Nursing Journal of Kagawa University
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The Emotions Experienced by ALS Patients and Their Families When Deciding Whether to Use Ventilation
Marina YamamotoHiroko Shimizu
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RESEARCH REPORT / TECHNICAL REPORT OPEN ACCESS FULL-TEXT HTML

2019 Volume 23 Issue 1 Pages 47-57

Details
要旨

人工呼吸器装着の意思決定には患者と家族の双方が関わる.そこで, 意思決定に関わるALS患者と家族の心情について明らかにし, 今後の意思決定の支援の基礎資料とすることを目的として文献の検討を行った.検索対象年は1980年から2018年で,対象とした文献は9件であった.

ALS患者の心情は,【生かされた状態で生きることへの拒否感】,【家族との意見の相違による苦悩】,【死の恐怖から生じる生存欲求】,【生死を決断することへの躊躇】,【呼吸器装着後の自己に対する嫌悪感・抵抗感】,【介護者である家族への配慮と決定権の移譲】,【現在の状況を受け止め生きていく覚悟】であった.

ALS患者の家族の心情は,【患者の生存を渇望する気持ち】,【やむを得ない状況で決断を迫られる苦悩】,【多大な介護負担と延命後の患者の人生への問いから生じる懸念】,【予想外の状況に対する衝撃と後悔】,【患者の意思と自らの意思の間に生じた葛藤】,【患者に専心したことへの肯定的感情】であった.

今後は,患者と家族に早期から介入し,悔いのない意思決定に向けて,合意形成を促進する支援が必要である.

Summary

Patients with amyotrophic lateral sclerosis (ALS) must sometimes make a difficult decision regarding whether to begin using artificial ventilation, such as tracheostomy positive-pressure ventilation (TPPV). Here we investigated the emotions experienced by ALS patients and their family members at such times, by reviewing the relevant literature. We also discuss ways that nurses can support this decision-making. We searched the Ichushi database (1980–2018) and identified nine studies, which revealed that the emotions of the ALS patients during the decision-making are as follows.

Refusal to be kept alive; distress due to disagreement with family members; desire to survive based on a fear of death; hesitation to make a life-or-death decision; self-disgust and resistance to wearing a respirator; consideration to caregivers and transfer of self-determination rights; a strong desire to stay alive. The emotions experienced by family members of ALS patients are: hope for the patient's survival; struggling with the obligation to make a decision in unavoidable circumstances; concern about the extension of the patient's life; concern about the impact of the burden of care; regret about the unexpected situation; conflicts about differing opinions; positive feelings towards the patient. In light of these results, it is necessary to intervene at an early stage for ALS patients and their families, and to support the formation of their agreement about ventilation decisions that will not be regretted later.

はじめに

筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis;以下,ALSと略す)は,原因不明で,確立した治療法のない致死的な神経変性疾患であり,その病態は上位・下位運動ニューロンが選択的かつ進行性に変性する.有病率は7~11人/10万人1)である.発症者数は年齢とともに増加し,50から60歳代が最も多く,以後は減少する.運動ニューロンの変性が起こると手指の巧緻運動障害,歩行困難,発語困難,嚥下困難などの症状が出現する.通常,他覚的感覚障害,膀胱・直腸障害,眼球運動障害は観察されないが,長期の呼吸管理下の患者には認められることがある.進行の速度に差はあるものの,終末期には障害部位が全身に広がり,嚥下や発語を含む随意運動が行えなくなる.平均35.8±31.1ヶ月程度で呼吸筋麻痺による致死的換気不全に陥る2)ため,気管切開を伴う侵襲的人工呼吸器(Tracheostomy Positive Pressure Ventilation:TPPV;以下,TPPVと略す)の導入について,患者とその家族は意思決定をせまられる.

日本は,諸外国と比べてTPPVの使用患者が多い.1990年に在宅人工呼吸指導管理料が導入されたことで在宅人工呼吸療法を行う患者が増加したこともあり,約2割のALS患者がTPPVを使用している.一方,海外では医療制度の違いから一般的には長期の生存が可能となる人工呼吸器ではなく,非侵襲的陽圧人工呼吸器(Nose Mask Intermittent Positive Pressure Ventilation:NPPV)を使用している例が多いため,TPPV装着の意思決定に関する問題は日本国内での検討を行うことが妥当と考えられる.

ALS患者と家族にとって,TPPVの装着の意思決定は延命の選択に直結するため,非常に難しい判断となる.先行研究では,療養者はTPPV装着の意思決定までに気持ちが揺れ動いている3)4)5)6)ことや,患者と家族の関係の中でTPPV装着について十分な話し合いをもつことができていない現状4)7)について報告されている.また,TPPV装着については,患者と家族のどちらか一方に対してインタビューを行った研究が多いが,いずれも家族の意向がTPPV装着の意思決定に影響を与えていた.そのため,ALS患者のTPPV装着に関する意思決定には,患者だけではなく家族の心情も理解し,双方の支援を行う必要があると考えた.

