Okamoto Medical Journal
Online ISSN : 2758-5395
Print ISSN : 2758-528X
Nursing care for patients with a high risk of dislocation after hip replacement arthroplasty: Appropriate mental support for patients who need to regain their activities of daily living
Miku Nakamura
Author information
JOURNAL FREE ACCESS FULL-TEXT HTML

2025 Volume 3 Article ID: 2024-012

Details
抄録

人工股関節置換術後は脱臼予防行動への生活指導が重要である.約2年前に左人工股関節置換術を行った患者A氏が,パーキンソン症候群を呈しているため自宅内での転倒により脱臼し再度,左人工股関節置換術を施行した.脱臼リスクが高いため,著者は脱臼予防の生活指導を行っていたが,A氏は入院中に3回の脱臼を繰り返し,人工股関節全置換術(total hip arthroplasty)施行となった.本症例をもとに日常生活動作の獲得段階で有効的な看護ケアのありかたについて検討した.

術後の脱臼は日常生活動作獲得への障害となるが,患者A氏の脱臼に対する理解の度合いに応じ,退院後のADLを見据えた段階的な介入が重要であり,その都度フィードバックを行ったことでA氏の意欲向上につながったと考えた.

また入院期間の短縮化が進められている昨今,患者が目標とするゴールに向け,早期から退院に向けた介入が求められる.脱臼予防としての身体面のフォローだけではなく,成功体験を積み重ねるといった精神面でのサポートも看護師の重要な支援の一つであると結論した.

Abstract

Lifestyle guidance is important for preventing dislocation after hip replacement arthroplasty. Patient A underwent left hip replacement arthroplasty approximately two years previously and underwent a left hip replacement due to a dislocation that developed when the patient fell at home due to Parkinson syndrome. The author provided daily life guidance to prevent any dislocation because the patient had a high risk of dislocation. However, Patient A experienced three dislocations during hospitalization and was scheduled to undergo total hip arthroplasty (THA). Based on this case, the author examined appropriate and effective nursing care during the process of the patient regaining her necessary activities of daily living (ADL).

The postoperative development of dislocations poses an obstacle to regaining ADL. A step-by-step intervention was important for ADL after hospital discharge, depending on the level of understanding of dislocation in Patient A. Feedback by the medical staff provided at each intervention stage could improve the motivation of Patient A.

In addition, since the hospitalization period has generally been asked to be shorted by the guidance of Japanese Ministry, early intervention is required for the patient’s goal of being discharged from hospital. It was concluded that physical support from nurses to prevent dislocation would be important in addition to mental support to provide patients with repeated successful experiences.

はじめに

わが国の高齢者の介護が必要となる原因は「認知症」が18.1%と最も多く,次いで「脳血管疾患」が15.0%,「高齢による衰弱」が13.3%,「骨折・転倒」が13.0%と報告されている1).骨折のうち,大腿骨頸部骨折・転子部骨折の年間新規患者数は2030年に29万人,2040年には32万人に達すると推計されている2).超高齢化社会がすすむなか発症数が増加することが予測でき,実際に本院回復期リハビリテーション病棟においても,転倒により大腿骨頚部・転子部骨折を有している患者が多く入院している.

日本整形外科学会診療ガイドラインによると,人工股関節置換術(total hip arthroplasty;以下,THAと略す)の術後脱臼率は,1~5.6%2)と報告されており,THA後の脱臼は,患者にとって大きな障害である.またパーキンソン症候群や認知症などが併存していると,筋力や認知機能の低下,転倒などにより脱臼リスクは,統計的に有意に上がる3)と報告されている.これらの観点から,脱臼予防行動について患者への生活指導が重要であると言える.またクリニカルパス導入により手術までの時間や入院期間の短縮に伴い,患者は脱臼予防に細心の注意を払いながら日常生活を送り,不安な日々を過ごしているものと推測される.

今回の事例に関しても,回復期リハビリテーション病棟へ転床され,脱臼リスクが高いA氏に対して,A氏及びA氏を取り巻く職種で,脱臼予防の生活指導を行っていたが,THA後3回の脱臼を繰り返した.当時の看護ケアについて振り返ることは今後の看護実践に有効であると考えここに報告する.

