Nihon Shishubyo Gakkai Kaishi (Journal of the Japanese Society of Periodontology)
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
Original Work
Analysis of a Questionnaire Survey Administered to Determine the Periodontal Condition
Shuntaro SugiharaNorio AoyamaYuichi IzumiMasato Minabe
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2018 Volume 60 Issue 4 Pages 183-191

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要旨

歯周病は罹患率の高い感染症であるが,歯周病を有していながら患者にその自覚がなく,治療を適切に行えていないケースも多くあるものと考えられる。初期の歯周病の段階から病態を把握できれば,その後の治療と予防において非常に有用である。以上のことから,本研究の目的は,歯周病の状態を把握するためのアンケートでの適切な聴取方法を検討することである。

本研究の被験者として,2012年から2015年に東京医科歯科大学医学部附属病院循環器内科病棟に入院した循環器疾患患者990名を対象とした。患者に対し,自己申告のアンケートにより,歯周組織の状態を評価させた。さらに,口腔内検査として,プロービングポケット深さ(PPD),クリニカルアタッチメントレベル(CAL),プロービング時の出血の有無(BOP)を測定した。

結果として,「あなたは歯肉の病気があると思いますか?」,「歯がぐらぐらしていると感じたことはありますか?」,「歯科医療者に歯の周りの骨が減っていると言われたことがありますか?」という設問に対し,「いいえ」と答えた患者群と比較して,「はい」と回答した患者群において統計学的有意にPPD,CAL,BOPの数値が高かった。また上記の設問で「はい」と答えた患者群では,4 mm以上の歯周ポケットを有する者が多かった。

今回の調査から,歯周病患者をスクリーニングするのに有効な設問が示唆された。

緒言

歯周病とは,歯周病原細菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患である1)。最新の歯科疾患実態調査2)から,わが国での4 mm以上の歯周ポケットを持つ者の割合は高齢になるにつれ増加しており,総数で見ても前回調査より増加傾向にある。また歯肉出血を有する者の割合は15歳以上の年齢階級で30%,30歳以上55歳未満で40%を超えている。このように,各年齢階級において歯周組織に何かしらの問題を抱えている人数の割合が増えている。また,8020推進財団の報告3)によるとわが国の歯の喪失の原因は歯周病が42%とされている。以上のように,歯周病は非常に罹患率の高い感染症であり,今後もさらに歯周病に罹患する患者が増加すると考えられ,わが国においても治療と予防が不可欠である。

しかしながら,本来は治療すべき歯周病を有しながら,歯科受診をしていない潜在的な患者も多くいるものと考えられる。その最大の原因は,歯周病が自覚症状に乏しい疾患であるということが挙げられる。近年,歯周病原細菌の感染が全身に影響する可能性があることや,歯周病に由来する恒常的な菌血症が指摘されている4-6)。上記のような潜在的な歯周病患者に対し,歯周病の状態を把握することは重要であるが,一方で歯科医療機関での検査以外に一般市民が歯周病を認識する機会は少ない。歯周病の症状を自覚したときにはすでに重度に進行した歯周炎であることが多く,抜歯を避けられないケースが現実的に多数見受けられる。

疼痛や著しい動揺などの強い自覚症状が出る前の,軽度ないしは中等度の段階で歯周炎の存在を把握することができれば,治療と予防の観点から非常に有用である。本研究の目的は,歯周病を把握するために適切なアンケートでの聴取方法を検討することである。

材料および方法

本研究の被験者として,2012年5月から2015年8月に東京医科歯科大学医学部附属病院循環器内科病棟に入院した循環器疾患患者のうち,以下のデータのそろっている者990名を対象とした。なお,本研究は東京医科歯科大学医学部附属病院倫理審査委員会(1165番)および歯学部附属病院倫理審査委員会(744号)の承認を受けて実施した。