そのため,本研究では,TPPV装着の意思決定に関わるALS患者と家族の心情について文献から明らかにし,今後の意思決定の支援のための基礎資料としたい.

目的

本研究の目的は,TPPV装着の意思決定に関わるALS患者と家族の心情について過去の文献より明らかにし,今後の意思決定の支援のため示唆を得る.

用語の定義

人工呼吸器

本研究では,気管切開を伴う侵襲的人工呼吸器(Tracheostomy Positive Pressure Ventilation:TPPV)のことを示す.

方法

1. 文献の検索方法

人工呼吸器装着の意思決定に関わるALS患者と家族の心情に関する,文献検索を行った.データベースは,医学中央雑誌Web Ver5.を使用した.検索対象年は,1980年から2018年,検索キーワードを「筋萎縮性側索硬化症and意思決定」とし,原著論文のみの絞込み検索を行った.その結果,45件の文献が得られた.これらの文献の中から,ALS患者および家族の人工呼吸器装着の意思決定に関わる9件を分析対象とした.

2. 分析方法

分析対象の文献を,発行年順に,筆頭著者,論文概要,調査対象に基づき,リストを作成した.

人工呼吸器装着の意思決定に関わる研究対象者の心情については,研究対象者の心情が記載されている文章の文脈を損なわないように忠実に抽出した.抽出した文章を,要約し,コードを作成した.コードを類似する内容でまとめ,サブカテゴリー化した.さらにサブカテゴリーを類似する内容でまとめ,カテゴリー化した.

倫理的配慮として,研究の全過程において,抽出した意味内容が変化しないように,著者の表現方法に忠実に分析をすすめた.本研究は文献検討であり,香川大学医学部倫理委員会の承認を受けていない.

結果

1. 対象文献の概要

本研究で分析の対象とした文献は,2002年から2016年までにわが国で発表された9件であった(表1).

調査対象については,患者のみが3件(33.3%),介護者・家族のみが1件(11.1%)であった.患者と介護者・家族の両方を調査した文献は3件(33.3%),患者と介護者・家族,専門職を調査した文献が2件(22.2%)であった.対象となった患者の内,文献1の研究Ⅰでは,5割以上の患者が人工呼吸器を装着していた.介護者・家族のうち,文献番号1,4,6では主介護者は配偶者が最も多かった.療養場所については,患者と介護者・家族を対象とした研究のうち,文献1,2,3,5,7,9は在宅,文献4,6は不明であった.文献3,8では病院を療養場所とする患者が含まれていたが,療養期間についての詳細は不明である.

表1 分析対象とした論文
文献番号 発行年 筆頭著者 論文概要 調査対象
1 2002 ⼩⻑⾕百絵 筋萎縮性側索硬化症患者の人工呼吸器装着への介護者の意思決定に関する研究
お茶の水医学雑誌 50巻2号 P95-114
在宅療養中の患者
家族
【研究Ⅰ】328組の患者と家族(主介護者)
主介護者の内,配偶者273人
人工呼吸器装着患者184人
【研究Ⅱ】32人の主介護者
主介護者の内,配偶者25人
被介護者の内12人は人工呼吸器装着
2 2005 隅田好美 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者における人工呼吸器装着の自己決定過程―患者・家族・専門職の認識のズレと相互作用における変化― 在宅療養中の
患者
家族
専門職
患者1人(人工呼吸器装着の決定前)
配偶者1人,娘3人
主治医,担当看護師,訪問看護師,保健師
3 2006 森朋子 筋萎縮性側索硬化症患者の心理―人工呼吸器装着の意思決定―
医療60巻10号 P637-643
在宅・入院療養中の患者 患者19人の内,
人工呼吸器装着患者8人(内3名は装着しないと意思表明し,1名は未決定であった)
人工呼吸器未装着患者11人(内2人は装着する,7人が装着しないと意思表明し,2人が未決定であった)
4 2008 隅田好美 患者・家族・専門職における⟨認識のズレ⟩―筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者への支援―
社会福祉学49巻2号 P150-162
療養場所の詳細不明
患者
家族
専門職
6組の患者・家族・専門職
主な介護者の内,配偶者が5人
人工呼吸器装着患者5人
5 2011 松田千春 筋萎縮性側索硬化症(ALS)療養者の人工呼吸器装着の意思決定過程の分析
日本難病看護学会誌15巻3号 P185-198
在宅療養中の患者 12人
全員が人工呼吸器装着患者
6 2011 平野優子 筋萎縮性側索硬化症患者を看取った遺族が振り返る侵襲的人工呼吸療法非選択の意思決定過程とその後の経験
日本在宅ケア学会誌15巻1号 P35-43
療養場所の詳細不明
家族
13事例の内訳
配偶者9事例,嫁,1事例,娘2事例,両親と兄弟1事例
7 2012 三浦美穂子 筋萎縮性側索硬化症療養者と介護者の苦悩と看護支援〜侵襲的人工呼吸器を装着した1事例の検討より〜
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要20巻2号 P95-107
在宅療養中の
患者
介護者
患者1人(人工呼吸器装着)
介護者1人(娘)
8 2016 申于定 ALS患者の病初期における診断・受療過程の体験と看護支援の検討
日本難病看護学会誌20巻3号 P191-203
入院から在宅療養へ移行した患者 患者9人
全員が人工呼吸器未装着者
9 2016 高橋奈美 ALS患者とその家族の人工呼吸器装着の選択をめぐる状況―人工呼吸器装着前の患者と家族へのインタビューから―
北海道医療大学看護福祉学部学会誌 12巻1号 P9-17
在宅療養中の
患者
家族
患者5人
介護者7人の内,配偶者2人,兄弟姉妹4人,子ども1人(複数患者はA氏の妹夫婦,C氏の兄夫婦)

