Nursing Journal of Kagawa University
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Nurse's Work-related Stress after Relocation to Operating Room: A Review of the Literature
Aya KuramotoKumi WatanabeMineko NanbaYuki Yajima
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RESEARCH REPORT / TECHNICAL REPORT OPEN ACCESS FULL-TEXT HTML

2019 Volume 23 Issue 1 Pages 33-45

Details
要旨

本研究では,手術室に配置転換となった看護師のストレス要因について明らかにすることを目的として,文献検討を行った.

文献検索データベースは,医学中央雑誌Webを使用し,1998年から2018年までに公表された国内文献を対象とした.「手術室」,「看護師」に「配置転換」もしくは「異動」を掛け合わせて検索を行い,1)会議録を除く原著論文であること,2)手術室に配置転換となった看護師のストレス要因と考えられる記述が表題および要旨から読み取れることを基準に文献を選択した.

対象となった14文献を熟読し,質的帰納的に分析を行ったところ,【手探りでの手術看護習得】,【手術室での特殊な関係性】,【常に緊張感を伴う業務】,【希望ではない配置転換】,【手術室文化への適応の難しさ】の5つのカテゴリーが生成された.5つのカテゴリーはそれぞれ,【手探りでの手術看護習得】は≪一からの習得≫,≪医療機器・器械の取り扱い≫,≪不十分な指導体制・内容≫,≪評価されない病棟経験≫,≪否定的な自己評価≫,【手術室での特殊な関係性】は≪病棟とは異なる医師との関係≫,≪看護師間の濃密な関係≫,≪患者との希薄な関係≫,≪手術室の閉鎖的な環境≫,【常に緊張感を伴う業務】は≪緊迫した状況≫,≪強い不安と緊張≫,≪手術に合わせた勤務≫,【希望ではない配置転換】は≪手術室への否定的なイメージ≫,≪納得できない配置転換の理由≫,【手術室文化への適応の難しさ】は≪意見を言いにくい雰囲気≫,≪乏しい帰属意識≫,≪掴めない手術の流れ≫,≪自分のペースで行えない業務≫のサブカテゴリーで構成された.

先行研究と比較検討したところ,手術室に配置転換となった看護師に特徴的なストレス要因として,【手術室文化への適応の難しさ】が見出された.

Summary

The aim of this study was to clarify the stressors of nurses who were relocated to the operating room (OR) by conducting a literature review.

A literature search with “OR, ” “nurse, ” and “relocation” or “reassignment” as keywords was performed using the Japan Medical Abstracts Society Database (web version) from 1998 to 2018. Documents were chosen according to the following criteria: (1) original papers excluding minutes in Japan and (2) a description pertaining to a stressor of the nurse who was relocated to the OR, which can be read form the Title and Abstract. In total, 14 documents were selected for the analysis. Descriptions were categorized in accordance with their similarities.

The stressors of nurses relocated to the OR were divided into five categories: [groping acquisition of operative nursing competencies], [distinct relationships in the OR], [constant feeling of tension at work], [undesired relocation], and [difficulty in adapting to invisible rules]. [Groping acquisition of operative nursing competencies] consisted of subcategories including “learning from scratch, ” “handling of medical equipment/instruments, ” “inadequate guidance system/contents, ” “unevaluated ward experience, ” and “negative self-assessment.” [Distinct relationships in the OR] consisted of “relationship with doctors different from wards, ” “dense relationship among nurses, ” “shallow relationship with patients, ” and “closed environment of the OR.” [Constant feeling of tension while at work] included “tense situation, ” “extreme anxiety and tension, ” and “work according to surgery.” [Undesired relocation] consisted of “negative image about the OR, ” “unconvincing reason for relocation.” [Difficulty in adapting to invisible rules] included “unapproachable atmosphere, ” “poor identification, ” “flow of surgery that cannot be grasped, ” and “operations that cannot be done at their own pace.”

Comparing the results of this study with the previous studies, [difficulty in adapting to invisible rules] were mentioned as the characteristic features of the stressors of nurses who were relocated to the OR.

緒言

病院に勤務する看護師にとって,配置転換は避けて通ることのできないイベントである.看護師の配置転換は,組織にとっては,固定化の防止,組織風土の変化,潜在的な問題の明確化,組織の活性化などを目的に行われる.個人にとっては,新しい人間関係の構築や新しい知識や技術の習得などによりキャリア発達の機会ともなりうるが,一方では,変化する環境へ適応しなければならず,過度な負担となりうる場合もある.特に手術室への配置転換は,病棟とは異なる手術看護の特性により負担に感じる看護師が多い.ある調査では,調査対象となった看護師の8割以上が「手術室では働きたくない」,「手術室に異動したくない」と回答している1)

手術室経験のない看護師が,手術室に配置転換となってからある程度動けるようになるまでには2~3年を必要とする2).専門性を発揮するには,器械出し看護師では3年以上,外回り看護師では5年以上の経験が必要とされており3),適応までに時間を要することが示されている.しかし,3年を待たずに退職や配置転換を希望する看護師も少なくない.ある施設では,手術室において,過去5年間で配置転換後3年未満の看護師の離職が60%であったことが報告されており4),病棟から手術室への配置転換後の適応の難しさが伺える.

手術室に配属となった看護師の適応過程についてはこれまでにもいくつかの研究が行われている5)6)7).これらの研究を概観すると,手術室に配属となった看護師はストレスを必ず感じているが,それを乗り越えることで手術室への適応に至ることが示されていた.同じ看護職の間でも,ストレスの原因であるストレス要因は所属する診療科や患者の特性によって異なるため,それぞれの科の特殊性を考慮することが重要とされる8).一般病棟,救急,精神科,手術室等では看護師のストレス要因がそれぞれ異なることは想像に難くないが,それに加えて看護師の背景も考慮する必要があると考える.すなわち,同じ「手術室に配属となった看護師」のストレス要因でも,新卒で配属となった場合と病棟等からの配置転換により配属となった場合では,ストレス要因が異なり,それに伴い適応過程も異なることが推測される.しかし,先述の適応過程に関する研究では,新卒の場合と配置転換の場合が区別されることなく対象に含まれていた.

近年では,周術期看護として術前から術後まで一貫した看護を提供することが求められており,病棟経験を有する看護師の手術室での勤務は,周術期看護の質の向上に欠かせない存在である.手術室に配置転換となった看護師の離職は,離職する看護師本人の問題にとどまらず,残された看護師も業務分担の増加から疲弊し,手術の安全性の確保に影響を及ぼすことが懸念される.手術室に配置転換となった看護師の職場適応に向けた支援の検討は重要な課題であり,その端緒として,職場適応を阻害する要因であるストレス要因について明らかにする必要がある.