被験者の年齢,性別,喫煙の有無を調査した。表1に示すような患者に対する医療面接用データシートを元に,口腔の状態および治療経験の有無について調査した。

入院患者に対し,ベッドサイドで口腔内検査を実施した。口腔内検査として,欠損歯数の計測を行い,被験歯でのプロービングポケット深さ(PPD),クリニカルアタッチメントレベル(CAL),プロービング時の出血の有無(BOP)を測定した。プロービングは,歯周プローブ(15 UNC Color-Coded Probe,Hu-Friedy,USA)を用い,0.2-0.25Nの軽圧にて代表被験歯の全周を6点法に基づき検査した。代表被験歯として,上顎左右第一大臼歯,上顎右側中切歯,下顎左右第一大臼歯,下顎左側中切歯を用いた。さらに,Community Periodontal Index(CPI)を判定した。CPIはプロービングにより,健康な歯肉の状態をスコア0,BOPを認める場合をスコア1,歯石を視認または探知した場合をスコア2,4-5 mmの歯周ポケットを認めた場合をスコア3,6 mm以上の歯周ポケットを認めた場合をスコア4とした。上顎の右側大臼歯,前歯,左側大臼歯,下顎の右側大臼歯,前歯,左側大臼歯の6つのエリアでCPIを判定し,そのうち最大の値を被験者の最大CPI値として評価した。

統計分析の方法として,各質問の回答別に,欠損歯数,平均PPD,平均CAL,BOP陽性率について一元配置分散分析及びTukey-Kramer検定を用いた。有意水準5%以下を有意とした。統計解析にはJMP(Ver. 9.0.3,SAS Institute Japan,東京)を用いた。特記なき場合は,平均値±平均の標準偏差で表記した。

表1

口腔の状態アンケートにおける質問項目

全ての質問に対し,回答は「1.はい 2.いいえ 3.わからない」の3つから選択するものとした。

結果

2に被験者全体の特徴を示す。被験者全体で990名であり,そのうち女性が272名,男性が718名であった。平均年齢は64.4歳で,分布としては60歳代が最も多かった。欠損歯数の平均は11.1本であり,無歯顎者は57名含まれていた。被験歯における平均PPDは2.41 mm,平均CALは3.01 mmで,BOP陽性率の平均値は16.2%であった。最大CPIはスコア3の者413人と最も多く,続いてスコア4,スコア2,スコア0,スコア1の順であった(表3)。

4に,表1における設問1(あなたは歯肉の病気があると思いますか?)に対する回答ごとの口腔指標を示す。設問に対し「いいえ」と答えた患者群と比較して,「はい」と回答した患者群において有意にPPD,CAL,BOPの数値が高かった。欠損歯数は,「はい」と答えた患者群で「いいえ」と答えた患者群と比べて有意に少なかった。図1に,設問1への回答別の群ごとでの,最大CPI値の分布を示した。設問1で「はい」と答えた患者群ではCPIがスコア3・4の者が74.3%であり,「いいえ」患者群でCPIスコア3・4の者(43.9%)よりも多かった。

5に,表1における設問2(これまでにSRPを受けたことがありますか?)に対する回答ごとの口腔指標を示す。「いいえ」と答えた患者群に対し,「はい」と回答した患者群において,有意にCALの数値が高かった。図2に,設問2への回答別の群ごとでの,最大CPI値の分布を示した。設問2で「はい」と答えた患者群ではCPIがスコア3・4の者が64.5%であり,「いいえ」患者群でCPIスコア3・4の者(54.4%)よりも多かった。

6に,表1における設問3(歯がぐらぐらしていると感じたことはありますか?)に対する回答ごとの口腔指標を示す。「いいえ」と答えた患者群に対し,「はい」と回答した患者群において,有意にPPD,CAL,BOPの数値が高かった。欠損歯数は,「いいえ」と答えた患者群で「はい」と答えた患者群と比べて有意に少なかった。図3に,設問3への回答別の群ごとでの,最大CPI値の分布を示した。設問3で「はい」と答えた患者群ではCPIがスコア3・4の者が70.6%であり,「いいえ」患者群でCPIスコア3・4の者(53.0%)よりも多かった。