2. 人工呼吸器装着の意思決定に関わるALS患者と家族の心情について

1) 人工呼吸器装着の意思決定に関わるALS患者の心情について(表2

対象とした9件の文献から,70のコード,21のサブカテゴリー,7のカテゴリーを抽出した(表2).以下に,カテゴリーを【 】,サブカテゴリーを〈 〉,データを「 」で示す.

人工呼吸器装着の意思決定に関わるALS患者の心情は,【生かされた状態で生きることへの拒否感】【家族との意見の相違による苦悩】【死の恐怖から生じる生存欲求】【生死を決断することへの躊躇】【呼吸器装着後の自己に対する嫌悪感・抵抗感】【介護者である家族への配慮と決定権の移譲】【現在の状況を受け止め生きていく覚悟】であった.

表2 人工呼吸器装着の意思決定に関わるALS 患者の心情
文献番号 コード サブカテゴリ カテゴリ
2 呼吸器をつけてまで生きていたくない 人工呼吸器を装着してまでは延命したくない 生かされた状態で生きることへの拒否感
2 呼吸器を装着せずに終わっても良い
6 呼吸器装着はしない
3 人工呼吸器を装着してまで 人工呼吸器装着への抵抗感
9 機械で呼吸を助けてもらってまで,生きたくない
3 呼吸が出来るまでが一生と言う考え 自身の信念に基づく決断
6 自然のままに生きることにした
6 体に傷は着けない
6 一度決めたことは曲げない
6 心の準備ができた
3 価値観は人によって違う 家族との意見の相違 家族との意見の相違による苦悩
自分は呼吸が⽌まった時が寿命と思っているが,家族は1日でも⻑く一緒にいたいと思っているかもしれない
2 家族は呼吸器を装着して欲しくないと思っている
3 土壇場の話し合いで家族が言った言葉が,自分が聞きたかった言葉ではなかったため絶望した
3 勝手に死なないで,と家族から言われた言葉が印象に残っている
3 真面目な話がしたいのに夫が真剣に取り合おうとしていなかった
3 家族の本心がわからず不安であったが,家族が呼吸器装着後の介護の意思を伝えてくれたので装着すると答えた 家族の意見を聞いた上での決断
2 なかなか言えなかったが生きたいと思う 生きたいという希望 死の恐怖から生じる生存欲求
8 生きていたい
3 呼吸器装着は嫌で仕方がないが死が恐ろしいので装着する 人工呼吸器装着を諦められない
6 病状の進行が早すぎる
9 呼吸器を一度も装着をしたことがないので,諦めがつかない
9 何も悪いことをしていないのに,なぜ人工呼吸器装着を諦めて死ななければいけないのかと思う
5 呼吸器を装着しなければ限界と聞いて,お願いした 人工呼吸器を装着して楽になりたい
5 呼吸器を装着して楽になりたかった
6 肉体的・精神的な苦痛が本当につらい 耐え難い肉体的・精神的な苦痛
7 こんなに辛いと思わなかった
2 身体が動くうちは呼吸器を装着していたい 条件を定めて呼吸器を装着したい 生死を決断することへの躊躇
9 サービスを受けて自立した生活ができるなら装着したい
3 拠り所を何処に求めればいいのだろうか 延命するかしないか揺れ動く気持ち
呼吸器を装着して生きていたいと思えるかが分からない
6 死にたくないが生きていく元気がない
8 生きたいということはできない
9 装着して生きることは難しい
9 どうしたらよいのか
2 呼吸器を装着した後は,知っている人が誰もいないところへ行きたい 人工呼吸器を装着した後は人に見られたくない 呼吸器装着後の自己に対する嫌悪感・抵抗感
2 呼吸器装着後はひっそりと死にたい
3 呼吸器を装着した自分はイメージに合わず許せない 人工呼吸器を装着した姿は自分のイメージと異なる
3 呼吸器を装着して自己イメージが変質していく
他者から受け入れられるのか問題がある
3 なりふりかまわなくなれば楽だが,人間でいたいと思う間は大変
3 呼吸器装着患者は人間ではない
3 自らの行く末であることは理解できるが,惨めで気持ち悪く感じ,近寄ることができない 人工呼吸器装着患者に対する拒否感・嫌悪感
3 恐ろしく,嫌悪感がある患者もいることを知ってほしい
4 人工呼吸器装着患者を紹介された時に衝撃をうけた 人工呼吸器装着患者へ衝撃
5 ショックで呼吸器の装着について理解できなかった
9 自身の将来の姿にショックをうけた
3 呼吸器を装着することで新たな負担を夫婦関係に持ち込んでいいのだろうか 家族の負担になりたくない 生死の決断に対する家族への配慮と決定権の移譲
3 家族の負担になるので呼吸器装着まではしたくない
6 人の世話になってまで生きたくない
6 家族に負担や迷惑をかけたくない
8 家族に苦労をかけたくない
9 呼吸器を装着することで他の人を犠牲にしてもいいのだろうか
9 家族を家に縛り付けて,呼吸器を外して欲しいと思っても取れない
9 自分よりも家族が大変だと思う
自然にまかせようと思う
結論は出ない
9 人工呼吸器を装着すると家族の寿命を縮める
6 大がかりな機械を扱う様子をみた 大きな問題に圧倒される
6 大きな命の問題
5 自分では人工呼吸器の装着を決定できなかったので,装着したことを後悔していない 人工呼吸器装着を自分では決定できない
7 自分では呼吸器を装着する勇気がなかった
7 自分の命を皆に預ける
3 生死の淵をさまよった時に生きると心に誓った経験から,呼吸器装着に前向きになった 生きていく覚悟をきめる 現在の状況を受け⽌め生きていく覚悟
3 生きることが前提であり,自分で死のうとは思わない
3 人間はどのような状態でも耐えて生きていかなければならないと言う考え
自ら死を選ぶことはない
3 離婚しなければ呼吸器を装着せずにそのまま死んだだろう
5 人工呼吸器は大変だと思ったが,装着することが大前提と受け⽌めた
8 ALSと共に生きる
8 まだ,やりたいことがある
9 診断されたときは絶望したが,装着すれば生きられると聞いて安心した
3 同じ病で苦しむ人や家族のために役立ちたいと思い,迷いなく装着を決断した 誰かのために生きることが役割
7 孫のために生きようと思う
3 生きていれば楽しいこともある 生きていることで希望を持ち続ける
8 治癒する日が来るのではないかと信じている