そこで本研究では,文献検討により,手術室に配置転換となった看護師のストレス要因について明らかにすることを目的とした.

方法

1. 文献検索の方法

手術室における看護師の業務や役割は各国によって異なるため,本研究では国内文献を対象とした.文献検索データベースは医学中央雑誌Webを使用し,1998年から2018年までに公表された文献を対象として,「手術室」,「看護師」に「配置転換」もしくは「異動」の語句を掛け合わせて検索を行った.その結果,「手術室」,「看護師」,「配置転換」では34件,「手術室」,「看護師」「異動」では43件,計77件の文献が該当した.1)会議録を除いた原著論文であること,2)表題および要旨から手術室に配置転換となった看護師のストレス要因と考えられる記述が読み取れること,を基準として文献を選択し,14件の文献を分析対象とした.なお,研究対象者の手術室に配置転換となってからの年数に関しては問わないこととした.

2. 分析方法

分析対象となった文献を精読した上で,手術室に配置転換となった看護師のストレス要因と考えられる記述を,文脈を損なわないようにそのまま抽出した.新卒で配属となった看護師も併せて研究対象としている文献に関しては,病棟からの配置転換の場合のストレス要因であることが明確な記述のみを抽出し,新卒で配属となった場合とも共通する記述については用いないこととした.そして,抽出された記述を類似性のあるものでまとめてサブカテゴリー,カテゴリーへと集約した.カテゴリー化の過程において,研究者間で意見が一致するまで検討を行った.カテゴリーは【 】,サブカテゴリーは≪ ≫,文献から抽出されたデータは「 」で表した.

3. 倫理的配慮

文献の引用には,著作権に配慮し,出典を明記した.著者の意図することを十分に読み込み,記述内容の意味を変えないよう努めた.

結果

1. 手術室に配置転換となった看護師のストレス要因に関する文献の概要

14件の文献の概要を表1に示す.研究デザインに関しては,質的研究12件,実践報告2件であった.質的研究の内容は,リアリティショックや心理過程に関する研究7件,教育や支援に関する研究3件,勤務継続に関する研究2件であった.実践報告は,配置転換となった看護師への教育や支援に関する各施設の取り組みの報告であった.対象者の配属希望について明記されている研究は少なく,2件のみであった.