7に,表1における設問4(歯科医療者に歯の周りの骨が減っていると言われたことがありますか?)に対する回答ごとの口腔指標を示す。「いいえ」と答えた患者群に対し,「はい」と回答した患者群において,有意にPPD,CAL,BOPの数値が高かった。欠損歯数は,「いいえ」と答えた患者群で「はい」と答えた患者群と比べて有意に少なかった。図4に,設問4への回答別の群ごとでの,最大CPI値の分布を示した。設問4で「はい」と答えた患者群ではCPIがスコア3・4の者が68.7%であり,「いいえ」患者群でCPIスコア3・4の者(56.0%)よりも多かった。

表2

被験者の特徴

表3

被験者全体での最大CPI値

表4

設問1の回答ごとの歯周病の状態比較

各指標に関して,a,b,cでそれぞれ表記される数値間には,統計学的な有意差を認めた。

図1

設問1の回答ごとの最大CPIの分布

設問1に対し,「はい」「いいえ」「わからない」と答えた被験者の最大CPI分布を示す。

表5

設問2の回答ごとの歯周病の状態比較

各指標に関して,a,bでそれぞれ表記される数値間には,統計学的な有意差を認めた。

図2

設問2の回答ごとの最大CPIの分布

設問2に対し,「はい」「いいえ」「わからない」と答えた被験者の最大CPI分布を示す。

表6

設問3の回答ごとの歯周病の状態比較

各指標に関して,a,b,cでそれぞれ表記される数値間には,統計学的な有意差を認めた。

図3

設問3の回答ごとの最大CPIの分布

設問3に対し,「はい」「いいえ」「わからない」と答えた被験者の最大CPI分布を示す。

表7

設問4の回答ごとの歯周病の状態比較

各指標に関して,a,bでそれぞれ表記される数値間には,統計学的な有意差を認めた。

図4

設問4の回答ごとの最大CPIの分布

設問4に対し,「はい」「いいえ」「わからない」と答えた被験者の最大CPI分布を示す。

考察

本研究は,歯周病の状態を把握するために適切なアンケートでの聴取方法を検討することを目的として,設問別に歯周病の進行に違いがあるか解析を行った。これまでにアンケートによる質問と歯周組織の状態との関連を評価した報告はいくつかあるが7-12),その中でも本研究は比較的多くの日本人の被験者を対象とした報告である。

今回の調査では被験者の平均年齢は64.4歳であり,表3より最大CPIのスコアが3以上の被験者が60%という結果であった。これは,直近の平成28年度歯科疾患実態調査の結果である,歯周ポケット4 mm以上を有する者の割合が60-64歳で57.9%,65-69歳で60.5%と近似していた。このことより,本研究の被験者の歯周組織の状態は一般的な日本人のデータに近いものであると言える。ただし,厚生労働省の平成26年の患者調査の概況13)によると,歯周疾患罹患率は男性よりも女性に多いとされている。本研究は循環器疾患患者を対象としたため被験者に男性が多いが,一般化する際には注意を要する。

4-567のアンケートの結果,平均PPD,平均BOP,平均CALなどの歯周病の状態を比較すると「はい」と答えた者と「いいえ」と答えた者で差が出た設問は表1の設問1,3,4であり,これらの設問は歯周病の状況を確認するにあたり有効である可能性が考えられる。一方,設問2に関しては臨床的な歯周病指標の差が大きくなかった。

今回の質問で「わからない」という回答が多かったのは設問1(23%),設問4(11%)の順であり,設問2(6%),設問3(3%)は他の質問に比べて少なかった。これは設問2,3が設問1,4に比べて被験者にとって答えやすかったと考えられる。特に設問3は「わからない」の割合が最も少なく,他の質問に比べ有効性が高いと思われる。なお,設問2では「SRP」という専門的な用語も含んでいるが,実際に被験者から質問を受けた場合には,検査者はSRPを「歯科医院における歯石の除去」などと平易な表現に言い換えて説明を行った。設問について確認ができる環境かできない環境かにより,結果の解釈やアンケートの文面の評価は異なってくる。

