2025 Volume 6 Issue 2 Pages 61-67
本研究は,インフルエンサーのPR投稿におけるフォロワー数の多寡と「共通の友達」の有無が広告効果に与える影響を明らかにすることを目的としている。インフルエンサーマーケティングは,有名人を起用した広告に比べて高い広告効果を持つことが既存研究で示されており,その中でもフォロワー数が重要な要素とされている。従来の研究では,フォロワー数といった量的要素が注目されてきたが,フォロワー同士の関係性といった質的要素については,あまり注目されていない。そこで,本研究ではインスタグラムの「共通の友達」が表示される機能に着目し,広告態度や購買意向に与える効果を検証した。実験1では,インフルエンサーのフォロワー数が多いPR投稿の方が,フォロワー数が少ないPR投稿に比べて,広告態度や購買意向が有意に高いことを明らかにした。実験2では,共通の友達が表示される場合,実験1の結果とは異なり,フォロワー数が少ないインフルエンサーのPR投稿が,フォロワー数が多いインフルエンサーのPR投稿に比べて,広告態度や購買意向が有意に高いことを明らかにした。
The aim of this study is to examine the effects of influencer follower count and the presence of “common friends” on advertising effectiveness in PR posts. Previous research has shown that influencer marketing generates a greater advertising effect compared to celebrity endorsements, with follower count being a key factor. While prior studies have focused on quantitative aspects such as follower count, qualitative factors such as follower relationships have received less attention. This study examines the impact of Instagram’s “common friends” feature on advertising attitude and purchase intention. In Experiment 1, we found that PR posts with more followers of the influencer had significantly higher advertising attitudes and purchase intentions than PR posts with fewer followers. In Experiment 2, common friends were displayed, unlike in Experiment 1, and then PR posts by influencers with a small number of followers were found to have significantly higher advertising attitudes and purchase intentions than PR posts by influencers with a large number of followers.
本研究の目的は,インフルエンサーのフォロワー数の多寡が広告効果に与える影響を再確認し,フォロワー数が少ない場合でも広告効果が高まる条件を明らかにすることである。具体的には,「共通の友達」の有無といったフォロワーの「質的」要素に着目することで,新たな知見を提供する。
近年,企業の広告活動において,インフルエンサーマーケティングの重要性が増している。日本におけるインフルエンサーマーケティング市場は,2024年に860億円を超え,今後も年々市場は拡大していく(CyberBuzz, 2024)。さらに,Z世代の約60%が,SNSでインフルエンサーが紹介した商品を購入している(SHIBUYA109 Entertainment, 2022)ことから,インフルエンサーマーケティングの影響力は顕著であり,注目度・重要度は高まっていると言える。