① 【生かされた状態で生きることへの拒否感】

ALSと診断され,人工呼吸器装着の意思決定を迫られた患者の中には,「(呼吸器を)つけてまでええ」など〈装着してまで延命したくない〉,「あんなものをつけてまで」など〈装着への抵抗感〉,「私の考えは変わらない.呼吸ができるまでが一生と決めている」「自然のままに生きる」など〈自身の信念に基づく決断〉を語り,【生かされた状態で生きることへの拒否感】を示す者が存在した.

② 【家族との意見の相違による苦悩】

ALS患者の意思決定では,「主人は呼吸器をつけてほしくないと思っている」「夫が何を考えているか分からず,土壇場で話し合った.聞きたかった言葉とはちがい,絶望した.」など〈家族との意見の相違〉や「夫の本心がわからず不安だったが,ある時“呼吸器については面倒を見る”と言った.“おむつも全部やるんだよ”と言うと,“当たり前だよ”と言うので,私は“じゃあつける”と言った」といった〈家族の意見を聞いた上での決断〉によって【家族との意見の相違による苦悩】が生じていた.

③ 【死の恐怖から生じる生存欲求】

ALS患者らは,「(別居の娘に)聞かれたとき,よう言えへんかったけどずっと生きたいと思う」などの〈生きたいという希望〉,「一度,呼吸器を着けて…,やってみたけど駄目だったと諦めもつくが,一度もしないと諦めもつかない」など〈人工呼吸器装着を諦められない〉,「人工呼吸器を装着して楽になりたかった」など〈人工呼吸器を装着して楽になりたい〉気持ちや,「肉体的な精神的な苦痛があまりにもつらい」などの〈耐え難い肉体的・精神的な苦痛〉を感じながら【死の恐怖から生じる生存欲求】を持っていた.

④ 【生死を決断することへの躊躇】

ALS患者らは,「身体が動く間は装着したい」など〈条件を定めて呼吸器を装着したい〉といった希望や,「死にたくないけど生きていく元気がない」など〈延命するかしないか揺れ動く気持ち〉から【生死を決断することへの躊躇】があった.