12344より,CPIのスコア3または4の被験者割合について,回答別で最も大きな差が見られたのが設問1(30.4%)であった。このことから歯周ポケット4 mm以上の歯周炎を有する人のスクリーニングには設問1が最も有効であることが考えられる。設問2,3,4でも差はあったものの10-20%程度であり,設問1ほど顕著な差は認められなかった。

セルフレポートによる歯周病のスクリーニングは過去にも報告がある。Carraら7)によるとセルフレポートは集団レベルにおいて重度歯周病をスクリーニングするのに有用であると示している。Myersら8)はセルフレポートが口腔疾患のリスクのある集団を検出する効果的な方法であるとしている。

Yamamotoら9)が50歳から59歳の男性警察官250人に対し歯周病や治療既往に関する質問を行っている。その結果として,「現在喫煙している,もしくは喫煙したことがある」,「歯肉から出血することがある」,「以前より歯ぐきが伸びたように感じる」,「歯周病の治療が必要と言われたことがある」という4つの質問において,その解答と歯周病との間に有意な関連があるとしている。Ekeら10)がセルフレポートによるスクリーニングは歯周病の診断を行う上で費用対効果が高いと報告している。特に「自分で歯周病があると思う」,「歯と歯ぐきの健康をどの程度重視しているか」,「歯を支える骨が溶けていると歯科で言われたことがある」,「ここ1週間で歯みがきのときにデンタルフロスを何回使用したか」という質問への回答に対して歯周病と有意に関連があると解析している。山本ら11)は歯科検診に来た患者に対しセルフレポートによる研究を行っており,「歯がぐらぐらするか」という質問に対する「はい」という回答とCPI高値とに相関関係があったと報告している。また,値賀ら12)は妊婦におけるセルフレポートの研究を行っており「歯みがきのとき歯ぐきから出血することがある」という質問が歯周病と有意な関連があったとしており,「ぐらつく歯がある」という質問がCPIの高値の者と高い関連性があるとしている。

このように今回の報告と一致する過去の文献もある一方で,日本口腔衛生学会疫学研究委員会のレビュー14)によると「歯がぐらぐらするか」という質問に関しては歯周病と有意な関連が認められなかったとされており,本研究結果と相違がある。中村ら15)は,20歳から71歳までの243人の歯科医院に来院した患者にセルフレポートによる調査を行っているが,「歯がぐらぐらするか」という質問と歯周病との関係性は少ないとしている。また中島ら16)は1,333名の中高生を対象にセルフレポートによる調査を行っており,やはり「歯がぐらぐらするか」という質問と歯周病との関係を認めなかった。しかし,これらの文献に関しては本研究よりもサンプルサイズが小さいものや,被験者が未成年であるなどの違いがあることから比較には注意を要する。本研究の方が多人数の日本人のデータを用いていることから,一般の日本人の母集団を近似できているかもしれない。

最新のセルフレポートに基づく歯周病評価について,藤友ら17)の報告がある。著者らは歯周病患者50名と非歯周病患者51名を対象として,歯周病で観察される症状の有無をアンケートにより調査した。その結果として,歯周病のリスクを予測できる因子として,年齢,歯肉の腫れ,歯の動揺,プラークと歯石,口臭および掻痒感を認めたとしている。この結果は本研究結果ともおおむね一致するものである。しかしながら,著者らは考察において,歯科疾患実態調査の被験者と比べて研究の被験者の年齢が日本の一般人口の分布とは乖離があることを指摘している。また,国外での最新の報告としては,Carraら7)の論文がある。著者らは複数の設問事項から,有効性の高いいくつかの質問をピックアップしている。有効な質問として,「歯肉の健康」,「歯周治療の既往」,「歯の動揺」,「骨の喪失」,「見た目の歯の状態」を挙げている。これらは本研究で設定した設問ともほとんど共通していると考えられる。しかしながら,言語の違いに基づく表現やニュアンスの違いには注意を要する。このため,国内外の報告と比較を行うことが有効であろう。