従来の研究においては,インフルエンサーのフォロワー数が多いほど広告効果が高まると考えられてきた。フォロワー数が多いインフルエンサーは人気があると認識され,人気の認知が高まることで,インフルエンサーに対する信頼性や魅力度が増し,広告効果が高まることが示唆されている。そのことを裏付けるように,実務でのインフルエンサーマーケティングにおいても,一般的にはインフルエンサーのフォロワー数が多いほど,依頼料・広告料が高くなっている(FOODtech Week, 2024)。一方,Kay et al.(2020)は,PR投稿において,フォロワー数の少ないマイクロインフルエンサーが,フォロワー数の多いマクロインフルエンサーに比べて製品知識を高めることを明らかにしている。しかし,フォロワー数が少ない場合でも広告効果が高まる条件については十分に解明されていない。
フォロワー数が少ない場合でも広告効果が高まる条件が明らかになれば,マーケティング戦略の幅が広がり,企業は費用対効果の高い効果的な施策を検討できるようになる。また,従来の研究が主にフォロワー数といったフォロワーの「量的」要素に注目してきたのに対し,本研究では,フォロワーの「質的」要素に焦点を当てる。特に,インスタグラムに搭載された「共通の友達」機能に着目し,この要素が広告に与える効果を明らかにする。
本研究は,インフルエンサーマーケティングにおけるフォロワーの「質」と「量」の両側面を考慮し,新たな視点を提供することを目指す。本稿の構成としては,第2章では,研究の背景について先行研究をレビューし,仮説の構築を行う。続いて第3章では,実験1でフォロワー数の多寡が広告効果にどのような影響を与えるか再確認し,実験2でフォロワーの「質的」要素,特に「共通の友達」に着目し,フォロワー数が少なくても広告効果が高まる条件を明らかにする。最後に,第4章では,本研究の考察と貢献,限界を述べ,本稿を締めくくる。
近年,タレントといった有名人を起用した広告に比べて,SNS上で影響力を持つインフルエンサーを起用した広告の方が,広告効果(広告態度と購買意向を合わせた指標)が高くなることに加え,信頼性と同一性がインフルエンサーの広告効果の重要な媒介変数となっていることが明らかにされている(Schouten et al., 2021)。このように,インフルエンサーマーケティングが,従来の有名人起用の広告に比べて効果が高いことが示され,インフルエンサーマーケティングに関する研究が多くなされている。Campbell and Farrell(2020)の研究では,インフルエンサーをフォロワー数別に多いものから「メガインフルエンサー」「マクロインフルエンサー」「マイクロインフルエンサー」「ナノインフルエンサー」の4種類への分類を行った。その上で,インフルエンサーカテゴリの持つ特性とブランドの目的やターゲット市場に応じて選択されるべきと指摘する。
フォロワー数に関する研究として,Janssen et al.(2021)は,フォロワー数が多いインフルエンサーは人気があると認識されるため,これが好感度を高める要因となることを明らかにしている。人気の認知が高まることで,インフルエンサーに対する信頼性や魅力度が増し,広告効果が高まることを示唆している。De Veirman et al.(2017)においても,フォロワー数がインフルエンサーの評価指標として重視されていることが主張されており,フォロワー数が多いインフルエンサーは人気が高いと見なされることを明らかにしている。
このように,インフルエンサーマーケティングにおいて,フォロワー数は重要な指標となっており,フォロワー数が多いほど人気や好感度が高く,結果として広告効果を高める。実際に実務でのインフルエンサーマーケティングにおいても,一般的にはインフルエンサーのフォロワー数が多いほど,依頼料・広告料が高くなっている(FOODtech Week, 2024)。
しかしながら,Kay et al.(2020)では,PR投稿において,フォロワー数の少ないマイクロインフルエンサーは,フォロワー数の多いマクロインフルエンサーに比べて製品知識を高めることを明らかにしている。
このように,フォロワー数がインフルエンサーのPR投稿の広告効果に与える影響については数多くの議論が行われており,さまざまな結果が出ている。
中でもマクロインフルエンサー・マイクロインフルエンサーの2レベルの分類は,学術界と実務の両方で最も広く使用され,議論されている(Kay et al., 2020)。ただし,以降の本文では便宜上,マクロインフルエンサーを「フォロワー数が多いインフルエンサー」,マイクロインフルエンサーを「フォロワー数の少ないインフルエンサー」という表現する。
研究1では,改めてマクロインフルエンサー・マイクロインフルエンサーの分類を用いて,フォロワー数の多寡が広告効果に与える影響を確認するため,以下の仮説を設定する。