目的

脱臼リスクが高いパーキンソン症候群を併発している大腿骨頸部骨折患者に対して,看護ケアを振り返り,日常生活動作(以下,ADLと略す)の獲得に向けた有効な看護ケアのありかたについて検討することを目的とする.

用語の定義

・人工股関節置換術(THA)

加齢などで痛んでしまった股関節に対して,金属やポリエチレン,セラミックなどで構成される人工物を用いて新しい股関節を再建し,股関節機能を回復させる手術を指す4)

倫理的配慮

発表者の所属する施設の倫理委員会に実践報告の申請を行い,許可番号(2024-23)を取得した.

実践内容・方法

患者紹介:70歳代女性

診断名:左大腿骨頸部骨折

現病歴:パーキンソン病Hoehn-Yahrの重症度分類IIIに相当するパーキンソン症候群に対し内服加療中であった.約2年前に左THAが行われ,同居の夫と自宅で生活を送っていた.自宅内での転倒・脱臼を繰り返し整復を試みるが整復困難になったため,入院となった.入院2日目にTHAを施行し,術後12日目で回復期リハビリテーション病棟へ転床となった.

転床当初は禁忌肢位への理解が不十分な時があり,移乗動作は著者の見守り下で行い,良肢位での動作が定着できるように理学療法士及び作業療法士と協働しながらサポートを実施した.退院の目途がついた術後64日目に,明らかな原因は不明だが脱臼を認めたため整復がなされた.術後76日目にも再脱臼し,さらに術後80日目にも夜間転倒に伴う再々脱臼となりTHAの再施行となった.リハビリの継続が必要であったため,他院へ転院となった.

結果

A氏の病床での状況や言動,それに対して著者の言動や考えを,入院から退院までの期間を6つのポイントに絞り,その時期におけるそれぞれの特徴をプロセスレコードとして以下に記載する.

A氏は術後12日目に回復期リハビリテーション病棟へ移り,病棟内での移動は車椅子を使用した.移乗動作は看護師による見守りから一部介助で移乗可能なレベルとなっていた.脱臼肢位についてのA氏本人の理解は良好であり,自身で禁忌肢位をふまえた動作となるように注意していた.また股関節の内旋予防に終日外転装具を装着していた.歩行獲得への意欲が高くA氏と医療スタッフとの話し合いの末,退院時の目標は,歩行器を使用しながらの歩行確立と設定した.

術後38日目,A氏は看護師の忙しさに配慮し,ナースコールを押すことをためらっている場合があることを会話の中から気づいた.そのため,動作の定着がみられるまでは,移乗の見守りを継続する必要があると説明し理解を得た印象を受けた.病床でもリハビリでも禁忌肢位を念頭においた移乗動作ができるようになれば,移乗動作の自立へステップアップしていこうと考えた(表1).

表1

術後38日目のプロセスレコード

術後日数 A氏の病床での状況 A氏の言動 著者の言動 著者の考え
術後38日 脱臼肢位を念頭においた移乗動作ができているときもあれば,排泄などのほかの事柄を考えているときには,A氏が気づかない間に禁忌肢位をとっている場合があった ①「乗り移りは自分でしてもいいんですよね?トイレの度に看護師を呼ぶのは申し訳ない.一人で行けそうな気がする」 (申し訳ないと思う気持ちもわかるけど,安全な移乗が身につくまでは見守りが必要だと思う.ここはもう少し見守りして,リハビリの方でも問題なさそうなら自立としようか.)
②「乗り移りの時に左足が内側に向きやすく,脱臼しやすい姿勢となることがまだ多いので,もう少し見守りをさせてほしいんです.それと,トイレに行きたいと思っているときには,足の向きや足の出し方など忘れがちになって,少し危ないと思う時がありますので.」
③(②の言動に対する発言)「確かにトイレと思っているときは足に気が回らない時もあります.そしたらまた乗り移りのときにはナースコールで呼びますね.」

術後42日目,A氏は歩行器歩行での退院目標に向けて「頑張らなければならない」という思いが強く,単独で病棟内を歩行練習されていた.A氏から「忙しいでしょう?」と発言があり,看護師の忙しさに配慮し単独での歩行練習をしていたと気づいたため,それ以降は日中に付き添い歩行できる時間を作るようにした(表2).