本研究の限界として,次のような事項を考慮する必要がある。ひとつ目には,歯周病検査を歯科チェアではなく医科のベッドサイドで行っているため,歯科検査結果の正確性に限界があると考えられる。また,検査者間でのキャリブレーションが行われていないため,検査のばらつきの可能性が否定できない。ただし,日本歯周病学会認定の歯周病専門医,認定医(計3名)が検査していることから,ある程度の質が担保されているものと考えられる。さらに本研究の被験者は循環器内科病棟に入院している患者であるという特徴があり,注意が必要である。歯周病と循環器疾患の関連を考えた際,内科診療において口腔清掃の必要性を指摘されているなど,歯周病管理についての意識が高い集団である可能性がある。これらの事項は,本データを一般化して考えるにあたり考慮すべき点であると言える。

本研究において,設問項目は4項目に限定している。その理由として,まず,これまでに述べた通り既報からこれらの4つの設問は歯周病患者を把握するのに効果的である可能性が高いということが挙げられる。また,採用した設問は,今後アンケート用紙による聞き取り,あるいは医師や医療施設においても使いやすいことを念頭に置き,設定を行った。したがって,質問文がなるべく短く,それでいて理解しやすいことを意識した。さらに,質問数が増えるほど,回答への集中力の低下などから不適切な回答が増えてしまうリスクを考慮して,本研究においては限定した設問数とした。三辺ら18)の報告では,歯周病リスク診断のための複数の質問項目を検討している。その中で,「歯ぐきが変色したり,腫れていますか?」,「グラグラして硬いものが食べにくいですか?」,「若いころに比べ歯が長く伸びたように見えますか?」,「よく噛んで食べますか?」,「歯科医に歯周病だと言われたことがありますか?」の5項目が最適な統計モデル項目としている。これらの結果は,我々の研究結果とも類似しており,自覚的な歯肉の所見,歯の動揺,そして歯科医療者からの歯周病の指摘が共通している。このことから,本研究では少数の質問項目しか用いていないものの,過去の研究からも妥当性の高い質問を選定しているものと考えられる。

本研究におけるアンケートの目的として,歯周病を把握するために適切なアンケートでの聴取方法を検討することとしている。すなわち,疼痛や著しい動揺など顕著な自覚症状が出る前の歯周病患者をもスクリーニングすることを目標としている。自覚症状が全くない場合は歯周病検査以外で有病者を把握することは困難であるが,歯科受診行動につながるほどではないものの,多少の自覚症状がある患者に対して歯周病の可能性を気づかせることができれば,アンケートの価値は高いと言える。

自己申告によるアンケート結果に対してはその正確性にそもそも注意が必要である。Maiら19)は,閉経後の女性を対象として身長や体重,Body Mass Indexについてセルフレポートによる評価と実際の値とを比較している。この研究結果から,43.9%の被験者が誤った数値を自己申告していたことが明らかになった。したがって,セルフレポートによる調査には潜在的に誤差が生じる可能性があると考えないといけない。対象とする値は異なるとはいえ,本研究においてもこのようなセルフレポートの含み持つ問題点には気を付けるべきである。

現代の日本における問題点として,一般人が歯科医療機関を受診する以外に歯周病を認識することが非常に難しいということが挙げられる。本研究で設定した各設問のようなシンプルな質問項目にしぼって一般の生活の場面において活用し,歯周病の有無や状態を自覚してもらうことが重要であると考えられる。

結論

今回の調査により,設問「あなたは歯肉の病気があると思いますか?」,設問「歯がぐらぐらしていると感じたことはありますか?」,設問「歯科医療者に歯の周りの骨が減っていると言われたことがありますか?」は歯周病患者をスクリーニングするのに有効であると示唆された。

謝辞

本研究の実施にあたりご指導,ご協力賜った,東京大学先端臨床医学開発講座の鈴木淳一先生,東京医科歯科大学循環制御内科学分野の磯部光章先生および医局員の先生方,東京医科歯科大学歯周病学分野の医局員の先生方に深く感謝申し上げます。

今回の論文に関連して,開示すべき利益相反状態はありません。

References
 
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