらに,LANDLOGというプラットフォームの上で新しいサービスを開発するリソースや,パートナーとして活動するためのリソースを各社に確保してもらうための調整ケイパビリティや,そのリソースをプラットフォームの発展に組み込んでいく点などで統合ケイパビリティも必要となる。

コマツではこのように様々なケイパビリティを動員してデジタル・エコシステムの構築と運用を行っており,これらの一連の活動は,2019年からの中期経営計画の中でも,成長戦略の3本柱の1つであるイノベーションによる価値創造の中に位置づけられた。2021年,同社はそのKPIとして米国,欧州,豪国でのICT建設機械導入1,590台(単年),スマートコンストラクション導入4,850現場(単年),スマートコンストラクション・コンサルタント育成430名(累計)などを設定した(Komatsu, 2021)。

4. 日本交通

Uberの登場はタクシー業界に大きな影響を与えたといわれるが,日本交通代表取締役会長の川鍋一朗は,2013年に初めてUberを見たときに,「地殻変動だと気付いた」と述べた(Owada, 2017)。本節では,日本交通のその後のDXの取組を「スタンドアローン」段階(左下の象限)を出発点とし,「社内共有プラットフォーム」段階(右下の象限)を経て,「デジタル・プラットフォーム・エコシステム」段階(右上の象限)に至る,パスII型の移行経路をたどった事例として取り上げる。

(1) スタンドアローン段階:オンラインでの配車

2020年,日本交通の子会社のJapanTaxiとDeNAのタクシー配車アプリ等の事業を統合し,Mobility Technologiesが設立された。JapanTaxiの前身は,1977年設立の日交計算センターであり,歩合給の乗務員の給与計算や,社内基幹システム構築などを担当していた。

同社のDXの取組としては,2011年に日本初のタクシー配車アプリとして,自社タクシーの配車を行う「日本交通タクシー配車」を開始したことに遡る。そして同年内には全国のタクシー事業者13社を対象とした「全国タクシー配車」を開始した。スマートフォンアプリを通じて乗客の配車依頼を受けられるようになったこの段階は,ダイナミック・プロセスモデルの「スタンドアローン」段階に相当する。それまで主流だった電話による配車依頼のプロセスをデジタル上に構築するデジタイゼーション・ケイパビリティが活用された。さらにタクシーの配車を行うきっかけである顧客からの配車依頼がオンライン経由になることに伴い,オペレーションの変更のための調整ケイパビリティも発揮されたと考えられる。

(2) 社内共有プラットフォームへの移行:サービス領域の拡大

タクシーの乗車体験は,大きく分けて「呼ぶ」「乗る」「払う」という柱から成り立っている。まずは「呼ぶ」ことについてデジタル対応を行った日本交通グループでは,次に「乗る」「払う」という経験についても自社でのデジタル対応を進めた(Type, 2014)。

「乗る」については,ドライブレコーダーのタクシー車両への装着を,安全や防犯対策の観点で2004年から進めてきた。配車アプリの開発で培ったデジタル技術を活用し,デジタル家電ベンチャーのCerevoとの協業によるドライブレコーダーの開発を進め,2013年には自社活用にとどまらず,同業他社への販売も開始した(Nihon Kotsu, 2013)。

「払う」についても,2012年に事前登録によるクレジットカード払いや各種オンライン決済サービスなど様々なサービスへの対応を図ってきた。また出張・経費精算クラウドサービスのコンカーと連携し,経費精算自動化サービスの提供も開始した(JapanTaxi, 2015)。

このように「乗車体験」という枠組みからデジタル技術を活用した様々なサービス提供を実現したこの段階は,「社内共有プラットフォーム」段階の一つの形と考えられる。この移行過程における日交データサービス(当時の社名)において着目すべきケイパビリティとして関係ケイパビリティが考えられる。従来の日交データサービスが給与計算などの社内業務であったのに対し,この段階ではドライブレコーダーや決済サービスなど,従来とは異なる社外とも連携する関連業務が増大した。その対応策として,ネット企業などから約40人の中途採用を行った(Nikkei, 2016)。この新規採用人材を適切に配置し,資源の再編成を進める過程では起動ケイパビリティの資源交換再設計能力が重要な役割を果たした。また外部組織との提携を通じて新サービスを構築する過程では,データの定義や利用規約,各社の役割分担などで,調整ケイパビリティが発揮されたと考えられる。

(3) デジタル・エコシステム・プラットフォームへの移行:新領域に向けた展開

配車や決済などのサービスを展開してきたJapanTaxi(当時の社名)は,2018年1月に「モビリティ研究開発部」を発足させた。この部門は約10名の専任スタッフにより構成され,タクシーからのデータを「JapanTaxi Data Platform」に集約し(図3),その分析に基づくソリューションを提案することをそのミッションとした(JapanTaxi, 2019)。

図3

日本交通:JapanTaxi Data Platform

出典:JapanTaxi (n.d.)