H1:インフルエンサーのPR投稿において,フォロワー数が多い(vs.少ない)方の広告態度が高い
H2:インフルエンサーのPR投稿において,フォロワー数が多い(vs.少ない)方の購買意向が高い
2. 「共通の友達」機能と知人からの推薦に関する先行研究Aslam et al.(2011)によると,若年層の消費者は,「近親者,友人,家族,知人は常に正直な意見を提供し,それが完全に信頼できるものであり,意思決定を容易にするのに役立つ」と感じているという。また,Deloitte Tohmatsu Group TMT Industry Group(2018)では,約8割もの人が友人や家族からの勧めによって,商品・サービスなどの購入の決定を行っていることが示された。このように,友人,家族からの口コミは購買行動に大きな影響を与えていることが分かっている。
こうした中,2018年に,インスタグラムに「共通の友達」機能が搭載された。この機能は,あるユーザーのプロフィールを閲覧している際に,その人を既にフォローしている自分の友達を表示する機能である。インスタグラムの「共通の友達」機能を通じて,ユーザーがフォローしているインフルエンサーが,自分の知り合いや友達にも支持されていることが視覚的に示されることで,インフルエンサーに対する信頼が強化される。この機能が,友人の口コミに近い役割を果たし,購買行動に影響を与える可能性をもつ。
フォロワー数といったフォロワーの「量的」要素に着目し,広告効果を検討した研究はあるが,フォロワーの「質的」要素に着目した研究は見当たらない。本研究では,「共通の友達」機能を用いて,フォロワーの「質的」要素が与える広告効果を検討する。
フォロワー数が少ないインフルエンサーは,フォロワーとの距離感が近く,コメントへの返信や日常的なやりとりなど,双方向的かつ個別的なコミュニケーションを取りやすいという特徴がある(Campbell & Farrell, 2020)。このようなインフルエンサーは,フォロワーひとりひとりとの距離を重視しており,消費者は「インフルエンサーが自分のことを認識している」「近しい存在である」と感じやすいため,距離の近さを抱くと考えられる。このような状況下で,「共通の友達」が表示されると,消費者はそのインフルエンサーをすでに自分の知人も支持している存在として捉えることになる。このとき,すでに感じていた距離感が,「共通の友達」の存在によって社会的に裏付けられたことで,インフルエンサーとの距離をより近いものとして認識するに至る。
一方,マクロインフルエンサーはフォロワー数が非常に多いことから,「共通の友達」が表示されても,その効果は薄くなりがちである。大規模なフォロワー層に対して発信しているため,個々のフォロワーとの関係性が希薄であり,「共通の友達」を見ても,消費者がそのインフルエンサーとの間に特別なつながりを感じることは少ないはずである。
これらの点から,「共通の友達」機能は,フォロワーとの関係性が密接なマイクロインフルエンサーにおいて特に強い影響を与え,広告態度や購買意向をより高めると予測される。
つまり,消費者はインフルエンサーのPR投稿において,「共通の友達」ありの場合,フォロワー数が多いマクロインフルエンサーよりも,フォロワー数が少ないマイクロインフルエンサーに対して広告態度が高まり,購買意向も高まると考えられる。そこで以下の仮説を設定する。
H3:インフルエンサーのPR投稿において,「共通の友達」あり(vs.なし)の場合には,フォロワー数の少ない方(vs.多い方)の広告態度が高い。
H4:インフルエンサーのPR投稿において,「共通の友達」あり(vs.なし)の場合には,フォロワー数の少ない方(vs.多い方)の購買意向が高い。
本研究の仮説を整理すると,図1のように仮説モデルとして示すことができる。
仮説モデル
Schouten et al.(2021)の実験を参考に,推薦者であるインフルエンサーを架空の美容系インフルエンサーに,商材を架空の女性用美容商材(ファンデーション)に設定した。美容系インフルエンサーがファンデーションを宣伝するPR投稿と,投稿者である美容系インフルエンサーのプロフィール画面を参加者に提示し,PR投稿に対する広告態度と紹介した商品の購買意向を調査した。これらの画像は,実際のインスタグラムの画面を模したデザインにした(図2)。
実験での画像刺激の一部
データはインターネット経由1)で収集を行い,回答者はインスタグラムの主要ユーザーであるZ世代(10歳から30歳)の女性に限定した。