表1 分析対象とした文献の概要
文献番号 著者 論文タイトル,雑誌名 目的 研究対象 概要
1 久保泰,他
(2005)9)
DVD教材を用いた異動者教育への取り組み,日本手術医学会誌,26(4),358-360 実践報告 器械出しと外回り業務の手術前準備および基本看護技術のオリエンテーション場面のDVDを作成した.手術担当前にDVDを見てもらい,初めての手術介助を担当してから1~2カ月後にDVD視聴の回数や感想などを確認した.DVDを見た方が手術のイメージがつきやすく,多少の自信がついたという意見があり,DVD学習は手術部異動者にとって精神的不安の軽減や自己学習の支援になっていた.
2 相川雅子
(2006)10)
手術室に配置転換した看護師の就業意欲を低下させる要因,日本看護学会論文集 成人看護Ⅰ,37,88-90 手術室に配置転換された看護師が就業意欲を低下させる要因を明らかにし,今後の支援課題を明らかにする 配置転換により配属になった看護師5名 「当直制」,「休みが少ない」といった手術室に特有な【業務的環境因子】に,「患者と触れ合う時間が少ない」などの【人的環境因子】,および「否定的な手術室への評価」といった【ストレス要因】が加わり,【個人のストレス認知】から【看護師としてのアイデンティティの揺らぎ】へと至っていることが分かった.就業意欲を低下させる主たる原因として【ストレス影響要因】の中の『否定的コミュニケーション』が大きな影響を及ぼしていた.
3 清水佐紀美,他
(2006)11)
異動ナースのカルチャーショック,中国四国地区国立病院機構・国立療養所看護研究学会誌,2(1),16-19 異動ナースのカルチャーショックの内容を明らかにする 手術室に勤務している異動ナース6名 異動ナースのカルチャーショックの内容は,病棟看護と手術室看護の違い,手術に関わるチーム内の人間関係,手術室勤務の特殊性,閉鎖的な環境,病院・看護のシステム変化に対応できない,であった.
4 相内恵津子
(2009)12)
手術室に配置転換した看護師のリアリティショックに関連した体験,神奈川県立保健福祉大学実践教育センター 看護教育研究集録,34,109-116 手術室に配置転換した看護師のリアリティショックに関連した体験を明らかにし,手術室でのサポート体制を考える示唆を得る 手術室に配置転換してから3年以内の看護師4名 看護師のリアリティショックとして「手術室の特殊性への困惑」,「新たな職場の人間関係への困惑」,「手術室特有の知識・技術習得の困難さ」,「看護師としてのアイデンティティの揺らぎ」が挙げられた.教育的サポートと看護師自身の適応に向けた努力により,「仕事の意欲の向上」につながり,リアリティショックが緩和されていた.
5 水谷郷美,他
(2009)13)
病棟から手術室に異動となった看護師の心理の変容過程,日本看護学会論文集 成人看護Ⅰ,40,68-70 手術室へ異動となった看護師の心理の変容過程を明らかにし,支援方法を構築する 病棟から手術室に本人の希望で異動となった看護師2名 異動看護師は異動当初は手術室勤務に対し否定的な印象を抱いていたが,徐々に他者からの肯定的評価や知識獲得の楽しさを実感することで意欲が生じるという心情の変化が認められた.
6 小澤清美,他
(2009)14)
手術室における教育体制の現状と課題 リアリティショック反応の苦痛因子を基にしたインタビューから,OPE nursing,24(10)100-105 リアリティショックに起因する現状をインタビューから把握し,今後の教育体制における課題を明らかにする 手術室看護師5名 手術室の看護技術面で困った場面として,「技術練習ができない不安」,「器械出しの不安」よりなる【手術室特有の技術に対する不安】,また,教育プログラム・プリセプター制の問題点として,「プログラム通りではないステップアップ」などよりなる【教育プログラムとのずれ】,「プリセプターによる教育や評価方法の違い」,「完全なプリセプターではない」よりなる【プリセプター制の見直し】のカテゴリーがそれぞれ抽出された.
7 土橋小百合,他
(2010)15)
手術室看護師の経験する異動時から7~8カ月の心理的適応過程から見る新人看護師教育,メディア視聴覚教材+実践手術看護,14(4),108-112 異動前から異動後7~8カ月の気持ちの変化を明らかにし,手術室における新人教育の在り方について検討を行う 新卒看護師および手術室勤務未経験者5人 異動発表時:【未知なる期待】,【未知なる脅かし】,【先輩の脅かし】,異動直後~2カ月後:【手術室看護を分かりかけている自分】,【迫られる違った適応】,【なじめない職場】,【先輩からの脅かしからの解放】,異動後7~8カ月:【征服の手応えを感じる】,【征服の手手応えを感じない】,【適応できている手応え】,【なじめない職場】,【同僚になっていく自分】のカテゴリーが抽出された.
8 金安めぐみ,他
(2011)16)
異動看護師のリアリティショックの緩和を目指した教育的介入方法 モチベーションの向上をはかるカンファレンスを試みて,新潟県立がんセンター新潟病院看護部看護研究 平成22年度,31-37 異動看護師の,手術看護に関するカンファレンスの有用性について明らかにする 配置転換後1年以内の異動看護師5名 手術室への異動によるリアリティショックとして、【未知の環境に対する困惑】,【新たな人間関係のつらさ】,【看護技術や知識の習得の難しさ】,【過度のストレスと緊張】が,またカンファレンスで看護問題を確認したことによる効果として,【経験を活かせる効果】,【コミュニケーションツールとしての効果】,【看護実践に活かせる効果】,【やる気を引き出す効果】のカテゴリーがそれぞれ抽出された.カンファレンスの実施は,手術室業務に対するモチベーションを向上させる効果があった.
9 北脇友美,他
(2011)17)
配置転換した手術室看護師の勤務継続に関する要因,日本手術看護学会誌,7(1),27-30 手術室への配置転換者の勤務継続につながる要因を明らかにする 病棟から手術室に配置転換し,1999年から2009年の間に手術室に所属していた看護師3名 手術室に配置転換してからは,【経験軽視の不当な扱い】,【成果のでない現状】,【器械出し介助のストレス】,【制限された看護者と患者の関係】を嫌だと感じ,【人間関係構築への不安】,【看護師経験の当惑】,【知識習得の困難】について悩みを抱え,【人間関係構築の障壁】,【自尊心低下の危機感】,【肉体的精神的疲労の継続】から配置転換や離職を考えていた.個人の努力に,周囲の支援が大きく影響して,離職や配置転換をとどまることができたと考えられる.
10 小林真理,他
(2012)18)
手術室看護に対する看護師のやりがい―病棟からの勤務異動後の変化―,西尾市民病院紀要,23(1),45‐50 病棟勤務経験のある看護師の手術室看護を経験していく過程での「やりがい」の変化の様相を明らかにし,支援に関する示唆を得る 病棟経験のある手術室看護歴3年以上の看護師3名 異動した当初は「不安・余裕のなさを実感」していたが,患者さんのために考えたり動いたりしていることに気付き,「病棟とは異なる看護を知る」ことができ,「不安・余裕のなさの中にも新たな看護を見出す」ことができていた.
11 相内恵津子
(2013)19)
手術室に配置転換された看護師のサポート リアリティショックに関連した体験のインタビューから考える,実践安全手術看護,6(6),6-12 手術室に配置転換された看護師のリアリティショックに関連した体験を明らかにし,サポート体制を考える示唆を得る 手術室に配置転換した看護師4人 配置転換された看護師の助けになったサポート内容は,「溶け込みやすい職場風土」,「信頼できる指導者」,「モデルとなる実践」,「学習者の意向を尊重した指導方法」,「適切なフィードバック」であった.学習者のレディネスを把握し,個々のニーズに合った効果的な教育的サポートを行う職場のシステム作りが必要である.
12 永瀬彩子
(2013)20)
配置転換された看護師に対する取り組み,実践安全手術看護,6(6),2-5 実践報告 必要物品チェック表や外回り業務マニュアルについて,施設の状況に合わせて作成を行った.また,配置転換看護師の教育として,配置転換者の思いや目標管理についても明確にしている.配置転換者の教育は,看護経験年数を問わず,手術看護1年目として,個別性を重視して関わることが必要である.
13 川中ゆかり,他
(2015)21)
手術室に配置転換してきた看護師に必要な教育・精神的支援,日本看護学会論文集 看護教育,45,214-217 配置転換看護師に必要な教育・精神的支援を明らかにする 配置転換看護師8名 配置転換時の支援として,人間関係への配慮,マニュアルの整備・プリセプター制度・教育的組織風土などの教育体制,危機的状況に対する支援など8カテゴリーが抽出された.カテゴリー間の関連性から,人間関係構築へのサポート,教育的サポート,自己学習するための学習環境の整備という側面からのサポートが必要であることが明らかとなった.
14 小野恵理佳,他
(2016)22)
病棟から手術室へ異動となった看護師が抱える困難と支援方法についての検討,日本手術医学会誌,37(4),323-325 病棟から手術室へ異動となった看護師が抱える困難を知り,支援方法について示唆を得る 手術室へ配置転換となった看護師12名 病棟間での配置転換を経験した看護師が抱える困難感と共通すると考えられる困難感であっても,手術室ごとに独立した構造やチーム医療体制,刻一刻と変化する患者の状況といった手術室特有の環境によってそれらの困難感が強められ,手術室に異動となった看護師が抱える特有の困難感につながると考えられた.医療チームに焦点を当てて配置転換看護師に対する支援方法を考えていくことの重要性が示唆された.

2. 手術室に配置転換となった看護師のストレス要因

14件の文献を熟読し,類似性のある記述をまとめ,サブカテゴリー,カテゴリーへと集約したところ,【手探りでの手術看護習得】,【手術室での特殊な関係性】,【常に緊張感を伴う業務】,【希望ではない配置転換】,【手術室文化への適応の難しさ】の5つのカテゴリーが生成された.表2に示す.