表2

術後42日目のプロセスレコード

術後日数 A氏の病床での状況 A氏の言動 著者の言動 著者の考え
術後42日 リハビリの最中にも禁忌肢位をとる頻度が高く,良肢位を確実に取れるまでは看護師の見守り下で付き添い歩行を継続していた.しかし単独で病棟内を歩行練習されている場面に遭遇した ①「歩く練習をしてるんですか?膝の痛みが今日はましなんですか?」 (退院後は歩行器を使って歩けることが目標だし,今はそこに向かって歩く練習をしたい気持ちが高まってきているんだな.でも歩行時に禁忌肢位を取りやすく,もう少し確実に良肢位をとれるまでは見守り下で歩いてほしいな.)
②「今日はね,痛みも少ないし,できるだけ一人で歩いたりしたほうが早く退院できるかなと思って.」
③「そうなんですね.そしたら今から一緒に歩きましょう.」
④「え?いいんですか?でも忙しいでしょう?」 (忙しそうにしていたから声をかけづらかったんだ.1日1回は付き添い歩行の時間がとれるようにしよう.)
⑤ただつま先が内側に向かないように気を付けてくださいね.がに股で歩くイメージで歩きましょう.」

術後64日目,徒手整復により整復できたが,脱臼のリスクが以前より高まったため,外転装具装着に加え,ベッド臥床中には両足の間に外転枕を挿入して,不意にとってしまう禁忌肢位をとらないようにした(表3).

表3

術後64日目のプロセスレコード

術後日数 A氏の病床での状況 A氏の言動 著者の言動 著者の考え
術後64日 1回目の脱臼による整復後に当時の状況を一緒に振り返り,できていた動作を本人へ伝えた ①「リハビリで立つ練習したからかな?でも今までもしてたし.いつになったのか全然わからない.気づいたら左足が痛くて痛くて….最近は順調よくいってたんやけどなぁ.」 (術後は禁忌肢位を取らないように気を付けていたし,何で脱臼してしまったんだろう.話してる表情がとても暗いし,きっとA氏も悔しかったんだろうな….もう少しで退院できるところまで来てたのに.再度,日常生活動作を確認しながら危険な体勢になってないか確認していこう.)
②「足の方向とか乗り移りの仕方とか気を付けて動かれていましたもんね.ただパーキンソンがあるので,足に急に力が入ってしまって抜けやすくなってしまったりすることはあります.今まで気を付けていろんな動きをされていたのも知っていますし,退院に向けて頑張りましょう.」

術後65日目,前日の脱臼を振り返り,再度脱臼予防に対して注意が必要であることを再認識され,禁忌肢位をとっていないかの確認をしてほしいと依頼された.A氏自身も脱臼への不安が募っており,動作の確認をその都度行った(表4).

表4

術後65日目のプロセスレコード

術後日数 A氏の病床での状況 A氏の言動 著者の言動 著者の考え
術後65日 再脱臼のリスクを軽減するためにどうしていくか検討する場面 ①「おはようございます.昨日はびっくりしましたよね.今はどうですか?」 (昨日のA氏は脱臼してしまったことへの動揺があったが,今日はどうかな.少し気持ちは落ち着いたかな.)
②「おはよう.昨日は本当にびっくりした.痛かったしね.今は寝転んでる時も足の間に枕を入れて気を付けようと思う.(移乗動作に関して)なるべくはナースコールを押して看護師さんに見てもらいながら移動したいと思う.」 (入院期間中に脱臼を起こしてしまい,今まで一人で動いていたA氏から,動く際には看護師に見てほしいと言っている.きっと注意して動いていたのに脱臼してしまったことに対する悔しさと同時に,今後の生活への不安もあるんやろうな.)
③「そうですね.昨日の今日なのできっと一つ一つの動作に不安があると思いますので,ナースコールを押してください.がに股を意識して動きましょうね.」
④「ありがとうね.そうするわ.」