⑤ 【人工呼吸器装着後の自己に対する嫌悪感・抵抗感】

ALS患者らは人工呼吸器を装着した自分について,「呼吸器をつけたらだれも知らないところへ行きたい」など〈人工呼吸器を装着した後は人に見られたくない〉,「つけた動けない状態を許せない.どんどんもがれてロボット化していくのがいや.自分のイメージに合わない」「呼吸器つけて生きている人は人間じゃない」など〈人工呼吸器を装着した姿は自分のイメージと異なる〉,「自分の行く末ということはわかるが,惨めだろうなと思い,呼吸器をつけた人に寄っていく気にならない.顔を背けたくなるようで,悪いけど気持ち悪い」など〈人工呼吸器装着患者に対する拒否感・嫌悪感〉,「病院で〇さん(人工呼吸器装着者)を紹介されたときはショックだった」など〈人工呼吸器装着患者へ衝撃〉といった【人工呼吸器装着後の自己に対する嫌悪感・抵抗感】を持っていた.

⑥ 【介護者である家族への配慮と決定権の移譲】

ALS患者は家族に対して「新たな荷物を夫婦関係に持ち込んでいいのか?」「家族に負担や迷惑をかけたくない」など〈家族に負担や迷惑をかけたくない〉や「大がかりな機械を扱うようすをみて」など〈大きな問題に圧倒される〉,「それでよかった.自分には人工呼吸器の装着を決めることができなかったであろうし,人工呼吸器を装着したことを後悔していない」など〈装着を自分では決定できない〉といった【介護者である家族への配慮と決定権の移譲】を行っていた.

⑦ 【現在の状況を受け止め生きていく覚悟】

ALS患者らは,「生きることが前提.自分で命を落とそうとは思わない」など〈生きていく覚悟をきめる〉や「呼吸器装着に迷いはなかった.つけて頑張る人をこの目で確かめ,生きる勇気を得て,これしかないと決断した.同じ病で苦しむ人や家族のために,どんな格好でもよいから役立ちたいと思った.」など〈誰かのために生きることが役割〉と定め,「呼吸器をつければ生きられる.生きていれば楽しいこともある.」など〈生きていることで希望を持ち続ける〉ことで【現在の状況を受け止め生きていく覚悟】をしていた.

2) 人工呼吸器装着の意思決定に関わるALS患者家族の心情について(表3

対象とした9件の文献から,44のコード,17のサブカテゴリー,6のカテゴリーを抽出した(表3).

人工呼吸器装着の意思決定に関わるALS患者家族の心情は,【患者の生存を渇望する気持ち】【やむを得ない状況で決断を迫られる苦悩】【多大な介護負担と延命後の患者の人生への問いから生じる懸念】【予想外の状況に対する衝撃と後悔】【患者の意思と自らの意思の間に生じた葛藤】【患者に専心したことへの肯定的感情】であった.

表3 人工呼吸器装着の意思決定に関わるALS 患者家族の心情
文献番号 コード サブカテゴリ カテゴリ
1 患者に生きていて欲しいという思い とにかく生きていて欲しいという願い 患者の生存を渇望する気持ち
1 患者に死んでほしくないという思い
6 呼吸器装着を選択して生きていて欲しい
6 呼吸器を装着して欲しいと思った
2 生きていてもらわなければ困る 延命することを大前提として考える
7 患者の意思とは違っても,生きていてもらわないといけない
2 呼吸器非装着で死ぬのは苦しいのだろうか 人工呼吸器を装着しなければ死んでしまう状況で決断しなければならない やむを得ない状況で決断を迫られる苦悩
2 呼吸器を装着するのが一番良いのだろう
2 呼吸器装着患者の表情は暗かったが,装着した患者の表情は明るい 人工呼吸器装着への感情的高まり
2 感情的に患者に呼吸器を装着して欲しいと言っている
5 呼吸器を装着して楽になってほしい 人工呼吸器を装着するしかない状況
6 呼吸器を選択しなければ死んでしまう
2 呼吸器を装着しなければ後悔するだろう 人工呼吸器を装着しなければ自分が後悔する
2 呼吸器を装着しないでなくなった場合,後悔するので装着して欲しい
7 親が居なくなることは,子どもにとって目標をなくすこと
1 呼吸器非装着患者の介護者から話しを聞きたい 介護の負担だけで精一杯で人工呼吸器を装着しても看病しきれないという懸念 多大な介護負担と延命後の患者の人生への問いから生じる懸念
6 介護で精一杯
6 呼吸器を装着しても看病しきれない
6 自分ひとりで世話をしきれない
9 周りの人が大変なのを見てきたので,ああいう苦労はしたくない
9 生きる糧があれば装着して生きたい気持ちも理解できるが,本当に自分の生き方ができるのか疑問がある 患者の人生の意味への問い
9 できるだけ協力したいが,呼吸器装着後はどうなるのか分からない外して欲しいと言われた時は辛いだろう
9 ただ呼吸器を装着しているだけの生活はどうかと考える
1 患者に呼吸器非装着を進言すれば良かった 予想外の負担から生じる延命への後悔 予想外の状況に対する衝撃と後悔
6 どちらがよかったのだろうか 延命を選択しなかったことへの後悔
6 呼吸器装着を選択していればもっと生きられたかもしれない
6 どうして呼吸器装着を選択してあげられなかったのだろう
6 呼吸器は知ってはいるが意味は理解出来ていない 現実を受け⽌めきれない
6 患者のことから目をそむけていたい
2 患者は装着しないと思っていたので,装着しなくてもいいと思った 患者の意思が分からない苦痛 患者の意思と自らの意思の間に生じた葛藤
6 患者が本心で言っているのか分からない
9 患者が家族に気兼ねしているのか,呼吸器を装着して生きることを希望していないのかが分からない
6 患者の意思を尊重したい 患者の意思を尊重したい
7 患者から意識がなくなり意思疎通不能になれば人工呼吸器を外して欲しいと伝えられている
7 本人の意向に沿ってやりたいと思う
9 患者の意向を尊重したい
6 命を選択する場面に家族は立ち入れない 患者の意思決定に関与できないもどかしさ
9 迷っている患者に自分は何も言えないのでお互いに辛い
6 最期まで患者らしく立派に生きていた その人らしい生き方を支えることができた満足感 患者に専心したことへの肯定的感情
6 人間として大事なことを教わることができた
6 介護をきちんと遂行していたと皆が言ってくれている 自身の行いへの肯定的評価
9 患者が問題ないという顔をしてくれるので,まだ大丈夫という気持ち
6 自分の持てる能力は全て投入できた やり遂げたと言う達成感
6 振り返って後悔することはない