走行履歴やドライブレコーダー画像に加え,渋滞予測,気象情報や花粉濃度など,従来のタクシー事業とは異なる領域でのイノベーション・プラットフォームとしての活用が目指されており,右上の象限,すなわち「デジタル・プラットフォーム・エコシステム」段階と捉えることができる。この移行過程では様々なケイパビリティが求められるが,具体的な用途の探索を行っている段階では,関係ケイパビリティの中でも起動ケイパビリティを構成する再編成能力や資源交換再設計能力を発揮して,パートナーの新規開拓や,資源調整を進めたり,促進ケイパビリティを構成する潜在価値発見能力を通じてデータが価値を生み出す領域や用途の特定などが行われていると考えられる。

V. ディスカッション

本節では,4事例(アスクル,パイオニア,コマツ,日本交通)の分析から得た知見,本研究の課題,および,今後の研究の方向性について検討する。

1. 事例分析から得た知見

第一に,ダイナミック・プロセスモデル(Fujikawa et al., 2022)が捉えるDXの発展段階とその移行過程,および,その段階と過程において発揮されるダイナミック・ケイパビリティについて,事例を通じて記述した(表1)。同モデルは先行研究の文献レビューに基づいて理論的に導いた概念モデルであるが,DXの動的過程を捉え,記述することができることが確認できた。

第二に,理論的サンプリングに基づいて選択した事例の分析を通じて,概念モデル上は詳述しなかったケイパビリティ(表1の点線部分)の重要性やその特徴を発見することができた。たとえば,パス1型のパイオニアの事例では左下→左上の移行過程における統合ケイパビリティや,左上→右上の移行過程における関係ケイパビリティや統合ケイパビリティなど,概念モデル上は詳述しなかったケイパビリティの役割が明らかになったほか,パスII型の日本交通の事例においても,左下→左上の移行過程において関係ケイパビリティの発揮が重要であったことがわかった。

第三に,概念モデルの今後の改善の方向性を示唆する発見もあった。たとえば,パスI型のパイオニアの事例では,左下→左上への移行に際して,同社が最初に情報やデータを共有した相手は企業ではなく最終ユーザーであった。これは,「企業間情報/データ共有」段階における共有が「企業間」に限定されず,より広く様々な「主体間」でなされるとして捉えるべきであることを示唆している。また,パスII型のコマツの事例では,各移行過程において重要となった調整ケイパビリティが,初期の段階では「業務プロセスの改善」のために発揮されたのに対し,より高位の段階に移行するに従って「経営意思決定の改善」のために発揮されることもわかった。これは,DXがある段階から次の段階に移行するに伴い,同じダイナミック・ケイパビリティが発揮される対象も経時的に変化する可能性を示唆する。

2. 本研究の課題と今後の研究

第一に,本研究では,DXの発展段階と移行過程に関する理論的一般化に寄与する観点から事例の選択を行い,各事例の考察を行ったが,それぞれの事例におけるダイナミック・ケイパビリティ間の時系列的な関連性(因果関係)やある時点におけるダイナミック・ケイパビリティ間の関連性については,さらなる分析が必要である。

第二に,各事例は単一事例の時系列分析であり,事例間の比較分析は行っていない。異なったパスを経た事例間の比較,また同一のパスの事例間の比較分析を行うことによって,DXのダイナミック・プロセスモデルの論理をより強固にすることができるだろう。

第三に,理論的サンプリングに基づき,「DXの発展段階を異なる移行過程(パス)を通じて経時的変化を遂げた事例」を選択したため,ダイナミック・プロセスモデルが示す発展段階や移行過程が実在することは確認されたが,同モデルでは示していない段階の存在や他のパスの有無については,さらに考察を深める必要があるだろう2)