表2 手術室に配置転換となった看護師のストレス要因
カテゴリー サブカテゴリー データ 文献番号
手探りでの
手術看護習得
一からの習得 病棟でやってきたことと全く違う内容 2
外科手術をやってる全ての科について覚えなきゃならない 2
オペ室ってまったく知らないところ 2
宇宙語を話しているような感じ 3
手術室のことが分からない 3
基礎的な説明が新人よりも少ないことにより生じる大変さ 3
帰って手順は見るんですけど,次の日やってもまだ出来ないところが出てくる 4
なんでこうするのかっていうことが分からないので覚えられない 8
手術室では多種多様な事務的処理があり 8
覚えることに精一杯だった 10
クリーン業務から直介業務,ホールの業務まで大体こなせるようになったのは1年くらいかかった 10
イメージトレーニングって言われたんですが,イメージの意味が分からない 11
どういう仕事をしているのかは準備段階でも情報がなかった 11
医療機器・器械の
取り扱い
配属された異動者は,多種多様なME機器・複雑な鋼製小物の使用技術を短期間で身につけなければならない 1
とにかく器械の名前がわからなかった 6
医師が欲しい器械が出せるか不安だった 6
分離肺換気時の挿管チューブなど,初めて見る器械が多い 6
器械出しでガーゼ・針・器械のカウントが確実にできるか不安だった 6
器械出し業務と外回り業務は,共に手術手順や膨大な器械を覚えなければならず,学習の成果が直ちに出ない現状や器械出し介助によるストレスが,知識習得の困難を自覚する 9
1年かかってやっと器械が組めるようになった 10
手術室へ異動してすぐに覚えなければならないことは,器械の名前や取り扱い,解剖生理や手術の流れであり,専門性の高い知識が求められた 12
不十分な
指導体制・内容
マニュアルがあるようでない 2
指導マニュアルはあるが不十分 6
プリセプターによって教え方に違いがあり,トラブルになった 6
作ってある手順書を見て付け加えて,それでもよく分かっていない 11
見て覚えないといけないのはわかっているけどすべて教えてもらいたい 13
評価されない
病棟経験
病棟出発からの看護師は手術室において,病棟での看護師経験が評価されないと感じる 5
希望したいことは病棟からの経験を認めて欲しいこと 5
手術中の器械出しは病棟勤務においては獲得することのできない技術であり,看護師経験を活かすことはできない 9
自分の行ってきた看護を活かせる機会が少なく,戸惑いやギャップを感じる日々が続いていた 10
経験を積んだ看護師として見られることの辛さ 14
質問をしても謙遜と取られてしまうことの大変さ 14
否定的な自己評価 器械出しなんかロボットがやればいいんだ,看護師なんかいらない 2
看護ではなく,業務雑用を日々している 3
私マシーンでしょ.器械が覚えられれば誰でもいいよね 4
自分の得た知識と技術がほぼつかえないに等しい 4
今まで看護師の仕事だと思ってたのが違った.全部崩れた感じ 4
がんばっても評価されないし言われるだけだから数カ月はつらかった 4
物覚えが良くなくてごめんなさいと本当に頭を下げるしかない 8
部屋の準備すらできず突っ立っている自分がとても切なかった 8
今まで経験してきたことが何も生かされない.自分の看護に対する自信がガラガラと崩れ去った 12
手術室での
特殊な関係性
病棟とは異なる
医師との関係
病棟ではないじゃないですか,医者に怒鳴られるなんて.ここでは普通に怒鳴られる 2
半分以上初対面の医師 3
病棟だと信頼をもって接してくれたと思うのに,手術室行くと信頼がなくなる 4
患者さんにとって,大事な手術なので,手術についてマスターしたい,って気持ちはあるけど,先生(医師)や科によってやる気が変わる 5
「全然ダメ」って麻酔科の先生にいわれて,ダメなんだなと思ってしまった 8
医師中心の職場環境 9
(医師から器械を投げられたり怒られたりして)何で私,この人に怒られなきゃいけないの?と思った 11
看護師間の
濃密な関係
プリセプターが気分で変わるので気を使う 4
器械出しは手を洗ったら外回りに頼むしかない 4
看護師経験が自分の方が上なのに,手術室経験のある人から,すごいないがしろな言い方をされることがあって,かちんと来る時がある 5
相手が怒っている態度の時には,声がかけられず嫌な思いをした 6
少人数で毎日同じメンバーなのでよいところも悪いところも見えてしまう 6
プリセプターとの信頼関係が薄い 6
先輩たちに「何やってるの」っていう目で見られるのはつらかった 8
私より年下の子に肩を持たれて,よーく見ておいてくださいねって言われて,その後放っておかれたんです 11
あなた,こういうところが分かってないとか,弱いとか,ダイレクトに言われる 11
失敗して,そんなのも分かってなかったんだと笑う人もいた 11
言われるのもいやだから聞かなくもなってくる 11
この人やりにくいなっていう時はありますが,その時は我慢.その人に合わせます 11
患者との
希薄な関係
患者さんと触れ合う時間が少ない 2
患者さんとの関係がすごく薄いような 2
同じ手術に入って一緒にがんばって終わったという感覚にならない 4
患者に対する希薄な関わり 9
手術室の
閉鎖的な環境
マスクつけちゃうんで,顔もわからない 2
手術室から出ることがなく,息苦しさを感じる 3
人間関係でだめな時,病棟では,患者さんと接したり,一人になる場所があり,気分を切り替えられるけど,手術室にはない 5
閉鎖的な環境 9
現実感のない世界 9
常に緊張感を
伴う業務
緊迫した状況 生命の危険が隣り合わせなので時間との戦い 4
手術室は,常に緊張を強いられる医療現場のひとつ 10
刻一刻と患者の状況が変わる緊迫した環境 14
強い不安と緊張 看護をする余裕がない 3
すごい緊張しました.倒れたりとかもしたし 4
手術室だと「失敗はあなたのせい」と責任が結構くる 4
3ヵ月間は,本当にがむしゃらだったが,6ヵ月から仕事に慣れ,ちょっと上向きになり,完璧にはこなせないが,ちょっと気が楽になったのは1年たったくらいだった 5
手術室異動希望で来ている,病棟経験もあるというプレッシャーを自分でかけていて,力が抜けなかった 5
慣れない環境への不安 9
(患者を)看られる余裕もなくて 10
不安だけだった 10
手術に
合わせた勤務
日勤が続く 2
手術が終わらないと帰れないため先が読めない 3
長時間勤務がしんどい 3
夜間,休日の緊急当番がある 3
手術室の勤務形態は,交代勤務ではないことや緊急手術のオンコール体制など特殊である 6
小さい子どもがいたので予定外で帰宅時間が遅くなることが困った 6
休日に緊急手術のオンコールでいつ呼ばれるか心配だった 6
希望ではない
配置転換
手術室への
否定的なイメージ
オペ室が段々吹きダメになって行くって話を聞く 2
オペ室って怖いところって散々聞いていた 2
排他的な環境 9
冷淡な手術室看護師 9
冷淡な雰囲気 9
納得できない
配置転換の理由
見えない異動の理由 2
「この年で行くのは無理,勘弁してもらえませんか」と固辞したにもかかわらず配属され 4
異動と聞いて辞めようと思った 7
やりたい勉強が中途半端になる 7
挫折が目に見える無理な異動 7
不本意な勤務交替 9
手術室文化への
適応の難しさ
意見を言いにくい
雰囲気
オペ室の風土について変えたいけど,一人じゃ何もならないし,上が気付かないから,難しいです 5
病棟と手術室の職場風土の相違に対する違和感 5
自分は手術室経験が下なので(少ないので),言葉使いなど気になったことを伝えて,スタッフが素直に受け止めてくれるか,どうかが分からないと思っている 5
声をだせばみんな言ってくれて,すぐに手伝ってくれる職場なのに,最初は声,出なかった 8
和やかな雰囲気を出してほしかった 13
乏しい帰属意識 病棟に戻りたい 2
もう異動させてくれって言った 4
OP室に来た時は,すべてが嫌だった 8
居心地が悪い環境 9
掴めない
手術の流れ
全て確認しないと一人ではできなくて,右往左往してしまった 8
配属されても自分がどう動けばいいのかまったくイメージできなかった 8
バルーンとかルート取るくらいはできるでしょって言われても動きが分からない 11
新人と同じように,誰かに聞かないと自分から動けないことがもどかしかった 12
自分のペースで
行えない業務
医師によって合わせるのが大変 3
腰とか痛くなるし,トイレにも行けない 4
病棟では自分のペースで動けるが,手術室ではできない 7