① 【患者の生存を渇望する気持ち】

家族らは,「生きていて欲しい」「頭の中で一瞬“TPPV受けて”と思った」など〈とにかく生きていて欲しいという願い〉や「生きていてもらわないと困る」「その中でお母さんはあまりこのまないことではあったとしても,生きててもらいたいから,ここにいて貰うだけでいいんだから,とにかく辛いだろうけど着けて貰わないと先が見えなくなるって話をして…説得した感じですね」から〈延命することを大前提として考える〉といった【患者の生存を渇望する気持ち】を持っていた.

② 【やむを得ない状況で決断を迫られる苦悩】

家族らの中には,「つけるのが一番いいんだろうな」など〈呼吸器を装着しなければ死んでしまう状況で決断しなければならない〉や「“父親は感情的につけてほしいといっている”と感じていた」など〈人工呼吸器装着への感情的高まり〉,「選択しなかったら死ぬ」など〈人工呼吸器を装着するしかない状況〉,「呼吸器をつけないで亡くなったら後悔するからつけてほしい」など〈人工呼吸器を装着しなければ自分が後悔する〉ことから,【やむを得ない状況で決断を迫られる苦悩】を持つ者がいた.

③ 【多大な介護負担と延命後の患者の人生への問いから生じる懸念】

家族らは,「自分1人でそれだけの世話はできない」「呼吸器を着けた後,周りの人の大変なのを見ているから,絶対,私,ああいう苦労したくない」など〈介護の負担だけで精一杯で人工呼吸器を装着しても看病しきれないという懸念〉や「(妻や子がいて)生きる糧があれば装着して生きたい気持ちもわかるが,本当に自分の生き方ができるのかどうかという疑問もある」など〈患者の人生の意味への問い〉を持ち,【多大な介護負担と延命後の患者の人生への問いから生じる懸念】を抱いていた.

④ 【予想外の状況に対する衝撃と後悔】

家族らは,「こんなに大変なら,着けないでと言えば良かった」といった〈予想外の負担から生じる延命への後悔〉,「どちらがよかったのかな」「どうして選択してあげなかった」など〈延命を選択しなかったことへの後悔〉,「目をそむけていたい」などの〈現実を受け止めきれない〉といった,【予想外の状況に対する衝撃と後悔】を抱いていた.

⑤ 【患者の意思と自らの意思の間に生じた葛藤】

家族と患者の関係の中で,家族らは「どれくらいの本心か分からない」など〈患者の意思が分からない苦痛〉や「本人の意思を尊重」「それは本人の意向だし,沿ってはやりたいと思うので,だからそういうふうになればその時にそういうふうに考えてやるしかないんだろうなって思います」など〈患者の意思を尊重したい〉という思いや,「命を決める領域は立ち入れない」といった〈患者の意思決定に関与できないもどかしさ〉を感じ【患者の意思と自らの意思の間に生じた葛藤】を経験していた.