VI. おわりに

本論文の目的は,デジタル・トランスフォーメーション(DX)のダイナミック・プロセスモデル(Fujikawa et al., 2022)について,事例研究を通じて,DXが経営現場においてどのように進み,その発展段階や移行過程においてどのケイパビリティがどのように発揮されるのか,その実際を明らかにすることにあった。理論的サンプリングの手法に基づき,「DXの発展段階を異なる移行過程(パス)を通じて経時的変化を遂げた事例」として選択した4つの事例(アスクル,パイオニア,コマツ,日本交通)からは新たな知見と論理の示唆を得ることができた。しかし,事例研究としては初期段階にあり,今後,それぞれの事例におけるダイナミック・ケイパビリティ間の時系列的な関連性や,異なったパスを経た事例間の比較分析を進める必要がある。また,限定数の事例分析に基づく仮説創造型の定性研究が抱える課題を仮説検証型の定量研究との混合研究法を通じたトライアンギュレーションを図り,DXのダイナミック・プロセスモデルの論理のさらなる明確化が求められる。

1)  Fujikawa et al.(2022)は,ダイナミック・プロセスモデルの左上の象限を「企業間情報/データ共有」段階と称したが,本事例では「ユーザー」との情報共有をもって,左上象限への移行と考えられる。そのため,「企業間」ではなく,「主体間」「アクター間」とより広く捉えることが望ましいと考えられる。

2)  他のパスが存在する可能性については,たとえば,「スタンドアローン」(左下の象限)から一足飛びに「デジタル・プラットフォーム・エコシステム」(右上)に移行する可能性が考えられる。しかし,これは,それまで社内に閉じていたスタンドアローンを突然社外に解放してプラットフォームを形成することを目指すことになり,既存の保有資源や通常ケイパビリティが大きな制約となるため,現実的には難しいと考える。また,「スタンドアローン」(左下)から「社内共有プラットフォーム」(右下)を経て,「企業間情報/データ共有」(左上),そして「「デジタル・プラットフォーム・エコシステム」(右上)に到達するという「左下→右下→左上→右上」のパスも考えられる。しかし,社内でプラットフォーム化したものを一旦閉じて特定業務に特化し,その後に再度社外に解放することとなり,合理的な意味を見いだすことが難しい(「左下→右上→右下→右上」のパスも同様)。また,「プラットフォームの有無」と「ステークホルダーの広狭」の2軸以外の第3軸を立ててダイナミック・プロセスモデルを概念化することで他の発展段階や移行過程を捉えることは可能であるが,これは本論文の範囲外となる。

藤川 佳則(ふじかわ よしのり)

一橋大学経済学部卒業。同大学院商学研究科修士。ハーバード・ビジネススクールMBA(経営学修士),ペンシルバニア州立大学Ph.D.(経営学博士)。ハーバード・ビジネススクール研究助手,ペンシルバニア州立大学講師,オルソン・ザルトマン・アソシエイツ(コンサルティング),一橋大学大学院国際企業戦略研究科専任講師,准教授を経て現職。2020–2022年,米国イェール大学経営大学院客員准教授。専門は,サービス・マネジメント,マーケティング,消費者行動論。

今井 紀夫(いまい のりお)

一橋大学大学院経営管理研究科国際企業戦略専攻博士後期課程に在学中。修士(統合マーケティングコミュニケーション)。専攻はデジタルトランスフォーメーション。

近藤 公彦(こんどう きみひこ)

1984年同志社大学商学部卒業後,1990年神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得。現在,小樽商科大学大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻(専門職大学院)教授。この間,2005年から2006年にかけて,米国ノースウェスタン大学大学院IMC学科客員教授。

専門は,マーケティング論および流通システム論

大川 英恵(おおかわ はなえ)

立教大学社会学部産業関係学科卒業後,同大学大学院社会学研究科応用社会学専攻博士課程前期課程修了(修士・社会学)。株式会社博報堂に入社し大手企業の宣伝及び広告/マーケティングを担当。その後独立し,企業や中央省庁へのデータマイニングの提案及び分析を請け負う。現在は大手IT企業にてクラウドプロダクトのBtoBマーケティングを担当。

堀内 健后(ほりうち けんご)

筑波大学第三学群基礎工学類卒業後,東京大学大学院工学系研究科修了。プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント(現日本アイ・ビー・エム),マネックスビーンズホールディングス(現マネックスグループ)を経て,2013年2月トレジャーデータ入社。シニア・マーケティング・ディレクターとして,日本国内での日本事業の立ち上げ,事業展開を率いる。19年からアジア地域展開を開始。2021年取締役就任。

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