1) 【手探りでの手術看護習得】

手術看護に関する知識や技術の習得は,上席看護師からの指導だけでは不十分で,状況に合わせた対応など,基本を踏まえた上での自分なりのやり方を身につけなければならない.試行錯誤を繰り返しながら,手術看護を習得していくことを意味する.これは,≪一からの習得≫,≪医療機器・器械の取り扱い≫,≪不十分な指導体制・内容≫,≪評価されない病棟経験≫,≪否定的な自己評価≫の5つのサブカテゴリーで構成された.≪一からの習得≫は,「オペ室ってまったく知らないところ」,「病棟でやってきたことと全く違う内容」などのデータで構成され,手術看護に関する知識や技術は病棟とは異なる内容のため,一から習得しなければならないことを示す.≪医療機器・器械の取り扱い≫は,「とにかく器械の名前がわからなかった」,「器械出しでガーゼ・針・器械のカウントが確実にできるか不安だった」などのデータで構成され,手術において用いられる医療機器や器械の使用,管理に関する習得の困難さを示す.≪不十分な指導体制・内容≫は,「マニュアルがあるようでない」,「プリセプターによって教え方に違いがあり,トラブルになった」などのデータで構成され,マニュアルや指導体制が整っていないため,十分な指導を受けられないことを示す.≪評価されない病棟経験≫は,「病棟出発からの看護師は手術室において,病棟での看護師経験が評価されないと感じる」,「希望したいことは病棟からの経験を認めて欲しいこと」などのデータで構成され,これまでの病棟での経験を評価されないこと,活用できないことを示す.≪否定的な自己評価≫は,「今まで経験してきたことが何も生かされない.自分の看護に対する自信がガラガラと崩れ去った」,「部屋の準備すらできず突っ立っている自分がとても切なかった」などのデータで構成され,できない自分,動けない自分に対して否定的な感情を持つことを示す.

2) 【手術室での特殊な関係性】

手術室看護師は,手術室という閉鎖された環境の中で,安全に手術を提供するため,医療者や患者と様々なコミュニケーションを取りながら勤務を行っている.その際に生じる医療者や患者との複雑な関係性を意味する.これは,≪病棟とは異なる医師との関係≫,≪看護師間の濃密な関係≫,≪患者との希薄な関係≫,≪手術室の閉鎖的な環境≫の4つのサブカテゴリーで構成された.≪病棟とは異なる医師との関係≫は,「病棟ではないじゃないですか,医者に怒鳴られるなんて.ここでは普通に怒鳴られる」,「病棟だと信頼をもって接してくれたと思うのに,手術室行くと信頼がなくなる」などのデータで構成され,手術室における医師と看護師の関係性が病棟とは異なるものであることを示す.≪看護師間の濃密な関係≫は,「少人数で毎日同じメンバーなのでよいところも悪いところも見えてしまう」,「器械出しは手を洗ったら外回りに頼むしかない」などのデータで構成され,業務を行うにあたり看護師間で緊密な連携を取る必要があることから生じる看護師間の関係を示す.≪患者との希薄な関係≫は,「患者さんとの関係がすごく薄いような」,「同じ手術に入って一緒にがんばって終わったという感覚にならない」などのデータで構成され,手術室の業務の特性上,患者と関わる時間が少ないことから生じる患者との関係の希薄さを示す.≪手術室の閉鎖的な環境≫は,「手術室から出ることがなく,息苦しさを感じる」,「マスクつけちゃうんで,顔もわからない」などのデータで構成され,手術室が物理的・心理的に閉鎖された環境であることを示す.

3) 【常に緊張感を伴う業務】

手術室では患者は麻酔の影響下にある場合が多く,常に急変のリスクが存在する.また,急患対応など,突発的な事態への対応も必要となる.このような手術室の勤務環境に対して,強い不安や緊張を抱えていることを意味する.これは,≪緊迫した状況≫,≪強い不安と緊張≫,≪手術に合わせた勤務≫の3つのサブカテゴリーで構成された.≪緊迫した状況≫は,「生命の危険が隣り合わせなので時間との戦い」,「手術室は,常に緊張を強いられる医療現場のひとつ」などのデータで構成され,手術室では生命の危険が隣り合わせの緊迫した状況があることを示す.≪強い不安と緊張≫は,「すごい緊張しました.倒れたりとかもしたし」,「手術室異動希望で来ている,病棟経験もあるというプレッシャーを自分でかけていて,力が抜けなかった」などのデータで構成され,強い緊張と不安を抱えながら慣れない業務を行わなければならない状況を示す.≪手術に合わせた勤務≫は,「休日に緊急手術のオンコールでいつ呼ばれるか心配だった」,「手術が終わらないと帰れないため先が読めない」などのデータで構成され,手術への対応により勤務が左右されるという病棟とは異なる勤務体制を示す.