⑥ 【患者に専心したことへの肯定的感情】

家族らの中には,患者に対して「本人らしく最期まで立派に生きた」など〈その人らしい生き方を支えることができた満足感〉や「自分の持っている能力は全部投入してあげた」など〈やり遂げたと言う達成感〉を持ち,「ちゃんとやったと皆がいってくれる」など〈自身の行いへの肯定的評価〉を得ることで【患者に専心したことへの肯定的感情】を持つ者がいた.

考察

1. 人工呼吸器装着の意思決定に関わるALS患者の心情について

ALS患者にとって人工呼吸器装着の意思決定は,生死に直結するため,装着と非装着の間で揺れ動く心情が表現されていた.

死の三徴候にも含まれる呼吸停止は,死を想起する大きな要因となる.森ら8)は,生きる,という言葉の語源に息が関係していることから,ALS患者の中にも呼吸器を自然に逆らうものとみなす死生観をもつ者が存在することを述べている.ALS患者は呼吸不全に陥ることで,人工呼吸器の装着を迫られることになるが,【生かされた状態で生きることへの拒否感】では,人工呼吸器の装着を不自然な状態と捉え,人工呼吸器によって生かされていることへの拒否感があった.この死生観は【人工呼吸器装着後の自己に対する嫌悪感・抵抗感】にも関連していると考えられる.患者らは,人工呼吸器装着を自らの選択の一つと理解しながらも否定的に捉えていた.隅田9)の研究では役割の喪失から内在化された価値観が崩壊し,アイデンティティが崩壊することが述べられている.患者らは病初期から人工呼吸器装着患者と触れる事で,今後の喪失に対する予期悲嘆が引き起こされ,嫌悪感や抵抗感として表現された可能性がある.森ら8)は,スティグマとの類似性についても指摘しており,患者の持つ内在化されたイメージや価値観が人工呼吸器装着の意思決定に影響を与えていると考えられる.

島薗ら10)は,現代では死に向き合うことが少なくなったことを述べている.患者らにとって死は未知のもので,恐ろしいものとして存在しており,その恐怖から逃れるために人工呼吸器装着の意思を表現する者が存在した.また,患者らは病状の進行とともに呼吸困難が生じ,その身体的・精神的な苦痛から死を強く意識するようになる.この苦痛から逃れるための策として,人工呼吸器装着しか手段がなかったために装着に踏み切ることもあった.どうして自分が死ななければならないのか,という如何ともし難い現状に対する怒りも含まれており,【死の恐怖から生じる生存欲求】では,患者の情動が意思決定に影響していると考えられた.

【家族との意見の相違による苦悩】では,患者と家族の間に人工呼吸器装着に関する話し合いを持つことの難しさがあった.小長谷の研究11)で,ALS患者らは人工呼吸器装着の意思決定に際して,介護負担の高さから家族の意向を気にしていたが,家族は患者の意思に沿いたいと考えていた.家族と話し合いを持つことで解決の糸口となる場合もあるが,患者らは自身の意向と異なる意見を家族は持っているのではないかという危惧があり,装着することを言い出しにくい状況にあった.「夫が何を考えているか分からず,土壇場で話し合った.聞きたかった言葉とはちがい,絶望した」と,差し迫った状況で家族の意向を聞いたことで,患者は絶望感を持っていた.高橋7)の研究においては,家族は患者と人工呼吸器装着に関する話題をあえて避けている現状が指摘されている.意見の相違は苦悩を生じさせるため,このような状況に陥る前に患者と家族は,双方の意思を確認し合い,折り合いをつけることが重要である.現状では,家族間の話し合いは十分とは言い難いため,看護職をはじめとする支援者らは,早期から意思表明の問題に関わることで患者と家族の齟齬を少なくし,患者の意思を尊重した決定ができるように援助する必要がある.また,人工呼吸器装着によって延命した場合,継続する介護が家族の負担になること懸念し,人工呼吸器装着の意思決定を家族に委ねることもある.介護は家族の力を必要とする場合が多く,特に在宅患者の場合は24時間,同一空間で過ごすため,身体的・精神的な拘束感も生じる.ALS患者の場合,病状が進行すると全身の筋力低下により,呼吸不全だけでなく著しいADLの低下が生じ,呼吸から排泄に至るまで,介護者の介助や管理を必要とするため,【介護者である家族への配慮と決定権の移譲】が行われたと考えられる.また,他者の理解不足やサポートが得られにくいと感じると自尊感情が低下すること12)もあり,家族との話し合いが十分に行われていない現状では,自尊感情の低下から過度な配慮を家族に対して行い,患者は孤独感を抱いている可能性がある.