1. 実験1 (1) 研究方法実験1では,H1とH2の検証のために,インフルエンサーのフォロワー数の多寡が,広告態度および購買意向に与える影響を明らかにする。
調査(n=160)では,参加者を2つのグループ(それぞれn=80)にランダムに振り分け2),一方にフォロワー数の多い(フォロワー数35万)プロフィール画面,もう一方にフォロワー数の少ない(フォロワー数8.6万)プロフィール画面を見せたうえで,PR投稿に対する広告態度と商品の購買意向を質問した。実験で用いたフォロワー数については,Campbell and Farrell(2020)の定義に基づき,その範囲内で実在する事例を参考にフォロワー数35万および8.6万という具体的な数値を設定した。本文では便宜上,マクロインフルエンサーを「フォロワー数が多いインフルエンサー(フォロワー数35万)」,マイクロインフルエンサーを「フォロワー数の少ないインフルエンサー(フォロワー数8.6万)」という表現している。なお,2つのグループに提示した画像のフォロワー数以外の条件は同一である。広告態度は,Spears and Singh(2012)を参考に「魅力的-魅力的でない」「良い-良くない」「心地よい-不快である」「好ましい-好ましくない」「好感が持てる-好感が持てない」という5項目(α=.97)を用い,SD法による7段階尺度(例:7=魅力的,1=魅力的ではない)で測定を行った。購買意向においても,Schouten et al.(2021)の研究方法を参考に,「この商品を購入する可能性はどの程度ですか」という1項目を用い,リッカート7段階尺度(7=非常に高い,1=非常に低い)で測定を行った。
(2) 結果インフルエンサーのフォロワー数の多寡が広告態度と購買意向に与える影響を検証するために,2グループ間で対応のないt検定を行った。その結果,広告態度と購買意向の両方において有意差(広告態度:M多い=4.04 vs. M少ない=3.57, t(157)=2.43, p<.05, CI95% [0.09, 0.85];購買意向:M多い=2.78 vs. M少ない=2.15, t(157)=2.52, p<.05, CI95% [0.13, 1.12])を示した。よってH1,H2は支持された。
2. 実験2 (1) 研究方法実験2では,H3とH4の検証のため,インフルエンサーのフォロワー数の多寡と「共通の友達」の有無が,広告態度および購買意向に与える影響を明らかにする。
調査(n=320)では,参加者を4つのグループ(それぞれn=80)にランダムに振り分け,グループ1に「フォロワー数多い(35万人)・共通の友達なし」,グループ2に「フォロワー数少ない(8.6万人)・共通の友達なし」,グループ3に「フォロワー数多い(35万人)・共通の友達あり」,グループ4に「フォロワー数少ない(8.6万人)・共通の友達あり」のプロフィール画面を見せたうえで,PR投稿に対する広告態度と商品の購買意向を測定した。なお,4つのグループに提示した画像のフォロワー数・共通友達の有無以外の条件は同一である。広告態度・購買意向の尺度は実験1と同様のものを用いた。
(2) 研究結果フォロワー数の多寡と「共通の友達」の有無が,広告態度と購入意向に与える影響を検証するために,広告態度と購買意向を従属変数とする2(フォロワー数:多/少)×2(共通の友達:有/無)の対応のない二元配置分散分析を実施した。その結果,広告態度と購買意向の両方において,フォロワー数の多寡と共通の友達の有無に,有意な交互作用効果(広告態度:F(1,316)=5.34, p<.05,購買意向:F(1,316)=9.05, p<.01)が示された(図3)。
実験2の分析結果
注:グラフ間に下位検定の結果を表示。
また,下位検定の結果,フォロワー数が多いインフルエンサーにおいて,共通の友達ありの場合となしの場合の単純主効果については,広告態度と購買意向ともに有意差がなかったが(広告態度:t(158)=1, p=.32, CI95% [−0.19, 0.6];購買意向:t(158)=0.81, p=.42, CI95% [−0.31, 0.73]),フォロワー数が少ないインフルエンサーにおいて,共通の友達ありの場合となしの場合の単純主効果について,広告態度・購買意向ともに有意差があった(広告態度:t(156)=−2.28, p<.05, CI95% [−0.85, −0.06];購買意向:t(153)=−3.51, p<.01, CI95% [−1.39, −0.39])。