4) 【希望ではない配置転換】

手術室に関する否定的なイメージから,手術室への配置転換を希望しない看護師が多い.しかし,配置転換の辞令により,配置転換せざるを得ず,納得できないまま手術室に配属となることもある.希望しての配置転換ではなく,不本意ながら配置転換となることを意味する.これは,≪手術室への否定的なイメージ≫,≪納得できない配置転換の理由≫の2つのサブカテゴリーで構成された.≪手術室に関する否定的なイメージ≫は,「オペ室って怖いところって散々聞いていた」,「オペ室が段々吹きダメになって行くって話を聞く(原文ママ)」などのデータで構成され,手術室の雰囲気や人間関係に関する否定的なイメージを有していることを示す.≪納得できない配置転換の理由≫は,「『この年で行くのは無理,勘弁してもらえませんか』と固辞したにもかかわらず配属され」,「不本意な勤務交替」などのデータで構成され,手術室への配置転換に対して折り合いをつけられないことを示す.

5) 【手術室文化への適応の難しさ】

その組織に特有の雰囲気や明文化されていない規律は,どの組織においても存在する.業務の流れや組織風土はその一部である.不文律は体得するしかなく,一朝一夕に理解できるものではないため,適応が困難であることを意味する.これは,≪意見を言いにくい雰囲気≫,≪乏しい帰属意識≫,≪掴めない手術の流れ≫,≪自分のペースで行えない業務≫の4つのサブカテゴリーで構成された.≪意見を言いにくい雰囲気≫は,「声をだせばみんな言ってくれて,すぐに手伝ってくれる職場なのに,最初は声,出なかった」,「オペ室の風土について変えたいけど,一人じゃ何もならないし,上が気付かないから,難しいです」などのデータで構成され,病棟と手術室の雰囲気の違いから,気になることがあっても意見を言い出しにくい環境にあることを示す.≪乏しい帰属意識≫は,「OP室に来た時は,すべてが嫌だった」,「もう異動させてくれって言った」などのデータで構成され,手術室の業務や雰囲気に馴染めず,手術室への帰属意識を持つことができないことを示す.≪掴めない手術の流れ≫は,「新人と同じように,誰かに聞かないと自分から動けないことがもどかしかった」,「バルーンとかルート取るくらいはできるでしょって言われても動きが分からない」などのデータで構成され,病棟ではできていたことでも,手術の流れが分からないため,手術室では動きが分からなくなることを示す.≪自分のペースで行えない業務≫は,「腰とか痛くなるし,トイレにも行けない」,「医師によって合わせるのが大変」などのデータで構成され,手術室では手術進行に合わせた行動が求められ,自分のペースで業務を行えないことを示す.

考察

1. 手術室に配置転換となった看護師のストレス要因の特徴について

本研究により,【手探りでの手術看護習得】,【手術室での特殊な関係性】,【常に緊張感を伴う業務】,【希望ではない配置転換】,【手術室文化への適応の難しさ】の5つのカテゴリーが生成された.手術室看護師ストレス尺度との比較,新卒で配属になった場合との比較,病棟間の配置転換の場合との比較を行い,手術室に配置転換となった看護師のストレス要因の特徴について考察する.

まず,手術室看護師ストレス尺度23)との比較である.この尺度は,手術室経験3年未満,4~9年,10年以上の看護師各2名ずつ,計6名へのインタビューから質問項目を選定し,手術室看護師を対象として作成された尺度である.「自身の能力に対する不安」,「手術室環境に対する困惑」,「業務や人間関係に対する負担」,「手術室内の人間関係の難しさ」,「自分が考える看護とのギャップ」,「休息・飲食物の制限」,「看護職の中での孤立」の7因子から構成され,信頼性,妥当性は検証されている.この尺度と本研究で生成された5つのストレス要因とを比較すると,環境や人間関係に関しては類似した概念から形成されるが,【希望ではない配置転換】,【手術室文化への適応の難しさ】,【手探りでの手術看護習得】の≪一からの習得≫,≪不十分な指導体制・内容≫,≪評価されない病棟経験≫,≪否定的な自己評価≫は,本研究にしか見られない要因であった.本研究の分析対象文献ではリアリティショックや心理過程に関する研究が多いため,手術看護の習得に関する内容や,配置転換について,手術室のイメージ,前部署との違いにより生じる負担が強調され,このような結果が得られたのではないかと考える.反対に,「看護職の中での孤立」は手術室看護師ストレス尺度にしか見られない要因であった.他部署の看護師には仕事内容やストレスについて理解されにくい,といった内容であるが,これはある程度手術室に適応することで生じる要因と考えられる.≪乏しい帰属意識≫に示されるように,配置転換となった看護師が,手術室への帰属意識を持つようになるには時間が必要である.そのため,本研究で生成された要因には含まれなかったと考える.

次に,新卒で配属になった場合との比較である.新卒で配属になった場合のストレス要因として,知識・技術不足,職場における人間関係,手術室の特殊性,手術室看護の覚えることの多さ,慣れない業務への対応,勤務体制による疲労,間違いの許されない業務などが挙げられる24)25).本研究で生成されたストレス要因と比較すると,看護技術や知識の習得,業務の緊張度,慣れない業務,職場における人間関係,手術室の特殊性などは共通しているが,【手探りでの手術看護習得】に含まれる≪評価されない病棟経験≫や≪否定的な自己評価≫は配置転換となった看護師にしか見られない要因であった.Benner26)は,同じ看護師が慣れた状況では達人レベル,不慣れな状況では一人前や新人レベルの看護実践をすることが予測される,と述べている.配置転換により,できない自分,動けない自分に直面し,自身の看護に対して不全感を感じることによって,≪評価されない病棟経験≫や≪否定的な自己評価≫は生じると考えられる.手術看護の習得の困難さについては多くの先行研究において述べられているが,新卒で配属となった場合とでは,習得過程に差異があることが示された.また,手術看護の習得には看護師自身の持つ手術室に対するイメージも影響すると考える.看護師の持つ手術室のイメージに関する先行研究では,手術看護は専門的で,各科の手術が学べる部署である,という認識がある一方で,親しみやすさや暖かさは感じにくい,という結果となっている27)28).その理由として,仕事の量的負担の多さが考えられる.手術室看護師は適正配置数より不足していることが報告されており29),多忙な状況にある.そのため,病棟看護師と接するのは必要事項の申し送り時のみとなる場合もあり,親しみやすさや暖かさを感じにくいのではないかと考える.本研究でも「冷淡な雰囲気」,「冷淡な看護師」というデータがあり,病棟看護師の持つ,手術室に対するイメージが伺える.手術室への看護師の適正配置により,看護師一人当たりの業務量の軽減を図り,患者の情報共有などに使える時間を増やしていくことが望ましい.併せて,手術室に対する理解の促進,病棟との連携強化のため,手術室からも情報を発信していくことが必要である.また,【手術室文化への適応の難しさ】も配置転換の場合にのみ見られる要因であった.手術室文化への適応は新卒の場合でも配置転換の場合でも必要であるが,新卒の場合は一から適応していくのに対して,配置転換の場合は以前の所属部署の文化から手術室の文化への再適応が必要となる.そのため,配置転換の場合により負担となり,ストレス要因として生成されたのではないかと考える.