【現在の状況を受け止め生きていく覚悟】は,自らの思い描く未来とは異なるとしても,その状況を受け止めて生きていく決心をすることを意味する.生きていくと覚悟した背景には,自らの信念に基づき,生きていくために状況に再適応しようとする姿勢や,新たな生きがいや希望を見出して現状の中で生きていく覚悟をしていた.これまでの研究から,意思決定の際の現状に対する意味づけを行っている6)13)者がいることは知られており,アメリカALS協会14)でもその必要性が指摘されている.隅田15)は,周囲のサポートを受けながら自分のできることを見出すことで,前向きに生きる意欲が高まることを述べており,生きていく覚悟を決めたものは,サポートを受けやすい人物であったと考えられる.

2. 人工呼吸器装着の意思決定に関わるALS患者家族の心情について

ALS患者の家族は,意思決定の当事者ではないが,患者に一番近い存在として意思決定に影響を与えており,患者の意思決定に対して複雑な思いを抱いていた.

ALS患者の家族は,患者の発病を知り,差し迫った状況であることに気がついたとき,とにかく生きていて欲しいと【患者の生存を渇望する気持ち】があることが分かった.小長谷の研究11)で,家族は患者の意思に沿いたい意向があることが述べられている一方で,患者の意思と反しても延命を望む,強い思いを持つ家族もいた.家族と患者の話し合いが十分でない場合,家族と患者の間で意思決定時に齟齬が生じる可能性があるため,家族と患者はお互いの思いを早期から伝える場を持つことが重要である.また,家族が患者に生きて欲しい,と希望する場合には,今後の見通しがあるかどうかも重要と考える.山本ら16)は人工呼吸器装着患者の家族の苦悩の中心は,見通しのないことであると明らかにしている.自発的に決断を行うことができる患者の場合は,患者の意思に沿うことが可能であるが,やむを得ない状況や,今までの家族のあり方から家族が主体となって決断するケースもある.その場合,患者の意向よりも家族の情動的高まりが判断に影響し,患者と家族の間に同意がなければその後の介護継続に苦悩することになる.【やむを得ない状況で決断を迫られる苦悩】では,患者が決断の主体になっておらず,患者の変わりに家族がその役目を果たそうとしていた.

患者らは意向表明の際に家族の介護負担を気にしているが,家族も多大な介護負担を危惧して意向を表明しにくい状況にある.介護の支えになっているものについて調査した研究17)では,被介護者にとって公的サービスが一番の支えになっており,その後に義務感,家族の協力が続いている.義務感から介護を行う場合,本来の意思とは異なるため,患者に対して積極的に意思を表明することは少ないと考えられる.また,患者の意思決定に沿おうと考えながらも,患者の今後が不確かであることため,介護継続に懸念が生じていた.

【多大な介護負担と延命後の患者の人生への問いから生じる懸念】を感じる家族は,患者との話し合いが不十分な場合も多く,家族員以外からの支援を行う必要がある.

平野ら18)は,患者が人工呼吸器装着を望まなかった患者が,家族に負担をかけたくないことを理由に挙げ,家族が死後も後悔や自責の念に悩まされたことを報告している.【予想外の状況に対する衝撃と後悔】では,選択の際に十分な合意が出来ていなかった者が含まれていると考えられる.

【患者の意思と自らの意思の間に生じた葛藤】では,意向に沿う意思を示しつつも,自らの意向を伝えきれないもどかしさが表現されている.そのため,意思決定の際は単に話し合うだけではなく,患者と家族の人生の意味について考え,折り合いを付けていく必要がある.折り合いを付けることができれば,死後も【患者に専心したことへの肯定的感情】を持つことができていた.平野ら18)は,肯定的感情を持つことができたことで,患者を看取った経験とその後の人生への適応に向かう過程をたどっていることを明らかにしている.患者と家族の意向を十分に話し合い,合意が得られれば,家族は後悔することなく介護を肯定的に捉えることができると考えられる.

本研究の限界

本研究で対象とした文献は9件であり,分析に使用したデータは文献に記述されていたデータに留まるため,ALS患者と家族の心情の一般化は困難である.また,年齢や性別,家族構成,療養期間や場所,病状,データ収集時期がそれぞれ異なるため,対象のおかれた状況が心情に影響を与えた可能性がある.

今後は,ALS患者とその家族の心情について詳細を明らかにするために,様々な属性を持つ研究協力者を対象に,調査を継続していく必要がある.

結論

ALS患者は生死の決断を迫られる中,周囲の環境に影響を受けて人工呼吸器装着の可否に対する意思決定に苦悩していた.家族は,当事者ではないが,患者の意思決定に影響を与え,患者の意思決定に対して複雑な思いを抱いていた.意思決定に向けての話し合いは十分と言えず,患者と家族は本心を伝えきれずにいた.今後は,患者と家族に対して,医療者をはじめとした支援者が早期から介入し,患者と家族が人生の意味について考え,折り合いを付けていけるような支援が必要である.

文献
関連文献
 
© 2019, School of Nursing, Faculty of Medicine, Kagawa University

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