共通の友達ありの場合における,フォロワー数が多いインフルエンサー・フォロワー数が少ないインフルエンサー間の単純主効果については,広告態度と購買意向ともに有意差がなかったが(広告態度:t(158)=−0.89, p=.38, CI95% [−0.59, 0.22];購買意向:t(157)=−1.77, p=.08, CI95% [−1.00, 0.05]),共通の友達なしの場合における,フォロワー数が多いインフルエンサー・フォロワー数が少ないインフルエンサー間の単純主効果については,広告態度と購買意向ともに,有意差があった(広告態度:t(157)=2.43, p<.05, CI95% [0.09, 0.85];購買意向:t(154)=2.52, p<.05, CI95% [0.13, 1.12])。よってH3,H4は支持された。
本研究では,今一度インフルエンサーのフォロワー数がPR投稿の広告効果にどのような影響を与えるのかを調査した。その結果,本研究においては,広告態度と購買意向の両方において,フォロワー数が多いインフルエンサーとフォロワー数が少ないインフルエンサーとの間で有意な差が見られ,フォロワー数が多い方が,広告効果が高まることが明らかになった。
また,これまでフォロワーの「質的」要素に着目した研究が見当たらなかったことから,本研究では「共通の友達」機能がインフルエンサーの広告効果に当たる影響を調査した。その結果,フォロワー数の多寡と「共通の友達」の有無が,広告態度および購買意向に交互作用効果をもたらすことが示され,特にフォロワー数の少ない条件において,「共通の友達」の存在が広告効果に顕著な正の影響を与えることが明らかになった。これは,フォロワー数が少ないインフルエンサーはフォロワーとの距離が近く,双方向的な関係を築きやすいため,共通の友達機能によって消費者の信頼感が高まり,広告態度や購買意向が向上したと考えられる。一方,フォロワー数が多いインフルエンサーはフォロワーとの関係が希薄で,「共通の友達」の効果が限定的であることが多い。このため,共通の友達」機能はフォロワー数が少ないインフルエンサーにおいて特に広告効果を高めると考えられる。
本研究の理論的貢献は,「共通の友達」という新たな要素を用いてインフルエンサーマーケティングの研究を拡張した点である。これまでの研究は,インフルエンサーのフォロワー数といった「量的」要素に焦点を当てることが多く,フォロワー同士の関係性や「共通の友達」といった「質的」要素についての検討はほとんど行われていなかった。本研究では,インスタグラムの「共通の友達」機能を用いることで,フォロワー間のつながりが消費者の広告態度や購買意向を高める重要な要素であることを示した。このように,フォロワー数の多寡が一律に広告効果を高めるわけではなく,「共通の友達」のような,フォロワー同士の繋がりという要素が,特に,フォロワー数が少ないインフルエンサーの場合に広告効果に正の影響を与えることが明らかになった。
実務的な貢献としては,企業がインフルエンサーを選定する際の,新たな基準を示した点である。「共通の友達」を持つフォロワー数の少ないインフルエンサーを選定することで,費用対効果の高い施策を打ち出すことができ,広告効果の最適化に繋がることを示した。ターゲット層のユーザーが実際にフォローしているインフルエンサーを選定すれば,ユーザー同士が共通の友達として表示される可能性が高まるため,広告効果の最大化が期待できる。実際にそのようなインフルエンサーの選定方法も存在する(A STREAM, 2022)。この知見は,インフルエンサーマーケティングの効果を一層高めるための具体的な指針となりうる。
本研究の限界として,実験の刺激物として扱ったものが美容商材のみであったため,他の商材での検証が必要だと考えられる。商材は,Copeland(1924)が「最寄品」,「買回品」,「専門品」に分類するなど,他にも様々な分類の仕方がある。そのため,商材によっては,異なる結果をもたらす可能性もある。また,本研究では,架空のインフルエンサーと架空の商材を用いて実験を行ったが,今後は実在するインフルエンサーや実在する商材を用いた実験に拡張していく必要がある。
本論文の執筆にあたり,多大なるご指導を賜った法政大学経営学部の西川英彦教授には,心より感謝申し上げます。また,マーケティングレビューのシニアエディターや三都市カンファレンス2025 U24オーラルペーパーの査読者からも貴重なご意見をいただきました。この場を借りて,心より感謝を申し上げます。
1)本研究の調査は,クラウドワークス(https://crowdworks.jp/)を通じて参加者を募集した。
2)被験者をランダムに振り分けるランダムリンクは,nimble links(https://www.nimblelinks.com/)を利用した。実験2も同様である。