最後に,病棟間の配置転換の場合との比較である.病棟間の配置転換の場合のストレス要因として,病棟環境の違い,看護技術・知識の不足感,経験があることへの重圧,自己の否定的評価,病棟独特の風土,異なる業務内容への不満,サポート不足,スタッフとの希薄な関係などが挙げられる30)31).技術や知識の習得が心理的負担となることは病棟間の配置転換の場合も同様である.しかし,手術室で行われる業務の7割は看護師が主な実施者との報告もあるように29),手術室での看護師の業務は,手術介助から事務処理まで多岐に渡るため,習得に関する負担は大きいと考えられる.内視鏡機器の統一により,記録や管理方法も統一され,医療者のストレス軽減だけでなく,故障・修理費の軽減にもつながったとの例もある32).医師や他職種との連携も図り,業務の簡略化を目指した取り組みを行うことが望ましい.手術室への配置転換の場合にのみ見られる要因は,【手術室での特殊な関係性】と【手術室文化への適応の難しさ】であった.人間関係に関してはどの部署でも生じるストレス要因である.しかし,病棟では患者や家族への対応にストレスを感じる場合が多いのに対し,手術室では閉鎖された環境の中で,医療者との関係が緊密であるのに対して患者との関わりが希薄であることから生じている.本研究でも医療者間の関係に関するデータが多く挙げられており,病棟における人間関係とは異なる様相を呈すことが明らかとなった.そして,その人間関係は組織特有の風土を形成する.病棟間の配置転換の場合に,組織特有の風土への適応がストレス要因となるように,手術室への配置転換の場合でも,組織風土や人間関係に馴染めないことにより≪意見を言いにくい雰囲気≫や≪乏しい帰属意識≫が生じていた.また,手術室での看護の特徴として,患者の入室から退室まである程度定型化された流れがあるため,「暗黙の了解」に基づく行動が多いことが挙げられる.しかし,配置転換となった看護師にとって,≪掴めない手術の流れ≫や≪自分のペースで行えない業務≫に示されるように,その流れにスムーズに乗ることは難しい.手術室内の人間関係と手術看護業務の暗黙知が手術室文化となり,その文化への適応がストレス要因となることが推測された.

以上より,手術室に配置転換となった看護師のストレス要因の特徴が明らかとなった.中でも,【手術室文化への適応の難しさ】は,手術室に配置転換となった看護師に特徴的なストレス要因と考えられる.手術室文化は組織風土や業務の流れなど,目には見えないが確かに存在するものである.本研究では漠然とした結果に留まるため,今後さらに検討を行い,手術室文化の詳細について明らかにしていく必要がある.また,手術室看護師のストレス要因とストレス反応との関係に関する研究では,自分の努力で改善できる事柄よりは,自身の力ではどうにもできない,打ち解けた関係ではない職場の人間関係や,手術中の飲食の制限などが関連していたと報告されている33).つまり,仕事に対する「裁量度」が,手術室に配置転換となった看護師のストレスに大きく関与していると考えられる.裁量度に着目した職業性ストレスモデルとして,Karasekによって提唱されたJob Demand-Controlモデルがある34).仕事の量的負荷に代表される「要求度」と業務上の裁量権などに関する「コントロール」の2要因から構成され,要求度は高いがコントロールの低い「高ストレイン群」が種々のストレス反応が最も高く表出されるとされている35).手術室に配置転換となった看護師は,知識や技術の習得など要求度は高いにも関わらず,組織風土に馴染めない,自分のペースで仕事ができないことからコントロールは低く,高ストレイン群にあると推測される.手術室に配置転換となった看護師のストレスマネジメントとして,「裁量度」に着目することの重要性が示唆された.

2. ストレス要因への対処について

本研究で生成された5つのストレス要因は,全て手術室での業務に直接的・間接的に関係する内容であるため,ストレス要因を除去することは不可能である.手術室に配置転換となった看護師の職場適応には,ストレスにどのように対処するかが重要となる.従来のストレス研究では,ストレスを,疾病を発生させ増悪させる危険因子とみなし,ストレスやそれに伴うネガティブな反応をいかに軽減させるかという,疾病生成論的な観点に基づく研究が多く見られた.しかし,ストレスは全て心身に悪影響を及ぼすものではなく,ストレスへの対処が成長につながる場合があることは多くの研究者によっても述べられている.これからのストレス研究においては,疾病生成論的な視点のみならず,ストレスフルな状況であっても,ストレスへの対処を,心身の健康を保ち,向上させ,さらには成長や発達の糧とする,健康生成論的な観点に基づく検討が必要である.そこで,ストレス対処能力,健康生成力とも称されるSense of Coherence(首尾一貫感覚:以下SOC)の概念に着目してストレス対処に関する検討を行う.

SOCとは,健康社会学者のAntonovskyによって提唱された健康生成論の中核概念で,「その人に浸みわたる,動的ではあるが持続的な3つの確信の感覚の程度によって表現される,その人の生活世界全般への志向性」と定義される36).自分の置かれている,あるいは置かれるであろう状況がある程度予測でき,または理解できるという把握可能感,何とかなる,何とかやっていけるという処理可能感,ストレス要因への対処のしがいも含め,日々の営みにやりがいや生きる意味が感じられるという有意味感の3つの感覚から構成される.3つの感覚の中でも,有意味感が最も重要とされている37).その理由として,有意味感がないと,把握可能感や処理可能感が高くても一時的なものになりがちであり,有意味感の高い人には理解や資源を得るための道が開かれるからと述べられている.適応過程に関する研究5)6)7)でも,手術看護に熟達した看護師を対象とした研究38)39)でも,手術看護の魅力や価値,やりがいについて述べられており,手術看護への適応には有意味感が重要であることが示されている.