術後76日目に2回目の脱臼で整復され,翌日の術後77日目にA氏が脱臼した旨を知り,A氏の思いを傾聴した.また整形外科医師より,A氏および家族へ説明を行い,再度後方アプローチTHAの施行予定となった.手術後は同一病名による手術での入院期間の延長が難しく,リハビリ継続の目的で他院へ転院する方向となった.A氏は手術への不安や,自宅退院が延期になってしまったショック,他院でのリハビリをする寂しさなど,様々な思いを話されており著者はその都度A氏の思いをただ傾聴していた(表5).

表5

術後77日目のプロセスレコード

術後日数 A氏の病床での状況 A氏の言動 著者の言動 著者の考え
術後77日 2回目の脱臼が起こった翌日にA氏の思いを傾聴している場面 ①「本当は家に帰りたかった.でもこのままで家に帰ってもやっぱり不安やしあかんと思うわ.手術はしんとあかん?またリハビリできる?早く家に帰りたいと思って頑張ってたのに….」 (確かにA氏は退院の目途が立ってた.でも度重なる脱臼で,きっと自宅退院してからも脱臼リスクは高い.家に帰りたいと思う気持ちもわかるし,帰って旦那さんと過ごしてほしいけど… 難しい選択やな.)
②「そうですよね.家に帰りたいですよね.頑張ってリハビリに取り組まれていた姿も覚えていますし,私もA氏が頑張っているから頑張ろうと思えていました.いったん手術になると,制度上ここでリハビリを続けることが難しくなりますが,2回脱臼しているので,抜けやすさは高くなっているとは思います.」

術後80日目,夜間にかすかな物音がしたため訪室すると,ベッドサイドの車椅子が倒れた状態でベッドサイドに転倒していた.ベッドサイドの環境調整が悪かったことや,単独で動いてしまったことで転倒を引き起こしてしまったと考えられた.早朝から疼痛の訴えが頻回となり,レントゲン撮影にて脱臼を認め,鎮静下で整復した.その後整形外科病棟へ転床となった(表6).

表6

術後80日目のプロセスレコード

術後日数 A氏の病床での状況 A氏の言動 著者の言動 著者の考え
術後80日 看護記録から脱臼時の状況を把握 「宴会の夢をみていて,トイレに行こうと思った.歩行器で歩いて行こうと思ったら,歩行器が遠くて歩いたらこけた.」 (なんで転倒したのだろうか.トイレに行きたいと思っていたが近くに歩行器がなく,伝い歩きしたらこけてしまったのか….手術をする話や転院の話も出ていた時の転倒だから,精神面での負担が大きくなっていたのか….)

考察

A氏は70歳代と高齢であることに加え,THA後の術後脱臼予防のために禁忌肢位を守りながら生活していく必要があった.実際,入院期間中に3回の脱臼を繰り返したが,最初の脱臼に至るまでの期間は,禁忌肢位を理解したうえで慎重な動作をしていた.1回目,2回目の脱臼に関しては,A氏の気づかないうちに脱臼しており,疼痛の増強により脱臼が発覚した.THAの術後脱臼リスクは報告されているが,A氏はパーキンソン症候群を罹患しており,脱臼リスクは統計学的にさらに高い患者であった.THAの術後の患者が生活のなかで抱く思いについて赤木らは半構造化面接調査による手術前の生活状況と,術後3カ月の生活状況を比較した結果,「“寝返り,車の乗り降り,床の物を拾う,靴下の着脱の際に脱臼が心配”や“脱臼は気を付けているけど怖い.つい忘れることがある”などの日常生活の中で起こりうる脱臼への不安を表出していた」5)と述べている.回復過程において,A氏は脱臼への不安を抱きながら,自宅退院を最終的な目標とし,積極的に歩行練習やリハビリに取り組んでいた.しかし繰り返す脱臼に対して,徐々に不安や焦りが募り,ADLの拡大が図りにくい現実を目の当たりにした.