手術室に配置転換となったばかりでは,業務がわからず,自分が手術室でやっていけるという感覚も持ちにくいため,把握可能感や処理可能感も低いことが推測される.そのため,いかに有意味感を高められるかがストレス対処また手術看護の継続に向けた要点となる.有意味感を高めるには,「結果形成への参加の経験」,すなわち,「自分の前に設定された課題を快く受け入れ,自分がその遂行に多くの責任を負い,自分が何をするのかしないのかということが結果に影響するという経験」が重要とされる40).本研究の結果の中で,有意味感に関連すると考えられる項目は,≪評価されない病棟経験≫,≪否定的な自己評価≫,≪納得できない配置転換の理由≫,≪乏しい帰属意識≫であり,これらはそれぞれ有意味感を低下させる要因である.手術室に配置転換となった看護師にとって,自分の前に設定された課題とは,まずは「手術室への配置転換を受け入れる」ことだと考える.配置転換をどう受け入れるかが,その先の習得や適応に影響を及ぼすのではないか.臨床心理学者のBlidgesは,人生の節目の経験を,何かが終わる時期である「終焉」,混乱や苦悩の時期である「中立圏」,新しい始まりの時期である「開始」の3つの段階からなるとしている41).ある状態が終わり,別のある状態が始まるのにも関わらず,後者の「開始」ばかりに目を向けて,何が終わったのかという「終焉」を不問にしている場合が多い.そのため,開始の問題に見えるものでも,実は「終焉」をきちんとできていないという問題であることが多いとされる.手術室への配置転換は,業務内容も勤務環境も大きく変わるため,「開始」に目が向きやすい.手術室への配置転換を受け入れるという大きな課題に対して,「開始」を迎える前に「終焉」,「中立圏」の段階で,本人の気持ちの切り替えや整理はもちろん必要であるが,周囲もそのプロセスを理解し支援していくことが求められる.手術室に配置転換となった看護師自身が,手術看護に意味ややりがいを見出せるように,今後さらにSOCの視点からの支援方法について検討が必要である.

また,組織としてのストレス対処についても考えていく必要がある.手術室看護師間の関係と,手術室看護師と他の医療者との関係の,2つの視点から検討する.まず,手術室看護師間の関係におけるストレス対処についてである.手術室看護師におけるストレス研究を概観すると,手術室経験の短い看護師のほうが,ストレスが高く,経験の長い看護師はストレスを感じていても自分なりの対象方法を身に付けていること42),手術室での経験が長くなるとストレス認知が減少すること43)が報告されている.つまり,手術看護に熟達した看護師は効果的なストレス対処を行っていることが考えられるが,熟達した看護師を対象としたストレス研究は少ない.配置転換の場合だけでなく,新卒での配属も含めて,手術室経験の短い看護師にとって,熟達看護師の経験知は,看護技術習得だけでなく,ストレスマネジメントにおいても指針となりうると考えられる.次に,手術室看護師と他の医療者間の関係におけるストレス対処についてである.手術は外科医,麻酔科医,手術室看護師,臨床工学技士などの手術チームで行われ,広くは病棟看護師,薬剤師,事務系職員などもチームに含まれる.しかし,チーム医療という視点からの研究は,手術室における外科医.麻酔科医,看護師のストレスと仕事量とチームワークに関する研究44)や,器械出し看護師と外回り看護師の関係からストレスとチームワークを調査した研究45)などが散見される程度である.手術チームの一員としての手術室看護師という視点からの研究が求められる.

近年,周術期看護として,手術室に勤務する看護師でも,術前訪問や術後訪問など,手術室以外での活動も行うようになってきた.また手術室内でも,ロボット手術などの高度医療に加え,患者の高齢化・重症化,病態の複雑化,手術適応の拡大などから,手術室看護師に求められる役割は今後ますます大きくなる.病棟での経験を活用した手術看護の展開は,時代のニーズに沿った,質の高い手術看護,周術期看護へとつながると考えられる.手術室に配置転換となった看護師の職場適応への支援のため,今後の更なる研究が期待される.

結論

本研究では,手術室に配置転換となった看護師のストレス要因について明らかにすることを目的に文献検討を行った.

対象となった14文献を質的帰納的に分析した結果,【手探りでの手術看護習得】,【手術室での特殊な関係性】,【常に緊張感を伴う業務】,【希望ではない配置転換】,【手術室文化への適応の難しさ】の5つのカテゴリーが生成された.先行研究と比較検討したところ,手術室に配置転換となった看護師に特徴的なストレス要因として,【手術室文化への適応の難しさ】が見出された.手術室に配置転換となった看護師は,手術看護技術や知識の習得や,人間関係だけでなく,手術室文化への適応に困難を感じていることが明らかとなった.今後,手術室文化の詳細について明らかにしていくことが必要である.

Notes

本研究において開示すべき利益相反は存在しない.

著者資格について,KAは研究の着想,データ収集,分析と論文の作成を行い,その過程においてWK,NM,YYからスーパーバイズを受けた.全ての著者が最終原稿を読み,承認した.

文献
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  • 37)    Antonovsky  A. : Unraveling the Mystery of Health: How People Manage Stress and Stay Well, 1987,  山崎  喜比古 ,  吉井  清子 監訳, 健康の謎を解く―ストレス対処と健康保持のメカニズム(初版), 24-27,有信堂高文社,2001.
  • 38)    吉川  有葵 : 手術室におけるExpert Nursesが抱く看護観,日本手術看護学会誌, 8(1),32-35,2012.
  • 39)    竹村  幸子 ,  中村  裕美 ,  村瀬  智子 : 手術看護認定看護師の周手術期看護における思考過程の特徴,日本赤十字豊田看護大学紀要, 11(1),47-62,2016.
  • 40)    山崎  喜比古 ,  戸ヶ里  泰典 : 健康生成力SOCと人生・社会―全国代表サンプル調査と分析(初版), 63-65,有信堂高文社,2017.
  • 41)    金井  壽宏 : 働くひとのためのキャリア・デザイン(第1版), 72-83,PHP研究所,2002.
  • 42)    山野  麻衣子 ,  森本  直 ,  油納  景美 ,他: 手術室看護師のストレスの実態調査 多面的職業性ストレス尺度である職場ストレススケール(JSS-R)を用いて,日本看護学会論文集 成人看護Ⅰ,
  • 43)    Olsen  M. : OR nurses' perception of stress,Association of Operating Room Nurses Journal, 25(1),43-48,1977. DOI:10.1016/S0001-2092(07)68497-X
  • 44)    Weelock  A. ,  Suliman  A. ,  Wharton  R. et al: The Impact of Operating Room Distractions on Stress, Workload, and Teamwork,Annals of Surgery, 261(6),1079-1084,2015. DOI:10.1097/SLA.0000000000001051
  • 45)    Sonoda  Y. ,  Onozuka  D. ,  Hagihara  A. : Factors related to teamwork performance and stress of operating room nurses,Journal of Nursing Management, 26(1),66-73,2018. DOI:10.1111/jonm.12522
関連文献
 
© 2019, School of Nursing, Faculty of Medicine, Kagawa University

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