著者はA氏のADLの獲得に対する精神的支援については,次の2点にしぼって考察した.

1.脱臼後のA氏へフィードバックと共感的態度

実際に脱臼した際にA氏は,「順調よくいってたのに…」「このまま家に帰っても不安」などと話しており,当時の状況整理や今後の留意点について著者とともに振り返る時間をとった.表情は暗くうつむき加減でゆっくりと話すA氏の思いに共感しながら傾聴に努め,客観的な視点で,脱臼するまでの期間に出来るようになった動作をフィードバックし,精神面でのフォローを結果及び表1表6に記載したように行った.また理学療法士や作業療法士ともA氏の言動や行動について情報共有を行い,リハビリ内で動作の再確認や練習を行い,多職種間で身体面および精神面でのサポートを行った.A氏からは「また頑張ろうと思う.」と前向きな発言が聞かれるようになった.森山は,「看護師が患者の言動や感情に対して生じた自らの感情を表現することで,患者に対し共感していることを示すことができる.また,共感することで喜びの想いの強化や,リハビリに対する意欲の維持,向上につながる」6)と述べている.脱臼後のA氏の気持ちをくみ取りつつ,医療者としての意見を伝えながら,A氏に寄り添うことで本来のA氏の意欲を引き出せたのではないかと考えた.

2.医療者としての客観的視点と態度

その一方で,A氏は常に「自分でできることはしたい」と発言を繰り返し,積極的に歩行練習に取り組んでいた.それと同時に,退院の時期が迫ると,「早く帰れるように頑張らなければ…」という発言や,2回目と3回目の脱臼の期間が短く,繰り返す脱臼への不安やこのままでは退院が難しくなるのではないかという焦りが生じていたと考えた.回復期リハビリテーション病棟では入院可能な期間が定められており,その期間内に転院調整や退院調整を行う必要がある.A氏も度重なる脱臼により,再THAとなった際には,同一病名による手術での入院期間の延長が難しく,結果として他のリハビリ病院へ転院とならざるを得なかった.脱臼や再手術による精神的な負担が大きく,混乱が生じやすい中での転院はA氏にとって,「この病院から追い出されてしまう」といったマイナスな気持ちを抱かせたのではと思われた.積極的にリハビリや自主練習に取り組んでいたA氏にとっては,見慣れたスタッフや慣れた環境で生活を送れることに安心感を抱いたり,日常生活への意欲もわいていたのではないかと考えた.この点をふまえると,A氏にとっての看護師やリハビリスタッフの存在は自分の気持ちを共有でき,心情の理解者として位置づけられていたと思われた.決められた入院期間内に,A氏が目標とするゴールに向けた介入で必要とされたことは,段階的な目標を立案して,一つずつ達成していき,成功体験を積み重ねることで自信をつけ,退院を迎えることが重要であると考えた.

結論

パーキンソン症候群が既往歴にあるTHA後の脱臼リスクの高さを念頭においた介入では,退院後のADLを見据えた段階的な介入が重要であり,患者の脱臼に対する理解度や理解度に応じた実際の行動を把握し,その都度フィードバックすることで患者の意欲向上につながっ‍た.

また退院に向けたポジティブな気持ちがある一方で,脱臼への不安や焦りなどのネガティブな気持ちを抱きながら入院生活を送っている.入院期間の短縮化が進められている昨今,早期から退院に向けた介入を行い,脱臼予防としての身体面ばかりをフォーカスするだけではなく,日々揺れ動く患者の気持ちを汲み取り,精神面でのサポートも看護師の重要な支援の一つであると考えた.

利益相反

発表内容に関連し,開示すべき利益相反はない.

謝辞

本論文の執筆にあたり青山芽久師長,村上洋子主任の指導に感謝する.

本研究の一部は京都岡本記念病院の研究発表会(2025年1月18日),京都府看護協会(2025年1月25日)で発表した.

文献
 
© © 2025 Social Medical Corporation, Okamoto Hospital
feedback
Top